【2018年をぶった斬り!】FRESH LIVEで配信中の「髙田横粂の世相談義」が本紙に殴り込み!?
そろそろ2018年を振り返る時期となってきた。今年もいろいろな出来事があった。海外では南北首脳会談、米朝首脳会談と画期的な出来事が続いたが、国内ではモリカケ問題で安倍晋三首相が窮地に立たされながらも、自民党の総裁選で3選を果たすなどどうにもよく分からない状況が続いている。スポーツ界に目を移すと冬季五輪、サッカーW杯とビッグイベントで日本選手が大活躍したものの、国内では各競技で不祥事が相次いだ。そんな2018年を識者に振り返ってもらった。
髙田「アメフットのタックル問題。いまだに偉い人は出てこない」
今年4月、格闘技イベントRIZINの統括本部長を務める髙田 延彦氏と弁護士で元衆議院議員の横粂勝仁氏によるワイドショー番組「髙田横粂の世相談義」(FRESH LIVEで月曜21時に不定期配信)が始まった。番組では髙田氏が気になる出来事について横粂氏が弁護士の視点で解説。時に生アンケートで視聴者と意見を交換するなど活発な議論が展開された。そんな髙田氏と横粂氏に2018年を振り返ってもらった。
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まずは今年一番のニュースはなんでしょう?
髙田「ポーンと浮かぶのはやっぱりアメフットのタックル問題かな。あまりにもインパクトがデカすぎた。根が深そうだし、いまだに日大の一番偉い人は出てこないでしょ。元相撲部の監督だった理事長」
最近では内田監督(当時)の直接の指示は認定できないという話にもなっています。
髙田「警視庁が指示していないと判断した。タックルした時のビデオを分析したら内田監督は、タックルをしていないほうを見ていると…。あれはどういうこと? 誰がどう見ても、ちょっと首はタックルしている方向に向いている気はするんだけど。ほかのアングルからのビデオがあったのかということも教えてもらいたいよね。そうじゃないと納得できないですよ。タックルをしてしまった学生が1人で勇気を持って会見して真実を語ったことが全否定になりかねないじゃないですか。そして今度は内田さんが日大に対して訴訟でしょ。どうなっているのかよく分からない」
横粂「私もスポーツ界の不祥事というのが一番印象に残りましたね。昨年のことなんですが、私の中では衆議院議員だった豊田真由子さんの秘書への暴言や暴行の問題はすごく衝撃的だったんです。でも今年はスポーツ界の不祥事が連続して、あの衝撃すら忘れてしまうことに衝撃を受けました」
髙田「僕はアメリカの体操チームの主治医だった人が10代の選手たちに17年間にわたって性的暴行を働いていたという事件も印象に残っています。それで懲役175年の判決が出た。被害者が顔出しで涙ながらに訴えていた。やはり信頼しきっているわけですよ。スポーツドクターだから。長い間言えなかった子たちがいたということじゃないですか」
横粂「ボクシングもレスリングもアメフットも相撲も、すべて閉ざされた中のお山の大将的な人がいるところばかり。一人の名誉ある方が権力を握って、そのスポーツの発展のために活躍されて伸びた一方で、腐敗を生んでしまった。権力は必ず腐敗する。お山の大将による弊害があぶりだされた気がしましたね」
それは今、世間を揺るがしている日産のゴーン容疑者にもいえること?
横粂「そうですね。あとは政治の世界も。ニュースを見る中で、長期政権、長期権力というものの光と闇が見えたのが今年、すごく印象的でした。もちろん光もあるんです。全部が闇ではない。その人の実績で引っ張って長くやることで出した成果もあるので。そこは清濁併せ飲むということかと思うんですが、今年はその濁ばかりがあぶりだされてしまった」
髙田「伊調さんの件もひどかったな。あの学長の会見。“伊調馨は選手なんですかあ?”って。権力を持つとああいうことが言えるんだなって。ひどいもんですよ。 “若い人も出てきたし、そろそろフェードアウトしてもいいかな”とか思っていたところで意地悪されたり、あんなこと言われたら“よしもう一丁やってやろう”と火が付くもんなんですよ。もともとあれくらいの成績を残す人たちは負けず嫌いですから」
前向きなニュースはどうでしょう? 髙田さんは番組でサッカーW杯の日本vsベルギー戦をスコアばかりか得点者までピタリと当てて、翌日ネット上で大きな話題になっていました。
髙田「そうですね(笑)。番組では毎回、大谷翔平の話題を追っかけているので、そこは外せない。そして大坂なおみ選手の全米オープンテニスの優勝かな」
横粂「羽生君の五輪2連覇。ああいうずっと勝てるスポーツじゃない中での2連覇には精神力の強さを感じました」
髙田「野球といえば星野仙一さんが亡くなられましたが、本当に亡くなったの?ってくらいの存在感がありましたよね」
横粂「閉ざされた中のお山の大将による弊害があぶりだされた1年」
では社会問題で。一連のオウム真理教の事件の死刑囚に全員死刑が執行されました。
横粂「法律の世界でいうと相当でかい。平成の大決算というか。世界的にも大きなニュースでしたし。ああいうのを見ていると、犯罪に大小はないんですけど、中途半端な犯罪者よりも、ものすごく大きい犯罪を犯した者のほうが死刑執行が遅くなったり、あとから“もう一人殺しました”といったことを自白して、どんどん執行が延びてしまったりとか。そういう死刑の執行の理不尽さ、順番の理不尽さとかの難しさも考えさせられましたよね」
髙田「僕はホンジュラスの移民のキャラバンですね。あれはどうなるんだろう。アメリカのトランプ大統領は強硬姿勢で武器の使用を許可したじゃないですか。あれ、収める方法はあるのかな?って。メキシコの国内でも、キャラバンの人たちが野宿をしている。メキシコでもこれについては反対派と賛成派がぶつかっている。これから増え続けて1万人くらいになるだろうキャラバンを帰すのか入れるのか? 帰すといってもまた1カ月くらい歩くわけですよ。横粂さんに聞きたいんだけど、ああいう人たちを入れてもいいんですか?」
横粂「どうなんでしょう…」
髙田「僕はぶっちゃけ、5000人いたら5000人全部入れちゃっていいのかな?と思う。それはアメリカにとっては不利益だと思うんです。何千人と流入するわけですから、すぐ仕事にもつけないじゃないですか。もしかしたら食べるものもない、お金もない人がしようがなく犯罪を犯して食い扶持をつなげるということもあるかもしれない。そりゃトランプだって“どうなっちゃうのかな?”って考えますよね」
横粂「トランプさんは米朝首脳会談で北朝鮮の非核化に合意しました。結果論でいえば、今はしりすぼみになっているんですが、あの時はすごい躍動感がありましたね」
髙田「早くオバマ夫人に出てきてもらいたい。そうすればもう少しましになるでしょ(笑)」
10月のハロウィーンでは渋谷でトラックをひっくり返すなど大暴れする人たちが続出しました。
髙田「あれはバカです! あんなの許しちゃダメですよ」
横粂「あれは普通に犯罪として取り締まらないとダメですよね」
髙田「ああいうのにはもっと厳しくしたほうがいいですよ、ホントに。ああいうのがいるからみんな模倣して調子ぶっこいちゃうんですよ!」
(※編集部注:その後、20代の男4人が逮捕)
横粂「官僚の事もしっかり国民が見ていかなきゃいけない」
大相撲の貴乃花親方が10月、日本相撲協会を退職しました。
髙田「いまだに貴乃花が協会にいないのは不思議な感覚ですよね」
親方とは面識はありました?
髙田「1回だけ飯を食いました。もう親方になっていたころですね。礼儀正しい立派な方でした。最初の15分くらいはいい話をしましたけど、お酒も半端なかったので、あとの4時間はべろんべろんでした(笑)」
今年は東京都が「受動喫煙防止条例」を制定しました。
横粂「時代の流れはそうですよね」
今後、お店が全面禁煙になる可能性も。そのへんはオーナーに任せてもいいのではとも思うが…。
髙田「僕はタバコは一切やらないので全面禁煙にしてもらいたいですね。隣で吸われたら、帰ろうと思うか、席を変えてもらおうと思うか、場合によってはうちわを借りて仰いでます(笑)。都市伝説だと思うんですが、昔はタバコを吸うと身長が伸びないと言われていたんです。プロレスラーとして大きくなりたかったのでタバコは吸わなかった」
横粂「私はにおいとかは嫌いじゃなくて、隣で吸われていても問題ないんですが、受動喫煙とかを考えると中途半端に分煙というよりは完全に分離したほうがいいのかなとは思います。自分たちの店は完全に喫煙者の方のためのお店ですという感じで、喫煙者の方が集う店を作るとか。中途半端に中で分煙というのは効果がないんじゃないかと思いますね」
髙田「日本の政治家は消費税にしても10%に上げないといけないのに、支持率優先でなんでもかんでも先送り。国のことを考えているとは思えない。だからやらなきゃいけない時は腹をくくってやんなきゃいけない。オリンピック憲章でもタバコはダメなことになっている。世界的にもそういう流れがスタンダードになってきているんだから、思い切って“タバコはもう駄目。喫煙ボックスで吸うこと!”みたいになんで日本人は舵をきれないのかな」
横粂「政治家でいうと、タバコ族だったり、たばこ業界の圧力だったり、そういったところからの献金だったりがあるんじゃないですかね」
髙田「ほら。で、カードだったら5%還元とかやるんでしょ。ああいうのもよく分かんないですね」
財務省の森友学園への国有地売却問題で決裁文書の書き換えがあったり、佐川宣寿・前国税庁長官が証人喚問で証言拒否を連発したことに憤った国民は多かった。政治家ばかりでなく官僚のダメさ加減も目に付いた。政治家になるにあたり、官僚からではなく弁護士からというルートを選んだ横粂氏からはこういった官僚の腐敗っぷりはどう映っているのか。
横粂「国民から見たらダメな官僚かもしれませんが、官僚組織の中、または政治家からしてみれば有能ないい官僚ということになるので、そこにずれを感じます。官僚が国民のほうを向くより、自分たちのトップ、または政治家のほうを向いて仕事をするほうが優秀とされて出世するのが今の官僚の仕組み。データを作るにしても結論ありきでデータを作るということはいくらでも行われている。例えば食料自給率にしても、カロリーベースで考えるのか金額ベースで考えるのかとか。政治家がやりたいほうにいい条件で整えてほしいと言えば整えられるのが官僚。だから官僚の事もしっかり国民が見ていかなきゃいけないなとは思いますね」
髙田「でも国民はどう見たらいいのか分からない。国民が監視するシステムがないから官僚は闇に包まれている」
横粂「我々に見えない。コントロールできない。だから一番強い権力になっちゃっているんですね。政治家は最悪、いけにえになったり選挙でさらされる。そこにもさらされない官僚が本当は一番強いですよね」
髙田「政治家になりたいと思う人が減って、政治家の質が落ちてきている」
政治家がダメだから官僚もダメになる? 政治家がパリッとしていれば官僚もパリッとなるということ?
横粂「それはお互いが反応し合うというか、いい政治家がいればいい官僚が育つし、いい官僚がいればいい政治家が育つという相乗効果だと思いますね。あとは政治家が分かってないから官僚がやらざるを得ない。官僚の方々は権力というより、やらざるを得ないからやっているというケースもあると思う」
髙田「これは独断なんだけど、あまりにも政治家のイメージが悪すぎて、政治家なんかになりたくないという人が増えてしまって、選挙の時も立候補者が集まりにくくなってきているんじゃないかと思う。で、何か特徴のある人なら票が集めやすいとかそういう感じで政治が分かっているかどうかなんて二の次で人数を揃えているように見える。よく分からないけど、弁護士さんにもいろいろいるじゃないですか。横粂さんみたいに一流の弁護士もいれば」
横「いえいえ(笑)」
髙田「二流三流四流といるわけで。でも弁護士だったらいいとか、秘書の経験があればいいとか、ボランティア経験がある人ならいいとか、そういう基準で候補者を選んでいるように見える。夢のある職業じゃなくなっていて、政治家になりたいと思う人が減っている。そういう中から生まれているから、豊田さんじゃないけど5~6年前から政治家の質が落ちてきている。これは大きいことなのか小さいことなのかくだらないことなのかは分からないけれど、最近の片山さつきさんの問題にしたってね。それからUSBがどうのこうのって、野党もね、そんなこと突っつく暇があったらモリカケやれ!って言いたいよ。もう一方では“パソコンができないことで世界的に有名になったんで僕はこれでいきますよ”とか訳の分からないことを言ってる。大臣ですよ、あれ。あれを見たら、“俺も政治家になりたい”と思う若者は出てこないと思うんですよ。そうすると、猫も杓子も、なんでもいいから員数合わせで、ということになる。もちろん優秀な人もいますよ。でもダメな人も頭数合わせで集めて、そうやって当選させる。そうするといろいろなスキャンダルが次々と出て来る。今ってそういう状態でしょ」
横粂「ダメな人しか集まらない。だから信頼がなくなる。だからよりダメな人しか集まらない、という負のスパイラルになっていますね」
髙田「そう。政治家はもっと尊敬されていたよね、30年くらい前までは」
横粂「スポーツ界はその逆で、正のスパイラルになっている。ゴルフでは石川遼君が出てきたり、卓球では福原愛ちゃんが出てきたりして、そこに憧れて、若いころからみんなどんどん競技を始めるようになる。だから全体的なレベルが高まってくる。だけど本当に政治だけは衰退する産業といいますか…。実際、本当に優秀な人は政治家になろうとしないんです。公募なんかに応募するということは、今いるところに自分の持ち場がない人。本当に優秀な人であれば周りがほうっておかない。応募できるということは、ある意味、人から求められていないということでもあります。あと政治家の秘書が優秀じゃないのも、しようがないことなんです。私が政治家になった時だって、すごいと思っていた同級生は当たり前にみんな仕事を持っている。本当に優秀な人は、すでに仕事を持っていて、そこで活躍しているんです。そうすると、そうじゃない空いている人の中から選ぶことになるから、政治家の秘書がみんな優秀なわけはないんです。そしてそういう人がまた人的ネットワークの中で候補者になって政治家になったりする」
髙田「仕事がないから政治家になろうとかね、極論すると」
横粂「とか、秘書になろうとかですね」
髙田「地球を大事にしていかないと自分たちの子供たちの将来が不安」
では最後に来年の日本にはどうなってほしい?
横粂「今年は闇の部分というか膿が出たと考えると、そこから反転していい部分ばかりが出るような1年になってほしい。例えば私でいえば相撲やアメフットはあのごたごたがあったことで、その競技をより深く知ることができた。マイナス面があった半面、国民が関心を持ったということもある。膿を出し切ったのが今年であれば、それをうまいこと生かして、来年はすべての分野で今年落ちた分上がる1年になってほしいと思います。各分野の皆さんに期待します」
髙田「最近はスポーツ以外は世の中のニュースを聞きたくなくなっている。変なニュースとか嫌なニュースばっかり。特に最近ショックを受けたのはプラスチック。マッコウクジラのおなかの中からプラスチックが5キロも出てきて、みたいなことがあったじゃないですか。あとトランプが温暖化を認めないとか、あまりにもみんなが経済に走りすぎていて、我々が住む地球に対する畏敬の念というか感謝というか、そういうものがあまりにも欠如しているような気がするんです。経済ももちろん上げていかなければいけないけど、同時進行で同じレベルで地球を大事にしていこうというのが私の希望です。そうしないと自分たちの子供たちの将来が不安。地球をちゃんと安全に住みやすい星にして次の世代へバトンをつなげなければいけないと思いますね」
総合格闘技イベント「RIZIN」の統括本部長を務める髙田延彦氏とトークバラエティー番組「バイキング」(フジテレビ系)などでコメンテーターを務める元衆議院議員で弁護士の横粂勝仁氏が「今現在、髙田延彦が気になっている時事ネタ」を徹底討論する、生ワイドショー番組。
「そこまで言っちゃう?」というくらい熱くて鋭い髙田氏の突っ込みを横粂氏が弁護士という立場からクールに解説。スポーツばかりではなく政治や社会問題にも果敢に切り込んでいく2人のやり取りは必見。「FRESH LIVE」で月曜21時から不定期で配信中。髙田氏は大晦日に開催される総合格闘技イベント「RIZIN.14」(さいたまスーパーアリーナ)に出演予定。