差別も人種もカッ飛ばせ!実在の人物をモデルに描かれた真っすぐストレート青春映画「かば」を、観てきた!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】
こんにちは、黒田勇樹です。
先週土曜にTOKYO MX2の「妖ばなし」で「虚舟」が放送されました。多くの皆さんにご覧いただきまして、たくさんの感想をいただきました。ありがとうございます。
自分としては今までやったことがない形で作った作品ということで、どう評価されるかドキドキしたところもあるのですが、皆さんに喜んでいただけたようで、良かったです。
これからもいろいろやっていきますのでご期待ください。
では今週も始めましょう。
フラッと入った映画館で、いきなり「この“西成”の学校には“部落”か“在日“か”沖縄”しかないねん!」って、セリフが聞こえてきたらどう思いますか?
俺はね「うわぁ…」でした。理解も知識もないわけじゃないけど、やっぱり関東と関西での認識の違いというのかな?関東生まれ関東育ちの僕が「感想をいう為に観る映画」としては、足りない知識が多すぎて「うわぁ…」
こっちにそういう意図がなくてもセンシティブな問題だから過剰に反応される方も多いし、そういう行為自体に、一辺倒に「間違ってる」とも言えない。
さて、作品自体にはとても興味をひかれたけど、「記事にするのリスキーだな…しょうがないから帰りにもう1本みるか…」と、観始めたら
「野球で決着つけようぜ!」で、始まる、めちゃめちゃどストレートな青春映画でした。
差別なども多い地域の中学に赴任した臨時の女性教師を中心に描かれていく、実在の“全員と対等”を守り続けた教師「かば」の物語。
とにかく“画”が、丁寧でカメラワークをほとんど使わず“絵”か“写真”の様な構図の中で、俳優たちが動きで“画を変えていく“美しさ”と、
大阪が舞台ということもあり、関西弁でテンポよく交わされる会話が「話題を重く感じさせすぎず」内容がスッと入ってきます。
そしてそれこそが、「この地域の人にとって、日常に存在する身近な問題」ということを感じさせられる。
365日、嘆いたり憤ったりして暮らせないですもんね。
最終的には「泣きたいときには泣けばいい」「親子の和解」という普遍的なテーマに落とし込んでいて
そのシーンだけカメラが動くの!!巧い!
観終わった後には、最初の「面倒くさそう」という気持ちはすっかり消え去り、号泣しながら「この作品の良さを伝えたい!」と、思えた傑作でした。おススメです。
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1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。
公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23