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CD | TOKYO HEADLINE - Part 10
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ソウルフルにファンキーに『インポッシブル・ドリーム』ヘイリー・ボナー

2016.08.09 Vol.672

 カナダ出身のオルタナカントリーシンガーソングライター、ヘイリー・ボナーの最新作。高い評価を集めた前作『Last War』(2014年)に続く作品で、80年代のインディーミュージックや、ニューウェイブなどが融合。ポップさやキャッチーさを持ちつつも、深部に迫るほど複雑で聞きごたえがある。90年代に海外のインディーロックの洗礼を受けた音楽ファンならば間違いなく恋に落ちそうなサウンド。すでに本作を携えてのヨーロッパツアーも決定しており、このアルバムは彼女の名前をさらに浸透させるものになりそう。『I Can Change』など全10曲を収録。懐かしくてフレッシュなフレーバーに酔う。

ソウルフルにファンキーに『ゅ 13-14』ユニコーン

2016.08.08 Vol.672

 マイペースながら勢力的に活動を展開しているロックバンド、ユニコーンがリリースする最新アルバム。通算13作目、14曲を収録しているユニコーンのアルバムであることをストレートに表現したユーモアのある彼ららしいアルバムタイトルやアートワークはご愛敬。メンバーいわく、ありのまま、等身大の作品という本作には、ドラマ『重版出来』の主題歌『エコー』を始め、『すばやくなりたい』『風と太陽』などユニコーンならではのグルーヴ感やファンクネスが漂う楽曲が並ぶ。CD、CD+DVD、カセットテープなどトータル5形態で発売。こんなところにも自由な空気がただよう。

[J-POP ALBUM]キューンミュージック 8月10日(水)発売 5000セット限定完全生産限定豪華BOX 1万5700円、初回生産限定盤(CD+DVD)3600円、通常盤(CD)3000円、完全生産限定盤(2LP)4500円、完全生産限定盤(カセットテープ)3600円(すべて税別)

ソウルフルにファンキーに『香港的士 – Hong Kong Taxi-』クレイジーケンバンド

2016.08.08 Vol.672

 バンドのボーカルでありかつ要の横山剣デビュー35周年を記念したアルバム。2017年にはバンドのデビュー20周年も控えていることもあり、バンドのこれまでとこれからが詰め込まれている。異国情緒にあふれつつも居場所は香港なのか、はたまた全く別の場所なのか……独特でエキゾチックな香りをサウンドやグルーヴを通じて振りまき、リスナーを魅力する。もちろんバンドの特徴ともいえる、ドライブミュージックとしての側面もばっちりだ。海沿いのルートを快適に飛ばしているような感覚が味わえるナンバー、どこにも行きたくないと歌う『退屈な日曜日』でさえハンドルを握りたくなるような軽快さがある。本作はセルフカバーをメインに、新曲、横山がかつて所属したバンドの楽曲を新たに収録している。CKB、そして横山の魅力に浸ることができるソウルフルでファンキーで、ちょっとケオティックなアルバム。

ソウルフルにファンキーに『BROTHERS & SISTERS』LAKUTA

2016.08.07 Vol.672

 イギリス出身の10人組グループ、ラクータのデビュー盤。2008年に結成された本グループは、コンガやパーカッション、ボーカルも担当するシスリー・ローズ・テイラーをリーダーとする多国籍多人種のグループで、アフリカのファンキーでダンサブルなアフロビートで楽しませてくれる。アフロビートを生み出したフェラ・クティは言うまでもなく、ジャズグループなどからも影響を受けているというサウンドは一度聞いたら再生のループが続くイヤーウォームサウンド。自然と体が動き出すグルーヴ感も堪らない。ちょっと大人な雰囲気で体を揺らしたいならこの夏一番ぴったりなアルバム。『Bata Boy』など全10曲を収録。

ソウルフルにファンキーに『LUNATIQUE』石野卓球

2016.08.06 Vol.672

 石野卓球が前作から6年ぶりにソロオリジナルアルバムをリリース。フランス語で「気まぐれな」という意味を持つタイトル『LUNATIQUE(ルナティーク)』を冠した本作は、アルバムアートワークからも想像できるように官能的。それも「自分の性嗜好とか性的な経験みたいなもの、性の変遷から性の今後、みたいなものをテーマに作ってみたいなと思って」(本人)! そんな話を聞かずとも、全10曲約70分のアルバムは、軽く体を揺らしつつ聞き入ってしまう、それが官能的? アートワークは、石野の盟友である宇川直宏が担当。1978年発行の成人向け雑誌『漫画エロトピア』の表紙にハードコアレタッチを施している。

音で感じる熱さと暑さ、そして清々しさ。『JOY OF LIFE』葉加瀬太郎

2016.07.29 Vol.671

 昨年デビュー25周年の節目の年を迎え、さまざまな作品やプロジェクトでアニバーサリーを祝った葉加瀬が、今年はソロデビュー20周年を謳歌している。その軸となるのが本作だろう。タイトルが示すようアルバムは、人生、生きることの楽しさが音符になり、音色になり、リズムとなって飛び出してくるような作品になっていて、聞き進めるほどに心や体が軽くなり、ウキウキとした気分になってくる。収録曲は、タイトル曲を含め、テレビ朝日系『MorningShow』のテーマ曲を筆頭に耳なじみのあるナンバーも豊富。目を閉じれば美しい風景が広がり、風さえも感じられる作品だ。

[EAZY LISTENING ALBUM] HATS 8月3日(水)発売 【限定盤】(2枚組CD)3400円、【通常盤】3000円【ローソンHMV盤】3700円(すべて税別)

音で感じる熱さと暑さ、そして清々しさ。『GESTO』Joana Queiroz, Rafael Martini,Bernardo Ramos

2016.07.29 Vol.671

「21世紀のクルビ・ダ・エスキーナ」と称される現代ブラジルの尖鋭的なアーティストが集まる音楽サークルで中心的な役割を担っている、クラリネット奏者のジョアナ・ケイロス、ハファエル・マルチニ(作・編曲家/ピアニスト)、そしてギタリストのベルナルド・ハモスがトリオを結成、ファーストアルバムを発表した。自国の音楽に対する敬意を払いつつも、ジャズやクラシック、ロックなどさまざまな要素を取り込んで独自の音楽を生み出している。絵本のページを繰るような感覚が味わえるアルバム。心地よい風が感じられる。

[WORLD ALBUM] SPILAL RECORDS 8月3日(水)発売 2870円(税別)

音で感じる熱さと暑さ、そして清々しさ。『夢を追う旅人』エレファントカシマシ

2016.07.28 Vol.671

 曲の冒頭から飛んでくるポジティブな塊のメッセージが背中をがつんと押してくれる。エレファントカシマシの新曲は聴く人すべてを元気づけ、勇気づけてくれる応援歌だ。どんなことがあってもパワーをチャージして次へ、そして前へ。飾り立ててもいないし、珍しくもないメッセージかもしれないが、宮本が歌うとそれがとてつもなくスペシャルに感じられてくるのだ。この曲は、リオオリンピックにも出場するレスリング女子の登坂絵莉選手を応援する「POWER!ひとくちの力 登坂絵莉選手篇」のCMソング。宮本の力強い歌声とともも登坂選手の勇姿にエールを送ろう!

[J-POP SINGLE] ユニバーサルシグマ 8月3日(水)発売 初回限定盤(CD+DVD)2300円、通常盤(CD)1100円(ともに税別)

音で感じる熱さと暑さ、そして清々しさ。『Hero』安室奈美恵

2016.07.25 Vol.671

 タイトル曲は壮大でドラマティックなナンバー。“あなたのヒーローになる”というフレーズが神聖に響き渡り、ゆったりとしたテンポに乗せた清々しいボーカルが地平線の向こうまで響き渡っていくような感覚を与える。土に根付いたようなビートが徐々にモダンなダンサブルなサウンドへと展開していくところは安室らしい。本作は、NHK リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック放送テーマソング。これから始まる熱い闘いを盛り上げ、ベストパフォーマンスを目指すアスリートたちを鼓舞し、感動を演出する楽曲になることは間違いなさそう。

[J-POP SINGLE] Dimension Point 7月27日(水)発売 (CD+DVD)1800円、(CD)1000円(すべて税別)

今年の夏休みディスク「Oranged Out E.P.」TYONDAY BRAXTON

2016.07.13 Vol.670

 この作り手は何を伝えようとしているのかといった音楽の聴き方。研究対象に向き合うかのように音楽を聞いてみるのもまた、夏ならではの音楽の楽しみ方としてお勧めしたい。本作を創り上げたタイヨンダイ・ブラクストンは、米エクスペリメンタルバンドのバトルスの首謀者として知られた男。バンドを離れ精力的に活動するなかでできた新作は、いろいろな音楽のエレメント、リズム、楽器など、一緒に置いたらケオティックにならざるを得ないものが整然と並べられ、美しいアルバムを作っている。

今年の夏休みディスク「CLOUD NINE」KYGO

2016.07.11 Vol.670

 この夏もEDMは勢力を増すばかりだ。日本にもフェスや海外の人気フェスをルーツに持つクラブイベントが上陸、ファンやパーティーピープルたちを楽しませている。そのなかで注目のサウンドが温かみのあるシンセやパーカッション、ウクレレのサウンドを取り込み、南国の雰囲気を感じさせると人気のトロピカルハウス。そのジャンルをけん引するのが、ノルウェー出身のKYGO(カイゴ)だ。本作は彼のデビューアルバム。心地よいサウンドがこの夏のクラブシーンを席巻しそうだ!

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