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 “美の競演”を楽しむ『はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション』

2016.01.23 Vol.659

 西洋美術を紹介する日本初の本格的な美術館として創設され、その優れたコレクションで世界からも注目されている岡山県倉敷市の美術館・大原美術館。西洋近代美術をはじめ、日本近代洋画や、エジプトやオリエント、東洋の古代美術、そして戦後美術から現代美術家の作品まで、きわめて多岐にわたるコレクションから選りすぐった作品の数々を東京で堪能できる、注目の展覧会。

 大原美術館は倉敷の大実業家であり、社会貢献や福祉の分野にも多大な足跡を残した大原孫三郎(1880-1943年)が1930年に創設したもの。岡山県出身の画家・児島虎次郎が孫三郎のサポートを得てヨーロッパで収集したものがもととなっている。

 本展では、大原美術館コレクションの代表的作品エル・グレコの《受胎告知》をはじめ、岸田劉生ら日本の近代洋画、モネやピカソら西洋の近代美術作品はもちろん、エジプトや東洋の古代美術、戦後、現代美術までを網羅して紹介する。

『はじまり、美の饗宴展 すばらしき大原美術館コレクション』
【時間】10〜18時(金曜は20時まで。入場は閉館の30分前まで)
【休】火曜【料金】一般1600円、大学生1200円、高校生800円
【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【交通】地下鉄 乃木坂駅 青山霊園方面改札6出口(美術館直結)
【URL】 http://hajimari2016.jp/

年始の芸術鑑賞は巨匠作品でゴージャスに!『ボッティチェリ展 』

2016.01.12 Vol.658

 優雅で美しい聖母や神話の女神を描いた作品で知られるフィレンツェの画家、ボッティチェリは、名門メディチ家の画家として名を馳せ、大型の祭壇画から私的な神話画まで幅広いテーマの作品を手掛けた。ルネサンス期、多くの画家たちが遠近法や明暗法を駆使した自然主義的な表現に向かうなか、ボッティチェリは中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式を貫き、独自の絵画世界を作り上げた。

 しかしその作品の多くは板に描かれており、きわめて繊細であるため、まとまった数の来日はこれまで叶わなかった。今回は、日伊国交樹立150周年を機に、フィレンツェをはじめ世界各地から20点以上ものボッティチェリ作品を集めることに成功した、注目の大回顧展となっている。

 本展では、初期から晩年までの宗教画、神話画、肖像画を通して、ボッティチェリ作品の特徴と魅力を紹介。他にもボッティチェリの師、フィリッポ・リッピや弟子、フィリッピーノ・リッピの作品も合わせて展示。15世紀フィレンツェにおける絵画表現の系譜をたどる。

ボッティチェリ展
東京都美術館 1月16日(土) 〜 4月3日(日)

【時間】9時30分〜17時30分 (金曜は20時まで。入室は閉室の30分前まで)
【休】月曜、3月22日(3/21、28は開室)
【料金】一般1600円、学生1300円、高校生800円、65歳以上1000円
【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【交通】JR上野駅 公園口より徒歩7分
【URL】 http://botticelli.jp

年始の芸術鑑賞は巨匠作品でゴージャスに!『フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展』

2016.01.12 Vol.658

 フェルメールやレンブラントら、17世紀オランダの巨匠たちの貴重な作品とともに、当時のオランダ文化を辿る展覧会。

 歴史上まれに見る発展期にあり“オランダ黄金時代”といわれていた17世紀。それは、新たな芸術文化が発展し、数多くの優れた画家が誕生した時代でもあった。本展ではオランダ黄金時代の幕開けから最盛期、その終えんまでをたどり、名画の数々とともに当時の文化を伝える。会場では、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、アムステルダム国立美術館を中心に個人蔵の作品も加え60点を一堂に展示。ヨハネス・フェルメール、レンブラント・ファン・レイン、フランス・ハルス、ヤン・ステーン、ピーテル・デ・ホーホといった、オランダ黄金時代の巨匠たちをはじめ、この時期のオランダ芸術を語るうえで欠かせない作品が揃う。なかでも、メトロポリタン美術館所蔵のフェルメール作《水差しを持つ女》、レンブラント作《ベローナ》は、これが日本初公開作品。見逃せない貴重な機会となるはず。

フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展
森アーツセンターギャラリー 1月14日(木)〜3月31日(木)

【時間】10〜20時(1/26、2/2、9、16、23は17時まで。入館は閉館の30分前まで)
【休】1月19日
【料金】一般1600円、大高生1300円、4歳〜中学生600円
【問い合わせ】03-5777-8600(ハローダイヤル)
【交通】地下鉄 日比谷線 六本木駅 1C出口よりコンコースにて直結 六本木ヒルズ森タワー52階
【URL】 http://www.tbs.co.jp/vermeer2016/

年末年始も人気スポットでアート『ゴジラ×生賴範義回顧展』

2015.12.29 Vol.657

“元祖・ゴジラ絵師”として親しまれ、今年、惜しまれつつこの世を去ったイラストレーター・生賴範義(おおらい のりよし)の回顧展。

 生賴は1960年代からイラストレーターとして活動を開始。1980年に、ジョージ・ルーカスからの正式オファーにより『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』国際版ポスターを手掛け、一躍脚光を浴びた。その後も『グーニーズ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』など、数々の話題作のポスターを手掛けた他、雑誌や書籍のカバーなど幅広く活動。

 なかでも代表的な仕事となったのが『ゴジラ』シリーズのポスターだ。1984年公開作からの“平成ゴジラシリーズ”のほとんどのポスターを担当し、ゴジラ絵師として特撮ファンから熱狂的な支持を得た。

 本展では生賴が残したゴジラ作品を中心に、ラフスケッチなどを展示。会期中には、イベントの他、展示ポスターの人気投票企画なども実施。

 2016年には、待望の邦画版新作『シン・ゴジラ』も公開となるだけに、見逃せない。

年末年始も人気スポットでアート「小山登美夫ギャラリーコレクション展」

2015.12.27 Vol.657

 ショッピングスポットとしても人気の渋谷ヒカリエで、アートやクリエイティブなイベントを気軽に楽しめる8/。なかでも注目作家の作品を次々と紹介する人気のギャラリー、Tomio Koyama Galleryが、そのコレクションを中心に選りすぐりのアート作品を一挙展示。今回は、同ギャラリーのコレクションやギャラリーアーティストの作品を紹介する。

 本展では、フランツ・アッカーマンやリチャード・タトル、デイヴィッド・ホックニー、JR、ディヴィッド・リンチといった、多彩な世界的アーティスト、川島秀明や奈良美智、村上隆ら人気の国内アーティストの作品などを揃える。

 過去に同ギャラリーで個展を行い注目を集めた作家の作品もあるので、見逃した人や、もう一度気になる作家の作品が見たい人は、ぜひ出かけてみて。

見逃し厳禁!! 鬼才の海外作家個展「カールステン ・ ニコライ個展」

2015.12.13 Vol.656

『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2012』や『第17回 文化庁メディア芸術祭』(2013年)など日本でも注目を集めた、カールステン・ニコライの個展。

 90年代に美術家としてベルリンで活動を始め、ドクメンタXなどにも出展し高い評価を得る一方で、アルヴァ・ノトの名前で電子音楽の分野でも才能を発揮。ファクシミリ音やクリック音にまで音楽の領域を広げるなど視覚アートと音楽の世界を自由に行き来しながら活動の場を広げているアーティストだ。

 本展では代表作『bausatz noto ∞ – color vinyl display, 1998/2015』を中心に展示。アーティストに作成されたレコードと4台のターンテーブルがセットになっているインスタレーション作品で、観客は4台のターンテーブルそれぞれの回転速度を変えたりしながら、同時にエンドレスにループで再生される音を聞くことができる。4つのレコードを使って組み合わせる音のパターンは無限大。作品そのものが、音楽を作り出す装置でもある。

 音楽とアート、2つの世界で活躍するニコライならではの作品。もともとは1998年に発表された作品だが、今回はその新作のカラーバージョンを日本初公開。

見逃し厳禁!! 鬼才の海外作家個展「アントワン・ダガタ展 “Aithō”」

2015.12.13 Vol.656

 世界中を巡りながら、娼婦、薬物中毒者、スラム、性行為、暴力など生と死の狭間や世界の暗部で生きる人々を、撮影し続ける写真家アントワン・ダガタの写真展。

 1961年フランス、マルセイユに生まれたダガタは、1983年にフランスを離れ、およそ10年の間、世界を放浪した後、90年からニューヨークのICP(国際写真センター)でラリー・クラークらに師事し、マグナムのニューヨークオフィスにて久保田博二のアシスタントも経験。98年に出版した最初の写真集『De Mala Muerte and Mala Noche』(不貞な夜)が注目を集め、以降、出版した写真集は数々の賞を受賞。映像作品も手掛けており、2006年には東京でドキュメンタリー作品『Aka Ana』も撮影している。

 本展では古い鏡に映った49点のセルフポートレイトによる新作のインスタレーションを中心に、過去の作品も含めて展示。時には自ら被写体と関係を持ち、自らその世界の住人となりながら、欲望、苦痛、希望と絶望のはざまを縫うように撮影する鬼才写真家の眼差しを受け止めて。
 会期中、1FのNADiff a/p/a/r/tでは新作写真集『Aithō』 『Desordres』を限定販売。

才能が出会って、生まれる。「天明屋尚×インディゲリラ展 」

2015.11.24 Vol.655

 日本の“ネオ日本画家”天明屋尚と、インドネシアの夫婦アーティストデュオ・インディゲリラによるコラボ展。

 既存の日本伝統絵画のイメージを刷新する作品を次々と発表し、国内のみならず海外でも高い評価と注目を得ている天明屋尚。インドネシアを拠点に活動するインディゲリラも、天明屋の仕事に引かれており、昨年は、両者が自国で注目している若手作家たちを選んだダブルキュレーション展を合同で開催した。

 本展では、そんなアジアの気鋭アーティスト2組が、それぞれの新作を発表する。天明屋は、初期代表作のひとつであるJapanese Spiritシリーズの新作群を披露。作品の背景にあるのは、外国人の日本に対するステレオタイプの誤解。そのイメージをさらに増幅させ、外国人が見ることを前提に制作されたとのこと。

 展覧会は今回が初。彼らはジャワの民俗学と現代の都市生活についての深い知識と興味を持っており、その作品における洗練された視覚効果と実験的な表現手段は国内外で高く評価されている。

 自国の培ってきた文化を洞察し、現代人の姿を鋭い批評性と多様な手段で表現しているアーティスト2組から刺激を感じることができるはず。

才能が出会って、生まれる。『ジョン・ウッド&ポール・ハリソン 説明しにくいこともある』

2015.11.21 Vol.655

 1993年から英国を拠点に活動するジョン・ウッド&ポール・ハリソンは、パフォーマンスやアニメーション、建築的なセットやさまざまな装置を取り入れたビデオ作品を共同で制作しているアートユニット。そのユニークな作風で、近年、英国内外で人気と評価を高めている。日本でも、森美術館などの巡回展で紹介されたほか、同ギャラリーの『オープン・スペース 2012』でも6作品を展示して人気を博していた。

 あるときは、2人の男が“板”を操る。またあるときは、二人三脚の状態でマシンから発射されるボールを避けようとする。固定アングルで淡々と撮影される映像は、奇妙で不思議、どこかユーモラス。画面の向こうで、何をしているのか、何が起こっているのか、分からずとも引きつけられてしまう。

 本展では、パフォーマンス、アニメーション、物語、映画とテーマを分け、日本初公開となる作品を含む20作品を紹介。別視点から見た日常なのか、劇的に切り取られた物語なのか、はたまた記録や実験なのか…“説明しにくい”不思議で楽しい世界へようこそ。

軌跡をたどって触れる、アートの奇跡「オノ・ヨーコ 私の窓から」

2015.11.08 Vol.654

 コンセプチュアル・アートの先駆者として、社会のシリアスな課題をユーモアあふれるアプローチで発信してきた芸術家、オノ・ヨーコ。これまで主に戦後アメリカ美術の中で語られてきた彼女の活動の軌跡を、本展では、そのルーツである“東京”に沿って紹介。

 展覧会では、1930年代にオノの感性を育んだ芸術教育に始まり、アーティストとして活動する以前の関連資料や創作、初期の創作活動、1950−70年代の東京での活動、近年の作品などを紹介。オノの代表作であり、コンセプチュアル・アートの歴史の中でも重要な本『グレープフルーツ』については、日本初公開となる作品で紹介するほか、東京都現代美術館が所蔵する初版本も展示。また1969年に日比谷野外音楽堂で行われたジョン・レノンとのキャンペーンの企画『WAR IS OVER!』や、環境をテーマに掲げた1974年の『One Step Festival』など、社会の課題に向き合ってきたオノの活動も貴重な資料とともに振り返る他、近年、さまざまなところで起きた暴力を主題とする美術作品や音楽作品なども紹介。

軌跡をたどって触れる、アートの奇跡「LABYRINTH OF UNDERCOVER “25 year retrospective” 」

2015.11.07 Vol.654

 世界的に注目を集めているブランド・UNDERCOVER。その25年の軌跡を振り返りながら、ファッションにとどまらない、UNDERCOVERのクリエイションを紹介する展覧会。

 1990年、高橋盾がまだ文化服装学院在学時に立ち上げたブランド・UNDERCOVERは、東京のストリート感覚を反映した独自の作風で、たちまち“裏原系ブランド”の代表として人気沸騰。2003春夏以降はパリコレクションで発表を続ける世界的ブランドとして成長し、現在に至っている。

 本展では、初期から最新作までのコレクションルック約100点を中心に、“ショーピース”と呼ばれる貴重な1点ものの作品を紹介。さらに、ショーごとに作られているコンセプチュアルな演出にもフィーチャー。GRACEというドールが登場する物語性豊かな世界、UNDERMANと呼ばれる独自のニューヒーローなど、ファッション(服)、写真、映像、立体、絵画などの多面的なクリエイションを通して、UNDERCOVERの奥深い魅力に迫る。

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