SSFF&ASIA2020では「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督の若かりし頃の作品も観れちゃう!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。出演させていただいていたACTOR’S TRIBE ZIPANGプロデュース「 #シーボルト父子伝 ~蒼い目のサムライ~」が23日に無事終了しました。今回も万全の新型コロナウイルス対策を敷いた上での公演だったのですが、マスクを付けた稽古場と付けていない本番の違いとかいろいろと気づきが多かった気がします。あと、さまざまなゲストの方にいらしていただきまして吸収することも多く、とにかくいろいろ勉強になりました。

 今後の動きについては…あれ?どうなってたっけ? 追ってお知らせします(笑)。

 今週も鑑賞記です。では始めましょう。
写真は、来月放送予定のアニメの制作風景です
 9月に開催を控えたTOKYOHEADLINEもメディアパートナーとして参加をしているショートフィルム映画祭ショートフィルムフェスティバル&アジア。

 今回は、参加作品の中から今や飛ぶ鳥を落とす勢いのアジアの大監督、「パラサイト 半地下の家族」ポン・ジュノ監督の若かりし頃の作品「Incoherence」を観せて頂きました。
 今から約25年前、1994年に作られた作品で、正直な所、カット割りも録音もお粗末な作品なのですが…まあ、面白い!
 技術が低レベルな分、センスが光ってしまうとでもいうのでしょうか?
 夏目漱石だったかな?日本の文豪が「長い手紙は簡単に書ける。でも、短い手紙を書くのは難しい」と言っていたのを目にしたことがあります。
 なんというんでしょうね?“おっきくていろんな機能が付いた電話は誰にでも作れるけど、iPhoneはアップルにしか作れない”みたいな。

 機能的って“美しさ”と比例していて、これは物だけでなく。文章や物語にも通じるところがあるんです。
 シュートフィルムには、その美しさがふんだんに溢れている!特に今作はショートフィルムなのに“オムニバス”と更に短い作品群になっていて、結果「4コマ漫画をいくつか読んでいたら、涙が止まらない」ような感動の収束が起こる傑作です。

 文法から外れたカット割りも、ホラー映画等では「違和感のあるカット割り」として、観客を不安にさせる為のテクニックだったりするんですが、勝手な僕の想像ですが、この頃のポン監督は天然でやっていて、のちに“自分の持ち味”として確立させたんじゃないかな?

“原稿用紙”が無くなり、作品の生まれる過程の記録が見れなくなった昨今。この作品と「パラサイト」を見比べることで、ポンジュノ監督が、何を武器にし、何を捨てて現在の作風に至ったのか、考察する非常に重要な資料になるんじゃないかとも思いました。

 これは是非、スクリーンで観たい1作です!
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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23

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