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CD | TOKYO HEADLINE - Part 25
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生けるレジェンド、レジェンド to be を聴く!
日出処 / 椎名林檎

2014.11.09 Vol.630

 待望のオリジナルアルバムをリリース。前作から実に5年半ぶりで新曲7曲と、『カーネーション』や『孤独のあかつき』『NIPPON』などアルバム未収録だったが誰でも一度は耳にしたことがあるタイアップ曲6曲で構成。おなじみの楽曲の合間におかれた新曲のテイストは豊かそのもの。それぞれの曲は彼女の幅広い音楽性が反映されていて、疾走感のあるロックチューン、初期の退廃的な雰囲気を醸し出す艶っぽいナンバーなど、聴き進めるほどに異なる風やムードを感じさせてくれる。音楽の厚みや豊潤さに右に左にと心を揺さぶられる。

生けるレジェンド、レジェンド to be を聴く!
ヨシー・ファンクJr.〜此レガ原点!!〜 吉井和哉

2014.11.09 Vol.630

バンドのシンガーとして、そしてソロとして、その類稀なるボーカルとスタイルで多くの人を魅了してきた吉井和哉によるカヴァーアルバム。これまでも、1人のシンガーとして他アーティストの楽曲を歌ってもいるが、アルバムとしては自身初。収録曲は、美空ひばり『真っ赤な太陽』、内山田洋とクールファイブ『噂の女』、ピンク・レディー『ウォンテッド(指名手配)』、荒井由実『あの日にかえりたい』、森進一『襟裳岬』など昭和歌謡や懐かしのポップスばかり。吉井の艶っぽいボーカルが良質なメロディーにフィットしている。

生けるレジェンド、レジェンド to be を聴く!
永遠(TOWA)/ ピンク・フロイド

2014.11.09 Vol.630

 ロック史に燦然と輝く音の芸術家、ロックバンドのピンク・フロイドが放つ最新作。前作『対(TSUI)』から実に20年ぶりのリリースとなる。原題は『THE ENDLESS RIVER』。メンバーで、本作のプロデュースも手がけたデヴィット・ギルモアが「21世紀のピンク・フロイドのアルバムを作った」というが、とにかく美しく、芸術的かつ幻想的だ。前作を制作するセッションのなかから生まれた楽曲に新たなパートも付けたし、全体は4のテーマで構成。歌入り、アンビエントなインストゥルメンタル曲と曲の連なりも美しい。その美しさゆえの凄味も感じられて、本物の生けるレジェンドとはこういうものだと突きつけられたような印象だ。最新作でありながら、ラストアルバムでもある本作は、2008年に逝ったキーボードのリック・ライトへのトリビュートでもあり、彼の演奏も収録した。奇跡の最新作、彼らのファンならずともリアルタイムで聞きたい。

集大成! 本当に集大成? 「DIVA 」DIVA

2014.10.26 Vol.629

 年内で解散するAKB48の派生ユニット、DIVAの最初にしてラストのフルアルバム。小室哲哉によるラストシングル『DISCOVERY』などシングル曲やこれまでに発表しが楽曲をまとめたうえ、このアルバムのために各メンバーが作詞した新曲、さらに大島優子が詞を書き下ろした楽曲も収録するなど、ユニットの集大成でありつつも、各メンバーのこれからを感じさせてくれる内容だ。3タイプでの発売。それぞれDVDに収録される映像が異なる。

集大成! 本当に集大成?
グループ魂のGOLDEN BETTER 〜ベスト盤じゃないです、そんないいもんじゃないです

2014.10.26 Vol.629

 暴動こと宮藤官九郎を始め、バンドメンバーの活躍が目覚ましい、グループ魂が、ついにバンド初となるベストアルバムをリリース。結成から現在までに発表し、ライブでも人気のある楽曲などをセルフカバー。『君にジュースを買ってあげる♡better』『嫁とロック better』『ペニス better JAPAN』などベターな19曲。

集大成! 本当に集大成?「25 」電気グルーヴ

2014.10.26 Vol.629

 結成25周年のアニバーサリーを謳歌している電気グルーヴ。夏フェスやさまざまなイベント、メディアへの露出などでお祭り感を盛り上げてきたが、そのクライマックスともいえる記念ツアーの初日に合わせて、ちゃんと記念ミニアルバムをリリースしてくれた。ミニとはいえ、濃厚でカッコ良くて、クレイジーな内容。『電気グルーヴ25周年の歌(駅前で待っとるばい)』はツアーでのアンセム曲になること間違いなし(?)のパートが組み込まれた楽曲だが、節操がなく、関係のないフレーズも満載なのは、電気だからいたしかたない。聞けば体が動き出しそうなダンスクラシック的な要素、高揚感をもたらすテクノチューン。カッコいいトラックに“いたしかたない”リリック。やはり電気はこうでなくちゃとにんまりする作品。

深まる秋にフィットするミュージック
DISCOVERY / DIVA

2014.10.12 Vol.628

年内での解散が決定しているAKB48の派生ユニット、DIVAが2年半ぶりにリリースする最新シングルにしてラストシングル。感傷的にならず、これからの彼女たちであったり、その先の未来を感じさせる楽曲は小室哲哉の手によるもの。楽曲の構成を含めて小室フレーバー全開で、DIVAらしさが伝わるダンサブルなナンバーになっている。解散発表に伴って、グループを離れていた増田有華が復帰。伸びやかな歌声を聞かせてくれる。本作に続いて、11月にはメンバー自身が作詞に挑戦しているフルアルバムをリリースし、ラストライブも行う。

深まる秋にフィットするミュージック
C.O.S.M.O.S. 〜秋桜〜 / 三代目 J Soul Brothers

2014.10.12 Vol.628

EXILE TRIBEの全国ツアーが盛り上がりを見せるなか、三代目こと、三代目J Soul Brothersが最新シングルをリリース。タイトルからも想像できるように深まる秋にぴったりと寄り添うミディアムバラードで、夏の『花火』、冬の『冬物語』に続くナンバーだ。タイトル曲は、傷つくと分かっていても止められない大切な人への想いをエモーショナルに歌い上げ、ストリングスのアレンジも相まって切なさが極まるラブソングだ。楽曲は、Samantha Tiara & Samantha Thavasaの“サマンサティアラ ジュエリー”TVCMソングとしておなじみの曲。

深まる秋にフィットするミュージック
We Loved Her Dearly / Lowell

2014.10.12 Vol.628

 2014年最も注目すべきアーティストと話題を集めるカナダ出身の女性シンガー、ローウェルのデビュー作にして問題作。フェミニスト・パンクの旗手としてリスペクトされる彼女は本作で、性的暴力やレイプ、中絶、LGBTなどなどチャレンジングな内容を、耳なじみがよくポップなメロディーに載せて届ける。浮遊感のあるサウンドとソフトな歌声、何層にもなった曲が耳を傾けた人すべてを異空間へといざない、ハードでシリアスなメッセージはじわりじわりと心と体に染みこんでくる。がっつり向き合いたいタイプの音楽だが、ライトに楽しむのもまた良し。

深まる秋にフィットするミュージック
V for Vaselines / The Vaselines

2014.10.12 Vol.628

 インディポップの生けるレジェンドとしてミュージシャンたちからもリスペクトを集める、スコットランド出身のザ・ヴァセリンズの最新作。1990年に解散した彼らは2010年にオリジナルアルバムを発表。本作はそれに続く作品だ。人気インストゥルメンタルバンドのモグワイが所有するスタジオで制作されたという本作品は心地よいポップアルバム。ベル・アンド・セバスチャンのスティーヴィー・ジャクソン、ティーンエイジ・ファンクラブのフランシス・マクドナルドなど、グラスゴーを拠点に活動するミュージシャンが集結している。

深まる秋にフィットするミュージック
ペーパークラフト / OGRE YOU ASSHOLE

2014.10.12 Vol.628

 独自のスタンスで音楽と向き合い、その存在と楽曲で音楽ファンはもちろんのこと、ミュージシャンまでもとりこにしてしまっているロックバンドのOGRE YOU ASSHOLE(オウガ・ユー・アスホール)の最新作。ポストパンク、エクスぺリメンタル、サイケ/プログレッシブ・ロック、AORなどを彼ら自身が咀しゃくすることで生まれた独自のサウンド、独自のロックを追求した。収録曲それぞれはミニマルだが、それぞれが豊か。温かみのあるサウンドに実験的なアプローチを乗せたり、その逆のケースもあって、不思議だ。音楽を聴きこむタイプの人ならば細部や深いところに興味が行くことになるだろうし、ライトなリスナーならその不思議感を楽しめること間違いなしで、音楽の豊かさや楽しみ方をさりげなく教えてくれるような作品ともいえそうだ。音楽の秋を決め込むならマストハブなアルバム。

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