新「クラゲ水槽」の水ぜんぶ抜く!サンシャイン水族館がピカピカ大作戦
池袋のサンシャイン水族館にて、年3〜4回しか実施しないという水槽の大掃除が行われた。水族館の水槽内は、通常飼育スタッフがアクリルをこすって掃除するが、今回は「落水清掃」と呼ばれる水槽の水をすべて排水して清掃する大掃除。7月にオープンしたクラゲをメインにした新エリア「海月空感(くらげくうかん)」内の新設水槽「クラゲスクリーン」の大掃除に密着した。
長く伸びる触手が美しい「シーネットル」の仲間を見せるため、横長の楕円形となっている水槽「クラゲスクリーン」。清掃手順は①生物を水ごとすくい、手早く生物を保護。その後、予備水槽に生物を移動。②水槽を塩素にて漂白・殺菌し、水洗い後、中和剤を散布し水洗い。③新しい海水を注水後、循環ポンプと水温調節機を動かす。翌朝に生物を予備水槽から移動し、元の水槽に戻すというもの。展示されている「アカクラゲ」は、北海道以南の日本近海に広く分布しており、春から夏にかけて出現する。赤茶色の縞模様の傘と髪のようにたなびく触手は優雅で美しいが、刺胞毒はかなり強く刺されると強い痛みや腫れ、水ぶくれを引き起こすので注意が必要だ。
長く伸びる触手が美しい「シーネットル」の仲間を見せるため、横長の楕円形となっている水槽「クラゲスクリーン」。清掃手順は①生物を水ごとすくい、手早く生物を保護。その後、予備水槽に生物を移動。②水槽を塩素にて漂白・殺菌し、水洗い後、中和剤を散布し水洗い。③新しい海水を注水後、循環ポンプと水温調節機を動かす。翌朝に生物を予備水槽から移動し、元の水槽に戻すというもの。展示されている「アカクラゲ」は、北海道以南の日本近海に広く分布しており、春から夏にかけて出現する。赤茶色の縞模様の傘と髪のようにたなびく触手は優雅で美しいが、刺胞毒はかなり強く刺されると強い痛みや腫れ、水ぶくれを引き起こすので注意が必要だ。
上段左:ボウルにすくわれる様子は白滝に見えなくもない/上段右:クラゲをすくうボウルには「クラゲ」と書いてある/下段左:クラゲ用ボウルから水ごとそっとバケツの中へ/下段右:バックヤードの予備水槽に放された「アカクラゲ」
まず最初に、水の流れに乗って漂っているクラゲをすくい上げるべく、水槽内の水をゆっくり時計回りに循環させ、浮かび上がったクラゲを水ごとボウルですくってバケツの中に保護。クラゲは非常にもろい生き物で、ゼラチン質の体に傷がつくと弱ってしまったり、一部を損傷すると死に至ることも(触手は絡まって千切れても再生するとか)。なので、捕まえる作業には細心の注意を払って、ゆっくり、そーっと行われる。バケツの中に保護されたら、バックヤードの予備水槽に移動。普段見られないバックヤードでは、クラゲのエサとなる動物プランクトンを孵化させていたり、自家繁殖したクラゲを成長させていたり、他の生き物が休んでいたりする。
写真上:そして誰もいなくなった「クラゲスクリーン」の水が抜けていく/写真下:背びれを波打たせて立ち姿で泳ぐ「タチウオ」。実物はキラキラしてもっと美しい
すべてのクラゲを予備水槽に移動させたら、いよいよ「クラゲスクリーン」の水をぜんぶ抜く! 「クラゲスクリーン」には約5トンの水が使われており、すべてを排水させるのにおよそ30分ほどかかるという。半分ほど水が抜けたところで、「まだ時間がかかりますので……」と案内してくれたのが、4日から展示している「タチウオ」の水槽。飼育スタッフ自らが沼津湾で採集、輸送した「タチウオ」は、全身がグアニンという色素で覆われている。ウロコがないので傷や病気になりやすく、水族館で長期に飼育するのが難しい生き物のひとつ。飼育スタッフは日輪刀に似た外見が『鬼滅の刃』ファンに人気が出るのでは、とにらみ「全集中で育てています!」と期待を寄せた。