伝説のシューフィッターがトップアスリートの秘話を披露

 昨年9月にオープンした「TSUTAYA Conditioning」(東京・桜新町)のオープン1周年を記念し、伝説のシューフィッター三村仁司氏とスポーツコメンテーター千葉真子氏によるトークイベントが28日、同店で開催された。
 
 三村氏は、陸上競技をはじめ、さまざまな競技のトップアスリートのシューズを手掛け、あの「陸王」のモデルと言われる“伝説の”シューフィッター。アスリートからの信頼も厚く、千葉氏も「選手を導いて、 靴とともに伴奏してくださる」と語るほど。

 同イベントでは、有森裕子、高橋尚子、野口みずきらのシューズ制作時のエピソードの数々を披露。
 2000年、シドニーオリンピックの女子マラソンで金メダルに輝いた高橋について、「シドニーまで2カ月半の時点で、ベスト体重より13㎏オーバーだった。太ると足も大きくなるので、細かい調整を何度も重ね、シューズを作りました」と明かした。

 また、三宅氏はシューズを制作する際、必ず現地へ行ってコースの状況を下見すると言い「地面の硬さや接地面の材質をチェックします。緯度の高い所は地面が硬いし、例えばヨーロッパなどは、石畳だったりする。その隙間に引っかかったり、スリップしたりする可能性があるので、外国でも必ず行くようにしています」と述べた。

 そのほか、選手のランニングスタイル、左右の足の長さ、足首の柔軟性など、さまざまな条件を考慮しシューズを制作するという話にイベント参加者からは驚きの声が上がっていた。

 また、一般の人の靴選びのポイントもレクチャー。購入する時は必ず両足で試着し、片足で立ってみるなどシューフィッターならではのアドバイスや、革靴とスニーカーを買う時のサイズの選び方、外反母趾にならないための靴の履き方など、豊富な知識を披露。千葉氏も「私も知りませんでした」と感心していた。

 イベント終了後、参加者の中から抽選で1名に、オリジナルシューズが当たる抽選会が。実際に三村氏が計測し、その人の足にぴったりのオリジナルシューズを制作し、プレゼントするというなんとも贅沢な企画。当選したのは、最前列の真ん中に座って、熱心に話を聞いていた女性。素敵なクリスマスプレゼントになりそうだ。