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ART | TOKYO HEADLINE - Part 23
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指江昌克展「見えざる手」

2012.03.12 Vol.544

ミヅマアートギャラリー 開催中〜3月31日(土)

 出身地・金沢を拠点に活動するアーティスト・指江昌克の個展。指江の作品に登場する瓦礫の山に浮かぶ球体の街は、彼の代名詞ともいえるモチーフ。瓦礫は主に消費文化や近代化に伴うスクラップ&ビルド、時に戦争や災害のもたらす日常生活の崩壊を象徴している。かつて、アダム・スミス(1723-1790)はその著作『国富論』で、個々人の利益追求が結果的に社会全体の利益を生むとする市場経済の調整機能を指摘した。現在我々が生きるこの社会は、その「神の見えざる手」が築いた真の利益追求の姿だというのか。指江の作品を見るとき、さまざまな問題を抱えながら膨れ上がる現代社会への疑問が、じわりと湧いてくる。

 本展では、高さ3.3メートルのふすまを使った作品を中心に、5点の新作で構成される。瓦礫や、都市の上に超然と浮かぶ球体に、指江は何を示唆しているのか。精緻な観察と対比によって生まれる指江の作品は、この世界を真摯に映し出す鏡なのかもしれない。

【時間】11〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3268-2500 【交通】地下鉄 市ヶ谷駅出口5より徒歩5分 【URL】http://mizuma-art.co.jp


ジェレミー・ディッキンソン展

2012.03.05 Vol.543

小山登美夫ギャラリー 3月10日(土)〜4月14日(土)

 ジェレミー・ディッキンソンはロンドンを拠点に制作活動を行う現代アーティスト。彼がモチーフとしているのは、子どものころから集めてきた“ミニカー”だ。彼のアトリエには、モデルカーやトラック、いろいろなバス、クレーン車、さらには電車まで、さまざまなミニカーが色や種類によってグループ分けされ、保管されているという。

 そんなミニカーたちは彼の作品のなかで、いきいきと再現される。積み木のように敷きつめられたり、塔のように積まれたり、輪になったりと、さまざまな並び方は抽象画のように見る者の好奇心を刺激する。一つひとつのミニカーは緻密な筆によって描かれ、サビや傷、色あせすら再現される。それは、過去に誰かが遊んだ証拠であり、流れた時を示すもの。一つひとつのミニカーに、物語と歴史があることを伝えてくれる。

 本展では、色とりどりのブロックとミニカーで形作られた交通地図のシリーズと、ミニカーのコレクションを描いたシリーズ、2つのシリーズの新作ペインティングを展示。集めることと描くことは循環のようになっていると語るディッキンソン。新たなコレクションから得たインスピレーションがどんな新作を生んだのか。

 また、同じく3月10日より同ギャラリー7Fにて、菅木志雄の展覧会も開催されるのでこちらもお見逃しなく。

【時間】12〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3642-4090 【交通】地下鉄 清澄白川駅 A3番出口より徒歩5分 小山登美夫ギャラリー6F 【URL】http://www.tomiokoyamagallery.com


「望郷 – TOKIORE(I)MIX」山口晃展

2012.02.27 Vol.542

メゾンエルメス 開催中〜5月13日(日)

 クラシカルな日本美術の様相を用いて、現代の日常をイマジネーション交えて描く現代美術家・山口晃の展覧会。

 山口は1969年生まれ。東京藝術大学にて油画を専攻、同大学院修了後、日本美術史と大和絵の深い造詣と、精緻な技術をもとに、独特の想像力とユーモアを持って日常と空想が混ざり合うような作風を確立してきた。2001年には、第4回岡本太郎記念現代芸術大賞優秀賞を受賞、近年では書籍や新聞挿絵、パブリックアートなど、活躍の幅を広げている。

 本展では、山口晃の代表的スタイルとなっている、洛中洛外図に着想を得た俯瞰図だけでなく、電柱のシリーズやノスタルジックな仕掛け小屋なども登場。見なれている光景が見知らぬ時代と重なり合う、奇妙な懐かしさと距離感。その面白さを味わえるのは、この作家ならでは。

【時間】11〜20時(日曜は19時まで・最終入場は閉場30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3569-3300 【交通】地下鉄 銀座駅 B7出口 メゾンエルメス8階フォーラム 【URL】http://www.art-it.asia/u/maisonhermes/2aMXQdZlgfwYi1GcBRxn/


靉嘔 ふたたび虹のかなたに

2012.02.13 Vol.541

東京都現代美術館 開催中〜5月6日(日)

 1960年代、フルクサス運動に加わり国際的にも注目を集めた美術家・靉嘔(あいおう)。その初期から新作までを網羅する回顧展を開催。

 エッフェル塔に300mもの虹色の帯を取りつけた「300m レインボー・エッフェル塔・プロジェクト」や、男女の姿を虹色で描いた「アダムとイヴ」など、作品に虹色が多く登場することから“虹のアーティスト”とも呼ばれる靉嘔だが、彼は単に“虹”という現象をモチーフにしているわけではない。色を追求し続けた結果、固有の色を排除して、光のスペクトル(可視光線)の順番を借り“すべての色”を用いるというスタイルにたどり着いたのである。

 本展では、虹のシリーズやパフォーマンスのドキュメント、触れて楽しむ体験型のインスタレーションに加え、192色の虹色で描かれた新作「マイ・いっくに・フレンズ」も展示。こちらは水平に置いたカンヴァスに、ランダムに192色の絵の具を流したもの。靉嘔はその色一つひとつを人物に見立て、それぞれに友人たちの名を記している。

 生命力あふれる靉嘔の世界を楽しんで。

【時間】10〜18時(入場は閉館の30分前まで) 【休】月曜 (4/30は開館)、5/1 【料金】一般1100円 大学生・65歳以上850円 中高生550円 【問い合わせ】03-5770-8600(ハローダイヤル) 【交通】地下鉄 半蔵門線 清澄白河駅より徒歩9分 【URL】http://www.mot-art-museum.jp


生誕100年 ジャクソン・ポロック展

2012.02.06 Vol.540

東京国立近代美術館 2月10日(金)〜5月6日(日)

 1940年代に、著名なコレクター、ペギー・グッゲンハイムに見出されて以来、床に広げた大きなキャンパスに絵具をふり注いで描く“アクション・ペインティング”で注目を集めたジャクソン・ポロック。その生誕100周年を記念し、日本で初めて大規模な回顧展を開催する。最新の評価額200億円という伝説の作品「インディアンレッドの地の壁画」がイランのテヘラン現代美術館が出品されるのをはじめ、ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館など世界の名だたる美術館からポロックの重要な作品が集結。さらに、現在日本国内に所蔵されている約30点のポロック作品すべてが一堂に会する。絵画を中心に、素描、版画など約70点を展示し、初期から晩年に至るまでのポロックの仕事の全貌を紹介する。

 本展では、忠実に再現されたポロックのアトリエなども見ることができるほか、彼が使用していた画材の現物なども特別展示。空間全体で、ポロック作品の真髄に触れることができる展覧会だ。

【時間】10〜17時(金曜日は20時まで・入館は閉館時刻の30分前まで) 【休】月曜(3/19、3/26、4/2、4/30は開館) 【料金】一般1500円 大学生1200円 高校生800円 【問い合わせ】03-5777-8600 (ハローダイヤル 8〜22時)  【交通】地下鉄 竹橋駅 1b出口より徒歩3分 【URL】http://pollock100.com/


イ・ブル展:私からあなたへ、私たちだけに

2012.01.30 Vol.539

森美術館 2月4日(土)〜5月27日(日)

 韓国の現代アーティスト、イ・ブルの世界に迫る展覧会。日本では今回が初の大規模個展となる。

 イ・ブルは1964年生まれ、ソウル市を拠点に活動を続ける韓国の女性アーティスト。1990年代以降、韓国のみならず国際的にも高く評価され、グローバル化以降のアートシーンの中でアジアを代表するアーティストとしての位置を確立した。機械と人間が融合したようなサイボーグ、スペース・カプセルのようなカラオケ・ポッド、輝きながらも崩壊しそうな建築・都市模型など、多様な素材を使った立体作品の数々で知られている。

 本展では、その代表作を「つかの間の存在」、「人間を越えて」、「ユートピアと幻想風景」、「私からあなたへ、私たちだけに」という4セクションに分けて紹介するとともに、イ・ブルの制作現場を思わせる「スタジオ」セクションで、ドローイングや模型を展示する。

【時間】10〜22時(火曜のみ17時まで・3/20は22時まで・3/24は「六本木アートナイト 2012」開催に伴い翌朝6時まで・入館は閉館時間の30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】一般1500円、学生(高校・大学生)1000円、子供(4歳〜中学生)500円 ※3/24は24時から翌朝6時まで一般1000円 【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル) 【交通】地下鉄 日比谷線 六本木駅徒歩0分(コンコースにて直結)。六本木ヒルズ森タワー53階 【URL】http://www.mori.art.museum


「没後150年 歌川国芳展」

2012.01.23 Vol.538

森アーツセンターギャラリー 開催中〜2012年2月12日(日)

 幕末の奇才浮世絵師・歌川国芳(1797〜1861年)の代表作から新発見の作品まで約420点を展示し、その全貌に迫る展覧会。発想の自由さ、斬新さ、卓越した表現力で時代を超えて愛される歌川国芳。日本のみならず国際的にも高い評価を得ており、2009年にはロンドンで展覧会が開催され評判を呼んでいる。

 本展では、武者絵、役者絵、戯画など、さまざまなジャンルの作品を揃え、その多様な画業を振り返る。ときに豊かなイマジネーションで江戸っ子を驚かせ、ときにユーモアで庶民を楽しませ、ときに風刺画で江戸っ子の心を代弁する。国芳ワールドの魅力は、江戸と現代という時を超えても伝わってくるはず。

 1月19日からは作品の多くを入れ替えて後期展示がスタート。前期展示を鑑賞した人も、新たな作品を楽しめる。

【時間】10〜20時(火曜は17時まで・最終入場は閉館30分前まで) 【休】会期中無休 【料金】一般1500円 学生1200円 子供500円 【問い合わせ】ハローダイヤル:03-5777-8600 【交通】地下鉄日比谷線 六本木駅よりコンコースにて直結 六本木ヒルズ森タワー52F 【URL】http://kuniyoshi.exhn.jp/


「龍」 2012

2012.01.09 Vol.537

マキイマサルファインアーツ 1月13日(金)〜1月24日(火)

 2012年の干支である「龍」というモチーフに、13名の現代アーティストが挑む。出展作家は、伊東直昭、今井紀彰、久保田弘成、白濱雅也、舩木大輔、ミヤタケイコ、山本藍子、麻生志保、高橋理加、バンドウジロウ、松浦春菜、松下由紀子、渡辺聖介の13名。

 同じ「龍」をモチーフにしているとはいえ、それぞれの表現はまったく違う。さまざまな世代、ジャンルの作家が「龍」というモチーフをどうとらえ、どう表すのか。神秘的な龍、どこかユーモラスな龍…そんな像としての表現を楽しむだけではなく、「龍」を通して13人の作家たちが思ったこと、伝えたいことを探るのも楽しそうだ。何より、干支は縁起物。2012年の幕開けに、作家たちとともに龍という大いなる存在に思いをめぐらせてみてはいかが。

【時間】11〜19時(金曜は20時まで・最終日は17時まで) 【休】会期中無休 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3865-2211 【交通】JR総武線浅草橋駅 東口より徒歩2分 【URL】http://www.makiimasaru.com


メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス企画展示 映画『ブリューゲルの動く絵』公開連動企画「AからZで紐解くブリューゲルの人生」

2011.12.19 Vol.535

銀座メゾン・デ・ミュゼ・ド・フランス 開催中〜2012年1月17日(火)

 現在渋谷ユーロスペース他にて公開中の映画『ブリューゲルの動く絵』(配給:ユーロスペース、ブロードメディア スタジオ)との連動企画として、16世紀フランドルの巨匠、ピーテル・ブリューゲルの魅力に迫るアート展を開催。フランス国立美術館連合(RMN)発行の絵本に基づき、AからZまでのアルファベットでブリューゲルの人生を紐解くというユニークな企画だ。

 映画のモチーフともなっている、ウィーン美術史美術館が所蔵する「十字架を担うキリスト」は、作品保護ののためにオーストリア国外へ出る事のない名作として知られている。本展では、それらをはじめとする代表作の数々を原寸で出力し、より実物に近い状態で鑑賞することができる。

 映画は、まるでブリューゲルの作品世界に入り込んだような映像体験ができる斬新なアートムービーとして日本でも大絶賛。展覧会と映画を合わせて楽しめば、より深くブリューゲルの秘密に迫ることができるかも。

【時間】11〜19時 【休】日・祝日、年末年始 【料金】入場料無料 【問い合わせ】03-3574-2380 【交通】地下鉄 銀座駅A2出口より徒歩5分 【URL】http://www.museesdefrance.org/top.html


オノ・ヨーコ 展 灯 あかり

2011.12.12 Vol.534

小山登美夫ギャラリー 開催中〜2012年1月28日(土)

 1950年代、ニューヨークの前衛活動の中心的存在となったオノ・ヨーコは、1960年代以降、世界中で展覧会やパフォーマンスを行い、アートシーンの展開に大きく貢献してきた。その創造的活動への原動力には、一貫して「平和と自由への祈り」 というテーマがある。今年7月、オノ・ヨーコは「美術の分野で人類の平和に貢献した作家」として第8回ヒロシマ賞を受賞。受賞記念展を広島市現代美術館で開催した。個展のタイトルは“希望への路”。そこには、広島と長崎の被爆からの復興、そして今、日本が直面している被災からの復興への強いメッセージが込められた。

 本展では「灯 あかり」と題して、観客が巨大な迷路の中を歩き、暗闇を抜けた先に光を見つける作品《灯への道》など、震災を受けた日本に明かりをもたらすような作品の数々を展示する。

 社会の規範や固定された価値観へ疑問を投げかけ、そして特に社会が変化を迫られる時に、人々それぞれの想像力に働きかけることで未来への力を与えてきたオノ・ヨーコの作品。本展でも、彼女のメッセージが見る者の心に明りを灯してくれるに違いない。

【時間】12〜19時 【休】日月祝 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3642-4090 【交通】地下鉄 清澄白河駅より徒歩7分 小山登美夫ギャラリー 7F, 6F 【URL】http://www.tomiokoyamagallery.com


滑川由夏 – A Place of Innocence

2011.12.05 Vol.533

アートフロントギャラリー 12月6日(火)〜12月25日(日)

 素朴ながら表情のある人物表現で知られている滑川由夏。顔のパーツのない人物がお辞儀をしていたりしゃがみこんでいたり、ごく普通の日常の動作をしている姿がなぜかユーモラスな作品を制作していた。その滑川が近年、使うようになったのが半透明などの樹脂キューブという素材。立体の粒で平面的な人物がいる風景などを描いたり、キューブを積み重ねて建物を思わせるような作品を作る。その1つが、2010年に制作された「I had my whole life ahead of me」。建物の外郭のように、キューブが積み重ねられているが、周囲には粒がちらばり、中央には空洞が残る。今の我々がまず浮かべるのは、あの震災で目にした光景だが、この作品が作られたのは昨年のこと。色のない、光が透けるキューブで作り出された、不完全な空間。そこから感じるのは、空虚さでも、懐かしさでも、解放でも、希望に満ちた可能性でもいいのだ。

【時間】11〜19時 【休】月曜 【料金】入場無料 【問い合わせ】03-3476-4869 【交通】東急東横線 代官山駅より徒歩5分 【URL】http://www.artfront.co.jp/


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