3・3「Krush.74」小澤が-58kg王座防衛も「申し訳ない。出直すわ」
「Krush.74」(3月3日、東京・後楽園ホール)のメーンで行われたKrush -58kgタイトルマッチで、王者・小澤海斗が挑戦者ユン・チーを3R2-0の判定で破り、2度目の防衛を果たした。
小澤は1R中盤、右フックからパンチのラッシュ、飛びヒザで追い込み優位に試合を進めたものの、チーも重いパンチでで反撃。小澤はガードを固め、致命的な攻撃はもらわないものの、冷やりとさせられる場面も。結局ダウンを奪うことができず、判定でもジャッジ1人が29-29のイーブンに取るなど際どい勝利となった。
チーは昨年11月の「K-1初代フェザー級王座決定トーナメント」で武尊がKOで破っている相手。小澤としてはなんとしてもKOしたかっただけに、試合後のマイクでも「本当、申し訳ない。出直すわ。K-1のチャンピオンになれるように頑張ります。Krushの-58kg、俺が引っ張るんで応援よろしく。明日、土日ですが、こんなんでうまい酒は飲めないと思う。今日はつまんない試合してごめん。出直すわ」と反省モード。会見でも「1Rに一発効かせたけど行けなかった。パンチが強い選手だと思っていたけど、蹴りが早くて、蹴りの印象のほうが強かった。6月のK-1のさいたま大会で試合がしたいんで、それまで今回の悪い点を完全克服します」と試合を振り返った。
武尊はこの日、ひな祭りの「じゃんけん大会」企画で来場し、休憩明けの3試合をファン2人とリングサイド最前列で観戦。最初の2試合はファンと談笑しながらの観戦だったが、メーンではやや言葉少な。小澤のマイク中は口を真一文字に結び、耳を傾けた。
セミでは約2年半ぶりに木村“フィリップ”ミノルがKrushに登場。西川康平と対戦したが、1R2分12秒で西川がKO勝ちを収めた。
木村は昨年9月にRIZINでのMMAデビュー戦で、チャールズ・”クレイジー・ホース”・ベネットにKO負けを喫した以来の試合。この間、ウィラサクレック・フェアテックスジムで練習を重ね、いわば“リニューアル”しての一戦だった。
序盤から動きの良さを見せる木村は西川の蹴りに合わせ、高速の右フックでダウンを奪うなどウィラサクレックジムでのトレーニングの片鱗を見せる。しかし西川もひるまず打ち合いに出ると、最後は左のパンチからの右フックで木村を葬った。
最後は自分の足でリングを降りたものの、一時はタンカがリングに運ばれるなど木村は大きなダメージを受けた。
一方の西川は「絶対に僕が負けるって声が多かったんですがどうですか? BLUE DOG GYM所属一発目の試合で最高の結果を残せた。泥を塗らなくてよかったです」とアピールした。
現在4連敗中の元Krush -67kg王者・牧平圭太はKENJIと対戦。一発大物食いを目論むKENJIは1Rゴングと同時に積極的に仕掛ける。牧平は左のロー、ミドルでその勢いを止めにかかるが、KENJIは猪突猛進で距離を詰めてくる。KENJIのダメージが深くなるにつれ、組み合う場面が多くなり、牧平も乗り切れない展開が続くが、3Rに牧平の左ハイがKENJIの顔面に炸裂。この一発でKENJIの右まぶたがぱっくりと割れ、ドクターストップとなり、牧平が3R57秒でTKO勝ちした。
6月に行われる「第2代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」を占う意味もあった-70kg Fightの中島弘貴vs山崎陽一は2R2分、中島が飛びヒザ蹴りでKO勝ちした。2人は過去に2度対戦し1勝1敗。決着戦でもあったが、中島が地力の違いを見せつけた格好。
中島は試合後のマイクで「なんだかんだ、70kgの日本人で一番強いのは僕だと思っています。日菜太、城戸じゃないです。6月のK-1のトーナメントで必ず優勝してベルトを巻きます」と力強く宣言した。
武居由樹の持つ「Krush -53kg王座」への次期挑戦者決定戦、出貝泰佑vs軍司泰斗は3-0の判定で軍司が勝利を収めた。
また、今大会から始まった「Krush -60kg次期挑戦者決定トーナメント」は横山巧、大沢文也、闘士、島野浩太朗が勝ち上がり5月28日に行われる準決勝に駒を進めた。