【インタビュー】映画『小説の神様 君としか描けない物語』で見せる、新しい佐藤大樹!

 売れない底辺作家の男子高校生と、今をときめく人気作家の女子高生、何もかもが正反対の2人が協力して大ベストセラーに挑む! 相沢沙呼の大ヒット小説『小説の神様』を、EXILE/FANTASTICSの佐藤大樹とトップ女優・橋本環奈のW主演で映画化!
撮影・蔦野裕 ヘアメイク・Ohki Toshiyasu スタイリスト・jumbo(speedwheels)
 EXILE/FANTASTICSのパフォーマーとしては言わずもがな、近年は『HiGH&LOW』シリーズや、福原遥とのW出演で話題を呼んだラブストーリー『4月の君、スピカ。』、ショートフィルムで主演したCINEMA FIGHTERS project『魔女に焦がれて』など、俳優としても充実の活動を見せる佐藤大樹。“俳優・佐藤大樹”を客観的に評価すると…と本人に聞いてみると、意外な回答が。

「45点。まだまだ低いですね」

 ちょっと自分に厳しすぎるのでは…と思ってしまう、その辛口評価の理由は。

「やりたいことがたくさんあるのに、まだまだ全然できていないんです。映画でもドラマでも完成した作品を見た時に、けっこうよかったと思えるシーンもありますが、もっとここをこうすればよかったと思うシーンが断然、多い。だから45点(笑)。やっぱり自分のこととなるとどうしても厳しくなりますね。まだ20代ですし、慢心してはならないな、と」

 そんな佐藤が、大きな経験になったと振り返るのが、最新主演映画『小説の神様 君としか描けない物語』。2020年版「このミステリーがすごい!」「本格ミステリ・ベスト10」「2019ベストブック」の3冠を受賞し、さらに本屋大賞にノミネートされた気鋭作家・相沢沙呼の小説「小説の神様」を『HiGH&LOW』シリーズを手掛ける久保茂昭監督が映画化した話題作だ。

 佐藤が演じるのは、中学生で作家デビューをしたもののその後は売れず、自分を見失った主人公の高校生作家・千谷一也。

「台本を読んだときには、ずっとやりたかった役が来た!と思いました。ただ、本当に自分でいいのかな、とも思いました。以前にも主演は経験したことがありましたが、小説家としての才能を持ちながらも葛藤を抱える高校生役ということで、ものすごく技量が試される役どころだなと思ったんです。でも久保監督がこの作品にかける思いを熱く説明してくださって、それを聞いているうちに絶対にこの役をやらせていただきたいという気持ちになっていきました」

 本作では、これまで演じたことの無い人物像を演じたことで、新しい自分を発見。

「これほどクヨクヨ悩んでいる役を演じたことがなかったので、完成した作品を見ていて、自分自身がしたことのない表情をいくつも見せていて、新鮮でした。とくに、不登校になった一也の部屋に、文芸部部長の友人・正樹(佐藤流司)が訪ねてきて叱咤される場面。一也が犬みたいな目をしていたんですよね(笑)。これは完全に僕じゃない、と。自分ってこんな表情ができるんだ、と思って。意外な発見でした。あの場面を撮影した日は、一也の部屋の中でのシーンを頭から全部撮影していて、リアルに疲労困憊していました。部屋の中にこもりきりで、真夜中なのにライティングで朝を演出していたりして実際の時間の感覚もちょっとおかしくなっていて。本当に少しまいっていたかも。それが顔に自然と出て、リアルな演技につながったのかもしれません。それもすべて久保監督の狙いだったのかも(笑)」
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