三浦春馬、大島優子らの舞台『罪と罰』9日開幕! 三浦は「かなり憔悴」
三浦春馬が主演する舞台『罪と罰』のフォトコールが8日、渋谷のBunkamura シアターコクーンで行われ、三浦ほか、大島優子、勝村政信、麻実れいの主要キャストが会見した。翌9日に初日を控え、三浦は「息もつかせない展開が一番の見どころ。1幕と2幕のコントラストを楽しんでいただければ。僕らは劇場でお待ちしています」と、アピールした。
ロシアの文豪ドストエフスキーの長編小説を舞台化。帝政ロシアを舞台とした原作は、哲学的な思索、社会に対する反動的な見地と政治思想、宗教観などを織り交ぜながら、当時の民衆の困窮する生活状況を描くとともに、殺人者の倒錯した精神に入り込んだ心理描写があったりと重厚な作品。それを英国人演出家のフィリップ・ブリーンが舞台作品として蘇らせる。
三浦は、正義のためならば人を殺す権利があると考え、殺人を犯す青年ラスコリニコフをが演じる。ブリーンとは、『地獄のオルフェウス』(2015)以来、2度目のタッグ。「彼が10年以上温めてきた作品を日本の皆様に届けられることが喜ばしい。彼の10年間の想いが少しでも報われるように僕らが届けていければ」と、意気込む。
3年ぶり3度目の舞台出演となる大島は、家族のために体を売る娼婦ソーニャを演じる。
「たくさんの人がいろいろな形で読まれている作品。フィリップ・ブリーンさんの頭の中の『罪と罰』、新しい『罪と罰』がこの世に生まれてそれに携わる役割として、まっとうしたい。1カ月半ぐらいの稽古を積んで今日に至るのですが、明日(9日)初日という気持ちが沸かないぐらいいっぱいいっぱいですが、みなさんに楽しんでいただきたい」と、笑顔を見せた。
困窮した生活のなかで生きるソーニャの義母を演じる麻実は「もうすぐ芸歴50周年を迎えるのですが、初めて出会った役。初めてだからとっても怖いんですけど、とっても楽しんで、仲間たちと頑張りたいなと思います」と、静かにそして熱く話した。
難解とされることが多い原作だが、勝村によれば「フィリップさんがすばらしい娯楽作品としてかきあげてくださっている。演出は非常に危険。けんかも多いし、(出演している)僕らは大変なんですけど、お客様たちにはスリリングで、長い作品ですが、飽きることなくお届けできると思う」。
三浦も「カンパニー全体が最初から最後まで出ずっぱりのような、忙しく変化が目まぐるしい舞台になっている」といい、「(前回の『地獄のオルフェウス』と比べ)体を使う動きがすごく多かった。肉体表現というか、動きをどう表現していけばいいかというところが違っている。ぐっと芝居を見せる瞬間も多分にあるので、そのコントラストも見どころになると思う」。
また、自身の殺人を犯すという役どころについては「すごくエネルギーを使う役どころ。正義のためとはいえ、ひとつの命をなくすという芝居に誠心誠意向き合っていかなければならないんだなというのは稽古場から感じていた。稽古終わりの疲労感が……気持ちいい疲労感ではあるんですが、かなり憔悴するような。このまま消えていくんじゃないか自分というエネルギーの消耗は感じていた」と、話した。
留学後初の舞台出演となる大島。その経験は役立っているかと聞かれると「役立ってるんですかね~」。そのうえで「語学を勉強しにいかせていただいたんですけれども、語学(の勉強)って尽きないんだなってとことん思いました。半分くらいは分かる、6割、……7ってとこかな?(笑)そのぐらいしか分からなかったりするんですけど、直接演出を受けて少し理解ができるようになったというのはいい経験になった」。さらに「それ以上に、俳優としてステージに立つということを教えてもらった気がします」と話した。
舞台は9日に開幕、2月1日まで同所で上演する。その後、大阪公演が森ノ宮ピロティホールである。