桟敷童子といえば、劇場公演すらもテント公演かと思わせるようなスぺクタルな舞台セットと、社会の底辺で生きる人々を描いた群像劇が多くのファンの心をつかむ劇団だ。
しかし今回の約1年ぶりとなる新作公演ではちょっと違った作風に挑戦するという。
物語の舞台は世の終焉を迎えようという人類の末期。主人公の体夢は私生児。母は男たちに輪姦され沼に沈められた女、父はそのなかの一人。数奇な運命を背負って生まれた体夢は男たちに復讐しようとするが、男たちはすでに死んでいた。目的を失った体夢は放浪の旅に出るが、その先々には奇妙な人物や出来事が待ち受けていた…。
過去にこだわり、物語を紡いできた彼らが初めて未来に目を向ける。底辺から這い上がってきた体夢が行き着く先にあるのは希望か絶望か?
俳優たちのたたずまいから舞台上まで、変わるところと変わらないところも含めどんな世界を提示してくれるのだろうか。