組織委の森会長が「女性が…」発言を撤回し謝罪も「そういうふうに聞いている」
2月4日、記者の質問に語気を強める場面もあった組織委の森喜朗会長(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
辞任は否定も「さあ。あなたはどう思いますか?」と記者に逆質問
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が2月4日、急きょ会見を開き、前日の日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会での「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」といった発言について謝罪して撤回した。
この女性蔑視とも受け取られる発言は国内外のメディアで取り上げられ、大きな波紋を呼んだ。
会見で森氏は「昨日のJOC評議会での発言につきましては、オリンピック・パラリンピックの精神に反する不適切な表現であったと認識しており、反省している。そして発言は撤回したい。不愉快な思いをされた皆様にはお詫びを申し上げたい」と発言を撤回し謝罪した。
オリンピック精神にも反する内容の発言ではあるが「辞任するという考えはない。献身的に7年間お手伝いしてきた。自分からどうしようという気持ちはない」と辞任は否定。しかし「皆さんから邪魔だと言われれば、老害が粗大ごみになったのかもしれないから、そうしたら掃いてもらえればいいんじゃないですか」と今後の世論次第では職を離れる可能性に含みを持たせた。
また、この「オリンピック精神に反する発言をした者が組織委の会長に適任か」という質問には「さあ。あなたはどう思いますか?」と逆質問する場面もあった。
森氏は発言の背景については「組織委員会の理事会に出たわけではない。JOCの理事会に名誉委員という立場で挨拶をした。自分なりに整理はしていたつもり。組織委員会の理事会と一緒にされている方がいる。特に海外の方は一緒にされるかもしれないが、それは皆さんの報道の仕方だと思う。あくまでもJOCの評議委員会で挨拶をしたということ。山下さんがJOCの人事の改革をされるのに大変な苦労をした。最初から理事会では相当突き上げられたりして、難航しているという相談があったから、“頑張れ”と後押しをしてきた。山下さんの最初の大きな仕事として、最も成功してもらわなければならないところが人事のことでしたから、それはよくできたということは、私は評価して、山下さんにお礼を申し上げるということを、そこで発言していた。いわゆる政府からきているガバナンスに対しては、“あまり数字にこだわると運営が難しくなることもありますよ”ということを話している中で、私の知っている理事会の話を引用して、ああいう発言があったということ」と組織委の理事会ではなく、IOCの臨時評議員会での発言であることを強調。
この発言に「会長としての発言ではないから責任は問われないという趣旨か」という質問が飛ぶと「責任を問われないとは言ってない。場所をわきまえて話したつもり」と答えた。