YUKAとKOSUKE MASAKIによるユニット、moumoon(ムームーン)のサマーソング。タイトルが示すように、儚さのある美しいラブバラードで、透明感のある歌声と楽曲は涼を運んでくれる。夏というとアッパーな曲という方程式からは離れて、彼ららしい心に染みる楽曲に仕上げた。少しさみしげなのも夏の終わりにふさわしい。夏の疲れを癒してくれる曲。マストチェックの夏チューンだ。
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センティピード・ヘルツ / アニマル・コレクティヴ
米ボルチモアで産声を上げ、ブルックリンを拠点として活動を展開中の不定形音楽集団、アニマル・コレクティヴ。一般にはロックバンドとカテゴライズされることが多いものの、ロック、ポストロック、エレクトロニカにノイズなどなど、さまざまなジャンルを吸収・咀嚼し、“アニコレ”サウンドへと昇華。「実験的」「不思議」「アヴァンギャルド」といった言葉に頼らざるを得ないのが、肩書きを不定形音楽集団とされている所以だ。最新作もまたおとぎ話のような、サイケデリックな世界感を思わせる不思議サウンドが次々に飛び出してくる。今夏マストチェックな1枚。日本先行発売で、国内盤はボーナストラック2曲つき。
The Choice Is Yours / RHYMESTER
日本におけるヒップホップ黎明期から活動し続ける重鎮、RHYMESTER(ライムスター)。新曲は、マーク・キャパニ『I Believe in Miracle』を引用したガツンとくるナンバー。聴けば体が揺れるグルーヴ&サウンドに、今のぬるい日本、そしてそのぬるさを誰かのせいにしてないか、決めるのはお前だ!と、分かっているからこそ聞きたくない事実をぐいぐいと突きつけてくる。通常盤のカップリングにはアカペラバージョンも収録している。
The Beginning / ONE OK ROCK
人気爆発、その影響は海外にも波及している、ワンオクことONE OK ROCK(ワンオクロック)。新曲は、前のめりで激しいロックチューン。ミックスやマスタリングをメタル界では著名なチュー・マドセンが手掛けていることも激しさを加速させているのかもしれない。英語詞と思って聞いていると不意に日本語が飛び出してきて独特の味わいがある曲。話題の映画『るろうに剣心』の主題歌で、この曲が彼らの存在感をさらに大きくしそうだ。
ソロ・ピアノ II / チリー・ゴンザレス
ピアニストで、エレクトロ・ヒップホッパー、プロデューサーでソングライター、さらには映画プロデューサーとしてもその手腕を振るう……。いったい幾つの肩書きを持つのか分からない、フランスを代表する天才音楽家のチリー・ゴンザレスの最新作。大絶賛されたアルバム『ソロ・ピアノ』同様に自らの原点であるピアノと向き合い、この8年間に書きためてきた楽曲から厳選に厳選を重ねた全14曲(日本盤はボーナストラックを含めて15曲)を収録した。クラシックとジャズを行き来しながら、郷愁を感じつつも新鮮で、はかなさもあるけれど力強さも兼ね備え、しっとりしたなかにも躍動感のある、彼ならではのピアノを聞かせる。
‘S Wonderful / 武藤昭平 with ウエノコウジ
ガットギターとアコースティックベース、そしてしゃがれ声のボーカル。その艶っぽいコンビネーションを堪能できる作品。リードトラックの『ブエナ・ビスタ』は情熱を感じるナンバーでありながらも、涼しげな風とともにしっとりした感情も届けてくれる曲だ。全11曲にさまざまなエモーションが描かれ、穏やかな気持ちになれるアルバム。夏の終わりにふさわしいサウンドトラックになりそうだ。
ピアノ・ソングス -fresh- / -classy-
美しいピアノの音色が印象的なナンバーを集めた人気コンピレーションアルバムの最新盤。マルーン5の『ザ・サンデイ・モーニング』やアリシア・キーズの『イフ・アイ・エイント・ガット・ユー』などを収録した『fresh』盤と、エルヴィス・コステロ『SHE』、アバ『チキチータ』、ダイアナ・ロス&マーヴィン・ゲイの『ユー・アー・エヴリシング』など往年の名曲を収録した『classy』盤の2作品が同時発売。ともに2枚組のボリュームで聞きごたえあり。
ダンス・アゲイン…ザ・ベスト・ヒッツ / ジェニファー・ロペス
その一挙手一投足に注目が集まるセレブ・アーティストのジェニファー・ロペスが初めてのベストアルバムを発売。彼女のパワフルさが凝縮された内容で、ダンサブルでエモーショナルで、アッパーで、セクシー。新曲『ダンス・アゲイン feat.ピットブル』を含め全13曲収録。
Beach Mix / 倖田來未
毎年夏にスペシャルな作品をリリースしている倖田來未。今夏は新曲とリミックス・アルバムをセットにしたミックスCD。新曲『Whatchu Waitin’ On?』はポップで疾走感のあるダンサブルな楽曲で、夏のパーティーシーンにぴったりのナンバー。ミックスはProg5による『KO-SO-KO-SO』、HABANERO POSSEによる『キューティーハニー』など人気曲も多数。
初音ミク 5thバースデーベスト〜memories〜 初音ミク 5thバースデーベスト〜impacts〜
世界から注目を集めるバーチャルシンガーの初音ミクの生誕5周年を祝うベストアルバム。2009年に発売されたベストアルバム同様、ソニー・ミュージックダイレクトとドワンゴ・ミュージックエンタテインメントのコラボで実現した企画で、2タイトルが同時発売。それぞれ大人気の楽曲から最新楽曲までを収録。『〜memories』にはsupercell feat. 初音ミク『メルト』など、『〜impact』にはハチ feat. 初音ミク『マトリョシカ』など、それぞれ19曲を収録。1曲ずつ新曲もあり、『〜memories』には『Birthday Song For ミク』、『〜impact』にはアニバーサリーソング『39(サンキュー)』を収録。
WIRE12 COMPILATION
石野卓球がオーガナイズする国内最大の屋内テクノフェスティバル『WIRE』。毎年夏の終わりに開催され、夏の締めくくりのイベントとして多大な支持を集めている。今夏も8月25日に開催を控えている。今作は、その予習盤(もしくは気持ち盛り上げ盤)となるコンピレーションアルバムで、出演アーティストの作品をまとめて収録している。石野卓球『Uncertain Ratio』、DJ TASAKA『GOTWATUNEED』、Fumiya Tanaka『Summer Fuji』、さらにFrank Muller『Wicked WIRE』など新曲も豊富。電気グルーヴ『SHAMEFUL(WIRE MIX)』など新しいミックスも収録されているため、いわゆるベストヒット的になりがちなコンピ盤と一線を画した密度と熱量のある作品になっているのがこのシリーズの特徴だ。WIREに参加する人はもちろん、最先端のテクノミュージックをチェックしたい人にもおすすめ。ただ、聞いたら出かけずにはいられなくなるけど。