尾形光琳(1658〜1716)によって生みだされた国宝「燕子花図屏風」を公開する特別展。「燕子花図屏風」は『伊勢物語』の中の一節に基づいて描かれたと考えられている。その一節とは、東国に下る途中の主人公が三河国の八橋で燕子花の群生を目にして、「かきつばた」の五文字に合わせ「唐衣きつゝなれにしつましあれば はるばるきぬる旅をしぞ思ふ」と歌を詠んだという場面。総金地の背景に、燕子花の群生が鮮やかに咲き誇るさまは、まさに和歌の幽玄な世界が広がるよう。
本展では根津美術館が所蔵する国宝「燕子花図屏風」をはじめ、和歌と関わりをもつさまざまな絵画作品を選りすぐって紹介。和歌にもよく詠まれる桜と紅葉、その名所として知られる吉野と龍田川をモチーフにした「吉野龍田図屏風」なども展示。あわせて、室町時代に制作された「伊勢物語絵巻」(個人蔵)3巻も展示される。絵巻や屏風を通して『伊勢物語』の世界に触れる機会だ。
「国宝 燕子花図屏風 −歌をまとう絵の系譜−」
根津美術館 4月13日(水)〜5月15日(日)
【時間】10〜17時 ※夜間開館:5/10〜15は19時まで。(入館は閉館の30分前まで)
【休】月曜(5/2は開館)
【料金】一般1300円、学生(高校生以上)1000円、中学生以下は無料
【問い合わせ】03-3400-2536
【交通】地下鉄 表参道駅 A5出口より徒歩8分
【URL】 http://www.nezu-muse.or.jp/