グルーヴのある歌声と気持ちが良くなるハーモニーを聞かせてくれる楽曲で、着実に存在感を増し続けているリトグリこと、リトルグリーモンスター。リリースする楽曲、踏むステージの数が増えるたびにどんどんとアーティストとして成長して、知らないと「ヤバイ」存在になりつつある。本作は1万枚限定でリリースされるシングル。タイトル曲は、絆をテーマに夢を追うことの痛みや切なさ、前向きさを共存させた楽曲だ。クリスマスソング『Magic Snow』、『Feel Me』のライブ音源も収録。来年年明けには、日本武道館でのワンマン公演、その後もフルアルバムのリリースが控えている。
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聞いとかないと“ヤバイ”!「We love Tank-top」ヤバイTシャツ屋さん
ヤバTこと、ヤバイTシャツ屋さんは今年最大のニューカマーといっても過言ではないロックバンドだ。『無線LANばり便利』『流行りのバンドのボーカルの男みんな声高い』など事実をそのまんまタイトルにしたいることでインパクトをグイッと増している楽曲の数々。タイトル負けしない一度聞いたら耳から離れない旋律にパワーのある曲、それに載せられたギョッとするリリック……。彼らが放つものすべてが、なんかやばいと言っている。こうした楽曲とエネルギッシュなライブによって既に多くの支持を集めている彼らは「大人」をも味方につけた。そしてついに本作でメジャーデビューだ。タイトルトラックを筆頭にエネルギッシュな楽曲『あつまれ!パーティーピーポー』、『週10ですき家』『天王寺に住んでる女の子』など13曲。初回盤のDVDには、昨夏に行われたワンマンライブ「まだ早い。」のライブ映像を収録している。彼らはもちろん、この作品をチェックしておかなければかなりやばいことになる。
耳を澄ましちゃうアーティスト『22、ア・ミリオン』 ボン・イヴェール
前作、セルフタイトルのセカンドアルバムが世界中のあらゆる層から支持を集めて、一躍その名をワールドワイドに知らしめたボン・イヴェール。最新作でもまた世界に散らばるファンの動きをストップさせてしまうような魅力あふれる楽曲を聞かせてくれる。少しダークで霧かかったようなサウンド。優しく響く歌声もまた、女性ボーカルのそれとは異なる透明感がある。本作はすでに国内外で盛り上がりを見せており、さらに彼の名前とサウンドを広く浸透させそう。ボーン・イヴェールは、米シンガーソングライター、ジャスティン・ヴァーノンのソロプロジェクト。今聞いておきたいアルバム、ナンバーワン。
耳を澄ましちゃうアーティスト『One』堀込泰行
長く在籍したグループであるキリンジを脱退して新たにソロアーティスト/シンガーソングライターとして歩み始めた堀込泰行のファーストアルバム。希代のメロディーメーカーとしてミュージシャンたちからも信頼される彼。新しい一歩を踏み出した印である本作は、スキップしたくなる、視線をあげたくなるような作品。じわじわと視界が広がっていくとともに明るさを感じる『New Day』、ポップに弾けてハッピー、そしてウキウキする『Shiny』、ソロデビューシングル『ブランニュー・ソング』など10曲を収録した。アップテンポからしっとり聞かせるミッドチューンなどさまざまだ。聞き込みたい作品。
耳を澄ましちゃうアーティスト『レクイエム・フォー・ヘル』 MONO
日本を代表するインストゥルメンタルロックバンドであるMONO(モノ)は、国内のみならず海外でも高く評価されている。彼らのサウンドはリリカルで雄弁。言葉は使われていないのに壮大な物語が語られる。言葉に縛られないからこそ、風景や情景が浮かんでは消えていく。『レクイエム・フォー・ヘル』は彼らの最新作。プロデュースはもちろん、録音、ミックスもスティーヴ・アルビニが担当。マスタリングはボブ・ウエストンが担当している。アルバムに収録の新曲「Ely’s Heartbeat」は、バンドのアメリカのレーベルのオーナーに初めて子どもが誕生した際に制作されているといい、イントロにはその子どもの心音が使われているという。これは耳を澄ましちゃう!
耳を澄ましちゃうアーティスト『TOSS』 トクマルシューゴ
おもちゃ箱、童話、実験室……トクマルシューゴの音楽を表現するのには、むくむくとワクワクが“湧いてくる”ようなフレーズが使われる。が、実際に彼の音を聞くと一瞬で陳腐なものになってしまう。前作から4年のインターバルでリリースされる本作についても、同じ。いろいろな楽器、いろいろな音が連なって音符が飛び跳ね踊る彼のサウンドの特徴はキープしつつ、リスナーをじりじりとさせるほどのにぎやかさが加わった印象だ。本作では宅録中心だった前作までとは違って、さまざまなアーティストとコラボやフリーセッション素材や自らがこれまで作ってきた音をもとに再構築と破壊を繰り返したという。野心作。
オンリーワンの歌声に包まれて「砂の塔」THE YELLOW MONKEY
今年メンバーが集結し新しいスタートを切ったイエモンこと、THE YELLOW MONKEYがニューシングルを発表。シングルとしては2001年にリリースした『プライマル』に続く作品で、インターバルは実に15年9カ月ぶり。タイトル曲は菅野美穂主演で話題のサスペンスドラマ『砂の塔?知りすぎた隣人?』の主題歌で、ドラマスタッフの熱意に押され制作にあたったためか、ドラマとバンドがシェアする部分も多かったのか、ドラマと寄り添っているようで、イエモンならではの楽曲としても立っている。ロックなサウンド、吉井の艶のある歌声をストリングスが引き立てる。
オンリーワンの歌声に包まれて「Heart Song Tears」クリス・ハート
美しい歌声と、すべてを包み込んでくれるような存在感で、日本の歌が持つ魅力を再発見させてくれるクリス・ハートが新しいカバーアルバムをリリース。泣けるという表現がポジティブに取られるのは日本だけ??。
今作のキャッチフレーズにもあるようにアルバムは泣ける日本の歌がずらりと並んでいる。収録曲は、先日リリースされたシングルで、クリス自身が父親になったことにも重なる『いのちの理由』(さだまさし)、『ひまわりの約束』(秦基博)、『言葉にできない』(オフコース/小田和正)、『初恋』(村下孝蔵)など。合唱の定番曲ともいえる『旅立ちの日に』にも挑戦。全13曲を収録している。並んでいる曲名をみるだけでも、目頭が熱くなってくるが、楽曲を聞き出したら最後、目は水のトラブルになるだろう。日に日に長くなる夜、夜だけでなく日中でも、優しい気持ちになりたい時にはぴったりの作品だ。まもなくクリスは全国47都道府県を巡るツアーをスタートする。チャンスがあればライブの醍醐味も味わって。泣けるんじゃなくて、泣いちゃうかも。
オンリーワンの歌声に包まれて「LOVER, BELOVED: SONGS FROM AN EVENING WITH CARSON MCCULLERS」スザンヌ・ヴェガ
米シンガーソングライターのスザンヌ・ヴェガの最新作。女流作家カーソン・マッカラーズにインスパイアされた作品で彼女の特徴を捉えた作品と広く評価されている。彼女はダンカン・シェイクとともにオフブロードウェイで行われた舞台『カーソン・マッカラーズ・トークス・アバウト・ラブ』の舞台の曲を書いているほか、スザンヌ自身がマッカラーズを演じていたということも大きいだろう。本作はその舞台がきっかけで制作されたもの。ティーンエージャーの頃からあこがれてきたマッカラーズだけに意気込みもすごい。1人の女性の姿を描き出すサウンドをじっくり聴きこみたい。
オンリーワンの歌声に包まれて「Keep Me Singing」ヴァン・モリソン
北アイルランド出身の70歳を迎える伝説的なミュージシャン、多くの名曲や名盤を残すとともに、きらびやかな受賞歴がある。もちろん国内外に性別や世代を超えた多くのファンもいる。リビングレジェンドのフレーズもしっくりくるモリソンが通算36作目となる最新作をリリース。収録曲はタイトル曲の「キープ・ミー・シンギン」など13曲で、アレサ・フランクリンやケニー・ロジャースらにもカバーされたブルースの名曲「シェア・ユア・ラブ・ウィズ・ミー」も収録している。聞くほどに沁みてくる楽曲で詰め込まれている。秋の夜長にグラスを傾けながら聞きたい作品。今抱えている答えや解決法を教えてほしい問題、モリソンの歌声とサウンドが手を差し伸べてくれるかも?
オンリーワンの歌声に包まれて「あいたい」林部智史
テレビ東京系『カラオケ★バトル』に出演したことで、圧倒的な歌声の魅力、豊かな歌唱力を広く知らしめ、多くの人を魅了しているシンガーの林部智史。今年待望のメジャーデビューを果たした彼が、新しい作品をリリース。デビューシングル『あいたい』に加え、オリジナルとカバーを2曲ずつ収録しボリュームたっぷり。優れた歌い手であることを分かりやすく証明してくれるカバー曲は、画面を通じて響かせた『糸』と『木蘭の涙』を収録。オリジナル曲を含めエモーショナルな歌声がじわじわとしみ込んでくる。本人も思い入れが強い曲ばかりだという本作。聴きごたえあり。