3・24修斗 石橋がドロー防衛 田丸vs覇彌斗も激闘の末ドロー

1Rに石橋が膝十字であわやの場面を作る(撮影・蔦野裕)

「プロフェッショナル修斗公式戦」(3月24日、東京・後楽園ホール)のメーンで「環太平洋バンタム級チャンピオンシップ」が行われ、王者・石橋佳大に同級1位の佐藤将光が挑戦。試合は判定となり一人が30-29で佐藤を支持したものの残る2人が29-29をつけ0-1でドローとなり、石橋が初防衛を果たした。

 1R開始早々、石橋がヒザ蹴りから組みつくも、佐藤が逆にケージに押し込んでからテイクダウンに成功。パウンドを落とすが、石橋は下から膝十字固めを極め、あわやの場面を作る。しのいだ佐藤が上を取って強烈なパウンドとヒジで反撃。しかしその合間に立ち上がった石橋はラウンド終盤にテイクダウンに成功。石橋がパウンドを落とすと佐藤は下からヒジで応戦と互角の攻防を見せる。

佐藤(右)の強烈な打撃に石橋の顔がゆがむ(撮影・蔦野裕)

 2Rは佐藤がパンチで主導権を握る。テイクダウンにも成功しパウンドを落とすが石橋は下から腕十字の体勢に。嫌った佐藤はスタンドに戻すと石橋をケージに押し込み右ヒジを連打。この攻撃で石橋は右まぶたをカット。石橋は飛びつき腕十字を狙うも滑って失敗。またもパウンドを許すが、脱出すると逆にマウントを奪いパウンドの連打。ケージにもたれかかった佐藤にパンチの連打で反撃するが、両者が離れたところで、石橋の出血が激しいことからドクターチェックが入る。ややスタミナが切れ気味だった佐藤はここで体力を回復。再開後は距離を取って、2Rをしのぐ。

 ここまでジャッジが難しいラウンドが続き、勝負の3R。石橋はパンチから片足タックルで佐藤をケージに押し込むが膠着。しかしブレイク後にはパンチの連打からのタックルで今度はきっちりテイクダウンに成功。石橋はパウンドと鉄槌を落とすが、佐藤の下からのヒジで再び出血。膠着しては試合を止められ、ドクターストップの可能性のある石橋は動きを止めずにゴングまでパウンドと鉄槌を放ち続けた。

 防衛を果たした石橋は「佐藤選手は強かった。一本取って『RIZINに出たい』と言いたかったんですけど、もしRIZINに出たらもっと頑張るんで。大切な人を心配させてばかりで、綺麗に勝ちたかったんですけど、できなくて。佐藤選手強かったです」とRIZIN参戦をアピールした。

互角の戦いを見せた覇彌斗(左)と田丸(撮影・蔦野裕)

 セミファイナルではフライ級の新鋭2人、覇彌斗(同級世界2位)と田丸匠(同級世界4位)が対戦。メーンに引けを取らない激闘を繰り広げた末に引き分けた。

 1Rは田丸がパンチからケージに押し込むが覇彌斗は足を掛けてテイクダウンに成功。しかし田丸は下からのヒールホールド狙いから体勢を入れ替え、サイドを取ってパウンドからバックに移行しスリーパーを狙う。しっかりバックをキープし、パウンドとスリーパーを狙う動きで覇彌斗を翻弄。終盤には腕十字を取りに行き、クラッチを切れないとみるやがら空きの覇彌斗の顔面にパンチとヒジを打ち続け、1Rを制した。

 2Rはまず覇彌斗がテイクダウンに成功。しかし田丸がすぐに体勢を入れ替え上になるが、覇彌斗も隙を突いてすぐに上を取り返す。覇彌斗はハーフからマウントを奪い、パウンドを落とし、肩固めを狙う。最後は腕十字にも移行し、2Rを制した。

持てる力を出し尽くしてのドローに健闘を称えあう(撮影・蔦野裕)

 3Rは田丸のミドルキックをキャッチした覇彌斗がテイクダウンに成功するも、ここからポジションがめまぐるしく変化する展開に。覇彌斗が十字を狙うが、しのいだ田丸は下から三角絞め。レフェリーのキャッチサインが出る。田丸の下からのパンチとヒジで覇彌斗は出血するが、しのぐとタックルからテイクダウンに成功。サイドからマウント、バックと移行し、パンチを落とす。なんとかしのいでスタンドに戻した田丸だったが、覇彌斗はまたもタックルから上を取る。最後は立ち上がった田丸に覇彌斗がパンチを放つもゴングで試合が終わった。

 ジャッジは2人が29-29、1人が28-28のドロー。

 田丸は昨年11月大会で元世界王者の漆谷康宏に一本勝ち。覇彌斗は1月大会で前田吉朗に勝利。ともに実力者を撃破しての直接対決で、勝てば同級世界王者・扇久保博正への挑戦権をぐっと近づけることができたところだったが、そこはお預けか? しかしこの2人が今後の修斗のフライ級戦線の中心となっていくことを予感させる激闘だった。

【写真左】清水清隆(左)は大里洋志1R3分44秒、この右フックでKOした【写真右】魚井フルスイングは小蒼卓也を1R18秒でKO(撮影・蔦野裕)