肉食女子、女子力さく裂、ルックスはセクシーダイナマイト……。それをすべて兼ね備えたアーティストはなかなかJ−POPシーンには見られないから、登場するとドキドキする。その感覚を味あわせてくれるのは、フィフス・ハーモニーになりそうだ。英オーディション番組『Xファクター』US版出身と実力は裏打ちされているグループだけに、アルバムのクオリティーも内容もセカンドとは思えない。ちょうだいソングとして親しまれている代表曲『ワース・イット feat.キッド・インク』に続く、女子力爆発ソング『ワーク・フロム・ホーム feat.タイ・ダラー・サイン』など全14曲を収録している。ちなみにタイトルは、グループの結成に由来するそう。
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女の子は挑戦し続ける「Detour」Cyndi Lauper
長きに渡って愛され続けるアーティストであり、そのキャリアのなかで楽しみながらも新たな挑戦をし続けてきたシンディ・ローパー。最新のトライは本作、カントリーアルバムのレコーディングだった。ブルースアルバム『メンフィス・ブルース』(2010)も高く評価されたが、本作もまた世界中から注目を集めそうだ。彼女自身がカントリーを聴きながら育ったということも影響を与えているのか、彼女の特徴的な歌声がカントリーソングや世界観にフィットしている。斬新さを期待するリスナーとシンディのファンの間で大きく評価は分かれているようだが、自分の音楽を探し演奏し続ける姿勢も含めて、シンディを感じる。
女の子は挑戦し続ける「Candy」FAKY
ニュージーランド、米カリフォルニア、そして日本と多国籍なメンバーで構成されたガールズグループのFAKY(フェイキー)が顔ぶれも新たに再始動。デジタルシングル『Candy』は起点だ。収録曲は、すでに発表した『Afterglow』『You』そしてタイトルトラックの3曲に、新曲2曲を加えた。レゲトンを取り入れた新曲『Pretty』はビートはもちろんエキゾチックなサウンドが心地よいダンスナンバー。この夏にはもてはやされること必至な曲だ。『Are You OK?』はリピートされる「Are You OK?」のフレーズに腰砕けしそうな楽曲になっている。最初から世界照準のポップ楽曲を目指している彼女たちの想いがあふれている。
ホリデーのアゲアゲ気分は音楽で延長!「THANK YOU」MEGHAN TRAINOR
ポチャ系でハグしたくなるルックスで注目を集めた、メーガン・トレイナー。今年のグラミー賞では最優秀新人賞を受賞して、その人気や話題はもちろん、世界的なブレークも実力に裏打ちされたものであることを印象付けた。最新アルバムでもまた実力派っぷりを余すところなく聞かせてくれる。ファンキーでR&Bで、グラマラス! エネルギーにあふれている……本作の全体的なイメージは“カッコいい”なのだ。リード曲『NO』を聴けばすぐその雰囲気を感じ取れるはず。カワイイや“おもちゃ箱をひっくり返したような音”にはちょっと食傷気味ならおすすめ。聞き通したころには自分が好きになる。
ホリデーのアゲアゲ気分は音楽で延長!「Mint」安室奈美恵
ダンサブルでロックな曲調、アグレッシブで少し挑発的にも感じる。安室奈美恵が放つニューシングルは、伊藤英明や木村佳乃を始めとした豪華キャストによる話題のドラマ『僕のヤバイ妻』の主題歌としておなじみになってきたナンバー。スリリングな物語、タイトル通りに木村演じる妻のヤバさが明らかになってくるドキドキ感が曲のサウンドや世界観と弧を描くように共鳴しあっているような感覚だ。ギターフレーズ、メロディーライン、そして歌声が強烈な印象を残す。どんなに「HE」が魅力的なのか、それに自分がおぼれているのかが重ねられていく。ドラマのヒロインの心を映しているよう。
ホリデーのアゲアゲ気分は音楽で延長!「Kneedelus」KNEEBODY & DAEDELUS
LAビートシーンの奇才として注目されるデイデラスによるコラボレートアルバム。すでに海外メディアでは絶賛されるなかで、満を持して日本でもCDリリース。ジャズと電子音楽の組み合わせはこれまでもさまざまな場所で、さまざまなスタイルで試みが行われ結果も残している分野。そこで彼らは、躍動感あふれるリズムセクションをベースに、ジャズであり、ロックであり、電子音楽でもあって……といった唯一無二の音楽世界を創り上げた。有機的で熱を帯び、ドラマティック。全10曲を収録。
ホリデーのアゲアゲ気分は音楽で延長!「Dangerous Woman」Ariana Grande
キュートなルックスと耳なじみのいい楽曲の数々で世界中のオーディエンスをハッピーな気持ちにさせてくれる米ポップシンガー、アリアナ・グランデ。日本好きで知られる彼女はつい先日も最新作のPRを兼ねて来日、朝の情報番組で生歌を披露したこともニュースになった。日本でも彼女の一挙手一投足に熱い視線が注がれていることは明らかだ。その人気は最新作『デンジャラス・ウーマン』でさらに広がりそうだ。この作品は、これまでの作品やそのパフォーマンスを通じて浸透したアリアナの天真爛漫さやポップさとは少し別の方向にある。セクシーで艶っぽい。アリアナ本人もタイトル曲について自分の本流からは離れたところにある楽曲と話している。すべて自然の流れで方向性が決まったという本作は、ぐっと大人の女性度が上がったアルバム。本作で、アーティストとして、もしかしたら一個人としてのアリアナの成長を堪能できるかもしれない。
ホリデーのアゲアゲ気分は音楽で延長!「レインボー」在日ファンク
朝ドラでも活躍中のハマケンこと浜野謙太率いるバンド、在日ファンクのセカンドアルバム。前作も独自のグルーヴでじわじわと支持層を広げて行った彼ら。本作でもまた、そのファンクネスでより多くの人を腰砕けにしてしまうだろう。口ずさめさえすれば、自分もやればできると思い込める『ぽいぽい』、中身は二の次と連呼されちゃう『君のいいところ』。えっ?と思いながらも、そうだよねぇと体を動かしちゃう曲が満載。ワンマンはもちろんフェスなど大きなイベントで盛り上がっているイメージが浮かんでくる。もちろん聴かせるナンバーもしっかり。全11曲。虹のようなアルバムだ。
ココロに響く音。『Everything At Once』Travis
先日来日公演を行い夏にはフジロックフェスティバルへの出演も決定した、スコットランドの良心とも称されるロックバンド、トラヴィスが最新アルバムをリリース。心に染み入るメロディーラインと、誰もの人生に寄り添う楽曲を発表してきた彼ら。デビュー20年目という節目の年に届く本作で、フラン・ヒーリィは、他メンバーに比べると失礼ながらルックスは仙人のように変化しているが、20年の経年変化なんてゼロ!といった歌声でファンを驚かせつつも安心させてくれる。日本盤のボーナストラックを含め、全12曲の収録曲はどの曲ももれなくリスナーの心をいろいろな方向へと揺さぶる。ナイスでコジーなバンドと言われ続けている彼ら。今後もそれは揺らぎそうにない。
[ROCK ALBUM]Red Telephone Box/ Hostess 4月29日(金・祝)発売 3300円(すべて税別)
ココロに響く音。『Rainbow』Leola
今年最も注目すべきニューアーティストの1人、Leola(レオラ)のデビューシングル。ハワイ語で太陽の歌声の意を自らアーティスト名に決めたという彼女。その歌声は、降り注ぐ太陽のように温かく力強い。リスペクトするシェリル・クロウ、ミシェル・ブランチといった女性アーティストたちと共通するところで、聞く人を少しだけハッピーにしたかと思えば、次の瞬間には一気に気分をアゲてしまう。デビュー曲は、心地よいアコースティックギターの音色と、肩の力が抜けた心地よいボーカルが重なり、オーガニックな雰囲気を作り出している曲。この心地よい楽曲と歌声は、ビートやダンサブルに重心が置かれている現在の音楽シーンで、ちょっとしたさざ波を立てそう。
[J-POP SINGLE]アソシエイテッド 4月27日(水)発売 初回限定盤(CD+DVD)1389円 通常盤926円期間生産限定盤 463円(すべて税別)
ココロに響く音。『ATOMIC』Mogwai
スコットランドはグラスゴー出身のポストロックバンド、モグワイ。彼らは轟音のギターやライブハウスに針を落としても聞こえそうな繊細極まりないサウンドを用いて、自らの存在を世界に知らしめ続けている。最新作となる本作は、昨年、英BBCが、原爆投下70年に合わせ放送したドキュメンタリー『Atomic:Living In Dread and Promise』のサウンドトラックをリワークし、コンパイルした作品だという。美しくもあり、恐ろしくもあり、アトミックのさまざまな側面を音にした印象的な作品。ボーカルのスチュワート・ブレイスウェイトは本作を「バンドとして関わった中で最も強烈で充実したプロジェクトのひとつ」と位置づけている。バンドは本プロジェクトにあたり、平和記念公園を訪れている。
[ROCK ALBUM]Rock Action Records / Hostess 発売中 2100円(すべて税別)