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チケット好評発売中 ママ・アイ・ウォント・トゥー・シング

2013.11.24 Vol.605

  1983年にニューヨークのハーレムで産声を上げて以来、全世界で2500公演。さらに映画にもなって、今もなお変わらず世界中で愛され続けている、名作ミュージカル『ママ・アイ・ウォント・トゥ・シング』が再上陸。日本に感動を届ける!
 ゴスペル隊からスターに登りつめた少女と家族の物語。教会のゴスペル隊で歌っていた牧師の娘が、家族に反対されながらも、「歌手になる」という夢に突き進んでいく。1960年代に活躍したR&Bシンガーのドリス・トロイをモデルにした実話が元になっているストーリーだ。
 
 ドリスは、ニューヨークのブロンクスで生まれ、少女時代からゴスペルグループで歌っていた。ハーレムのアポロシアターで案内係をしていた時に、その才能を見出され、リリースしたシングル「ジャスト・ワン・ルック」がヒット。その後、イギリスに活動拠点を移し、ザ・ビートルズのジョージ・ハリソン、ザ・ローリング・ストーンズ、ハンブルパイや、ピンクフロイドで歌い、ロック音楽ファンにもその名を知られた存在でもある。
 そんな彼女の人生を、彼女の実の妹でクリエイターのヴァイ・ヒギンセンがミュージカルに作り上げた。今でこそ、名作ミュージカルとして紹介されるものの、当初は低予算で小規模での上演だった。しかし口コミで作品の素晴らしさが伝わり、チャカ・カーンやシャーリー・シーザーなどゴスペルやR&Bのトップシンガーも出演する作品へと成長したのだ。
 今回の来日公演では、今年30周年を記念してハーレムで上演されたバージョンでドリス・トロイ役を務め注目を集めたノエル・ヒギンセンが出演。ノエルは、ヴァイ・ビギンセンの娘で、ドリス・トロイの姪にあたる。
 ゴスペルブームだけでなく、ゴスペルを取り入れた映画などにも多大なる影響を与えている本作。今回の東京公演は、渋谷ヒカリエの東急シアターオーブと、六本木のアミューズ・ミュージカルシアターで上演される。「観る」、立ち上がって一緒に体を動かして「感じる」など本作の楽しみ方はいろいろ。この冬1番のミュージカルを堪能して!

タイトルを見ただけで気になってしようがない!?

2013.11.24 Vol.605

毛皮族(マル秘)公演『血も涙も靴もない』

 毛皮族の新作公演はこれまでとはちょっと趣が違った公演となる。会場の森下スタジオは通常は稽古場として使われるところ。そこにセットを組み立て、公演を行ってしまうのだ。

 なにやら将来的には野外劇の上演を考えているということで、今回はその第一歩。実験的な意味も持つ公演のようだ。

 もっとも、海辺の荒野で上演することを前提に書いた作品とのことで、スタジオ内でありながら、野外を想起させる作品に仕上がった。

 夫の浮気を理由に出て行ってしまった嫁とその姑。夢見るシンガーと夢に投資するおやじ。下着の女とパジャマの女、謎のお師匠さんなどなど、強烈なキャラクターたちが森下スタジオに設えられた“海辺の荒野”を縦横無尽に動き回る。

 もう締め切ってしまったが、初日の27日を無料公演とするなど、相変わらずのチャレンジっぷり。

【日時】11月27日(水)〜12月1日(日)(開演は水18時30分、木19時、金14時/19時、土12時/15時30分/19時30分、日13時/16時。開場は開演30分前。当日券は開演の45分前)【会場】森下スタジオ Cスタジオ(森下)【料金】整理番号付自由席 前売3800 円/当日4000円 ※27日は(マル秘)無料公演。受付は終了【問い合わせ】Little giants(TEL:090-8045-2079=12〜19時[劇団HP]http://www.kegawazoku.com/)【作・演出】江本純子【出演】金子清文、柿丸美智恵、羽鳥名美子、高野ゆらこ、延増静美、高田郁恵、田島冴香(東京タンバリン)、江本純子

STAGE 「フェスティバル/トーキョー13」参加劇団の作品

2013.11.11 Vol.604

チェルフィッチュ『現在地』『地面と床』

 この秋のチェルフィッチュのキーワードは「初」。

 まずは初の連続上演。11月に「フェスティバル/トーキョー13(F/T13)」で『現在地』を、12月にKAAT神奈川芸術劇場で『地面と床』を上演する。

『現在地』は昨年初演された変化をめぐる架空の物語で今回は初めて女性だけのキャストで臨む。そしてチェルフィッチュは意外なことにF/T13には初参加。

 2本目の『地面と床』は世界9都市国際共同製作による最新作。5月にブリュッセル(ベルギー)にて初演され、世界ツアーをへて待望の横浜凱旋公演となる。本作の「初」は初の音楽劇ということ。バンド・サンガツの作り出す音楽と、劇が対等に存在する新たな世界観に挑むという。

〈現在地〉【日時】11月28日(木)〜12月8日(日)(開演は月水木19時30分、日金15時、土12時/17時。5日(木)は15時の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】東京芸術劇場 シアターイースト(池袋)【料金】一般前売4000円、学生3000円、U18(18歳以下)1000円【作・演出】岡田利規【出演】佐々木幸子、伊東沙保、南波圭、安藤真理、青柳いづみ、上村梓、石橋志保
〈地面と床〉【日時】12月14日(土)〜23日(月・祝)(開演は平日19時30分、土日祝14時。※14日(土)は17時開演。水曜休演。開場は開演30分前)【会場】KAAT神奈川芸術劇場(横浜)【料金】全席自由、整理番号付 前売一般3500円、当日 4000円/シルバー割引(満65歳以上)3000円/U24チケット(満24歳以下)1750円/高校生割引 1000円【作・演出】岡田利規【出演】山縣太一、矢沢誠、佐々木幸子、安藤真理、青柳いづみ【問い合わせ】『現在地』F/Tチケットセンター TEL:03-5961-5209 『地面と床』チケットかながわ 045-662-8866 [HP]http://chelfitsch.net/

STAGE フィクションとノンフィクションの間を漂う

2013.10.26 Vol.603

イキウメ『片鱗』

 フィクションとは分かっていても、ストーリーが進んでいくうちに「もしや本当にあったことなのでは…」と思わせられる。そんな見る者の足元をぐらつかせる世界観がクセになるイキウメの新作公演。
 最近はSF系の作品が多かったのだが、今回は久々に「ホラー」に分類される物語。

 舞台はある郊外の住宅地。不審者がいるとの通報が増えたのだが、その不審者たちはどこからともなく現れ、消えていく。何をするわけでもなく、目を離すといなくなっている。「幽霊か…?」という噂も立つが、目撃者は皆「確実に存在していた」と話すのだった。果たしてあれはいったい何なのか…!?
 客演に手塚とおる。よくよく考えたら、イキウメの物語世界にぴったりの存在。今まで出会いがなかったのが不思議ですらある。

【日時】11月8日(金)〜 24日(日)(開演は平日19時、土13時/18時、日13時。9日(土)は18時の回のみ。20日(水)は14時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】青山円形劇場(表参道)【料金】全席指定 前売4200 円/当日4400円【問い合わせ】イキウメ(TEL:03-3715-0940[HP]http://www.ikiume.jp/)【作・演出】前川知大【出演】浜田信也、安井順平、伊勢佳世、盛隆二、岩本幸子、森下創、大窪人衛、清水葉月/手塚とおる

STAGE 「ほのぼの」にもいろいろな種類がある

2013.10.13 Vol.602

ラッパ屋『ダチョウ課長の幸福とサバイバル』

 1983年に早稲田大学の「演劇集団てあとろ’50」出身のメンバーが集まり、鈴木聡を主宰に「サラリーマン新劇喇叭屋」という劇団が旗揚げされた。1993年から現在の「ラッパ屋」となるのだが、なんやかやで今年で結成30周年、第40回公演と根強い人気を誇っている。

「大人が楽しめる芝居づくり」を標ぼうしているだけあって、作風は「おまぬけなコメディーだが、キュンときてズンとくる」といった、ほのぼのとしながらほろりとさせられるもの。年を重ねても公演に足を運び続けるファンが多いのも納得だ。

 今回のタイトルの「ダチョウ課長」というのは「ダサい課長」のこと。タイトルだけで30〜40代の大人の観客がシンパシーを感じる情景が浮かぶ。

 ちなみに主宰で作・演出の鈴木はもともとコピーライターも務めているだけあって、過去作品のタイトルを眺めるだけでも相当楽しい。

【日時】11月1日(金)〜 10日(日)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。4日(月・祝)は14時開演。6日(水)は14時の回あり。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】紀伊國屋ホール(新宿)【料金】全席指定 前売・当日とも2〜4日14時と7〜10日は4800円、1〜2・5日19時と6日は4300円/エコノミー券2800円(当日引換券。平日の回のみ・枚数限定・年齢制限なし)【問い合わせ】ラッパ屋(TEL:080-5419-2144=12〜19時 [HP]http://rappaya.jp/)【脚本・演出】鈴木聡【出演】おかやまはじめ、俵木藤汰、木村靖司、中野順一朗/ラサール石井、小林健一、ともさと衣/三鴨絵里子、岩橋道子、弘中麻紀、大草理乙子、岩本淳、浦川拓海、宇納佑、武藤直樹、福本伸一、熊川隆一

プレイガイド最速! プレリクエスト先着先行を実施! ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」

2013.10.13 Vol.602

 世界各地でロングラン上演され、最も人気の高いミュージカルのひとつである傑作『オペラ座の怪人』。怪人と歌姫の切ない恋の物語を、甘く、時に厳かな旋律にのせて綴る作品だ。

 時代は変わっても世界中で愛されるこの作品を手掛けたのは、アンドリュー・ロイド=ウェバー。彼は、この物語の続編も残していた。それが本作『ラブ・ネバー・ダイ』。『オペラ座の怪人』の10年後を描く。舞台はパリからニューヨークに。歌姫クリスティーヌは第一線で活躍する一方で、妻そして母に。そして熱烈なラブコールを受けて、家族を率いてニューヨークへやってきたところから、物語は展開していく。

 2010年にロンドンのウエストエンドで幕開けし、演出・舞台美術を一新したオーストラリア・メルボルン公演で絶賛された。そして2014年、いよいよ日本に上陸を果たす。ファントムは、市村正親、鹿賀丈史のWキャスト、他も豪華絢爛だ。高い評価を集めたメルボルン公演のスタッフも再集結して、作品の世界を作り上げる。

 ローチケでは、14日からこの公演のプレイガイド最速先行を実施する。多くの人の心を揺さぶったストーリーの気になるその後……。いち早くチケットを押さえて、日生劇場でチェックしよう!

STAGE なにも考えずに笑うか、あれこれ考えてみるか…

2013.09.30 Vol.601

表現・さわやか『ストレンジ ストーリーズ』

 2004年に結成以来、「気取らない」「くだらない」「大人げない」を旗印に「学芸会チックな、役者たちが楽しい事がなんとなく楽しそう」な苦笑系のコントを発表し続ける「表現・さわやか」。

 年に1回のペースで着実に公演を重ね、その中毒性の高い作品で現在の小劇場界ではコントの第一人者といっても過言ではない劇団にのし上がった。

 今回は主宰を務める池田鉄洋(通称イケテツ)とはNHKの『サラリーマンNEO』で共演した原史奈がゲスト出演。イケテツ自身が身を持ってそのコメディエンヌとしての才能を感じ、オファーをしただけあって、イケテツは「ハードルの高い役柄も、この人なら絶対に下品にならない」と自信のコメントだ。
 舞台は年に一度、とても変わったお祭りが行われている村。そこにその祭りの起源を調査しにやってきた民俗学の准教授とゼミの生徒たち。彼らが調査を進めるうちに、その村の過去があらわとなっていく。

【日時】10月3日(木)〜 14日(月・祝)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。13日(日)は19時の回あり。14日は14時の回のみ。7日休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】駅前劇場(下北沢)【料金】指定席:前売り4000円、当日4300円/自由席:前売り3500円、当日3800円(整理番号、砂かぶり特典付き)/フレッシュ券(劇団のみ取扱い):前売り・当日共に2500円(指定席・自由席選択不可)【問い合わせ】表現・さわやか(TEL:070-5456-9283[HP]http://h-sawayaka.com/)【作・演出】池田鉄洋【出演】原史奈/佐藤真弓、いけだしん、村上 航、岩本靖輝、伊藤明賢、池田鉄洋/大川宗哲

STAGE そうひんぱんにあるワケじゃないから絶対に見逃せない劇団

2013.09.16 Vol.600

ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』

 京都を拠点に活動するヨーロッパ企画。

 多才ゆえの多忙につき、最近では全員が集まっての本公演は秋冬にかけての年1回に。そんな待望の公演が18日から上演開始。

 今回は「迷路コメディー」。2011年から続く「移動コメディー」「漂流コメディー」に続く企画性コメディーの第3弾だ。

 タイトルの“建てましにつぐ建てまし”という言葉からは、建て増ししすぎて、“今どこを歩いているのか分からない!”ということになりがちな古い温泉旅館なんかをイメージする人も多いだろう。

 そんな期待通り、舞台上には本物の迷路が出現。

 いつもはトリッキーな劇構造とゆるい日常会話で笑わせる彼らだが、今回はそれにプラスして“状況の妙”でも笑わせてくれそう。

 ふだんの生活の中でも、自分が迷っている時はそりゃ大変だが、迷っている人をはたから見ているのは結構愉快なことじゃない? そんな深層心理をくすぐる作品。

【日時】9月18日(水)〜26日(木)(開演は平日19時、土日13時/18時。月曜は13時開演。19日(木)は14時の回あり。26日(木)は14時開演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】本多劇場(下北沢)【料金】全席指定 前売4000円、当日4500円/学生シート3500円(要学生証提示・前売のみ)【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337=10〜19時 [HP]http://www.europe-kikaku.com/)【作・演出】上田誠【出演】石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力/花本有加(KIKIKIKIKIKI)、吉川莉早、菅原永二

STAGE まだ見たことのない若い才能たちをショーケーススタイルで

2013.09.02 Vol.599

 東京芸術劇場は野田秀樹が芸術監督に就任後、“劇場の賑わい”“若手育成”をテーマにさまざまな企画を立ち上げてきた。

 特に次世代の演劇界を牽引する若い才能の紹介には積極的で、2009年に始まった「芸劇 eyes」シリーズからは、多くの若手演劇人が飛躍を遂げた。
 2011年には芸劇 eyesの番外編として短編作品のショーケーススタイルの「20年安泰。」を開催。今回はその第2弾となる。

「芸劇 eyes」はまだそれなりに知名度があった劇団が多かったのだが、「20年安泰。」では完全に“若手”といわれる人選に振れていた。しかし出演劇団の以降の活躍は目覚ましく、改めて“多くの人の目に触れる”ことの大事さが証明された。

 今回は作・演出家が20〜30代の女性という5劇団をピックアップ。前回同様、同じ舞台を使い20分にまとめあげた短編を上演する。
 また“女性性”に関する意識もさまざまで興味深いところ。

 以下は参加5劇団の作品とプロフィル。

 うさぎストライプ『メトロ』…2010年に結成。大池容子の演劇作品を中心に活動中。作品は「女性らしい作風」といわれることが多い。大池自身は意識して作っているわけではなく、そう言われることについては「恥ずかしい」と思っているとのこと。今回は「たまたま、その日、電車に乗ったひとと、乗らなかったひとのおはなし」http://www.usagistripe.com/

 タカハ劇団『クイズ君、最後の2日間』…高羽彩の脚本・演出作品を上演するためのプロデュースユニット。会話劇とあって、今回の5劇団の中ではわりとスタンダードな作風。本作では巨大掲示板の書き込みをモチーフに「人間って何だろう」という問いを観客に投げかける。http://takaha-gekidan.net/
 鳥公園『蒸発』…作・演出の西尾佳織と俳優・デザインの森すみれによる演劇ユニット。「正しさ」から外れながらも確かに存在するものたちに、少しトボケた角度から、柔らかな光を当てようと試みる。http://birdpark.web.fc2.com/

 ワワフラミンゴ『どこ立ってる』…作者・鳥山フキを中心に小規模に活動している演劇団体。奇をてらわずに不思議な世界観と思わせる作品が得意。基本的には女性だけの作品が多い。今回も5人の女優が「愛らしくて、楽しい話」を繰り広げる。http://wawaflamingo.com/

 Q『しーすーQ』…2011年より活動。市原佐都子が劇作・演出を担う。2013年秋のF/T13公募プログラムに参加予定。その作品は女性の複雑さや面白さを描くものが多い。ニンゲンの世の中の「形」に飼いならされきれない、そこからはみ出している、無理している存在が気になるという。http://qchan9696.web.fc2.com/Q/

桐谷美玲がつか作品に再び挑戦!

2013.08.19 Vol.598

 女優、声優、そしてニュースキャスターと、さまざまな分野で活躍中の桐谷美玲が、この秋、2度目のつか作品に挑む。作品は『飛龍伝21 〜殺戮の秋〈いつの日か、白き翼に乗りて〉』。演劇界の風雲児とされ、日本の演劇界を変えた劇作家つかこうへいさんの代表作のひとつだ。

 舞台の時代背景は学生運動まっただなかの東京。東京大学に入学した神林美智子は、全共闘作戦参謀の桂木純一郎に出会い、その理想と革命に燃える姿にあこがれ、恋に落ちる。そのなかで、次第に全共闘40万人を束ねる委員長にまつり上げられてしまう。最終決戦を前に、桂木は、美智子を、女として機動隊員の部屋に潜入させることを決断する。

 1974年に初演。それ以来、何度も再演を重ねてきた、つか作品のなかでも名作中の名作。桐谷演じる美智子も、富田靖子、牧瀬里穂、石田ひかり、内田有紀、広末涼子、黒木メイサら名だたる女優たちが演じてきた。桐谷はその作品に名前を刻むことになる。

 桐谷は昨年、『新・幕末純情伝』で舞台に初挑戦し、はかない女闘士を演じきった。当時も筋力トレーニングなどを積み、体当たりで挑んだ。『飛龍伝』はよりアクション要素が多くなるが、そのガッツで、彼女なりの神林美智子を表現してくれそうだ。

 共演には、元北区つかこうへい劇団の神尾佑をはじめ、中河内雅貴、細貝圭、D-BOYSの橋本汰斗、広海深海ら。
 新しい『飛龍伝』がこの秋、大きな嵐を起こしそうだ。

STAGE 舞台を見た後に思わず原作にも手が伸びそう

2013.08.19 Vol.598

葛河思潮社『冒した者』

 作・演出家である長塚圭史のソロプロジェクトである葛河思潮社の第3回公演。前回公演の『浮標』に続き三好十郎の『冒した者』を上演する。

 この作品は1952年に描かれた三好最後の長編戯曲。1952年というのは朝鮮戦争の真っただ中で、米ソの冷戦構造のなか日本がアメリカの核の傘の下に身を寄せようとしていた時代。三好はこの作品の中で、唯一の被爆国でありながら核の傘の下に入ろうとする日本の矛盾を鋭く突いている。

 舞台は戦後の東京の郊外。かろうじて焼け残った大屋敷に集まって穏やかに暮らしていた9人。しかし一人の青年の訪問をきっかけに徐々に日常が崩壊。そしてそれぞれが抱える「戦後の混乱」が一挙に表面化していく。

 2013年の日本では、東日本大震災以降、原発のあり方にさまざまな議論が巻き起こっている。61年という時を経て、今度は長塚によって新たな問題提起がなされる。
 9月20日からは吉祥寺シアターでも上演される。

【日時】9月5日(木)〜10日(火)(開演は木金19時、土17時、日火14時、月14時/19時。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】神奈川芸術劇場 大スタジオ(日本大通り駅)【料金】全席指定 6300円【問い合わせ】ゴーチ・ブラザーズ(TEL:03-6809-7125=平日10〜18時 [HP]http://kuzukawa-shichosha.jp/)【脚本】三好十郎【演出】長塚圭史【出演】田中哲司、松田龍平、松雪泰子、長塚圭史、江口のりこ、尾上寛之、桑原裕子、木下あかり、中村まこと、吉見一豊
※東京公演【日時】9月20日(金)〜10月7日(月)【会場】吉祥寺シアター(吉祥寺)

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