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STAGE | TOKYO HEADLINE - Part 10
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ふだんとはちょっと違った一面が見られる公演
『売るものがある性』財団、江本純子

2015.04.12 Vol.640

「財団、江本純子」は毛皮族の江本純子が、祝祭的な趣向を排して、江本自身のパーソナルな問題を取り上げた新作を上演する場。

 江本曰く「毛皮族で行っていることは“非日常”。いわば“ハレ”とするなら、財団、江本純子は“日常”。“ケ”の世界。財団、江本純子ではハレを封印し、全くハレてない、些細な日常“ケ”の描写を軸に、世の中の不条理について描いてきた」という。しかし今回は「日常の枯れた状態を喜劇的に描くだけでは、わざわざ劇を作る意味がないと思って。ケがあるから生まれるハレ、ハレを得るためのケを描きながら、人生を戦い抜くための揺るぎない“性(せい)”を提案する劇を作っている」とのこと。

 今回の作品では「わかりあえないことが連続しているこの世の中で、どうしよう?」というテーマが掲げられている。劇の中では、“ケ”の象徴物として、無数の「おばさん」が登場する。一見、ひたすら枯れているように見える「おばさん」たちの「性」の問題のこと、変わりたいのに変わらない「性格」やその醜い生態のことを、笑いを中心とした独特の手法で描いていく。そして彼女たちの人生に時折訪れる見過ごしてしまいそうなほど細やかな“ハレ”の瞬間のことも。

 最後に江本は「人生に革命は起こらないかもしれないが、私自身は常にもがいてあがいている。それも生きる上で必要な戦いかな、と思ってあきらめていたが、すごく身近にこの戦いに勝っている人がいた。その人の姿こそ、生きて究極の“ハレ”を得るための特別な“性”だな、と思っています」という言葉もくれた。頭の片隅にこの言葉を置いておくと、より理解が深まりそう。

和田正人が報告!「新聞取り始めました」

2015.04.06 Vol.639
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 D-BOYSの和田正人が主演する舞台『小林一茶』のフォトコールが5日、新宿・紀伊國屋ホールで行われた。和田は「勉強もできて、お得なストーリーです」とPRした。

 本作で、故井上ひさしさんの戯曲に初挑戦。劇中では俳句や俳諧のセリフがあるなどセリフの量が膨大だとしたうえで、「他の舞台では体を使うことが多くて、足が痛くなったりするんですが、(この舞台は)頭を使うし、慣れないことばかり。(共演の)石橋さんと脳髄が痛いって話してます」と、苦笑い。また、「活字に弱いってことが分かって、前に進みたいと新聞を取り始めました」と報告も。報道陣からスポーツ紙かと突っ込まれると、「普通の一般紙です。スポーツ新聞ではありません」と話していた。

 劇中劇の構成、膨大なセリフなど難解ともとらえられそうな舞台だが、和田によれば「実は簡単」。盗みをしたとしてとらえられた小林一茶を、和田演じる同心見習いの五十嵐が、捜査のために自分が一茶を演じる芝居を仕立てて証言をつないで謎を真相に迫っていく。「推理劇、それだけで楽しめる」と話した。

 6日から同所で。29日まで上演。

活動休止から6年ぶりの復活公演
『わくわくステーション』拙者ムニエル

2015.03.22 Vol.639

 2009年の結成15周年公演を最後に活動を休止していた拙者ムニエルが6年の沈黙を破って「結成ほぼ20周年記念公演」と銘打った公演を行う。

 1994年に結成し、90年代中盤から2009年まで一気に駆け抜けた感のある彼ら。早々に本多劇場に進出するなど、多くのファンを獲得したなかでの突然の活動休止だった。

 以降は各自、個人でどんどん頭角を現すようになる。作・演出の村上は外部公演の作・演出を多く手がけるようになり、加藤啓、澤田育子といった俳優たちもさまざまな作品に客演し、徐々にステップアップしてきた。中でもユニークな超個性派女優として異質の存在感を放っていた伊藤修子は『笑っていいとも』のレギュラー、人気バラエティー番組『IPPONグランプリ』の本戦出場など、異色のキャリアを積み重ねている。

 今回の作品のキーワードは「わくわく」。日常のちょっとした「わくわく」や、今までの人生で直面したことのない、 とんでもない「わくわく」など、色んな「わくわく」を彼らが得意とする、ナンセンスかつバカバカしい笑いにしてお届けするという。

 濃すぎるキャラクターたちによるひらめき重視のコメディーが繰り広げられる。

本公演だけどいつもとはちょっと違った雰囲気
『飛ぶひと』はえぎわ

2015.03.22 Vol.639

 本作は2月に広島のアステールプラザで、広島の演劇人を中心とした座組で上演された作品。広島公演からは引き続き3人の俳優が出演する。

 広島県の広島市文化財団では「演劇引力廣島」という演劇ワークショップ事業を行っているのだが、そこでは毎年、演劇界の第一線で活躍する演出家やスタッフを招聘し、地元の演劇人たちと協働でプロデュース公演を創作している。定期的に行われていて、今回で12回目を迎えるという本格的なもの。このプロデュース公演のほかにも「演劇学校」という形で演劇人の養成も行うなど、広島の演劇熱は思いのほか高い。

 ノゾエ自身、2011年には演劇学校の講師を務め、『ガラパコスパコス 広島 ver.』を上演するなど「演劇引力廣島」とは深い関わりを持っている。

 今回ノゾエは作品作りのために1月上旬から広島に滞在。広島の人たちとともに一から作品を作った。そして2011年のときはもともとあった戯曲を上演したのだが、今回は新作を書き下ろした。

 ノゾエはふだんはあて書きで脚本を書く作家なので、はえぎわの本公演ではあるものの、その点ではいつもと違った空気感の作品になっているかもしれない。

豪華キャストによる禁断の愛のストーリー

2015.03.08 Vol.638

 煌びやかな衣装やセット、音楽で綴る禁断の愛を描くミュージカルの名作『エリザベート』が再び日本に上陸する。

 19世紀末のウイーンが舞台。若き皇帝フランツ・ヨーゼフとその妻エリザベートと、彼らを取り巻く愛を描く。エリザベートは苦痛でしかない宮廷の生活のなかで、自分の美しさを武器にハプスブルグ帝国の皇后として君臨するも、夫の不義、国民からの誹謗中傷、愛する皇太子の死など不幸もつきまとう。黄泉の帝王トートから想いを寄せられるが、その愛を受け入れることは禁断の愛以外の何ものでもなくて…。

 エリザベートは花總まりと蘭乃はな、トートは城田優と井上芳雄のWキャストで上演。豪華キャストによる愛の物語は必見。

見逃し注意の待望の再演『うちやまつり』『paradise lost, lost』桃園会

2015.03.07 Vol.638

 昨年7月に主宰で作・演出を務めていた深津篤史が亡くなった桃園会。深津亡き後の最初の東京公演となる。今回上演されるのは『うちやまつり』と『paradise lost, lost』。人間の精神風景に見え隠れする闇を深く静かに見つめたこの2作品は深津の代表作。

『うちやまつり』は1997年に初演され、第42回岸田戯曲賞を受賞した。舞台は関西のとある高層団地。この団地では前年連続殺人事件が発生したのだが、犯人はまだ見つかっていない。住人の間ではある青年が犯人なのでは…とささやかれていた。団地を舞台に現代人の心の暗部と狂おしい本能を描いた作品。

『paradise lost, lost』はその6年後の団地の姿を描いたもの。団地は解体され更地になったその場所を臨む国道沿いのドライブインを舞台に濃密な会話劇が繰り広げられる。

 ともに2005年以来の再演。 関西を拠点としていることもあり、『うちやまつり』は東京では1999年に東京芸術劇場で上演されたきり。2005年はリーディング公演という形で公演回数も少なかった。今回も決して多い公演数ではないので、スケジュールには要注意。

 生前、深津自身が再演を強く望んでいた作品という。この場に深津がいないのがなんとも残念ではある。

全編がクイズと答えだけの演劇『クイズ・ショウ』 燐光群

2015.03.07 Vol.638

 燐光群は1993年の『現代能楽集』以来、これまで〈現代能楽集〉と銘打ち、多くの作品を上演してきた。

 作・演出を務める坂手洋二は「能」のシステムを現代に生かす方法論について実験を重ね、通常の作品でも、「複式夢幻能」と呼ばれる、物語を前後に分ける形の能の構造を劇中に取り入れるなど、さまざまな手法を試みている。

 そこで本作となるわけだが、坂手はここでは質問と答えで成り立つ『クイズ・ショウ』という形式と、能の重要な要素である「問答の場としての能」を重ね合わせる。つまり登場人物たちはある「クイズ・ショウ」に参加しているうちに、「複式夢幻能としてのプロット」を実践することになるというわけ。

そしてクイズの質問という形を使って、現代にはびこるさまざまな問題を取り上げる。

 文章にするとちょっとややこしいかもしれないが、多分、能に造詣の深い人には「ははーん、なるほど」といった感じの試み。能にあまり詳しくない人は、とりあえずは舞台上では「全編がクイズとその答えだけでできている演劇」が繰り広げられるので、そちらからたどっていくと、この作品の構造が分かるかもしれない。いずれにせよ、演劇として楽しめる作品になっている。

時代と世代を超えて”性”について描かれた作品 『愛の漸近線』mizhen

2015.02.22 Vol.637

 ENBUゼミナールで同じクラスだった3人の女性によって2012年に結成された演劇創作ユニット。

「mizhen」と書いて、「みずへん」と読む。この一風変わった名前は「演劇を観たことがない人にも、みずにはおれへん舞台を」という合い言葉からとのこと。

 その作品はリズミカルな長台詞とダンスさながらの身体表現を取り入れた演出が特徴。最小限の小道具や美術の中、役者の身体ひとつで想像力をかきたてるものとなっている。また近代戯曲と音楽を組み合わせたり、ライブハウスで「一人芝居音楽劇」といった形の公演を行うなど、ジャンルやスタイルにとらわれない活動を見せている。

 今回取り組むテーマは“男女の性”。主人公は一見仲睦まじく暮らす夫婦。妻はセックスレスに悩み、自分の“ひょうきんさ”を消すことにまい進する日々。夫は妻に内緒で借りたアパートで、ラブドールとささやかな時間を過ごすのが唯一の楽しみだった。一方、その隣の部屋には小遣い稼ぎのためにチャットレディーとして働く女がおり、モニター越しにその体をさらし、彼女に恋をする男はその動画を貪るように見ているのだった。

 この夫婦を中心に個人的な性への抑圧と個人的だからこそ生まれてしまうすれ違いを5人の人物を通して描く。“欲”に翻弄される現代人の心模様が浮き彫りにされる。

時代と世代を超えて”性”について描かれた作品『蒲団と達磨』 サンプル

2015.02.22 Vol.637

『蒲団と達磨』で岩松了は1989年に岸田国士戯曲賞を受賞した。この岩松の初期の作品が約25年ぶりに上演されるという。それだけでも興味は尽きないところなのだが、演出をサンプルの松井周が担うということで、大きな話題を呼んでいる。

 松井は岩松の作品に大きな影響を受けており、またこの2人、東京芸術劇場の「自作自演」という劇作家が自作を自分でリーディングするという企画の第1回目の出演者で、そのときに岩松は同作を松井の目の前でリーディングしているという過去もある。

 舞台はある夫婦の寝室。祝い事のあと、いつになく他人が出入りする密閉空間で、言外に潜む危ういそれぞれの秘密、我慢、爆発寸前の中年の性欲が濃厚に描かれる。

 松井はこれまでサラ・ケイン、マイエンブルクといった海外戯曲を演出することはあったが、国内の既成戯曲を手掛けるのは初めて。彼自身、岸田戯曲賞受賞者であり、このところ外部への脚本提供も続いたことから、劇作家として評価されることも多かったが、今回は演出家としての魅力を十分に発揮してくれるだろう。

ヤツらが嵐を呼び起こす!『GODZILLA ゴジラ[2014]』

2015.02.21 Vol.637

 オリジナル版ゴジラ映画のスピリッツを受け継いだハリウッドの一流スタッフが生み出した、史上最強のゴジラが降臨! 昨年の公開時には世界中で大ヒットを記録、早くも続編が決定した話題作。ファンが愛してきた神々しくも畏怖の念を抱かずにはいられない姿を、ハリウッドの最新技術によってよみがえらせた。これまでの特撮・映像技術では実現できなかったリアルかつド迫力の新生ゴジラの映像は見る者すべてを圧倒する。さらにゴジラ映画に欠かせない人気怪獣たちも登場。主演は『キック・アス』でブレイクしたアーロン・テイラー=ジョンソン。オリジナルへのオマージュである芹沢博士役で渡辺兼。

ヒーローショーの既成概念を打ち破るエンターテインメントショー

2015.02.21 Vol.637

 新ウルトラ警備隊に所属する、超人的な力を持つ戦士によるアクロバトル・ユニットが、「ヒカリのチカラ」とウルトラ戦士の力を借り、怪獣たちと戦う。怪獣たちが狙うのは、その「ヒカリのチカラ」。地球最後の日が迫るなかで、ウルトラヒーローたちの戦いが始まる……。

 ウルトラヒーローたちが地球を守るための闘いが繰り広げられるヒーローショーは、いつの時代も迫力満点のパフォーマンスで多くのファンを喜ばせてきた。そのショーが今年大きく進化する。それがこの3月に上演されるライブエンターテインメントショー『ウルトラヒーローズ THE LIVE アクロバトル クロニクル』だ。

 注目すべきはウルトラヒーローたちに加えて、アテネ五輪で体操競技日本代表として団体金メダルを獲得した中野大輔(写真・右上)や、パルクールパフォーマーのZENこと島田善(右下)が出演すること。ヒーロー顔負けの驚異的なパフォーマンスでバトルを盛り上げる。さらに、3Dプロジェクションマッピングなど最先端の映像技術や音響技術を取り入れた演出も加わることで、迫力満点のウルトラヒーローショーの楽しさを倍増させる。

 子どもはもちろん、大人も楽しめること間違いなしのショー。家族づれで観劇するのもおすすめだ。
 チケットは現在、ローソンチケットで発売中。春休みは天王洲劇場で迫力のショーを楽しもう!

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