eスポーツのパワプロ・プロリーグ「e日本シリーズ」開催。初代王者は西武
昨年11月にスタートした「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018」の日本一を決める戦い「eBASEBALL パワプロ・プロリーグ 2018-2019 SMBC e日本シリーズ」が1月12日、東京都内で開催された。
西武とDeNAが日本一をかけ激突
ペナントレースは11月10日から12月9日まで行われ、上位3チームが12月16日にリーグ代表決定戦を行い、パ・リーグは埼玉西武ライオンズ、セ・リーグはDeNA横浜ベイスターズが代表の座を獲得。この舞台に立つこととなった。この2チームはペナントレースを1位で終えており、やはり実力通りのe日本シリーズ進出といったところ。
会場となった東京ビッグサイト TFT HALL 500には多くのファンが駆け付け、入場制限がかかってしまい100人以上が入れない状態。立ち見スペースもぎっしりで身動きも取れないほどの熱気に包まれた。解説席も元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏、元ヤクルト・スワローズ監督の真中満氏のW解説という豪華版となった。
ペナントレースでは選手3人が6イニング制でそれぞれ1ゲームずつ対戦して勝負を決していたのだが、代表決定戦からはチーム3人が3イニングごとに交代しながら9イニングを戦う特別ルールで行われた。
4冠達成のなたでここがMVPに輝く
ラインアップは先行のDeNAは「ヒデナガトモ、じゃむ~、AO」、後攻の西武は「ミリオン、BOW川、なたでここ」。
西武の先発は先日、メジャーリーグのシアトル・マリナーズ入団が決まった菊池雄星。菊池が8回途中まで投げ3点に抑える好投を見せ、8回が終わった段階で6-3で西武がリード。
8回途中から菊池の後を継いだ平井が9回も抑え切り、西武が初代王者となった。
試合後の会見で西武のキャプテンのBOW川は「リーグ優勝まで3人で突っ走ることができた。個人としてはつまずいた試合もあったが、それも2人の支えがあって、代表決定戦、e日本シリーズで戦うことができた。チームを支えてくれた方にも感謝の気持ちを伝えたい」
ミリオン「ドラフトでチームが決まってからずっと日本一を目標にしてきて、今日それが達成できて興奮している」
なたでここ「必ずBOW川さんを日本一のキャプテンにするという思いでやってきて、それが実現できて良かった。次にプロリーグがあったときは僕らは追いかけられる立場になる。さらに3人でレベルアップしていきたい」などとそれぞれ話した。
また、なたでここは首位打者、最多本塁打、最多打点、最優秀防御率の4冠も達成し、最優秀選手に輝いた。
解説を務めた真中氏は「いい試合だった。選手の緊張感が伝わってきた」
開幕戦から解説を務めている真中氏は「最初はたかがゲームというイメージだったが、やっていくにつれて、奥深さと緊張感を感じた。いい企画だったと思う。11〜12月はオフシーズンでファンも野球に接する機会がそんなにないので、そういう意味ではeプロ野球ができて良かったと思う。(解説をして)いろいろな角度で野球が見られて良かった。今年1年やらせてもらったので、もっと勉強して、みんなにもっと上手く伝えられるように頑張りたい。決勝はいい試合だった。選手の緊張感が伝わってきた」などと話した。リアルのプロ野球の解説へフィードバックできる部分を聞かれると「全部。特に配球面は細かい。あの中でしっかりフォアボールまで出してまで警戒したりするのはプロ野球に似ている。全部が勉強になった」などと話した。
NPBの斉藤コミッショナー「熱気に驚いている。プロ野球を見る入り口になってくれれば」
コナミデジタルエンタテインメントとともにこの企画を立ち上げた日本野球機構(NPB)の斉藤惇コミッショナーは「熱気に驚いている。こんなに大盛況で終わりうれしく思う。ここに来られているのはプロ野球ファンもいればプレーヤーのファン、eスポーツのファンもいる。基本的には野球でつながっている。我々は野球ファンをどれだけたくさん増やすかが目的。その効果は出てきていると思う。1試合が1時間で終わるというスピード感もいい。大変期待している」と話した。この日は試合後に来季も開催されることが発表されたのだが「最初の年なので各球団に温度差もあった中でのスタートだったが、成功したことで各球団がもっと積極的になってくると思う。何回もやっていく中で野球が皆さんの身近なものになっていくと思う。プロ野球を見る入り口になってくれれば」などと話した。