世界を見つめて。山本桂輔展「地底の雲」

8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery 開催中?6月26日(月)
《じゃがいもになる》2017年 cKeisuke Yamamoto,

 彫刻と絵画という2つの領域を横断しながら作家活動を続ける山本桂輔の2年ぶりの個展。山本の作品では、植物や鉱物、天候などの自然界と、そこからイメージされた精霊めいた存在が同化し、見る者のイマジネーションをかきたてる不思議な世界が広がっている。とくに彫刻においては近年、捨てられたものやガラクタに親和性を見出しており、存在意義を失ってしまったモノたちを共存という形で再び“在るもの”へと蘇らせる試みとして、土着的要素の高い作品を制作。また今年4月に開催された草月創流90周年記念展「HANA SO」では、現代アート作家の一人として招待され、草月流家元・勅使河原茜とコラボ。その際に展示されたインスタレーション作品も大きな反響を呼んだ。

 本展では、昨年兵庫で開催された「六甲ミーツ・アート芸術散歩2016」で山中に展示された、六甲山の自然との対話の中から生まれた彫刻作品などを中心に、そこから派生した彫刻やドローイングなどを加え、新たな展示構成を展開。

 一見ファンタジックな異世界を想起させる山本の作品だが、それらは作家と現実世界との対話から生まれたもの。常に変化する世界と自分の関係性に真摯に向き合い、アートとしての表現を模索し続ける作家の思考に触れてみよう。

【時間】11?20時【休】会期中無休【料金】入場無料【問い合わせ】03-6434-1493【交通】渋谷駅駅直結。渋谷ヒカリエ8階【URL】 hikarie8@tomiokoyamagallery.com