せめてもの救いは当日券は毎回出ること「NODA・MAP第21回公演『足跡姫』〜時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)〜」

 1年ぶりのNODA・MAPの新作公演。今回は江戸時代を舞台に、「肉体を使う芸術、残ることのない形態の芸術」について描く。


 これは野田秀樹にとって盟友ともいうべく十八代目中村勘三郎へのオマージュとなる作品。

 勘三郎は2012年12月に57歳の若さでこの世を去った。野田は、その葬式の弔辞で坂東三津五郎が語った「肉体の芸術ってつらいね、死んだら何も残らないんだものな」という言葉が脳裏から離れず、いつかそんな話を書いてみたいと思っていたという。


 キャストも宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太という最近のNODA・MAPでは主役級の働きを見せる3人を一挙に投入。そして佐藤隆太、鈴木杏というNODA・MAP初出演の2人、実力派の池谷のぶえ、歌舞伎界からは、野田版歌舞伎で、勘三郎、野田との創作を共にしたことのある中村扇雀と“勘三郎へのオマージュ”というテーマを全うするにふさわしい強力な布陣となった。


 例のごとく物語が進むうちに、いろいろと気づかされることになるのだろうが、『足跡姫』というタイトルもそうだし、時代錯誤? 幽霊?と今回はいつも以上に想像力を刺激される言葉が並んでいる。


【日時】2017年1月18日(水)?3月12日(日)(開演は火木金19時、水土14時/19時、日14時。月曜と2月14日休演。※1月18日(水)は19時開演のみ。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前より発売開始)【会場】東京芸術劇場 プレイハウス(池袋)【料金】S席9800円、A席7800円、サイドシート5500円、特設シート(1階席に設置したハイチェア)9000円/高校生割引1000円(事前申込制、要学生証)【問い合わせ】NODA・MAP(TEL:03-6802-6681 [HP] http://www.nodamap.com/ashiatohime/ )【作・演出】野田秀樹【出演】宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太、佐藤隆太、鈴木杏、池谷のぶえ、中村扇雀、野田秀樹