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ART | TOKYO HEADLINE - Part 14
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世界的に旬な海外作家に注目!レアンドロ・エルリッヒ展−Fragments of Illusion−

2014.08.17 Vol.624

 2000年にホイットニー・ビエンナーレでデビューして以来、国際的な注目を集め続ける作家、レアンドロ・エルリッヒの個展。

 日本では、金沢21世紀美術館に常設されている『スイミング・プール』で知っている人も多いはず。上から見ると水中をのぞいているような、下から見ると水上を見ているような、不思議な感覚を味わえるこの作品は、美術館の常設展示作品の中でも人気が高い。現在、同美術館で日本初個展を開催中のエルリッヒ。本展では、そんな彼の作品に、東京で出会うことができる。2006年の越後妻有アートトリエンナーレに出品した『妻有の家』や、越後妻有里山現代美術館[キナーレ]常設作品『トンネル』など、空間を使った大型の作品のイメージが強いエルリッヒ作品だが、今回の展覧会では、新作も含め、これまでとはまったく別の視点で作られた小さな作品を展示。作品の魅力をよりコンパクトに凝縮した、パーソナルなスタイルで展開する予定。ファンにとっても注目の機会となるはず。世代を超えて誰もが想像力を刺激される、不思議ながらも親しみやすいエルリッヒの世界を楽しんでみては。

リアルに、緻密に。画力に圧倒されるおすすめアート展

2014.08.02 Vol.623

Bunkamura25周年特別企画 だまし絵II 進化するだまし絵
Bunkamuraザ・ミュージアム 8月9日(土)〜10月5日(日)

 美術の歴史において、古くから親しまれてきたジャンル“だまし絵”のアートを堪能できるおススメの展覧会。

 2009年に開催された『だまし絵』展の続編となる本展では、多岐にわたり進化していく現代美術の展開にフィーチャー。古典的傑作を展示するプロローグに始まり、4つの手法ごとに合計5つに分けた構成で、現代の新しいだまし絵の数々を紹介。その進化する魅力に迫る。

 古典的作品では、ある絵の中に別の像を潜ませる“ダブル・イメージ”の傑作、アルチンボルドの『司書』も登場。実在の博学な人物を茶かし、その姿を積み重ねた本で表現したユーモア満点の作品だ。

 現代からは、“書き割り”の要領でリアルなアンプを表現したカズ・オオシロの『フェンダー・デラックス・リヴァーブ・アンプ2』や、鏡に映ると実像を結ぶ福田繁雄の『アンダーグランド・ピアノ』など、国内外の作品によりいろいろな“だまし絵”テクニックを楽しむことができる。

【時間】10〜19時(金土は21時まで。入館は閉館の30分前まで)【休】9/8のみ休館【料金】一般1500円、大学生1000円、中小生700円【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル)【交通】JR、地下鉄他渋谷駅ハチ公口より徒歩7分【URL】http://www.damashie2.com

巨匠たちの根源に迫る!「岡本太郎の目玉」

2014.07.19 Vol.622

 巨匠・岡本太郎の“眼”をモチーフとした作品約50点が一堂に集結! 1996年に岡本太郎が84歳で亡くなるまで岡本太郎のアトリエ兼住居だった岡本太郎記念館。その存在が息づく空間で“岡本太郎の目玉”が命のパワーを放つ。

 静物や富士山を描かず、“いのち”を描き続けた岡本太郎。それゆえ、彼の多くの作品には顔がある。ことに晩年は顔、それも“眼”ばかりを描いていたという。それらの作品は荒っぽく未完成で、代表作とは言えないようなものばかり。一体なぜ、芸術家人生の総仕上げのときに、太郎は子供のような絵を描き続けたのか。そしてそれはなぜ“眼”でなければならなかったのか。

 本展では、目玉の作品で壁を埋め尽くし“眼”の発するパワーを体感できる空間も演出。岡本太郎が、宇宙と合体する穴としてとらえた“眼”に囲まれ、見つめられ、見つめ合いながら、命を描き続けた巨匠の思いに近づいてみては。

巨匠たちの根源に迫る!
「特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−」

2014.07.19 Vol.622

 スペインを代表する建築家、アントニ・ガウディと日本を代表する漫画家・井上雄彦、それぞれ唯一無二の魅力を放つ2人によるコラボが実現!

 1882年の着工以来、今もなお建築中のサグラダ・ファミリアをはじめ、数々の独創的な作品で知られるガウディ。『SLAM DUNK』『バガボンド』などの人気作品を手掛け、近年は屏風絵など漫画の枠にとどまらない活動を行う井上。海外でもその作品の評価は高く、昨年には日本スペイン交流400周年の親善大使にも任命されている。そんな井上が、巨匠ガウディの偉業、そして人物像に独自のアプローチで迫る。

 本展では、ガウディの専門機関の監修のもと、自筆のスケッチや図面、大型の建築模型やガウディがデザインした家具など、貴重な資料約100点を紹介する。さらに、実際にバルセロナに滞在しインスピレーションを受けた井上が、描き下ろし作品約40点でガウディ・ワールドを展開。異色のコラボが生み出す化学反応を通して、両者の新たな魅力に出会えるはず。

若い感性とアートで触れ合う 絵画の在りか The Way of Painting

2014.07.06 Vol.621

 今注目の若手ペインター24人の近作、新作を中心に約120点を一挙紹介する展覧会。

 現代美術において、尽きることのない表現の可能性を秘めたジャンルである“絵画”。日本でも毎年、数多くの若手ペインターが排出されている。アニメやマンガなどのサブカルチャー表現や、氾濫するイメージが取り巻く現代においても、絵画という“古くて新しい”ジャンルに真摯に向き合いながら、独自の表現を模索するペインターも少なくない。

 本展では、2000年以降に活躍する24名の近作、新作合わせて約120点を一堂に展示。現代絵画の最新の動向を紹介するとともに、今日において絵画表現が持つ意味や本質を探る。また、会期中は出展作家たちによるアーティストトークも開催。トークで明かされる、絵画に込めた彼らの思いに迫る。

 現代絵画をテーマにした展覧会は意外と少なく、本展は、日本の若手ペインターの才能に触れつつ、絵画表現の楽しみを再発見できる機会となるはず。

若い感性とアートで触れ合う ワンダフル ワールド

2014.07.06 Vol.621

 これから始まる夏休みにぴったり、赤ちゃんから大人まで、親子で楽しむことができる展覧会がスタート。小さな子供を持つ親にとって、親子で美術鑑賞はなかなか難しいと考えがち。本展では、小さな子供の視覚世界を表現した作品や、作品に触れて遊びながら美術を鑑賞する作品が集合。子供も楽しめる展覧会となっている。

 会場には、子供たちの身近にあって興味の対象となりやすいモチーフ、フルーツや電車、鏡、動物、ブロックなどをアート作品にした、5人のアーティストによる体験&参加型展示が登場。非日常の世界に入り込んだ子供たちが、そこで出会うさまざまアートに、どんな反応を見せるのか。驚いたり、不思議に思ったり、面白がったり…子供たちの感覚を共有する楽しみも感じることができるはず。もしかしたら、子供のほうが構えることなく“現代アート”を楽しむことができるかも。また、体験型インスタレーションでは記念撮影もできるので、思い出に残る写真を撮ってみてはいかが。

日常生活から地球の環境問題まで! トイレのおもしろ企画展開催!

2014.07.06 Vol.621

 東京・お台場の日本科学未来館では、トイレとうんちを大真面目に考える企画展「トイレ?行っトイレ!~ボクらのうんちと地球のみらい」を開催。日常的に接しながら、考えることや語られることが少ないトイレに焦点をあてた子どもから大人まで楽しめる企画展だ。

 我々の生活に密着しているトイレは、日常の営みから、地球環境まで、あらゆる側面で生きることと関わっている。世界では約25億人がトイレを使えない環境にあるなか、同展では一人ひとりにとって“幸せなトイレ”とは何かをまじめに、そして愉快に考える。

 会場はプロローグからエピローグまで8つのエリアに分かれ、うんちやトイレの身近な問題から、下水処理、地球環境問題まで幅広く紹介、展示。上野動物園から提供された9種類の動物のうんちを観察して、どんな食生活をしているのか、体の中の構造がどうなっているかなどを知るコーナーや、粘土を使ってウンチを作るワークショップ(平日のみ)も。さらに、トイレの先にある世界が探検できるエリアでは、下水道の旅を体験。うんちのかぶりものをして、巨大便器のすべり台を降りると、そこは下水道の中。その水をきれいにし、海に流すまでの過程を、うんちになった気分で学ぶことができる。そのほか、未来の宇宙トイレや世界のトイレ事情、震災時のトイレ問題や地球環境におよぶまで、さまざまな角度からトイレとうんちを知ることができる。エピローグのエリアでは、13台の便器が「ありがトイレ」という歌を熱唱。“小さな穴からつながる地球、小さな穴からつながる命”という歌詞がトイレの先に人類の希望を見せてくれる。

ガウディ×井上雄彦 時空を超えた奇跡のコラボ

2014.07.05 Vol.621

 この夏もっとも注目の展覧会のひとつ『特別展 ガウディ×井上雄彦 −シンクロする創造の源泉−』が12日、六本木・森アーツセンターギャラリーでスタートする。日本中にバスケットボールブームを巻き起こした『SLAM DUNK』をはじめ、『バガボンド』『リアル』など、多くの人に愛される作品を発表する漫画家の井上雄彦と、サグラダ・ファミリアで有名なスペインを代表する建築家のアントニ・ガウディが、時空を越えて夢のコラボを実現する。井上は、墨絵や書といった新しい表現ジャンルに挑戦しているが、その表現をより深く追求するなかで、ガウディに対峙することなったという。

 展覧会では、ガウディの人間像とその物語を描く。ガウディ自筆のスケッチや図面、大型の建築模型、さらにはガウディがデザインした家具など貴重な資料約100件によってガウディ自身や彼の偉業を紹介するとともに、世界最大級ともいわれる手漉き和紙に挑んだ大作など、井上が書き下ろした約40点の作品も展示。さらに、3面スクリーンによる映像シアターも行われる。

 展覧会は、2013−2014日本スペイン交流400周年」の記念事業として行われるもの。井上は昨年12月、「日本スペイン交流400周年」の親善大使に任命されている。

 ローチケでは現在、同展の前売りチケットや井上が本展のために描き下ろしたキャラクターがデザインされた「越前和紙ブックカバー付チケット」(限定枚数での発売)などお得なチケットを発売中。展覧会がスタートすると当日料金での販売になる。

異国情緒から生まれる、新たな美術「魅惑のコスチューム:バレエ・リュス展」

2014.06.22 Vol.620

 1909年にパリで鮮烈なデビューを果たしたバレエ・リュス。主宰者セルゲイ・ディアギレフの慧眼により、同バレエ団は、ダンサーのワツラフ・ニジンスキーや作曲家のイーゴリ・ストラヴィンスキーといった数々の才能を輩出。ロシアのエキゾティシズムとして人気を集めたバレエ・リュスは、さらにピカソら当時パリで活躍していた前衛的なアーティストを取り込み、新しいスタイルの総合芸術として美術やファッション、音楽の世界にも大きな影響を与えた。本展では、オーストラリア国立美術館が有する32演目約140点ものコスチューム・コレクションをはじめ、デザイン画や資料などを一挙公開。同館が約40年かけて収集、保存してきたバレエ・リュスの衣装の数々が、国外でまとまったかたちで展示されるのは今回が初めてとなる。

異国情緒から生まれる、新たな美術「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 – 印象派を魅了した日本の美」

2014.06.22 Vol.620

 19世紀後半から20世紀初頭の西洋では、浮世絵を中心とした日本の美術が大流行。日本美術に刺激を受けた作品も数多く登場し“ジャポニスム”という現象が生まれた。本展ではボストン美術館のコレクションから厳選された約150点を紹介。西洋の芸術家たちが日本の美術と出会い、何を取り入れ、新たな美を創造したのかを多角的に検証する。

 見どころの1つは、修復期間後、世界初公開となるクロード・モネの傑作《ラ・ジャポネーズ》。日本美術の愛好家でもあったモネ。日本の小物を取り入れた“日本趣味絵画”といえるのは同作のみといわれているが、本展では日本的モチーフを取り入れた初期の作品だけでなく、表現方法にも日本の影響が見られる晩年の作品を展示し、モネのジャポニスムの変遷をたどる。

 モネ以外にも、マネやドガ、ロートレック、ルノワールなど印象派の画家たちの名品と、彼らを魅了した日本美術を対比して展示。西洋の芸術家たちが日本美術のどんな点に着目したか、分かりやすく伝える。

 日本美術と西洋美術のつながりを感じることができる展覧会だ。

時空を超えて、体感する「ミッション[宇宙×芸術]−コスモロジーを超えて」

2014.06.07 Vol.619

 日本人として初めてISSの船長を務めた若田光一宇宙飛行士の帰還や、陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の打ち上げ成功など、今年も宇宙関連の話題が熱い。東京都現代美術館では、ますます身近になっている現実の宇宙と、芸術家たちによるイマジネーションの宇宙をともに紹介しながら、宇宙とアートの新たな可能性を探る展覧会が開催される。

 宇宙にまなざしを向けてきたアーティストは多く、粒子や宇宙線による作品、人工衛星によるサテライトアートなどが生み出されてきた他、ISSの日本実験棟・きぼうでは芸術実験なども行われている。本展では、アートインスタレーション、人工衛星やロケットの部品などの実際の宇宙開発に関わる資料、宇宙に関連した文学やマンガ、アニメーションなどのエンターテインメント作品を紹介。さらには、スーパープラネタリウム『MEGASTAR』や、無重力空間をイメージできる『スペースダンス・イン・ザ・チューブ』などの参加体験型作品の展示や、トーク&イベントも実施する。

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