12・9 WRESTLE-1 河野がイケメン返り討ち。若手軍は全滅
プロレスリングWRESTLE-1の「WRESTLE-1 TOUR 2016 SHINING WINTER」後楽園ホール大会が9日開催された。
今年最後となる後楽園大会は全7試合中4試合がタイトル戦という豪華版。それ以外も芦野祥太郎の復帰戦、そしてDRAGON GATEから鷹木信悟が参戦し武藤敬司と6人タッグを結成するなど見どころの多い大会となった。
WRESTLE-1のリングはこの秋から世代闘争が勃発。10月の後楽園大会で若手軍とベテラン軍の「5対5イリミネーションマッチ」でベテラン軍が勝利を収めるとその勢いをかって11月の後楽園大会では河野真幸がWRESTLE-1チャンピオンシップ王者の稲葉大樹を破り王座に就くなど、ケンカを売られた格好のベテラン組が徐々に盛り返す。そんななか、若手軍はチーム名を「NEWERA」と改め、この日を迎えた。
タイトル戦は4試合とも世代闘争を反映したマッチメーク。
メーンは王者・河野に黒潮“イケメン”二郎が挑戦する「WRESTLE-1チャンピオンシップ」。イケメンは直近の直接対決では丸め込みながら河野にピンフォール勝ち、自らのプロデュース大会でスペル・デルフィンに勝利、そして全日本プロレスの両国大会に乗り込み「GAORA TV王座」を奪取するなど上げ潮ムード。この日も入場からいつものイケメンワールドを展開。観客席を練り歩きながらたっぷり時間をかけて入場し、ファンの気持ちをがっちりとつかむ。
試合も河野のシビアな攻撃を受けながらも、これまでにない動きを見せ反撃。
河野がチョークスラムで場外に投げ捨てようとすると、その右腕をぶら下がり式の三角絞めにとらえダメージを与える。終盤にもチョークスラムを飛びつき式腕十字に、そしてアームドラッグから変形の裏十字固めにとらえあわやギブアップの場面を作り出す。かつての師匠・船木誠勝のフィニッシュホールドであるハイブリッドブラスターまで繰り出し河野を追い込むが、最後は河野のランニングニーを顔面にまともに食らい、とどめのフライングニードロップで3カウントを許した。
試合後、河野は「今日は俺の勝ちだ。NEWERA、新しいチームになった日にベルトなしか。ベルトは全部こっちじゃねえか。考え方が甘いんだ。俺たちがちょっと本気を出したらこれ。これが現実」と切って捨てた。
一方NEWERA総出での会見でイケメンは敗戦の責任を背負い「やめます。今の俺にWRESTLE-1でできることはない。今日を持って僕はWRESTLE-1を一度離れます」と一度は弱音を吐いたものの、吉岡の「一朝一夕でうまくいくわけがない。これからみんなで(ベルトを)取り戻していけばいい」という言葉で気を取り直し、土肥の「一からやっていくしかない。俺らでWRESTLE-1を変えようって始めたんだから、しみったれた顔しないでやっていこう!」との言葉に「もう1回だけやる!」と改めて決起。次の対戦でのリベンジを誓った。
「WRESTLE-1タッグチャンピオンシップ」は王者カズ・ハヤシ、鈴木鼓太郎組に土肥孝司、熊ゴロー組が挑戦。11月の後楽園大会で征矢学、葛西純組を破り、この挑戦にこぎつけた土肥組だったが、パワーでは勝るものの、随所で若さを露呈。最後はカズがパワープラントで熊ゴローを沈め、王者組が防衛に成功した。
「WRESTLE-1クルーザーディビジョンチャンピオンシップ」は王者・児玉裕輔のMAZADAが挑戦。MAZADAはいつもの東京愚連隊やREAL DESPERADOとの戦いとは一味違う試合を見せる。正田落としで児玉が首にダメージを追うとみるや、首に一点集中攻撃。最後はリストクラッチ式のリバース正田落としから変形正田落としで3カウントを奪い、新王者となった。ベテランの引き出しの多さを見せつけた格好となった。
「UWA世界6人タッグ選手権」は王者組の稲葉大樹、アンディ・ウー、吉岡世起組に近藤修司、葛西純、NOSAWA論外組が挑戦。近藤組は所属するチームがばらばらの越境軍。NOSAWAと葛西の連携がいまいちかみ合わない場面も見られたが、近藤が間に入り、徐々にフィット。最後は近藤が稲葉との卍固めをめぐる切り返しの攻防から強烈なキングコングラリアットを連発し、リーダーの稲葉から3カウントを奪い完勝した。
またスペシャル6人タッグでは武藤敬司、KAI、鷹木信悟組vs征矢学、火野裕士、KAZMA SAKAMOTO組の対戦が実現。武藤が集中砲火を浴び、あわやの場面も見られたが、最後はシャイニングウィザードを決め、KAZMAを沈めた。