【インタビュー】根本宗子×清 竜人 旗揚げ10周年に代表作『今、出来る、精一杯。』を音楽劇にリメイク

 劇作家で演出家、そして女優と幅広く活動する根本宗子が主宰を務める月刊「根本宗子」は今年2019年が旗揚げ10周年。最後の最後になってしまったがこのアニバーサリーイヤーを締めくくる記念興行として代表作『今、出来る、精一杯。』を音楽劇にリメイクし12月13日から上演する。同作に俳優として、そして音楽監督として参加するアーティストの清 竜人と根本に話を聞いた。
根本宗子(撮影・小林郁人)
 清はミュージシャンとしてはもちろん、2017年に解散した一夫多妻制アイドル「清 竜人25」のプロデューサー兼メンバーとして活躍するなど日本のエンターテインメント界の中では独自の活動を行っている。俳優として演劇の舞台に立つのは今回が初めて。

 清「絶対にやらないとは心に決めていたわけではなく、いずれそういう時期がくるのかなとは思っていましたし、なんかやりたいなというお話が来たらやってみてもいいなとは思っていました。それが今回でした」

 ふだんは「年1回くらい」しか演劇を見ることはなく、印象に残ったものは「特にない」という清。まず、根本宗子という存在は知っていた?

 清「もちろん存じ上げていました。仕事でご一緒する機会はなかったんですけど、一度だけご挨拶させていただいたことがありました」

 作品を見たことは?

 清「今回の作品の前回と前々回の公演をDVDで拝見しました。“本人も出演されるんだな”とびっくりしました。作品的には人間的なストーリーの演目だったので、ヒリヒリとした気持ちで拝見しました」

 現在稽古中。俳優をやってみて面白いところと難しいところはある?

 清「基本的には全部面白いです。今までは自分がプロデュースしたり自分の作品の中にキャラクターとして自分を落とし込んでいくということが主でした。今回のように誰かが書いたキャラクターになって台詞を言ったり、他の人の世界観に入っていくこと自体が初めてなので、難しいことばかりです。でもそれがすべて新鮮で楽しい。根本さんと初めてお会いして、この作品のことについて話をしたときに“そもそもがミュージシャンでアーティストであるので、役者としてのキャスティングなのであれば、技術的にも難しいし、やろうとも思わない。でもそれ以外の意味も含めて僕の個性を必要としてくれているのならうれしいし、ご一緒したいと思っています”とお伝えしました。なので、僕がやるからこそ意味があるようなパフォーマンスができればいいなと思いながら、日々稽古をしています。まだ稽古の途中ですが、本番で大失敗しなければ多分楽しく終われると思います(笑)」
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