Krushエヴァンジェリストの石川直生が「チケットの直前キャンセルやめて」と異例のお願い

選手の声を代弁する形となった石川直生氏

自らも経験。「選手のモチベーションやパフォーマンスに影響する」


「Krush.117」(9月26日、東京・後楽園ホール)の前日会見が9月25日、東京都内で開催され、Krushエヴァンジェリストを務める石川直生氏が会見の最後にファンに異例の呼びかけを行った。

 石川氏は会見の終了間際に「最後に一言いいですか? 試合とは直接関係ないかもしれないんですけど」と前置きしたうえで、昨今SNS上で選手が発信することの多い「チケットの直前キャンセル問題」について言及した。

 石川氏は「僕も現役時代、自分でチケットを応援してくれる人たちに買ってもらっていた。選手は後援会などがある場合は別だが、ほとんどの選手はマネジャーなどはいなくて自分一人でチケットを手で配っている。そんな状況の中で試合直前、1週間を切ったところで“チケット10枚キャンセルが出てしまった”という選手がここ最近多い。試合直前のチケットキャンセルは本当に選手のモチベーションやパフォーマンスに影響する。僕がここで発言することによってどれだけ影響があるかは分からないが、皆さんにはそういう事実を知ってもらいたい。選手のことを思ってもらえるとうれしい。ぜひ試合が近くになってからのキャンセルは選手のためを思って、できるだけ避けていただけるとうれしいです」と訴えた。

 日本の格闘技界ではK-1ジャパングループに限らず、プロボクシング界などでも「手売り」と呼ばれる、いわゆる選手自身が応援するファンらにチケットを売り、それがファイトマネーになるというシステムがある。

 このシステムの是非はともかく、SNSが盛んになるにつれ、直前キャンセルをされてしまった選手たちが新たにチケットを買ってくれるファンを求めてSNS上で発信することが増え、これまでにもあったであろう「直前キャンセル」が大きく注目を集めることとなっている。

 この直前キャンセルは格闘技界だけではなく、演劇界や音楽界でも問題になっている。演劇界では「当日清算」というシステムがはやりだしてからこの問題が目立つようになり、劇団側が頭を悩まされている。もっともこれはシステムの問題ではなく、モラルの問題。今回の石川氏の異例のお願いにより、少しでも直前キャンセルがなくなればいいのだが…。