国賓、芸能人、スポーツ選手、弁護士、写真家、画家、国会議員、漫画家などの美術作品を紹介する第15回『文化人・芸能人の多彩な美術展』が東京・大手町のパレスホテルで開催。同会場で7日、行われたオープニングセレモニーには、安倍晋三内閣総理大臣や作品を出品した人気子役の鈴木福君が出席した。
「拡げよう文化の輪・芸術は世界を救う!」をスローガンとした同展覧会は今年15周年。世代を越え、アートの素晴らしさを伝えることを目的に始まったが、平成11年からは、チャリティーとしても開催。昨年からは「東日本大震災救済応援チャリティー企画」をテーマに開催している。
今回は、南アフリカ共和国第8第大統領のネルソン・ホリシャシャ・マンデラ氏をはじめ、安倍総理、現職警視総監・西村泰彦氏、EXILE・TAKAHIRO氏ら総勢100名、175点の作品が出品された。
オープニングセレモニーで安倍総理は「東日本大震災のチャリティーに貢献していることに対し敬意を払います。今回は"和をもって尊しとなす"という言葉を書いた書を出品した。単に相手に合わせるのではなく、議論すべきところは議論して、最後にはお互いを理解し合うというのが、日本の精神。秋からはさまざまな議論をしなけらばならない課題があるが、十分に議論し、決まったことに対しては、それを尊重したい」と意味深な挨拶。最年少の福君は「こんなにすごい人たちが出品している会に呼んでもらってうれしいけど、いいのかなって思った。せっかく呼んでもらったので、大好きな図工のちぎり絵で桜の木を書きました」と恥ずかしそうに話した。
オープン初日の7日には、作品を出品した有名人も多数訪れ、ファンや会場に来ていたお客さんと気軽に記念撮影するなど、和やかな雰囲気となった。
同展覧会は東京・大手町パレスホテルで、16日(金)まで開催。
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ART 視点を変えると新たな姿が見えてくる
岩合光昭写真展「ネコライオン」
東京都写真美術館 8月10日(土)〜 10月20日(日)
世界を舞台に活躍を続ける動物写真家・岩合光昭。野生動物の知られざる姿を数多くとらえてきた一方で、ネコやイヌなど人の身近にいる動物にもカメラを向け、多くの人を魅了している。
多岐にわたる取材対象の中でも、とくに多くの時間を割いて撮影を継続しているのが、ネコとライオンだという。岩合いわく「ネコは小さなライオンだ。ライオンは大きなネコだ」。同じネコ科でありながら、その大きさも生活環境もまったく異なるネコとライオン。それでも確かに、どこか似ている…。本展では岩合がとらえた、人間と共生するネコと野生に生きるライオンの姿を、約180点の作品で紹介。共通点や違いを見つけながらも、つながりを感じることができるはず。見終わった後は、ネコたちの中に“野生”を感じるようになるかも?
【時間】10〜18時(木金は20時まで。ただし8/10〜9/29までの木金は21時まで。入館は閉館の30分前まで)【休】月曜(月曜日が祝日の場合は開館し、翌火曜日休館)【料金】一般 800円/学生 700円/中高生・65歳以上 600円 【問い合わせ】03-3280-0099【交通】JR恵比寿駅 東口より徒歩約7分(動く通路使用)。恵比寿ガーデンプレイス内【URL】http://syabi.com
ART 「自分でやってみた」ら、見えてきた
「ミン・ウォン展 私のなかの私」
資生堂ギャラリー 開催中〜9月22日(日)
ドイツ・ベルリン在住のシンガポール人アーティスト、ミン・ウォンが日本映画や日本の伝統芸能から着想を得て制作した新作を発表する。
1971年、シンガポール生まれのミン・ウォンは、現在、ドイツ・ベルリンを拠点に活動する現代アーティスト。名作映画を自分が出演して“リメイク”し、オリジナルとの差異を通して、人種的・文化的アイデンティティーやジェンダーといった社会的問題を投げかけるといった、ユニークな映像作品で知られている。今回は、彼がかねてより望んでいたという初めての日本での滞在制作が実現。本展では、日本映画とその歴史を調査・分析し、「時代劇」「現代劇」「アニメ」の3つのジャンルに分類し、この3つの映画世界を、それぞれ特有のスタイルを模して表現する。不思議な違和感が浮かび上がらせる何かを感じて。
【時間】11〜19時(日祝は18時まで)【休】月曜(8/12〜16は夏季休業。8/17、18は開館、19は休館)【料金】入場無料【問い合わせ】03-3572-3901【交通】地下鉄銀座駅 A2出口から徒歩4分 東京銀座資生堂ビル地下1階【URL】http://group.shiseido.co.jp/gallery/
ART 老若男女、アートに浸る
レオ・レオニ 絵本のしごと
Bunkamura ザ・ミュージアム 開催中〜8月4日(日)
小さな魚たちの物語『スイミー』や、ねずみの『フレデリック』など、世界中で愛される絵本作家、レオ・レオニの全貌に迫る、大人も子供も楽しめる展覧会。
1910年、オランダに生まれたレオニは、9歳からデッサンの基礎を学び、その後イタリアでグラフィックデザイナーとして活動を開始。しかし1939年に戦争のため、ユダヤ人であるレオニはアメリカへ移住。イラストなどの仕事を続けていたが、49歳のときに孫のために作った『あおくんときいろちゃん』で絵本作家としてデビューした。以後、1999年で生涯を閉じるまで40冊近くの作品を発表している。
展覧会では、レオニの遺族とアメリカのエリック・カール絵本美術館が所蔵する絵本原画約100点とともに、幻想の植物群を描いた「平行植物」シリーズ、メキシコへの旅の体験を基にした「仮面」のシリーズなど、油彩や版画、彫刻約30点を展示。4つの章で生誕100年を迎えたレオニの“絵本のしごと”を紹介する。
【時間】10〜19時(金土は21時まで。入館は閉館の30分前まで)【休】会期中無休【料金】一般1300円 大学・高校生900円 中学・小学生600円【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)【交通】JR線 渋谷駅ハチ公口より徒歩7分【URL】http://www.bunkamura.co.jp
ART アートで、イメージを共有する
フランシス・アリス展
GIBRALTAR FOCUS ジブラルタル海峡編
東京都現代美術館 6月29日(土)〜9月8日(日)
ユニークなアートプロジェクトで注目を集めるメキシコ在住のアーティスト、フランシス・アリスの初期作品から新作までを一挙紹介する展覧会。6月29日から始まる第2期「ジブラルタル海峡編」では、アフリカとヨーロッパを隔てるジブラルタル海峡で行った大規模な新作プロジェクト《川に着く前に橋を渡るな》に焦点を当てる。会場では、これまでまとまった形では発表されずにいたこの作品を、映像、ペインティング、ドローイング、インスタレーション、彫刻の約100点で紹介。
【時間】10〜18時(入場は閉館の30分前まで)【休】月曜(7/15は開館)、7/16 【料金】一般1100円 大学生・65歳以上800円 中高生600円 小学生以下無料 ※第1期の観覧済みチケットを呈示すると第2期の観覧料が半額以下に割引【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル) 【交通】地下鉄 半蔵門線 清澄白河駅B2出口より徒歩9分【URL】http://www.mot-art-museum.jp
《川に着く前に橋を渡るな》 2008年、ジブラルタル海峡
アクションの記録映像と写真 Photo:Jorge Golem
ART 世界とつながる展覧会
世界報道写真展2013
東京都写真美術館 開催中〜 8月4日 (日)
昨年1年間に撮影された写真を対象に行われる『世界報道写真コンテスト』の入賞作品を紹介する展覧会。今年の2月にオランダのアムステルダムで開かれた『第56回世界報道写真コンテスト』では、10万3481点の応募作の中から55点が「現代社会の問題」「自然」「日常生活」など9つの部門で入賞。応募人数は5666人(124の国と地域)に上り、入賞者は54人となった。本展では、イスラエルのミサイル攻撃によって殺された2歳と3歳の子どもの遺体を抱きかかえて歩く男性たちの姿をとらえ、世界報道写真大賞2012に選ばれた、スウェーデンのポール・ハンセンによる作品など9部門の入賞作品を紹介。今年の入賞作品も、鋭く“今”をとらえた作品ばかり。東日本大震災から約1年後の岩手県の陸前高田市を取材したダニエル・ベレフラクによる作品も組写真3位に入賞している。また、今回から「スポーツ」や「ポートレイト」の部門が拡充されており、より幅広い表現に出会うことができる。
【時間】10〜18時(木・金は20時まで。入館は閉館の30分前まで)【休】月曜(月曜が祝日の場合は開館し、翌火曜休館)【料金】一般700円 学生600円 中高生・65歳以上400円【問い合わせ】03-3280-0099【交通】JR恵比寿駅東口より徒歩約7分(動く通路使用)恵比寿ガーデンプレイス内【URL】http://syabi.com/
ART 今週オススメ展覧会 part1
国内外で熱い視線を注がれるフィギュア造形家・竹谷隆之の展覧会。2000年に、渋谷パルコ3にて『竹谷隆之の仕事展 〜「仮面ライダー」から「漁師の角度」まで〜』が開催され大きな反響を得て以来、実物の造形展示による仕事展は実に13年ぶりとなる。
会場では、作品写真集『漁師の角度』(講談社)で使用された造形作品など、国内外で多くの注目を集めた代表的作品を含む、実物作品約80点を展示。さらに、創作に至るまでのデッサンやスケッチ、メモといった、制作過程に迫る資料の数々も合わせて展示されるほか、製作風景をとらえたドキュメント映像も上映される。
映像や画像として見るのとは全く違う、気迫漂う実物のオーラを感じることができる貴重な機会。アートでも工芸でもない、フィギュアの枠にも収まらない。竹谷隆之の造形力に見惚れるべし。
ART 今週オススメ展覧会 part2
都庁の壁面を若手美術作家の作品発表の場とし、都庁から世界へ文化的魅力を発信することを目指し、2000年5月にオープンしたトーキョーワンダーウォール。毎年、全国からの公募で選ばれた作品が都庁に展示され、訪れる人々に刺激と感動を与えている。さらに2001年からは都庁に加え東京都現代美術館でも入選作品の展覧会を開催し、多くの若手アーティストの作品を紹介し続けている。
今年は、応募総数592点から選ばれた20名が入賞。会場では、平面作品部門86点、立体・映像・インスタレーション作品部門7点の作品が展示される。今年は、立体・インスタレーション作品部門に映像も加わり、より幅広い作品を楽しめる展覧会となっている。若い美術作家ならではの感性や情熱、想像力に触れ、刺激をもらってみては。
ART ルネサンスの魅力に帰る
「ラファエロ」展
国立西洋美術館 開催中〜6月2日(日)
ルネサンスを代表する画家、ラファエロ・サンツィオ(1483−1520年)の、ヨーロッパ以外では初となる大規模展。ペルジーノらの影響が色濃く残る修業時代の作品から、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロに触発されたフィレンツェ時代の作品、さらにはローマ教皇のもとで数々の大規模プロジェクトに携わった晩年の作品まで、20点以上の貴重なラファエロ作品が集結する。なかでも注目は、日本初公開となる『大公の聖母』。本作は、ラファエロが数多く描いた聖母子像の中でも特に有名なものの1つ。本展では、作品の展示合わせて、エックス線写真で明らかになった“秘密”も紹介される。また今回は、ラファエロの周辺で活動した画家たちや、彼の原画による版画、工芸品など約60点も会場に並ぶ。
日本では、待望となる大規模なラファエロ展。その作品を堪能しながら彼の画業と人生をたどる、またとない機会となるはず。
【時間】9時30分〜17時30分(金曜は20時まで)入館は閉館の30分前まで【休】月曜【料金】一般1500円 大学生1200円 高校生800円【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)【交通】JR上野駅(公園口) 徒歩1分【URL】http://raffaello2013.com
蜷川実花が表参道ヒルズで写真展
ART 森美術館、10周年の”LOVE”!
六本木ヒルズ・森美術館の10周年記念展として開催される“愛”をテーマにした展覧会。美術史を彩る名作から話題を呼んでいる新作まで“愛”を語るアート約200点が一挙集結!
展覧会には、ジェフ・クーンズや草間彌生といった世界的な現代作家から、マルク・シャガールやオーギュスト・ロダンら巨匠たちの作品、さらには世界を席巻する“ボーカロイド”『初音ミク』も登場。多種多様な年代、国籍、ジャンルから、選りすぐった展示作品のラインアップはかなり豪華で見ごたえ満点だ。
愛といっても、恋愛、家族愛、人類愛と、その“かたち”はさまざま。ときとして憎しみや嫉妬を生む愛の複雑さ。あらゆる対立を超越する愛の力。インターネット社会における新たな絆…。作品それぞれの“愛のかたち”を通して、自分の中の“愛”をも見つめ直してみたくなりそう。