鎮魂と復興を願い、東北の六大祭りが虎ノ門に集結

東日本大震災が起きた2011年から、鎮魂と復興を願い東北6県で開催されてきた『東北六魂祭パレード』が、東京・虎ノ門の大通りに出現。高層ビルを背に、東北の伝統文化が東京を魅了した。

1. パレードの先陣を飾ったのは秋田竿燈まつり。ビルの合間に次々と燈籠が高くそびえ立った  2.青森ねぶた祭といえばねぶたの迫力ある練り歩き。都会の目抜き通りを行くねぶたの迫力に観客も大歓声  3.あでやかな衣装の踊り手たちが華麗な舞を披露した山形花笠まつり  4.リズミカルな踊りで観客の手拍子を誘った仙台七夕まつりのすずめ踊り 

 新橋と虎ノ門を結ぶ新虎通りを中心に、虎ノ門ヒルズや周辺の店舗などが舞台となる『TOKYO SHINTORA MATSURI(東京 新虎まつり)』が19、20日に開催された。「東北×東京」と「伝統×革新」をテーマに、東北と東京の文化を伝える催しなどを開催。中でも目玉となったのが20日に新虎通りで行われた東北六魂祭パレードだ。東北六魂祭パレードは、まさに東日本大震災の鎮魂と復興を願って誕生したイベント。東北の6つの祭りが一堂に会して壮麗な祭り行列を披露するもので、地元民はもちろん国内外の観光客も多く訪れていた。2011年から1年ずつ、6大祭りの各地元を巡り、今年ついに最後の地・青森で開催。6県を一巡し終え今回、東京・虎ノ門でのパレード開催が企画された。東北に住んでいる人でも、6大祭りすべてを見たことが無い人は多いとあって、参加応募者も殺到。当日は国内外のメディアも数多く駆け付けた。

5.青森ねぶた祭の踊り手“ハネト”も高層ビルをバックに躍動  6.約7メートルの大わらじを担いだ男たちが勇ましく練り歩いた福島わらじまつり  7.太鼓、笛、唄、そして踊り手が躍動感あふれる演舞を披露する盛岡さんさ踊り

 パレードの出発式に出席した小池百合子東京都知事は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックは“復興五輪”。東京と東北が一体となって東北復興と五輪の成功を成し遂げられるよう、その取り組みの第1歩になる」とあいさつした。

 新虎通りの両歩道から多くの観客が見守る中、いよいよパレードがスタート。秋田竿燈まつりの笛の音が始まりを告げると、通りいっぱいに広がった燈籠が次々とそびえ立ち、その壮観な様相に会場から大きな歓声が沸き起こる。続いて盛岡さんさ踊り、山形花笠まつり、仙台七夕まつり(仙台すずめ踊り)、福島わらじまつり、青森ねぶた祭が続き、次々と個性豊かな演舞を披露。都会のビルを背景に東北の伝統の祭り行列が練り歩く、非日常的な光景に多くの観客が酔いしれていた。

 新虎通りは、2020年のオリンピック・パラリンピック開催時に、選手村と会場を結ぶ道路として利用される予定。このパレードを通して、日本の伝統文化の豊かさ、復興と大会成功への意気込みを世界へ発信できたはずだ。

【写真左】パレードの出発式には、小池百合子東京都知事、丸川珠代東京オリンピック競技大会・パラリンピック競技大会担当大臣らも出席【写真右】復路はすべてのパレードが入り乱れ、混然一体に