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STAGE | TOKYO HEADLINE - Part 15
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表現方法、息遣い、存在感…舞台はやっぱり生じゃないと!!

2014.05.25 Vol.618

 東京壱組解散後、「壱組印」を結成し、座長を務める大谷亮介。壱組印では歌や器楽演奏を取り入れるなど、型にはまらない作品作りに挑む。その一方では篠井英介、深沢敦とのユニット「3軒茶屋婦人会」から大劇場での翻訳劇への出演など幅広い作品で活躍。舞台以外でも人気テレビドラマ『相棒』で長くレギュラーを務めるなど、バイプレーヤーっぷりを発揮している。
 その大谷が今年還暦を迎え、それを記念し「ひとり祭り」を開催する。その内容は一人芝居の二本立て。人気作家である扉座の横内謙介とモダンスイマーズの蓬莱竜太が新作を書き下ろしという豪華版。

 横内の『三蔵法師剃髪千四百年追善 〜八戒法話〜』は三蔵法師、孫悟空らとの西方浄土の旅から帰った猪八戒のお話。煩悩のため成仏させてもらえなかった八戒を演じる。蓬莱の『夫婦宇宙旅行』は近未来を舞台とした大阪の夫婦のお話。福引で当たった宇宙旅行に行くための夫婦の激闘の日々を描く。

“お祭り”ということもあって、全ステージ、ゲストを招いてのアフタートークも開催。大谷亮介だらけの6日間だ。

表現方法、息遣い、存在感…舞台はやっぱり生じゃないと!!

2014.05.25 Vol.618

 演劇における表現方法というものは日々進化している——ということをつくづく感じさせられるのが、このマームとジプシー。
 その表現は、シーンのリフレインを別の角度から見せるという、いわば映画的手法を用いた独特なもの。このリフレインはそのとき発するセリフのリズムと相まって、見る者の感情を大きく揺さぶる。

 最近は「家族」というテーマでの作品が多いことから、ただでさえノスタルジックな気持ちになりがちなところにリフレインをかぶせられると、その揺さぶられ度は半端なものではない。

 作・演出を務める藤田貴大は2011年に発表した三連作『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』で第56回岸田國士戯曲賞を受賞した。今回は「帰りの合図、」と「待ってた食卓、」を大幅にリニューアルしての再演となる。
 心配なのは、こういうふうにテキストで説明して、果たして舞台上で起こっていることが伝わるのかどうかということ。多分、伝えきれてないと思うので、ぜひ劇場に足を運んで、感じてほしい作品だ。

気になる再演『スズナリで、中野の処女がイクッ』月刊「根本宗子」

2014.05.11 Vol.617

 本紙の今年の最初の発行号で、今年最も活躍が期待される人としてインタビューした根本宗子。

 1月に下北沢の駅前劇場で『夢も希望もなく。』を上演した後は、劇団競泳水着、虚構の劇団と女優としての出演が続き、本公演がお預け状態になっていたのだが、5月23〜25日という短期間ながらザ・スズナリでの公演が決定した。上演するのは、昨年、新宿ゴールデン街劇場で上演され、売り止めの回が続出した『中野の処女がイクッ』。

 タイトルからは、ややよからぬ内容のお話を想像してしまいがちだが、お話はメイド喫茶の控室を舞台にそこに出入りする人間たちによって繰り広げられるさまざまな人間模様が描かれる。

 集団の中でもマイペースを崩さない者、集団になじめない者、自分の意思とは裏腹に調整役に回ってしまう者など、思わず自分を投影してしまうようなさまざまな人物たちが登場。彼女たちの行動にイラっとさせられたり、ハラハラさせられたりするのだが、その一方で彼女たちの不安定な心の揺れについつい引き込まれる。

気になる再演『関数ドミノ』イキウメ

2014.05.11 Vol.617

 SF、オカルト、ホラーといったジャンルのエピソードを自由自在に操り、独特の世界を展開するイキウメ。

 フィクションと分かってはいても、ついつい「今回の話は本当にあった話だっけ…?」とか「この現象自体はもともとあるんだったっけ…?」と観劇後に思わされてしまう。この“心の錯覚”を引き起こされてしまい、もうやみつきになってしまう人が多数。

 今回上演する『関数ドミノ』は数多いイキウメの作品の中でも、特にそんなふうに思わされる作品だ。

 物語は期間限定で万能の力を持つ「ドミノ」という存在を中心に繰り広げられる。世界はドミノというある特定の人間を中心に回っていて、ドミノが望めばあらゆる事象が起こり、それによって周囲の運命も微妙に調整されていくという。最初はドミノの存在を否定していた者たちも周りで起こるさまざまな出来事から徐々に信じざるを得ない状況となっていく。

 会場を出た後に“心の錯覚”を早めに解消しないとやばい作品。

一度見たら次も見たくなる。ヤミツキ「パラドックス定数 第32項『昭和レストレイション』」

2014.04.27 Vol.616

 作・演出の野木萌葱は「三億円事件」「グリコ森永事件」「東京裁判」といった戦後の未解決事件や歴史上の出来事、「江戸川乱歩」「大杉栄」といった歴史上の著名人をモチーフとし、フィクションとは思えないリアルなストーリーを作り出す。その緻密な作品と俳優たちの迫真の演技に病みつきになる。

 もちろんそういったテーマの作品ばかりではない。ただ一貫して描かれているのは、アウトローな生き方をせざるを得ない男たちの刹那的な生きざま、運命に翻弄され追い込まれ堕ちていく時の虚無感やギリギリ感といった感情。そして劇場を支配する、呼吸もためらわれるほどの重苦しさ(これはむろんいい意味で)。

 今回モチーフとなっているのは「二・二六事件」。腐敗した政治状況を憂い、現状を打破すべく青年将校たちが立ち上がったクーデター未遂事件。もうすでに手がけていてもおかしくなかった題材だ。

 今回はベテラン俳優の近藤芳正が客演。近藤がどのような役を演じるかは幕が開いてからのお楽しみ。またふだんはコメディー色の強い作品への出演が多い堀靖明も初出演。手練手管の近藤と、ある意味“取り扱い注意”な堀という異質な存在を加え、どのような作品に仕上がるのか注目だ。

一度見たら次も見たくなる。ヤミツキ「財団、江本純子vol.7『人生2ねんせい』」

2014.04.20 Vol.616

 毛皮族を率いる江本純子の別ユニット。毛皮族とは異なる作風と上演形態にて作品を発表するための場として2009年に立ち上げられたが、第1回公演となった『セクシードライバー』が初めて岸田國士戯曲賞の最終候補作となるなど、作家としての江本純子の評価を再認識させた。

 また毛皮族とは違った、常識と非常識が飛び交うその作品世界と思いもかけないキャスティングも刺激的で、公演のたびに大きな話題を呼んでいる。

 今回は「生」と「死」と「旅」を通じて、死んだ「私」の人生の一部分を描く。

 物語は不幸のどん底にいた「私」が不幸の入り口までなんとか這いつくばるところから始まる。それが2度目の人生であることに気づいた「私」は、一度目の失敗、一度目に伝えられなかったこと、一度目ではできなかったことを、この2回目の人生ではなんとかしようと奔走していく。人生2年生の「私」が無意味な理想にしがみつくことなく、もう一度人生と関わって、生きることを反省していく物語。

 今回は7回目の公演にして東京、福岡、仙台、名古屋の4都市ツアーを敢行する。この地方の3都市は毛皮族では訪れたことのないところ。これをとっても毛皮族との色合いの違いがうかがえる。

やると決めたらなんでもできる。垣根も越えられる 台湾・日本国際共同企画 川端康成三部作『片腕』『少年』『水晶幻想』

2014.04.12 Vol.615

 日本と台湾で活動する3人のアーティスト、ノゾエ征爾、劉亮延、山縣美礼が川端康成の短編を舞台化する。2010年に「アジア舞台芸術祭」で出会った3人が本企画をカンパニーとして立ち上げ、2012年より台湾と日本で3作品を上演した。今回はその3作品を一堂に集め上演する。

 ノゾエが演出する『片腕』は若い娘の片腕と男の一晩の物語。日本と中国の俳優が出演する。劉は川端の絶版小説『少年』を脚本・演出。こちらは日本人ダンサーが主演を務める。『水晶幻想』は山縣が演出・振付を担当し、台湾のダンサーが舞う。

 民間の交流は頻繁ではあるが、日本と台湾には国交はない。日中台のアーティストが国境を越えて作品に取り組むことによって、国家の果たすことのできない文化的交流を実現し、また異文化を取り入れることによって各アーティストたちが、その芸術性を深めていく企画となっている。

やると決めたらなんでもできる。垣根も越えられる 日本の30代『十二夜』

2014.04.12 Vol.615

 2012年に上演された松尾スズキ作・演出の『ふくすけ』に出演した役者たちが劇団の垣根を越えて結成したユニット。

 彼らに共通するのは30代ということ。

 ただひたすらに突っ走ってきた20代という時代を経て、そろそろそれぞれの劇団内でも中心を担う存在となってきた、そんな世代が30代。

 もともと近い作風の劇団の役者たちとあって距離感も近い彼ら。そんな彼らがどんな演目を選んだのかというと、まさかのシェイクスピア。そして演出には文学座の鵜山仁を迎えるという本格的なもの。

 おまけに音楽は、役者たちが自ら楽器を演奏して生音でやるというから、この作品にかける彼らの思いの深さがうかがえる。

 ビジネスの世界では「なにかやりましょう」と言って結局何もやらないというダメダメな話はよく聞く。そんなビジネスマンに見習わせたい!?

PARTY INFO 最新のグルーヴで盛り上がれ!! 2014.3.31〜

2014.03.30 Vol.614

WOMB(渋谷)STERNE
【日時】4月4日(金)23時〜
【LINE UP】MARK BROOM、TAKKYU ISHINO、NEHAN (FANG)
【料金】3500円
【URL】http://www.womb.co.jp/

Club asia(渋谷)The Block Party energized by burn
【日時】4月4日(金)23時〜
【LINE UP】DAISHI DANCE、CTS、TOMOTH(アルファ)、DJ SODEYAMA、Jay Zimmermann (JZ)、☆Taku Takahashi 他
【料金】3000円
【URL】http://asia.iflyer.jp/

AIR(代官山)A1 feat.FRANCOIS K.
【日時】4月5日(土)22時〜
【LINE UP】Francois K.(WAVE MUSIC/DEEP SPACE)、Toshiyuki Goto他
【料金】3500円
【URL】http://www.air-tokyo.com/

UNIT(代官山)CABARET
【日時】4月5日(土)23時30分〜
【LINE UP】Steve O’Sullivan(Mosaic/Bluespirit/Bluetrain/Sushitech UK)、dj masda
【料金】3000円
【URL】http://www.unit-tokyo.com/

OTO(渋谷)Night Rhythm vol.3
【日時】4月5日(土)22時〜
【LINE UP】NOTOYA (INVASION/ SMILE VILLAGE)、色彩、Kunilopez、他
【料金】2000円
【URL】http://club-oto.com/

THE ROOM(渋谷)Before Midnight
-SHUYA OKINO DJ25周年記念パーティー vol.3 –

【日時】4月11日(金)19時〜23時
【LINE UP】SHUYA OKINO(KYOTO JAZZ MASSIVE)
【料金】1000円
【URL】http://www.theroom.jp/

SOUND MUSEUM VISION(渋谷)GIRLS FEST
IVAL 2nd ANNIVERSARY

【日時】4月11日(金)22時〜
【LINE UP】VERBAL、DJ KAORI、DJ KANGO、shoWWgo、YU、REN、DAISHI DANCE 他
【料金】男性3500円 女性無料
【URL】http://www.vision-tokyo.com/

ageHa(新木場)THE WONDERLAND feat. Mat Zo
【日時】4月12日(土)23時〜
【LINE UP】Mat Zo、DJ YUMMY、TOMO HIRATA、JAXX DA FISHWORKS他
【料金】3500円
【URL】 http://www.ageha.com/

美輪明宏が描く、エディット・ピアフの無償の愛の物語

2014.03.30 Vol.614

 三島由紀夫脚本『黒蜥蜴』や、寺山修司作『毛皮のマリー』など、俳優・演出家としても不動の人気を誇る美輪明宏の舞台「美輪明宏版『愛の讃歌』〜エディット・ピアフ物語〜」は、誰もが1度は耳にしたことがあるであろう名曲『愛の讃歌』で知られ、愛と音楽に生きた、フランスが生んだ天才歌手であるエディット・ピアフの真実の姿を描き出した名作だ。一般に、ピアフといえば、愛欲に走るわがまま放題の無知な女性として描かれることが多いが、美輪がこの作品で描き出すのは高い教養をそなえた才能あふれるアーティスト・芸術家であり、無償の愛に生きた崇高な女性としてのピアフだ。彼女と同じように、音楽を愛し、人を愛し、そしてさまざまな苦境や挫折、時にはどん底を味わってきた経験のある美輪ならではの視点で、3年前の上演時には、多くの人が劇場に足を運び、ピアフの波瀾万丈な人生に魂を震わせた。さらに、テオ・サラポについてもしっかりと描かれているのも美輪版の特徴だ。
 愛と感動に心揺さぶられる舞台のカムバック。今回は2011年の公演をさらにパワーアップさせた内容になっている。前回同様、美輪は、主演に加えて、脚本、演出、美術、衣裳を担当。さらに、ピアフの人生に彩りを加える選りすぐりのキャスト陣にも期待が膨らむ。ピアフの最後の恋人でピアフをどん底から救う純粋なギリシャ青年テオ・サラポ役に木村彰吾、ピアフの妹役には前回の公演でも美輪と丁々発止のやり取りで好評を得たYOU、ピアフのマネジャー役には勝部演之、ピアフを見出す高級クラブのオーナーを若松武史が演じる。
 美輪が、エディット・ピアフとなって、世に届ける無償の愛の物語は、人を愛することの尊さを感じさせてくれるはず。この春、必見の舞台だ。

4月は青山で芝居を見る!! パルコ・プロデュース ブロードウェイ・ミュージカル 『アダムス・ファミリー』

2014.03.30 Vol.614

 日本では映画で有名な『アダムス・ファミリー』。海外ではコミック、テレビドラマ、アニメ、映画、そしてブロードウェイミュージカルとさまざまなジャンルで作品化。特にミュージカルは2008年から2011年までロングランで上演されるほどの人気を集めた。
 今回はこのヒット作を日本版ミュージカルとして上演。映画でもおなじみのおばけ一家が、ユニークなキャラ設定はそのままに舞台上を縦横無尽に暴れまわる。映画版とは別のストーリーなので、見慣れた人も新鮮なアダムス・ファミリーが楽しめるはず。
 演出に白井晃、出演もアダムス家のパパ・ゴメスには数多くのミュージカル作品で主演を務める橋本さとし、ママ・モーティシアに元宝塚トップスターの真琴つばさと、実力派のスタッフと俳優たちが勢ぞろい。また振付のプランナーとして、CM、コンサート、ライブ、映画、PVなどさまざまな分野の振り付けで注目を集める「振付稼業air:man」が参加。さてどんな振り付けを見せてくれるのか。
 東京の後は名古屋・横浜・大阪でも公演が行われる。

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