春の高校バレー 『心ひとつに』 【アフロスポーツ プロの瞬撮】
スポーツ専門フォトグラファーチーム『アフロスポーツ』のプロカメラマンが撮影した一瞬の世界を、本人が解説、紹介するコラム「アフロスポーツの『フォトインパクト』」。他では見られないスポーツの一面をお届けします。
今年1月の“2018 春の高校バレー”の女子準々決勝。
会場の東京体育館は地響きのような大歓声に包まれていた。
実力伯仲の熱戦となる準々決勝4試合は、4面のコートを使って同時進行される。
すなわち8校の選手、応援団が同じ空間の中でワンプレーごとに一喜一憂するのだ。
コートサイドのフォトポジションからの眺めは、コート上の熱戦のみならず、スタンドで繰り広げられる応援合戦も見物だ。
私はスタンド全体を見渡しながら、ひと際目立つ応援団を見つけるや否や、カメラ片手に2階スタンドへと駆け上がった。
立ち見客で溢れるその応援団の最後列にたどり着くと、目いっぱい両手、両足を伸ばしてカメラを頭上高くに構えた。
そしてコートとスタンドが“心ひとつに”なった瞬間、ノーファインダーでシャッターを切った。
いよいよ“2019 春の高校バレー”が新年1月5日に開幕する。
今大会ではどんなドラマが見られるのだろうか。
今からワクワクする。
■カメラマンプロフィル
撮影:西村尚己
1969年、兵庫県生まれ。大阪大学大学院工学研究科修了。
人間味あふれるアスリートの姿に魅せられ、学生時代にスポーツ写真の世界と出会う。
大学卒業後は、国土交通省に勤務しながらアマチュアカメラマンとして活動するも、どうしてもプロの世界で挑戦したいという想いが募り、2016年にアフロスポーツに転職。
現在は国内外のスポーツを精力的に撮影し、人間の情熱や鼓動、匂いなど五感で感じとれる作品づくりに励む。
2007年 APAアワード写真作品部門 奨励賞
2013年、2015年 写真新世紀 佳作 ほか
1997年、現代表フォトグラファーである青木紘二のもと「クリエイティブなフォトグラファーチーム」をコンセプトに結成。1998年長野オリンピックでは大会組織委員会のオフィシャルフォトチーム、以降もJOC公式記録の撮影を担当。
各ジャンルに特化した個性的なスポーツフォトグラファーが在籍し、国内外、数々の競技を撮影。放送局や出版社・WEBなど多くの報道媒体にクオリティの高い写真を提供し、スポーツ報道、写真文化の発展に貢献している。
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