香港の大規模デモ、今なにが問題?長期化の背景にあるものとは

 いまだ収束の糸口が見えない香港の大規模なデモ。今年6月、「逃亡犯条例」改訂案の反対に端を発した香港市民の反発は、改定案撤回後の現在まで長期化し、2014年の反政府デモ「雨傘運動」の抗議期間を超えた。中国建国70年を迎えた10月1日には、香港市内で警察がデモ参加者に実弾を発砲するなど、ショッキングなニュースも世界を駆け巡った。いまや香港そのものを揺るがす社会問題である市民と政府の対立。長期化の背景はどこにあるのか。
香港市内での市民による抗議活動の様子(ロイター/アフロ)
 9月25日に東京・五反田のゲンロンカフェで行われたトークセッション「緊急開催!空前の大規模デモが続く、香港のいまを読み解く」には、香港在住のフリーランスライターふるまいよしこ、社会学者・西田亮介が登壇。「香港でいま、なにが起こっているのか」という立脚点から、日本のメディアが報じきれない香港社会の実態を紐解いた。

5つのキーポイント



 まず、「香港の大規模デモを知るために、何を押さえるべきか?」というトークテーマでスタート。デモ発生から現在に至るまで、ふるまい氏は5つのポイントを挙げた。香港島で100万人デモが行われた6月9日、デモ隊が議会にあたる立法会ビルに突入した7月1日、地下鉄元朗駅での無差別襲撃事件が発生した7月21日、空港デモの8月12〜13日、そして、地下鉄太子駅での暴力事件が起きた8月31日だ。

 世界的にも報じられた6月9日の100万人デモについてふるまいは、香港では「年に一回デモが行われる風習がある」と説明。毎年7月1日の香港返還記念日に合わせ、市民がデモ活動で自らの意志を表明する土壌があったとした上で、今回はデモ前から街中でデモ参加を呼びかけるチラシやポスターを見かけるなど、大規模デモへの予兆があったと現地の様子を紹介した。
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