日本ラグビー界のレジェンド・吉田義人氏が自叙伝出版
自らのラグビー人生を綴った自叙伝『矜持』
日本のラグビー界において記録にも記憶にも残る名ラガーマンである吉田義人氏が自らのラグビー人生を綴った自叙伝『矜持』を出版。その出版記念パーティーが12月18日、都内で開催された。
パーティーは吉田氏と縁のある著名人から友人まで幅広いジャンルの出席者であふれ、改めて吉田氏の幅広い交友を感じさせた。
森ビル副社長の森浩生氏が「矜持は吉田さんの生きざまそのものを表した言葉」
最初に「吉田義人後援会」の会長で森ビル株式会社副社長執行役員の森浩生氏が挨拶に立ち、吉田氏との出会いを語る。そして今回出版された『矜持』について「矜持というのはプライドとか自尊心ということだが、それ以上に、レベルの高い人が自分のその地位における自尊心、あるいはやるべきこと。ノブレスオブリッジのような義務にチャレンジする、そういう人たちが感ずる、自分たちが果たさなければいけないことをやって、それを誇りに思って主張していく。まさに吉田さんの生きざまそのものを表しているのかなと思う。ラグビーを通じての吉田さんとの恩人との出会いとか、挑戦。そこにはもちろん成功もあれば挫折もある。挫折を乗り越えた成功体験とか、吉田さんの道を切り開く力が描かれている。まさに吉田義人の人となりが分かる本。また本の中には“本質と覚悟”という言葉が多く出てくる。今の世の中、人の意見に流される、もしくは人と違うことはやらないという時代。この本はまさに日本の社会に対する叱咤激励のメッセージだと思っています」などと語った。
政界からは「ラグビーワールドカップ2019日本大会成功議員連盟」の会長で前防衛大臣の中谷元氏、元神奈川県知事の松沢成文参議院議員、元衆議院議員の小林興起氏、、港区区議会議員の七戸じゅん氏、そして鈴木大地スポーツ庁長官が駆けつけた。
中谷氏もラガーマンであり、吉田氏とは家族ぐるみの付き合いという。中谷氏は「矜持という意味は奥が深い。自分のやっていることに自信を持って堂々と進んでいく。そしてその裏には侍精神がありまして、恥を知り、本当の勇気を持って、礼節を重んじるという、まさに吉田さんの生き方そのもの。ラグビーを通じてそういうことを実践されている。この本を読んで“矜持”という意味をしっかりと学びたい。今は侍セブンをはじめ、子供たちにラグビーを教えている。本当はラグビー協会がやらなければいけないことを吉田さんにやっていただいている。W杯まで2年を切った。何とか成功させなければいけないということで、これからもよろしくお願いします」と挨拶した。
鈴木大地スポーツ庁長官は「吉田さんの活躍を通じて2019年のラグビーワールドカップもさらに盛り上がって大成功に終わるといいなと考えております。私はラグビーはあまり関係ないと思われていると思いますが、実は父も息子もラグビーをやっておりまして、鈴木家としては私が例外。今いろいろなスポーツを見ておりますが、ラグビーはいつもいいスポーツだなって思っております。。2015年のW杯で日本代表が活躍しましたが、それも吉田さんたちのような先人の活躍があったからこそ。我々もスポーツ界のバディとして、これからラグビーも含めて盛り上げて、日本を“スポーツで元気になる”そういう国にしていきたいと思っております」と挨拶した。
大野均「矜持という言葉が持つ深い意味をかみしめながらW杯を戦った」
ラグビー界からは明治大学の前学長の納谷廣美氏、日本代表で共に戦った堀越正巳氏、明治大学で同期だった飯塚淳氏が出席。
納谷氏は明治大学ラグビー部の監督に吉田氏を招へいした人物。「明治が改革ができなくなっている時に、吉田君に来ていただいて抜本的な改革をしてもらった。吉田君は4年間で実質的に2回優勝している」などと監督時代の実績を高く評価。そして「これからは若い世代を育てて、指導者として矜持を持って活躍してください」と話した。
また東芝ブレイブルーパスで現役選手として活躍中の大野均も駆けつけ、「矜持という言葉は吉田さんが明治大学の監督になった時の記者会見で聞いて、“ああこういう言葉があるんだ”と思った。日本人として、矜持という言葉が持つ深い意味をかみしめながらW杯を戦わせていただきました。南アフリカに勝った試合、次の日、吉田さんがテレビで解説をしていたんですよね。イギリスと日本という違う地でしたが、世界のスーパースターの吉田さんと同じ時間を共有することができて、自分も幸せに思っています。これから2019年に日本でW杯が開催されますが、ここにいる皆さんが当事者意識を持ってW杯を盛り上げていきましょう」と挨拶した。