6・16 SB 新旧エース対決は海人が鈴木に1RTKO勝ち
立ち技系格闘技シュートボクシング(SB)の「SHOOT BOXING 2017 act.3」(6月16日、東京・後楽園ホール)のメーンで行われた鈴木博昭vs海人戦で海人が1R2分18秒、ドクターストップによるTKO勝ち。新旧エース対決と銘打たれた一戦を制し新時代の扉を開けた。
実績的には大抜擢となる海人に対し、SB世界スーパーライト級王者の鈴木にとってはリスクしかないマッチメーク。しかし挑まれた以上は受けて立つのが王者の宿命。
前日計量の会見で両者がヒジありに合意したため急きょヒジありルールに変更。これが勝負を分けた。
鈴木は前戦で山口裕人にこのルールでKO勝ちしており「問題ない」という考えだったが、ヒジありルールは身長で上回る海人に有利に働いた。
1R序盤、海人は左フックから鈴木のガードのすき間から右の縦ヒジを叩き込み、鈴木の額をざっくりと切り裂く。即座にドクターチェックが入り一度は続行したものの、続く攻防で再度出血。2度目のドクターチェックでストップがかかった。
まさかの展開に鈴木はガックリとひざまずく。
海人は「シュートボクシング新エースの海人です。鈴木さんに勝ったけど本物のエースと言えるかまだ分からないので、65kgに強い選手はいっぱいいるんで、その人たちを倒して僕が本物のエースになります。ザカリアさんに負けているので、それまで勝ち続けてリベンジします」とアピールした。
試合後のインタビューでは「-65kgのベルトを取りに行きたい」と鈴木との再戦も視野に入っているよう。この日の第3試合でKO勝ちしたSB日本ライト級2位の西岡蓮太が王座挑戦を要求をしたことについては「62.5kgの減量はしんどくて、65kgでやっていきたいが、タイトルマッチって言われるんやったら落としてでもやろうかなと思います。全然負けないです」と話した。
またSB協会のシーザー武志会長は「海人と西岡を競わせたい。今、SBには10代後半から20代前半の若い選手がたくさんいる。2~3年後はSBはちょっと怖いことになりますよ」と若い世代の成長に目を細めた。
セミファイナルでは同時2階級制覇を狙うバンタム級王者の内藤大樹がフェザー級王者の深田一樹に挑戦。5Rを戦い切り深田が2-0の判定で内藤を返り討ちにし初防衛に成功した。
試合は序盤から内藤の蹴りが冴え渡る。右ロー、ミドル、ハイと多彩な蹴りで深田を追い込む。深田は手数こそ少ないもののパンチを中心に反撃。2Rには右ストレートで内藤をぐらつかせるなど一進一退の攻防を繰り広げる。ポイント的にはほぼ互角で迎えた4R。かさにかかって攻め込む内藤だったがその一瞬のスキを突いた深田が右ストレートを打ち抜くとまともに食らった内藤はダウン。
ダメージの残る内藤だったが、それでも反撃。5Rも最後まで2人は激しく打ち合った。判定はやはりダウンが効いて深田のものに。
試合後、深田は内藤に「うちの植山ともう一回やってほしい」と要請。返す刀で「僕もスーパーフェザー級でもやらせください。フェザー級のベルト賭けてもいいんで」と2階級制覇をアピールした。
この日は前SB日本スーパーウェルター級王者の坂本優起が再起戦に臨み、元MA日本スーパーウェルター級4位実績を持つ小林準と対戦。3R2-0の判定で勝利を収めた。
1Rから積極的に前に出て手数でも勝る坂本だったが、小林は重いローキックで坂本の動きを止めにかかる。それでも下がることなくパンチを放ち続けた坂本が際どい判定をモノにした。
坂本は今年2月に北斗拳太郎に敗れ、約4年間保持していた王座から陥落。北斗にはノンタイトル戦から3連敗となりがけっぷちに立たされていたが、今回の勝利でトップ戦線に踏みとどまった。