SearchSearch

STAGE しんみりしたり笑ったり、よ〜く考えたり

2013.08.05 Vol.597

七里ガ浜オールスターズ『オーラスライン』

 月曜深夜の日テレ界隈や新宿のロフトプラスワン界隈、ホテルの検索サイト界隈で名を馳せる「赤ペン瀧川先生」のもうひとつの顔である「瀧川英次」が主宰する七里ガ浜オールスターズ。

 瀧川は俳優としてはもちろん、演出も担当。脚本は昨年公開され、東京国際映画祭にも出品されたオウム真理教の平田信の逃亡生活をモデルにした『愛のゆくえ(仮)』で脚本と主演を務めた前川麻子の書き下ろし。

 超大手のミュージカル劇団「春夏秋冬」のオーディション会場の控室にオジさん4人と若い女が1人。若い女はともかく、オジさんたちはここがそんなに大それた場所とは知らず集まってしまったもよう。というか、踊れるワケもなく歌えるワケもなく、そもそも年齢的にもアウトのオジさんたちはいったいなぜここにやって来たのか。オジさんたちがお互いを探るうちに見えてくるそれぞれの生活と苦悩。そして、ひょんな事から女の過去と現在が発覚し……。
 経験豊富なオジさん役者たちが、自らの体験も入れ込み?妙に笑えて、しんみりさせられる作品に仕上がった。

STAGE 「男3人」でもこんなに違うとは…

2013.07.22 Vol.596

親族代表 THE LIVE vol.10『第三次性徴期』

 すっかり個々の活動が忙しくなってしまって、3人揃っての“本公演”は2009年以来となる親族代表。

 特定の作家や演出家を持つわけではなく、そのときフィーリングの合った演出家を呼び、脚本も複数の外部の脚本家に依頼する形で、1回の公演で5〜6本のコントを上演する。脚本提供もなぜかケラリーノ・サンドロヴィッチ、福原充則といった豪華な顔ぶれが並ぶ。今回は五反田団の前田司郎の名前まで。

 そのコントのスタイルは、勢いに任せた笑いではなく、“役者”の3人が緻密な演技で作り上げる「真顔コント」と呼ばれる独特のもの。

 まあ「役者だってコントやるじゃない」とか「真顔コント?何それ?」と思う人には「この写真を見てください。こんな感じです」としか説明のしようがない。

 今回はゲストにナイロン100℃の峯村リエ。ゲストまで豪華。

【日時】8月8日(木)〜18日(日)(開演は平日20時、土15時/19時、日15時。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】ザ・スズナリ(下北沢)【料金】全席指定 前売・当日共 4000円/喪服割引(喪服で来場)500円【問い合わせ】イマジネイション(TEL:03-6325-0302=平日11〜19時[HP]http://shinzoku.com/)【演出・脚本】佐々木充郭(バジリコ・F・バジオ)【脚本】ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ナイロン100℃)、ブルー&スカイ、前田司郎(五反田団)、川尻恵太(SUGAR BOY)、福原充則(ピチチ5)【出演】嶋村太一、竹井亮介、野間口徹/〈ゲスト〉峯村リエ(ナイロン100℃)

グリーン・デイの楽曲で綴る エネルギッシュなミュージカル 『アメリカン・イディオット』

2013.07.22 Vol.596

 本国アメリカはもちろん、世界中で話題を集める、新世紀のブロードウェイミュージカル『アメリカン・イディオット』が日本上陸、8月7日に東京国際フォーラム ホールCで幕を開ける。

 米人気ロックバンド、グリーン・デイのフロントマン、ビリー・ジョーと、ブロードウェイの鬼才マイケルメイヤーがタッグを組んだミュージカル。始まりは、グリーン・デイが2004年にリリースしたアルバム『アメリカン・イディオット』だ。このアルバムは、アメリカ同時多発テロによるイラク戦争への怒りを表した内容でバンドは本作でグラミー賞も受賞。若者たちのカリスマというグリーン・デイのイメージを大きく変えた。なぜこのアルバムがミュージカル化されたかというと、ビリーが『ロッキー・ホラー・ショー』や『ウエストサイドストーリー』といったミュージカル作品の影響を受けて、プロットを作り、舞台化を視野にいれて制作したため。マイケルメイヤーは「アルバムを初めて聞いた時、先天的に演劇/舞台の要素を持ち合わせていると感じた。上演してくれと訴えていた」と、語っている。

 物語の軸となるのは、9.11後の世界で人生の意義を見つけようと、厳しい現実のなかでもがき、葛藤しながらも成長していく青年たち。グリーン・デイの楽曲とともに、アルコールやドラッグ、未成年での妊娠など、アメリカ社会が直面している社会問題を描き出していく。

 キャストには、役柄とほぼ同年代の若手が勢ぞろい。彼らはみな真摯に役に向き合い、自分自身をむき出して持てるものをすべて役にぶつけ、エネルギッシュな舞台を作り上げている。

 ロックバンドの生演奏にのせて、セリフも少なくロックコンサート感覚で駆け抜ける本作は、ミュージカルに親しみのない人でも鑑賞しやすい作品ともいえる。ミュージカルファン、グリーン・デイのファンはいうまでもないが、幅広い層に訴えかける作品。この夏、マストチェックのミュージカルだ。

演劇ユニット『おにぎり』の『トークトワミー!』が7月10日から上演開始

2013.07.08 Vol.595

 演劇の世界では劇団とも違った形の、“ゆるやかな連携”ともいえるユニットという形態がある。村木仁、市川しんぺー、池谷のぶえという個性派役者3人が結成した『おにぎり』もそう。その第2回公演が7月10日から始まる。そのつど「一緒にやってみたい」と思う作家・演出家に声をかけるスタイルの『おにぎり』。今回は脚本に江本純子、演出に千葉哲也を迎える。

「江本さんは旗揚げ公演を見たお客さんから“この3人ならコメディーだと思ってた”という声が多くて、ぜひ2回目はコメディーを目指そうと、江本さんのスリリングな笑いのセンスで作品を書いてもらいたいと思いました」(池谷)
「江本さんとあえて真逆な印象の演出家さんをということで、千葉さんに演出をお願いしました。江本さんの喜劇を、あらゆる角度から読み解く千葉さんの演出で、異色かつ、味わい深いタッグになっています」(村木)
 で、どんなお話なんでしょう?
「夫と妻と妻の兄による、親族間の面倒くさいラブストーリーです」(市川)
 ちなみに『おにぎり』って名前なんですが、なんでこの名前になったんでしょうか。いや、あえて聞くんですが…。
「劇団☆新感線の高田聖子さんが、“誰しもが美味しそうだと思う”ということで、『おにぎり』と名付けてくれたんです」(村木)
 これだけ芸達者が揃うと稽古場はものすごく楽しそうですが。
「演出の千葉さんが自らの生きざまを例えに演出して下さるので、自ずと自分たちの生きざまも暴露しながらの、赤裸々な稽古場になってます」(市川)

 いろんな作品にひっぱりだこの3人だけに次回はいつになるのやら…という状況なので、必見の作品といえる。

7/19(金)23:59まで先着先行実施中 ミュージカル 三銃士

2013.07.08 Vol.595

 人気上昇中の韓国ミュージカルのなかでも、3度も再演を重ねた話題の作品『三銃士』がついに日本に上陸だ。フランスの文豪のアレクサンドル・デュマによる同名の小説を原作に、映画、舞台、アニメなどさまざまなフォームで語り継がれてきた名作中の名作。その魅力あふれるストーリーに、韓国を代表するスターたちが新たな命を吹き込む。

 17世紀フランスで、片田舎から立身出世を夢見てパリに出てきた若者、ダルタニャンが、アトス、アラミス、ポルトスの三銃士とともに、さまざまな困難を解決していくというストーリー。

 ストーリーはもちろん、スピーディーな展開やダイナミックなアクションなど見どころ満載のミュージカル。それの魅力を倍増させるのが豪華なキャスト陣だ。例えば、主人公ダルタニャン。演じるのは、昨年日本で初公演が行われたミュージカル『Jack the Ripper』のオム・ギジュン、さらに2AMのチャンミン、2PMのJun. K、FTISLANDのソン・スンヒョンと、韓国ミュージカル界をけん引する才能と、K-POPを代表する面々が、日替わりで登場する。その他のキャストも実力派の俳優たちばかりだ。

 この夏、もっとも注目すべきミュージカルのひとつ。チケット予約はローチケで! 

STAGE 共通点はとにかく独創的であるということ

2013.07.08 Vol.595

あひるなんちゃら『ライクアプラスチック』

 舞台上ばかりではなく、すべての面において力むことなく淡々とした印象を与える彼らがこのたび初めて力んで、ザ・スズナリで公演を打つ!!のだと思って聞いてみたら「一度スズナリでやってみたかったから…」という答えが返ってきた。
 やってみたかったからってできる劇場でもないのだが、こう言われてしまうと「ずいぶんスズナリもまったりしているな〜」なんて思ってしまいそうだが、多分そんなことは絶対にない。

 今回は、人気があるわけでもなく、ないわけでもなく。天才と評価されるわけでもなく、凡才と評価されるわけでもなく。アイデアが湯水のようにあふれ出るわけでもなく、全く出てこないわけでもない、そんな漫画家の、なんでか楽しい日々を悩まず描く、脳天気な70分。

 ふだんよりちょっぴりキャパが広いんで今回は3日間だけ。やっぱりここでも力まない。

【日時】7月19日(金)〜 21日(日)(開演は金15時/20時、土15時/19時、日15時/18時。開場は開演30分前。当日券は開演の45分前)【会場】ザ・スズナリ(下北沢)【料金】全席自由(受付時に整理券を配付)予約あり1980円、予約なし 2480円/学生割引 各料金から1000円引き【問い合わせ】あひるなんちゃら(TEL:03-5945-3533[HP]http://www.ahirunanchara.com/)【脚本・演出】関村俊介【出演】篠本美帆、根津茂尚/澤唯(サマカト)、三瓶大介、伊達香苗(MCR)、永山智啓(elePHANTMoon)、生見司織、松木美路子、三枝貴志(バジリコFバジオ)、宮本奈津美(味わい堂々)

STAGE 太宰治に樋口一葉…昭和の文豪をモチーフとした作品

2013.06.24 Vol.594

太宰治作品をモチーフにした演劇 第10回− ピチチ5 結成
10周年記念公演−『はぐれさらばが“じゃあね”といった』


59421.jpg 晩年を三鷹で過ごした太宰治を偲び開催される桜桃忌の時期に行われる、三鷹市芸術文化センター恒例の「太宰治作品をモチーフにした演劇」も今年で10年目を迎える。

 今回公演を行うのは奇しくも今年結成10周年を迎えたピチチ5。ピチチ5は劇作家で演出家の福原充則が主宰するユニット。福原は複数のユニットで活動中。また岸田戯曲賞にもノミネートされるなど外部作品にも引っ張りだこで、ピチチ5としては2008年以来5年ぶりの公演。旗揚げ当初は「青年男子発狂芝居」といわれていたのだが、彼ら曰く「華々しいモデルチェンジ」を経て、「中年男子発狂疲れ芝居」として復活する。

 もともとこの企画に興味があったという福原がメーンのモチーフとしたのは太宰の初期の作品である『老ハイデルベルヒ』。静岡県三島市を舞台に、太宰、横溝正史といった天才たちのちまちました苦悩を描いたお話となる。

撮影:露木聡子

【日時】6月28日(金) 〜 7月7日(日)(開演は平日19時30分、土15時/19時、日15時。水曜15時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹)【料金】全席指定 前売3500円、当日3800円、学生2500円、高校生以下1000円(前売当日共、当日要学生証)/早期観劇割引(28〜30日)、平日マチネ観劇割引(3日15時)前売3200円、当日3500円【問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(TEL:0422-47-5122[HP]http://mitaka.jpn.org/ticket/1306280/)【脚本・演出】福原充則【出演】菅原永二、今野浩喜(キングオブコメディ)、野間口徹、植田裕一、三土幸敏、碓井清喜、三浦竜一、広澤草、仁後亜由美、吉牟田眞奈、久ヶ沢徹

こまつ座『頭痛肩こり樋口一葉』

59422.jpg こまつ座の100回記念公演は、旗揚げ作品だった樋口一葉の評伝劇『頭痛肩こり樋口一葉』。いわば代表作にして最大の人気作だ。これまでは30年にわたり木村光一が演出してきたが、100回公演の節目にあたって今回は栗山民也が演出を担当する。

 明治の半ば、父や兄に先立たれ、仕方なく樋口家の戸主となった樋口家の長女・夏子(樋口一葉)は、母の期待や妹の優しさに応えようと、孤立奮闘する日々。しかし和歌では自活できないことを知り、小説で身をたてる以外に道はないと悟る。そんな夏子の前に彷徨える幽霊の花螢が現れ、2人は互いに心を通わせていくのだが…。24歳6カ月で夭折した明治の天才女流作家・樋口一葉と、さまざまな境遇を背負った5人の女性が織りなす、切なくて、楽しい幽界(あのよ)と明界(このよ)にまたがる物語。

 夏子を演じるのは近年舞台での活躍がめざましい小泉今日子。最近では『あまちゃん』での春子役が話題沸騰中だ。そして井上作品に多く出演している三田和代、若村麻由美らが脇を固める。

【日時】7月11日(木)〜8月11日(日)(開演は日月木13時30分、水土13時30分/18時30分、金18時30分。火曜休演。※11日(木)は18時30分開演。17日(水)13時30分の回は貸切。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】紀伊國屋サザンシアター(新宿)【料金】全席指定 入場料8400円/学生割引6300円【問い合わせ】こまつ座(TEL:03-3862-5941 [HP]http://www.komatsuza.co.jp/)【作】井上ひさし【演出】栗山民也【出演】小泉今日子、三田和代、熊谷真実、愛華みれ、深谷美歩、若村麻由美

LION presents ブロードウェイ・ミュージカル
ドリームガールズ

2013.06.24 Vol.594

 2010年に日本初上陸を果たし、大喝采のなかで幕を下したブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』が再び日本にやってくる。若くフレッシュなキャストを中心とした新たな装いでさらに作品に磨きをかけてパワーアップ。名曲の数々が圧倒的な歌声を持って今回も観客を興奮の極致へ導く。

 1981年にブロードウェイで初演されて以来、全米各地はもちろん世界各国で上演された人気作。2006年に、ジェイミー・フォックスやビヨンセ、ジェニファー・ハドソンらで映画化されたことでも知られる。

 物語の舞台は、60年代のアメリカ。幼なじみのディーナ、ローレル、エフィーがトリオ「ドリーメッツ」を結成。アポロ劇場のコンテスト“ハーレムナイト”で敏腕エージェントの目に止まったことをきっかけに、スターの階段を登っていく。その裏では、リードボーカルの交代、恋のもつれなどがあり、3人の結束は崩れ、それぞれのキャリアや人生も大きく変わっていく。
ストーリーも楽曲も歌も衣裳もセットも、すべてがきらびやかな宝石箱のような珠玉のミュージカル。これを見逃すと後悔することは間違いない!

編集部のココが推し!
60年代のアメリカ、スターになるという夢を追って歌い続けていく女子たちの姿に、自分も何か頑張らなきゃ!と前向きな気持ちにさせてくれるミュージカル。魅力的な物語はもちろん、きらびやかなステージ衣装や、迫力たっぷりの歌唱、美しいコーラスなど見ごたえ&聞きごたえたっぷりの作品。また、音楽業界の裏側を垣間見られる部分もあり、見方、楽しみ方も人それぞれ。それだけに、ミュージカルファンはいうまでもなく、ビギナーや初めてミュージカルを鑑賞するという人、さらには音楽ファンにもおすすめの作品だ。

テレビ特別番組
『澤穂希とDREAMGIRLS〜夢はみるものではなくかなえるもの〜』放送決定!

TBSテレビにて、6月30日(日)15時30分〜16時放送予定(関東地域のみ)。

STAGE 正統派の物語と実験的な舞台

2013.06.10 Vol.593
ヴィレッヂ・プロデュース2013『断色〜danjiki〜』59355.jpg
 本作は作・演出家の青木豪が2011年に演劇ユニット"おにぎり"のために書き下ろしたSF作品『斷食(だんじき)』をベースに、テーマをより明確に母子の関係性を際立たせ、タイトルも『断色(だんじき)』と改めてさらに練り上げた作品。演出も『斷食』に引き続き、いのうえひでのりが担当する。  舞台はクローン技術が発達した近い未来。自然農法の畑作を行う小杉保(堤真一)の母・小杉朝子(麻生久美子)が腎臓ガンで亡くなり、 まもなく保のもとに怪しげな保険外交員の刈谷(田中哲司)がやってくる。母・朝子はクローン保険に入っていたのだ。保険で作られたクローンは本人が亡くなることによって、殺されるか、普通の生活を営むかの選択をしなければならなかった。決断を迫られる保だったが...。  母ではありながら母ではない、クローンという存在を通して母親と息子の複雑な関係、感情の揺れを緻密な筆致で描き出す。実力派の3人がこの難しいシチュエーションをどう表現してくれるのか興味深い。
【日時】6月14日(金)〜 7月7日(日)(開演は火金18時30分、水土14時/18時30分、木日14時。月曜休演。開場は開演30分前。当日券の詳細は下記問い合わせ先、公式サイトで確認)【会場】青山円形劇場(表参道)【料金】全席指定 6800円【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337[公式サイト]http://www.dan-jiki.jp/)【作】青木豪【演出】いのうえひでのり【出演】堤真一、麻生久美子、田中哲司

セブンスキャッスル『人狼 ザ・ライブプレイングシアター X 吸血鬼 〜渇愛の宴〜』59356.jpg
 人気パーティーゲーム「人狼」のルールにのっとりながら十数名の登場人物が舞台上で言葉を尽くして戦うというライブ・エンターテインメント。  物語のだいたいのあらすじは「美女たちに届いた謎の招待状。それは麗しきヴァンパイアの主催する華やかな宴。だが、そこには恐るべき異形のモノが潜んでいた。永遠の美を求め、淑女たちの死闘が始まる!」といったもので、脚本はプロローグ以外まったくなく、出演者は開演直前にランダムで決められる"人間"や"人狼"などの役割に従ったアドリブ芝居で人間 vs 人狼の戦いを繰り広げる。  観客には解答用紙が渡され、誰が人狼で、勝利するのは人間か人狼か?を推理するという、お楽しみもあり。  幕末を舞台とした「新撰組」を題材とした『人狼 ザ・ライブプレイングシアター X 新撰組 〜壬生村の狼〜』も同時開催。
【日時】6月13日(木)〜16日(日)(開演は木19時、金16時、土12時、日19時。開場は開演30分前。当日券は開演の1時間前)【会場】吉祥寺シアター(吉祥寺)【料金】S席(指定席)6000円(日替わりブロマイド付)/A席(自由席)4500円【問い合わせ】セブンスキャッスル(株式会社メディアンド)(TEL:03-5211-5466[HP]http://7th-castle.com/)【企画・総合プロデュース】桜庭未那【脚本・演出】小鶴【出演】稲村優奈、遠藤沙季、神田莉緒香、鈴木あや、寺島絵里香、都倉伶奈、広村美つ美、フォンチー、真下玲奈、美甘子、光井愛佳、森本未来、横山可奈子、米沢瑠美【ゲスト】TORICO/水谷百輔、渋江譲二、松崎史也、谷口賢志(日替わり)

STAGE 演出の妙を感じさせる作品 part1

2013.05.27 Vol.592

 ノゾエ征爾は高齢者施設で芝居の巡回上演をするなかで「老い」というものに直面し、今まで思い描いていたそれとはまるで違っていることに気が付いた。そして「『老い』を負のイメージで終わらせたくない」という思いで描いたのがこの作品。2010年に上演され、劇団としてもターニングポイントとなった。待望の再演となる。

 派遣のピエロとして働く太郎はある日、高齢者施設から抜け出し徘徊している老女のマチコと出会い、2人だけの生活を始める。太郎とマチコの家族、施設の職員らを巻き込み騒動は広がるなか、進行するマチコの症状。やがて太郎には決断を迫られる時がやってくる。

「老い」への距離感によって思いは違えど、胸にぐさぐさ来る作品だ。

「ままごと」を主宰する柴幸男が俳優として舞台に立つという。これまたかなりレアな出来事。

ラブ&ピース、フリーダム! ミュージカル『HAIR』

2013.05.27 Vol.592

 伝説のブロードウエイミュージカル『HAIR(ヘアー)』が日本初上陸、その初日が29日に迫ってきた。ラブ&ピースとフリーダム。同作の放つポジティブなメッセージが日本に元気を注入するとともに、何かに気づかせてくれそうだ。

 真実、愛、平和、自由を探し求める若者たちの姿を描き、アメリカを変えた60年代のムーブメントをありのままに描写するミュージカル。タイトルは、当時、自由の象徴ともなった髪の毛・髪形を指すもの。男性の長髪、アフリカ系アメリカ人の大きなアフロヘアー……。舞台に登場する人物たちのたたずまい、エネルギッシュに髪を振り乱しながら、演じ、歌い、踊る姿からヒッピーやフラワーチルドレンの精神が放たれる。

 舞台は1960年代のニューヨーク。高校を中退したバーガー、反戦運動に熱中する女子大生のシーラなどさまざまな人種・性別の若者たちが自由を謳歌しているなかで、純粋さを残すクロードは自分がどの道を選ぶべきなのか悩んでいる。ベトナム戦争反対運動が激化するなか、彼のもとに徴兵令状が届いたことで、ストーリーは大きく展開していく。時代は変わっても、今に生きる私たちも自分たちの姿を重ね合わせることもできるし、共感するポイントが多く、心を揺さぶられる内容だ。

 また、劇中で歌われる楽曲もインパクトのあるものが多い。というのも、この作品には『アクエリアス』や『レット・ザ・サンシャイン・イン』など、後に数多くのアーティストたちがカバーした名曲の数々を生み出している。タイトルこそ知らなくても、劇場で「この曲、聞いたことがある!」という体験ができること間違いなし。

 最後に楽しみどころを紹介。ミュージカルファンには周知のことだが、観客をステージに上げ、一緒に楽しんでしまおうという演出がある。思い切って飛び込んでみれば、この作品の本当の魅力に触れられるかも。

Copyrighted Image