実は「たばこ」は植物生まれ!葉たばこを育てる「JTファーム」に行ってみた
たばこ税の税率が引き上げられておよそ1カ月。前回は墨田区の「たばこと塩の博物館」でその歴史を学んだが、では植物としての葉たばこはどのように育てられ、どうやって私たちの元に届いているのだろうか? 茨城県阿見町の「JTファーム」で葉たばこの栽培について聞いた。
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写真上:ドローンで上空から撮影した葉たばこ畑の様子(提供:JT)/写真下:「たばこと塩の博物館」に展示された「ニコチアナ・タバカム」(右)と「ニコチアナ・ルスチカ」(撮影:蔦野裕)
JR「土浦駅」から車で約30分ほど。日本たばこ産業(JT)が2018年から運営する「JTファーム」は、新しい葉たばこ品種の栽培技術を確立するための拠点であり、葉たばこの生産性をより向上させる取り組みの検証や実証を行う場であり、葉たばこの魅力を広めていくための発信基地でもある。JTファーム茨城生産技術実証圃場の技術担当主任、井上琢也さんに案内してもらった。
植物としての“葉たばこ”の起源は、南アメリカのアンデス山中で生まれたナス科タバコ属の野生種「ニコチアナ・トメントシフォルミス」「ニコチアナ・シルベストリス」といわれている。現在葉たばことして栽培されている品種は「ニコチアナ・タバカム」と「ニコチアナ・ルスチカ」の2種で、主に「ニコチアナ・タバカム」種が世界中で栽培されている。日本で栽培しているのも「ニコチアナ・タバカム」種で、内容種、栽培乾燥方法の違いから黄色種・バーレー種・在来種に分かれている。