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ART | TOKYO HEADLINE - Part 19
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ART 小さな奇跡が、みんなの日常にあふれてる

2013.04.15 Vol.589

 何気ない日常に潜むさまざまな光景を、独自の視点から切り取った写真集『うめめ』などで幅広い層から人気を得ている写真家・梅佳代が、美術館で初の個展を開催。

 ちょっとした“衝撃”の瞬間をとらえたストリートスナップのシリーズや、知り合った人々にカメラを向け意外なまでの表現力を引き出した『女子中学生』『男子』、祖父や祖母ら家族の日常というパーソナルな題材ながら誰もが共感する普遍性にあふれた『じいちゃんさま』など、梅の作品には、一見ごくありふれた光景にひそむかけがえのない瞬間が見事に切り取られている。

 本展では、それら梅佳代の代表的なシリーズを網羅し、数々の未発表作品を交えて再構成した作品約390点を展示し梅佳代ワールドの全貌に迫る。

 アートには興味がない、写真展を見に行ったこともないという人の心をも瞬間的につかんでしまう、梅佳代ワールドの魅力を体験してみて。

ART あの名作シリーズが”合体”!

2013.04.01 Vol.588

 現代アーティスト・天明屋尚が注目する新進気鋭の作家たちを紹介するTENGAI GALLERY。今回は、天明屋自身の画業を下絵と版画で振り返る。

 通常、鑑賞者が見ることのない下絵には、完成された作品とはまた別の魅力があふれており、創作する作家の姿が浮かび上がってくる。

 また、本展ではシリーズ制作された過去作を、1つの作品として、一枚仕立て仕様で展示しているのも見どころだ。作家自身「シリーズものは本来、単体で見るより、すべて合わせて見るものとして制作している」と語っており、シリーズものを一枚仕立ての反場とすることで、その意図を忠実に反映した形で鑑賞できる、貴重な機会となる。なかでも初期の代表作『Japanese Spirit シリーズ』や、岡本太郎記念現代芸術大賞を受賞した『ネオ千手観音 3部作』の一枚物は、過去作を見てきたファンも必見だ。改めて、そのインパクトに圧倒されつつ、新たな発見を楽しむこともできそうだ。

ART Chim↑Pomが岡本太郎とコラボ!

2013.03.25 Vol.587

 2011年5月、渋谷駅に設置されている岡本太郎の作品『明日の神話』に福島第一原発を思わせる絵が付け足された。≪LEVEL 7 feat.『明日の神話』≫と題されたこの作品を制作したのは、これまでにも強い社会的メッセージを持つ作品を手掛けてきたアーティスト集団・Chim↑Pom。震災から2年を迎えた今、Chim↑Pomが再び岡本太郎との対話を試みる。

本展では、1967年に、ワシントンポスト紙に掲載されたベトナム戦争に反対するメッセージ広告のために太郎が文字を書いた作品『殺すな』など、太郎作品とのコラボレーション作品を含む新作を展示。今回の企画展を開催するにあたり、岡本太郎記念館の平野暁臣館長は「いまは無き芸術家と正面から格闘しようとした若い想像力の軌跡を見てほしい。そこにあるのは悪ふざけでも賛美でもない岡本太郎との真摯な対話だ」とコメントを述べている。

 常に社会と向き合い続けた岡本太郎と、現代社会のリアルを見つめ続けるChim↑Pom。太郎が残した作品から、Chim↑Pomは何を感じ、どう語りかけるのか。それは同時に、今を生きる我々への問いかけにもなるに違いない。

ART パルコゆかりのクリエイターたちが異色のコラボ!

2013.03.11 Vol.586

 1973年6月、渋谷公園通りにオープンした渋谷パルコ。その40周年を記念して、パルコにゆかりのあるクリエイターたちが集結し、異色かつ豪華なコラボレーションによる作品を発表!

 渋谷パルコやパルコそのものに関わりのあるクリエイター12人が、2人ずつ、計6組のコラボを展開。参加アーティストは、井上嗣也と箭内道彦、山口はるみと植原亮輔、蜷川実花とチームラボ、田名網敬一と伊藤桂司、大宮エリーと浅田政志、そしてみうらじゅんとリリー・フランキー。井上と箭内という世代を超えた広告界の巨頭によるコラボや、先日パルコミュージアムで行われた展覧会も話題を呼んだ大宮と個性派写真家として注目を集める浅田による「言葉と写真の十番勝負」をテーマとしたコラボ、多彩な分野で活躍を続けるみうら&リリーのおなじみコラボなど、広告、写真、アート、イラスト、デザイン、デジタルなど、さまざまなジャンルで活躍するクリエーターたちが、異色の顔合わせでどんな作品を作り上げるのか、乞うご期待。

ART 復興の”今”そして”未来”

2013.03.04 Vol.585

 東日本大震災後、アーツ千代田3331を拠点に活動を開始した東日本大震災復興プロジェクト「わわプロジェクト」は、新潟と神戸で本展を開催。かつて被災地と呼ばれていた地域で、何が生まれ、今どうなっているのか?を検証し、“その日”に備えるべく、今回東京展を開催する。

 本展では、現在も東北で復興活動に力を注ぐ人々や、アーティストによる継続的な取り組みを紹介し“復興の今”を伝えるだけでなく、明治三陸大津波を伝える風俗画報や、阪神・淡路大震災以後の復興活動年表などの資料も展示。

 会期中は『wawa音楽祭〜presented by POWER of LIFE〜』(3月10日)やドキュメンタリー映画『磐城寿しぼりたて23BYがあなたの杯にそそがれるまで』の特別上映など約20の多彩なイベントを開催。世代や地域を超えてあらゆる人々が震災を見つめ、共有する場となる。

ART アメリカ先住民族たちの輝き

2013.02.25 Vol.584

 ロマンティックなポートレイトや風景写真で成功を収めた写真家エドワード・S・カーティス(1868−1952)が、ネイティブ・アメリカンの姿を記録した、貴重な写真22点を展示。1899年、ニューヨークの大富豪エドワード・H・ハリマンのアラスカ探検隊に同行したことが転機となり、カーティスはネイティブ・アメリカンの撮影に専念。以後、彼らの社会に深く入り込み親交を深め、約30年にわたって彼らの生活や肖像を撮影し続けた。

 その作品は、単なる記録写真ではなく、失われようとするアメリカ先住民の最後の輝きを、深い敬意とともに写し撮っている。特に肖像写真は、人間の尊厳が見事に表現され、気高く美しい作品となっている。

 本展では、1900年代初頭に制作されたオロストーン技法の貴重なヴィンテージプリントを中心に、22点を展示予定。カーティスを魅了したアメリカ先住民たちの輝きを感じとって。

ART クセになる、違和感

2013.02.18 Vol.583

 プラダのロゴで作られた便器や、エルメスの包装紙でかたどられたマクドナルドのバリューセット、馬小屋の聖家族のオブジェに登場するハローキティー像などで知られるトム・サックスの展覧会。

 彼の作品はいわば「手作り(ハンドメイド)の既製品(レディメイド)」。聖性と俗性、ファンシーなものと凶暴なものなど、グレードの違う既存の“記号”同士を混ぜて、わざと手作り感満点の稚拙なディテールで再構築する。誰もがよく知るブランドのロゴやキャラクターが、ごちゃまぜにされ、誰も想像しないような状態で再現される。この違和感からなかなか目が離せない。アイロニカルながらもユーモラス。しだいに、チープな手作り感がカワイく見えてくるから不思議だ。

 本展では、トム・サックスが近年に制作してきたエディション作品をはじめ、プロダクトやカタログなど26点を展示する。

ART 国内外のメディア芸術が一挙集合!

2013.02.11 Vol.582

 アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において優れた作品を顕彰、展示するメディア芸術の総合フェスティバル・文化庁メディア芸術祭。過去最多となる海外71の国と地域からの1502作品を含む、合計3503作品の応募があり、部門ごとに大賞1作品、優秀賞4作品、新人賞3作品、功労賞としてメディア芸術分野に貢献のあった4名を選出。13日から、国立新美術館をメイン会場に、受賞作品などを展示、上映する。

 アート部門では、スイスのミュージックパフォーマンスグループによる、9人のアカペラと18の油圧ジャッキからなるオリジナル合唱作品『Pendulum Choir』が大賞を受賞したほか、アニメーション部門では日本の映画監督・大友克洋による短編作品『火要鎮』が大賞を受賞した。

 また会期中は、受賞者によるプレゼンテーションやシンポジウムなどを実施する。

ART 写真に、浸る

2013.02.04 Vol.581

 多彩な写真展を行うギャラリー、ペンタックスフォーラム。13日からは、ギャラリー㈵で徳谷ヒデキ「その先にあるパリ」展を、ギャラリー㈼では田部新「MATERIAL WORLD」展を開催する。

 徳谷ヒデキは、パリを題材としたスナップ作品を制作している写真家。パリの街並みという一見、使い古された題材をながらも、“美”を追求する作家の視点によって、見る者に“パリへの憧れ”をかきたてる、叙情豊かな作品となっている。本展では、2003年から2013年までに制作したパリスナップ作品約30点を展示する。

 田部新が映し出すのは、東京の都市のさまざまな景観。スクラップ&ビルドを繰り返す大都市・東京の景観を、作者独自の視点と感性でとらえていく。ビルの壁面や窓といった一見無機質な被写体の中にも、有機的な面白さを感じ取ることができる作品。本展では、スクエアサイズのモノクロプリント約30点を展示。それぞれの味わいを楽しみながら、写真表現の多様性を感じてみよう。

ART ときに絵画のように、ときに彫刻のように

2013.01.28 Vol.580

 テキスタイルアートの先駆者・新井淳一の、60年に及ぶ仕事の全貌を紹介する大規模な個展。
 1932年、織物文化の息づく群馬県桐生市に生まれた新井淳一は、高校卒業後、家業の織物業に従事。伝統的な布作りとともに、早くから新しい染織に加工を施した布の創作に取り組んだ新井は、1970年代から80年代にかけ、三宅一生や川久保玲といった日本を代表するファッションデザイナーとも協働。ファッションの世界でも広く知られた存在となった。

 本展では、新作を含む約60点の作品をダイナミックな構成で展示。パリを拠点に活動する建築家ユニットDGT(ドレル・ゴットメ・田根/アーキテクツ)の田根剛が展示構成を担当し、新井の布をミクロ・マクロで楽しめる空間を出現させる。合わせて、映像と音による空間演出で新井自身の言葉などを紹介。一枚の布に込められた彼の“ものづくり”の思想に触れながら、布が持つ無限の表現力を体感してみてはいかが。

ART 映画と彫刻 –“静”と”動”のコラボ

2013.01.14 Vol.579

「映画」と「彫刻」という異なる表現領域で活躍する2人のポルトガル人アーティストによる異色の展覧会。1人は、一般的な劇映画の文法・話法にとらわれず、ドキュメンタリーとフィクションの境界線に立つユニークな映画監督として知られるペドロ・コスタ。映画館ではなく、美術館で作品を発表するのも、彼の実験的姿勢の表れである。映画館では見ることのできない映像体験も魅力のひとつ。

 もう1人は、主に鉄を素材とする彫刻家として活躍し、ヴェネチアビエンナーレなどにもポルトガル代表として出品しているルイ・シャフェス。鉄という素材にこだわりながら、彫刻的表現のさまざまなイディオムを駆使して、幅広い造形を手がけている。

 一方は映画、一方は彫刻という、一見まったく異なる表現領域で活躍する2人の作家。プライベートでも仲の良いという彼らが、原美術館という空間で、どんな“対話”を繰り広げるのか。ちなみに、本展のタイトルは、2人がともに敬愛する日本映画の巨匠小津安二郎監督の墓碑に刻まれた一文字「無」に触発されて選んだものとのこと。

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