11・12修斗環太平洋王座決定戦 フェザー級は石橋、ライト級は高橋が戴冠
プロフェッショナル修斗公式戦「環太平洋ダブルチャンピオンシップ」が12日、東京・後楽園ホールで開催された。
2つの環太平洋王座決定戦が行われ、フェザー級は石橋佳大が岡田遼を3R2分30秒、スリーパーホールドで破り王座を獲得した。
試合は1Rから石橋が左ミドルで積極的に前へ。岡田がパンチで応戦すると、それに合わせ石橋はタックルでテイクダウンを狙う。石橋は首相撲からの膝蹴りを多用。岡田も応戦し打撃戦となるが、石橋はすきをついては何度もタックルでテイクダウンを狙う。岡田はケージへ押し込まれても、エルボーや体勢を入れ替え逆に押し込むなど、反撃に転じるが、1R終盤、すぐに立たれはしたがついに石橋がテイクダウンを奪う。2Rには石橋がテイクダウンからバックを奪いスリーパーを仕掛け、ラウンド終盤には岡田の飛びヒザを交わした石橋がパウンドで攻め込むなど徐々に石橋がペースをつかむ。
激しく動き回る両者だがスタミナが切れる様子もなく、試合は最終3Rへ。
3Rは開始早々から石橋がラッシュ。右アッパー、左ストレートで岡田をぐらつかせると右フックでダウンさせ、パウンド。一度は組みついてスタンドに戻した岡田だったが、石橋が再度タックルから、バックマウントを奪い、パウンド。そしてついにチョークスリーパーに捕らえる。岡田は動いて脱出を図るが、石橋ががっちり絞めあげると、うつぶせの状態で無念のタップ。
石橋は「格闘技を初めて13年、今のジムに入って10年、真面目にやってきたわけじゃなく、サボったこともありますけど、トレーナーに引っ張ってもらい、ここまで来ました。いいことばっかりじゃないけど、こうやっていると、たまにいいことがあると思いました。勝っても負けてもいい勝負と言われてきましたが、これからもチャンピオンらしくないチャンピオンでやります」と話した。
ライト級は高橋遼伍が平川智也を2R2分1秒、KOで下し、初戴冠を果たした。
平川は1Rから足を使って高橋の周りを回ると、踏み込んでのフックを当てていくが、高橋は強烈な右インローで牽制。高橋はそのロー、パンチ、ミドルなどでダメージを与えていく。平川がタックルに活路を見出しにいくが、高橋は潰して、パウンドの連打。なおもバックを取ってパウンドの連打。平川はガードするものの、動きが止まり、レフェリーが止めるが、ラウンド終了のブザーが鳴っており、試合は続行。
平川は2Rにパンチをしのぎタックルでテイクダウンを奪って見せたが、1Rのダメージが大きかったか、キープならず。スタンドに戻した高橋が、再度タックルを狙った平川にミドルを合わせ、最後は右フック。平川がダウンしたところでセコンドの五味隆典がタオルを投入した。
第3代世界バンタム級王者の漆谷康宏が5年ぶりに修斗参戦。そして2016年度同級新人王&MVPの田丸匠と戦うという究極の世代交代マッチは田丸が1R4分48秒、腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めた。
漆谷はパンチで田丸の左まぶたをカットするなど、序盤はらしさを見せたが、田丸はパンチからのタックルから足を払ってテイクダウンに成功するとサイドからバックを奪い、バックからパンチ。防御する漆谷の右腕を取ると電光石火の腕十字を決め、タップを奪った。
田丸は「漆谷選手はランカーの中で一番強いでしょう。来年はタイトルマッチをやらせてください」とアピール。
一方の漆谷は「負けた選手がマイクを持つのはダメなんですけど」と前置きしたうえで、「田丸選手強かったです。絶対上に行ってください。田丸選手に勝ったらチャンピオン目指そうと思ったんですけど、ぶざまな戦いでした。これで引退したかったんですけど、あと1試合だけやらせてください。潔くあと1試合で引退します。次は誰でもいいです」と話した。
また前回の後楽園ホール大会で石橋と激闘を繰り広げたものの敗れ、その後所属ジムを離れフリーとなった安藤達也がアメリカのケビン・クルームと対戦。2R3分13秒、チョークスリーパーでレフェリーストップ勝ちした。
1Rにクルームにバックを許し、おんぶ状態からのチョークを狙われ、ラウンド終了時には三角絞めを許すなど、ピンチの連続だったが、2Rにクルームのタックルに右アッパーを合わせぐらつかせるとパンチの連打から最後はがっちりスリーパーホールドを決め、絞め落とした。
この日は第5代世界バンタム級王者の菅原雅顕の引退セレモニーが行われた。菅原は「修斗という最高の舞台で、最高のライバルたちと試合ができた時間は私にとって大きな財産です。みなさんからのたくさんの声援をいただいたことはすごい宝物です。本当にありがとうございました。菅原雅顕は本日をもって現役を引退いたします。今後は指導者として新たな道を歩みます。長い間、本当にありがとうございました」と挨拶。そして10カウントゴングを聞いた。