小金翔がライト級王座獲得「上の舞台に立ちたい」【10・28 ZST】

小金のヒザが平にさく裂(撮影・星野雄飛)

平の突進をさばいて3-0の判定勝利
「ZST.62」(10月28日、神奈川・横浜大さん橋ホール)のメーンで行われた「ZSTライト級タイトルマッチ」で王者・平信一に小金翔が挑戦。小金が3-0の判定で勝利を収め、第3代王者に輝いた。

 平は2016年に王座決定トーナメントを制し王座に就いたものの、打倒ボブ・サップを掲げ、無差別級の戦いに身を投じていたことから今回が初防衛戦。一方の小金はZST参戦後無敗でタイトル挑戦にこぎつけた。

 魅せるファイトを常に展開する平は戦前「小金を投げる」と宣言。その言葉通り、1Rから組み付いてはコーナーに押し込み、投げるチャンスをうかがう。小金は体勢を入れ替え押し返してはヒザをボディーに放つなど、平のブルファイトに冷静に対処。平はラウンド終了間際にロープに押し込んだ反動を利用して投げにトライするも失敗。

 スタミナを大きくロスしたかに思えた平だったが、2Rもその突進は止まらない。しかし小金は足を掛けてのテイクダウンからサイドをキープ。コツコツとパウンドを落としていくなど、ポイントを奪いつつ平のスタミナを削っていく。

腕十字を狙う小金(撮影・星野雄飛)

最後は腕十字を狙うが極めきれず
 小金は3R序盤にテイクダウンに成功するとマウントからバックを奪い、パンチからスリーパーを狙う。しかし平も驚異的なスタミナでしのぎ決めさせない。残り1分を切ったところで小金は腕十字に切り替え一本を狙うが、平は体勢を入れ替えここでも小金を持ち上げようという動きを見せる。結局、平がそのまましのぎ切り試合は判定となったが3-0で小金が勝利を収めた。

 小金は試合後「格闘技をやっていて、生活のことやケガなどで辞めようと思ったこともあったが続けて、結果的にこうしてベルトが獲れたのですごくうれしい。もっとしっかり自分の攻撃を出して、相手の攻撃に付き合わないという作戦だったが、結果的には技術というより気持ち。最後は自分が上を取る、という気持ちで勝てた。最後は腕十字を決めて勝ちたかったができなかった。練習が足りないなと思った」と振り返った。

ついにベルトを獲得(撮影・星野雄飛)

「RIZINに出たい。でもまだ実力が足りない」
 平については「ライト級で試合をしていなかったことには納得していなかったが、ああいうふうに盛り上げたり、プロとしてパフォーマンスすることはリスペクトしている。僕ができないことをやっている選手だと思う。仕掛けられた時も“来た”と思ったが、投げられても気にしない作戦だった」などと話した。今後については「上の舞台に立ちたいという思いはあるが、今日もしっかり勝てなかったので、来年もZSTに出させていただいて実力をつけていきたい。そこからみなさんに支持されるようになれば上の舞台に立っていきたい。僕は金網よりリングがいい。ONE FCとかUFCに行きたいという人も多いと思うが、僕はPRIDEを見て格闘技を始めたのでRIZINに出たいと思っている。でもまだ実力が足りないとも思っている」と話した。

「ZST.62」(10月28日、神奈川・横浜大さん橋ホール)
◆第11試合 メインイベントZSTライト級タイトルマッチ ZSTタイトルマッチルール ライト級5分3ラウンド
●平信一(綱島柔術)(判定0-3)小金翔(フリー)◯

◆第10試合 セミファイナル ZSTルール フライ級5分2ラウンド
◯竿本樹生(BRAVE GYM)(判定3-0)伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)●

◆第9試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
△島村裕(総合格闘技宇留野道場)(判定1-0)渡部拳士郎(フリー)△

◆第8試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
◯駒杵嵩大(クレイジーアーマメント)(判定2-0)タイガー石井(FightingNxus/虎の子レスリングクラブ)●

◆第7試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
△上田貴央(FIGHTER’SFLOW)(判定1-0)佐々木亮太(蒼天塾 あざみ野道場)△

◆第6試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
◯浜松ヤマト(T.GRIP.TOKYO)(1R4分42秒、フロントチョーク)小川将貴(ピロクテテス新潟)●

◆第5試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
△寺本大輔(リバーサルジム横浜グランドスラム)(判定0-0)直斗(総合格闘技宇留野道場)△

◆第4試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
●田村淳(拳心会)(判定0-3)小林優(パラエストラ吉祥寺)◯

◆第3試合 ZSTルール フライ級5分2ラウンド
●田丸慶輔(総合格闘技宇留野道場)(1R3分18秒、レフェリーストップ川端祐樹(NEO JUDO ACADEMY)◯

◆第2試合 ZSTルール バンタム級5分2ラウンド
△諏訪部哲平(和術慧舟會駿河道場)(判定0-0)河村泰博(新潟イエローマンズ)△

◆第1試合 ZSTルール フェザー級5分2ラウンド
◯木下尚祐(和術慧舟會GODS)(判定3-0)山本空良(パワーオブドリーム札幌)●