北海道発の人気ロックバンドGalileo Galilei(ガリレオガリレイ)の最新音源。前作に引き続き、ニューヨークを拠点に活動するバンド、POP ETCのクリストファー・チュウとの共同プロデュース作品で、メロディックで疾走感のあるポップアルバムになっている。収録曲はすべて本作のために書き下ろしたといい、全曲ボーカルの尾崎雄貴が手がけた。美しいハーモニーとポップネスが融合した本作で彼らは新たなバンドの歴史をスタートさせる。
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秋もロックサウンドとともに……『猛烈リトミック』赤い公園
注目度急上昇中の女性4人組ロックバンド、赤い公園が放つセカンドフルアルバム。実力に裏打ちされたバンドの楽曲作りの素晴らしさは言うまでもないが、そこに蔦谷好位置、亀田誠治らプロデュースの名手が加わって衝撃度のあるロック作品になった。さらに、収録曲『TOKYO HARBOR feat.KREVA』は強力。艶っぽさのあるナンバーでアニバーサリーイヤーを迎えたラッパー、KREVAのラップが絶妙だ。彼女らの計り知れない可能性を感じる作品。
秋もロックサウンドとともに……『ストラット』レニー・クラヴィッツ
デビュー25周年を迎え、自身の音楽レーベル「ロキシー・レコーズ」を立ち上げるなど、目まぐるしい音楽シーンのなかにありながら、相変わらず肩で風を切りながら歩いているように見える、レニー。最新作となる本作は、タイトルが示すように『ストラット』(もったいぶって歩く、見せびらかす、誇示するなどの意)な作品だ。冒頭から、ロックでソウルフル、ファンキー。骨太なギターサウンドがひっきりなしに響く。スタジアムでのライブがバシッと決まりそうな内容だ。本人いわく、「音楽が大好きであることの原点に連れ戻してくれたような作品」。楽曲それぞれが、ロックミュージックやロックをすることってクールだろ!と迫ってくるようだ。ロックンロールは死んでない、死ぬはずがない。そう思わせてくれるアルバム。
グルーヴ&バイブス「Adrian Thaws」Tricky
英ブリストルシーンを代表するアーティストであり、生けるレジェンドとして君臨し続ける、トリッキーの最新作。本作でアルバムは通算11作目となるが、あえて本気のセルフタイトル。タイトルは自身の本名になっている。本人いわく理由は「みんな俺のことをよく分かってないから」。彼の作品群はトリッキーというフォルダにこそ入るが、それ意外はバラバラ。そのうえ天才とされる彼を分かれというのも無理があるのだが……。本作も、ヒップホップやエレクトロクラッシュ、ハウス、ジャズと忙しい。でもきっとそれが彼なのだ。
グルーヴ&バイブス「Wonder Where We Land」SBTRKT
今夏のフジロックフェスティバルでのパフォーマンスが記憶に新しい、英国出身の覆面ダンスミュージック・プロデューサー、SBTRKT(サブトラクト)が放つ最新アルバム。ヴァンバイア・ウィークエンドのエズラ・クーニグ、ジェシー・ウェア、サンファなどをゲストに迎えて制作した本作は、全体を通して聞くものを異次元世界を引きずり込むような作品で、タイトルが示すごとく、どこに着地しちゃうんだろうとドキドキが止まらない。日本盤にはボーナストラック8曲が収録されている。さらなるブレークを約束する本作は必聴だ。
グルーヴ&バイブス「The Gospellers Now」ゴスペラーズ
デビュー20周年を迎えたボーカルグループのゴスペラーズが放つ、最新オリジナルアルバム。彼らの代名詞ともいえる美しいバラード曲はもちろん、R&B、ブラックミュージック、マージービートなどバラエティー豊かな構成で、ヒャダイン(前山田健一)プロデュースの先行シングル『SING!!!!!』を筆頭に、『Be shiny』『3月の翼』などおなじみの楽曲を軸に全11曲を収録した。本作はまた、ライブとシアトリカル(演劇)を融合させたシアトリカルツアーのサントラとも位置付けられる作品でもある。初回限定盤のDVDはファン垂涎の映像を収録。
グルーヴ&バイブス「Spark Plug」クレイジーケンバンド
グルーヴと艶のある楽曲で聞く人を根こそぎ腰砕けにしてきたクレイジーケンバンドの最新アルバム。オリジナルアルバムとしては前作から約1年4カ月ぶりのリリースとなる。総体的にメロウでチルな印象を受ける作品で、シルクのような滑らかさも感じさせる。ボサノバ、モータウンサウンド、彼らならではの和洋折衷なクセのある楽曲も含めて、CKBを満喫できる1枚だ。収録曲は『みんなのうた』でおなじみの先行シングル『スパークだ!』を含む全19曲。グラスを傾けながら深夜に、ドライブミュージックとしても最適。秋のサントラだ。
グルーヴ&バイブス「The R 〜 The Best of RHYMESTER 2009-2014 〜」 RHYMESTER
日本のヒップホップシーンをけん引し続けてきた、ライムスター。そのキャリアも今年、25周年となった。本作は彼らの四半世紀のアニバーサリーを記念してリリースされるベスト盤だ。『マニフェスト』から最新作『ダーティサイエンス』までのキャリアのなかでも特に濃密な5年に発表された作品群のなかから『ONCE AGAIN』『ラストヴァース』『The Choice Is Yours』など17曲を収録した。ライムスターの楽曲は、冷水をかぶせるような痛烈なメッセージがぶちまけられたり、いわゆる応援ソングとは一線を画すやり方でバシッと背中を叩いてくれるフレーズが満載で、聞くたびに心を大きく揺さぶる。もちろんキングオブステージという称号をまじまじと感じさせるパーティーチューンも収録している。初回限定盤はライブ映像がたっぷり収録されたブルーレイまたはDVD付。見ごたえ聞きごたえたっぷり。
アーティストたちのニュースタート!「ペーパードライブ」倉内太
新しいことを始めようとするとき、誰もが感じる期待と不安。本作はそんなドキドキからスタートする作品だ。バンドで活動し、ソロやデュオにも挑戦。いろいろなかたちで音楽と向き合ってきた倉内太が手がける音楽はどこか不安定でありながらも、それゆえの心地よさを感じさせてくれるポップなアルバム。アコースティックギターをベースに、ピアノ、ドラム、マラカスなどさまざまな楽器音とボーカル、ハーモニーが何層にも重なって、幻想的な世界を作り出している。本人も宝物のようだという楽曲の数々は聞いた人すべての宝になる。
アーティストたちのニュースタート!「Neuma」YankaNoi
トクマルシューゴバンドを筆頭に、さまざまなアーティストとともに魅力あふれる音楽を届けてきたマルチプレーヤーのユミコを中心に結成されたバンド、YankaNoi(ヤンカノイ)のファーストアルバム。涼しげで優しい女性ボーカル&コーラスワークが染みて、森林浴をしているような気分になる作品。バンドメンバーには、トクマルシューゴ、元SAKEROCKなどの田中馨らを迎えたとあって、さまざまな音が交差するサウンドは幻想的かつおとぎ話的で、懐かしさも感じる。作詞と作曲はユミコが担当。全11曲を収録。穏やかな気持ちになれるアルバム。
アーティストたちのニュースタート!「笑うな」在日ファンク
日本にありながらジェイムズ・ブラウンから流れるディープなファンクで耳の肥えた音楽ファンを腰砕けにしてきた、在日ファンクのメジャーデビューアルバム。SAKEROCKでトロンボーンを吹き、俳優としても活躍するハマケンこと、浜野健太が率いる6人組の新スタートとなる本作で、前作なメロウ路線から一転して初期衝動ほとばしるファンクを聞かせてくれる。タイトルにそのままの憤りが伝わってくる『根にもってます』や『断固すいません』などライブでもおなじみのナンバーを軸に、『ふがいない』や『パラシュート』、そしてタイトルトラック『笑うな』など全11曲を収録した。曲名の字面からは大方が想像しないであろうクールネスが詰まったアルバム。初回盤のDVDにはミュージックビデオなどを収録している。