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STAGE | TOKYO HEADLINE - Part 24
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パルコ・プロデュース『彼女の言うことには。』

2012.04.09 Vol.547
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 テレビドラマにおいては『素顔のままで』『あすなろ白書』『愛していると言ってくれ』『ロングバケーション』……と大ヒット作品を手掛け、「恋愛ドラマの神様」ともいわれる脚本家・北川悦吏子の舞台初脚本作品。

 物語の舞台はシャルル・ド・ゴール発、成田行きの飛行機の中。アラフォー男女2人がたまたま席を並べる。12時間の空の旅。そんな密室空間に置かれた2人の間にはどんなドラマが生まれるのか? 

 アラフォー男女を演じるのは真矢みき、筒井道隆という舞台はもちろん、映像でも活躍中の実力派の2人。

 ちなみに今回の作品は北川の他にも「初めて」がキーワード。実は真矢は宝塚退団後、ストレートプレイの主演を務めるのは初めて。またキャビンアテンダント役で出演する矢田亜希子は待望の初舞台となる。

 いろんな「初めて」に乗っかって、「初めて」舞台を見てみるのもいいかも。ただ心配なのは、3人ともテレビドラマで見ることが多いだけに、ここが舞台であることを思わず忘れてしまう人がいるかもしれないこと……!?

【日時】4月15日(日)~5月6日(日)(開演は15日16時30分、16・20・23・27日19時、18・21・25・28・2日14時/19時、19・22・26・29・30・3~6日14時。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】パルコ劇場(渋谷) 【料金】全席指定 8000円 【問い合わせ】パルコ劇場(TEL:03-3477-5858 〔HP〕http://www.parco-play.com/) 【作】北川悦吏子 【演出】永山耕三 【出演】真矢みき、筒井道隆、矢田亜希子、瀬川 亮、山下容莉枝 他


劇団鹿殺し 菜月チョビと丸尾丸一郎が語る

2012.03.26 Vol.546

劇団鹿殺し 菜月チョビと丸尾丸一郎が語る

4月20~29日の10日間、渋谷のCBGKシブゲキ!!で『PLAY PARK 2012~日本短編舞台フェス~』が開催される。演劇、ダンス、音楽、パフォーマンス、お笑いなどジャンルを問わず50組以上のアーティストが参加する。同フェスで実行委員会の一員として舞台裏を支えながらも演者としても参加する、劇団鹿殺しの菜月チョビと丸尾丸一郎にフェス開催の経緯、楽しみ方などを聞いた。

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丸尾丸一郎(左)と菜月チョビ(撮影・蔦野裕)

『PLAY PARK 2012』は1プログラムにつき5~6組のアーティストがそれぞれ15~30分の短編作品を上演する。

菜月(以下、菜)「かつて大阪ショートプレイフェスティバル(OSPF)という、ひとつの舞台を使って1日にいくつもの団体が出るというイベントがあったんです。2005年に出していただいたんですが、それがとても楽しかったので、そういった形のものを東京でもやってみたいと実行委員長のウォーリー木下さんに相談しまして、今回実現に至りました」

 このイベント、もともとは昨年3月18~20日に開催される予定だったが、東日本大震災により中止を余儀なくされた。

「2010年から企画は進行していたので、私たちにとっては3年越しですね。なんとか今回を成功させて、毎年続けられるイベントに育てていけたらいいなと思っています」

 今回のフェスのコンセプトは!?

「フェスって、何かしらのテーマがあると思うんですが、今回は、さほど知らなくてもとにかく面白そうなものをこだわりなく集めました。OSPFもわりとそういう感じでした。私たちが維新派をちゃんと見たのもOSPFが初めて。そのとき私たちはダッチワイフを使ったパフォーマンスをしていたんですが、松本さんから“いいねいいね、あれどこで買ったの?”とか言っていただいたり、その後公演の推薦文を書いていただいたりということもありました。OSPFはとても刺激を与えてくれましたし、知り合った人たちのその後の活動も意識するようになって、劇団同士の成長にもつながったと思うので、今回もそういう場にもなればいいかなと思ってます」

 こだわりがないというのがコンセプト?

「いま生で見るステージ、ダンスとか演劇が一番なんですけど、劇場に来てくれるお客さんがどんどん減っている。だけど各団体の頑張れることって、自分たちのお客さんに宣伝することしかないという頭打ちの状態なので、みんなで協力してシーンを盛り上げないとやばいぞって思うんです。なので今回参加していただいたみなさんというのは“みんなで集まって全体を盛り上げる”という主旨に賛同していただいた方々なんですね」

丸尾丸(以下、丸)「若い人たちにしたら、ベテランの方と同じ楽屋で出会えるということも凄く刺激になると思うんです」

 このフェスの見方、楽しみ方を!

「何回か見に行こうとして、3回頭に浮かんだんだけど結局1回も見ていないみたいな、名前だけはずっと聞いたことがあるといった劇団をこの機会にお試しで見てみるというのがいいんじゃないでしょうか」

「好きな劇団とそういう劇団が一緒になっている日は絶対来るべきですよね。そして好きな人が散らばっていたら…全部見に来る(笑)。凄く演劇のことが好きな人は、ぜひ10日間来るということにチャレンジしていただければ(笑)」

「5000円のチケットで本公演を見る気はしないけど、他のも一緒だったら見てみようかなっていう団体を、この機会にチェックするのもいいかもしれません」

「やっている側としても30分の中に自分たちのいいところを密に詰め込んでくると思うので、判断するにはいい機会だと思います」

「短いと簡単にできそうな気がするかもしれないですけど、やる側にとってはかなりサバイバルなんです。しかも勝ち負けが分かっちゃう。前の団体より盛り上がっていたかどうかは肌で分かるんで、みなさん全力を注いでくると思います。ここでお客さんを増やすぞっていう主旨のイベントでもあるから、よそのお客さんを全力で奪いに来るので、その団体のエッセンスが見られると思います。ホントに嫌だったら2度と行くかっていう気持ちで拍手なんてしなくていい。逆に好きな劇団には大きな拍手をしてあげて、他と差をつけてやるみたいなことも面白い。好きな劇団がある人はそんなふうに楽しむのもいいと思います」

 ちなみに鹿殺しはどんなパフォーマンスを見せてくれるのか?

「『銀河鉄道の夜』をやります。この誰でも知っているストーリーを前張りをつけた男優を中心に。といっても攻撃的ではない前張りです。体ひとつでという意味ですね。演劇の一番の魅力である見る側の想像力と一体となると、世界のどこにでも行けるという楽しさに立ち返った作品になります」

「猫のアニメの映画があるじゃないですか。あの一番ファンタジーなやつをモチーフにしています」

「前張りの男たちがなぜか可愛い猫に見えてくるというミラクルを起こします。もとになったものはかつて劇場でやったことはあるんです。その時は、前張り姿を見たお客さんは最初は“ヒャー”ってなるんですけど、最後はなぜか普通に泣いて、銀河鉄道の夜の“僕らは素粒子だよ”というメッセージを受け止めて帰っていただけたようです。そんな不思議な現象をこの機会に体験してもらいたいと思ってます」

「見たいアーティストがいるのに平日の15時からじゃ…」とあきらめているサラリーマンの方も、ここはひとつ、勇気を出して会社には「外回り」と言い張ってCBGKシブゲキ!!に“潜入”してみてはいかがだろうか。

(本紙・本吉英人)

『PLAY PARK 2012~日本短編舞台フェス~』

【日時】4月20日(金)~29日(日)15時/19時30分 【会場】CBGKシブゲキ!!(渋谷) 【料金】前売り4900円/当日5300円 【問い合わせ】キューブ(TEL:03-5485-8886 出演アーティスト、各日プログラム等の公演詳細は〔HP〕http://playpark.info/


ティーファクトリー『騙り。』

2012.03.26 Vol.546
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写真:イラスト・宇野亜喜良

 昨年5月に日本初演となるパゾリーニの『豚小屋』を上演した川村毅のティーファクトリーが、今度はパゾリーニ戯曲の第2弾となる『騙り。』を上演する。

 パゾリーニは日本では映画監督としてよく知られるのだが、実は戯曲も十数本書いており劇作家の顔も持っていたという。

 この『騙り。』は『豚小屋』とコインの裏表の関係にある作品。『豚小屋』は手塚とおる演じるブルジョワ家庭の息子の心の闇を、その息子の視点で描いた作品だったが、『騙り。』は父の視点からの、父による「息子殺し」を題材としている。その反転した関係性を表すように手塚は今度は父親役を演じる。

 心身ともに変調をきたしたブルジョワの実業家である父親は、ある夢を見たことをきっかけに執拗に息子を解明しようとする。宗教には関心のなかったはずなのに神父に救いを求め、降霊術師に息子の存在を訪ねる。しかしさまよえる父親は結局息子を殺してしまうのだった。

 前作は難解な作品ではあった。しかし理解を必要とする作品ではなく、視覚に訴える刺激的な作品であった。今回もそう。頭で考えないで、目と耳で感じる作品となる。

【日時】4月18日(水)~22日(日)(開演は水金19時、木土15時/19時、日15時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】座・高円寺1(高円寺) 【料金】全席指定 4800円 【問い合わせ】ティーファクトリー(TEL:03-3344-3005 〔HP〕http://www.tfactory.jp/) 【作】ピエル・パオロ・パゾリーニ 【構成・演出】川村毅 【出演】手塚とおる、谷部央年(俳優座)、河合杏南、大沼百合子、笠木誠、中村崇、柊アリス、真那胡敬二、蘭妖子


新国立劇場『まほろば』

2012.03.19 Vol.545
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撮影・谷古宇正彦

 2008年に新国立劇場で上演された「シリーズ・同時代」は、同劇場初登場の若手劇作家の作品をベテラン演出家が手掛けるというコラボレーション企画。3作が上演されたのだが、ベテラン、若手それぞれが新たな一面を見せ、舞台上ではそれまでとはひと味違った風景が流れた。

 なかでも蓬莱竜太は、それまでの男ばかりの骨太の戯曲から一転、出演者が女性だけという脚本に取り組んだ。そして女性視線で「家族」の温かさ、「生命」への慈しみを描き切り、翌年発表の岸田戯曲賞を受賞した。その『まほろば』が待望の再演となる。

 物語の舞台は、とある田舎町の祭りの夜。東京で一人暮らしを続けるミドリが久しぶりに実家に帰郷したところから始まる。気がつけば40代、いまだ独身のミドリに「本家の血を絶やす気か!」と怒る母。そんなやり取りのなか、行方不明だったミドリの姪が突然帰ってきて…。

 田舎の古い慣習から逃れられない母、自由奔放な妹、妹以上に奔放なその娘…。世代も立場も違う6人の女の物語。

【日時】4月2日(月)~15日(日)(開演は2・6・13日19時、3・9・10日14時、4・12日14時/19時、7・14日13時/17時30分、8・15日13時。5・11日休演。開場は開演30分前。当日券は10時から) 【会場】新国立劇場 小劇場(初台) 【料金】全席指定 A席5250円、 B席3150円、Z席(当日10時より劇場窓口のみ)1500円 【問い合わせ】新国立劇場ボックスオフィス(TEL:03-5352-9999 〔HP〕http://www.nntt.jac.go.jp/play/) 【作】蓬莱竜太 【演出】栗山民也 【出演】秋山菜津子、中村たつ、魏涼子、前田亜季、大西風香、三田和代


パラドックス定数 第28項『HIDE AND SEEK』

2012.03.19 Vol.545
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 戦後の未解決事件や歴史上の著名人をモチーフに、作・演出の野木の強靭な想像力を練りこみ、ノンフィクションを越えたフィクションを構築するパラドックス定数。

 今回登場するのは江戸川乱歩、夢野久作、横溝正史。舞台は昭和のはじまり。東京下町。作家同士の日常の交流から始まる物語は、いつしかそれぞれの作品世界へ移行。明智小五郎、呉一郎、金田一耕助といった作家自らが生み出したキャラクターも生身の人間として登場し、「生みの親」との濃密な関係性が描き出されてゆく。そんななか、そこに編集者と名乗る黒ずくめの奇妙な男が現れて…。創造を巡り、虚構と現実を行き来しながらダイナミックに展開される異色作。2008年に上演された作品に新たなキャストを迎え再演する。

 息苦しささえ感じるほどの男たちの濃密な会話劇にやみつきになる。

【日時】4月13日(金)~22日(日) (開演は平日19時30分、土15時/19時、日15時。※水は15時の回あり。月曜休演。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹) 【料金】一般 前売3000円、当日3200円/高校生以下 前売当日とも1000円(当日学生証確認) 【問い合わせ】三鷹市芸術文化センター(TEL:0422-47-5122 〔劇団HP〕http://www.pdx-c.com/) 【作・演出】野木萌葱 【出演】植村宏司、西原誠吾、井内勇希、小野ゆたか、今里真、酒巻誉洋、加藤敦、生津徹、大柿友哉、平岩久資


東京デスロック『再/生』

2012.03.12 Vol.544
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『再/生』(2011年7月 STスポット)

 2006年に初演された東京デスロックの代表作『再生』。集団自殺を目的に集まった若者たちの終焉を舞台とし、若者たちが踊り狂う宴の模様が展開されるのだが、問題はその手法。この約30分の出来事を3回繰り返すという前代未聞のものだった。この賛否両論を呼んだ作品を昨年夏に大幅に改変。『再/演』として、国内外各地で上演し、ここ富士見に戻ってきた。

 この作品は繰り返せないこと、戻れないこと、進み続けるしかないことを描いた作品なのだが、改変にあたり新たに「分断」という要素が加えられた。それは俳優と観客であったり、個と集団であったり。もっと生々しいことでいえば、震災以前と以後の、被災地と非被災地の分断ということも含まれる。

 主宰の多田は2012年になってその分断がさらに範囲を広げ、震災そのものとは違うところでの分断が起きているように感じているという。そしてなぜ私たちは分断しているのか、させられているのか、そこに気付くことが大事だと訴える。

 時代とともに作品も進化する。過去にこの作品を見た人の目にもまるで違った作品に映るに違いない。

【日時】3月24日(土)〜25日(日)(開演は15 時。開場は開演20分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ マルチホール(鶴瀬) 【料金】全席自由 整理番号付 一般 3000円/学生・シニア(65歳以上)2500円(当日券はそれぞれ500円UP) 【問い合わせ】富士見市民文化会館キラリふじみ(TEL:049-268-7788 〔劇団HP〕http://deathlock.specters.net/) 【演出】多田淳之介 【出演】夏目慎也、佐山和泉、佐藤誠、間野律子(以上東京デスロック)、石橋亜希子(青年団)、坂本絢


双数姉妹『オルフェゴッコ』

2012.03.05 Vol.543
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 1990年に早稲田大学演劇研究会で誕生した双数姉妹が今回の公演をもって無期限の活動休止に入るという。94年からは劇研アトリエを飛び出し、THEATER/TOPSをホームグラウンドとして活動し、今年で22年目を迎えたのだが、あっという間の22年といった感じ。

 今回はギリシャ神話「オルペウスの冥府下り」を題材に、主宰で作・演出の小池竹見が新作を書き下ろし。日常の世界と死者の世界の接触・非接触をあくまでミミクリ(模倣、ごっこ遊び)として描く。もちろん所属劇団員は総出演。

 青山円形劇場という形状を最大限に生かした演出で賛否両論の声が飛び交った『サナギネ』、東京オレンジとの合同公演、昨今の格闘技で主流となっているオクタゴン(八角形の金網)をいち早く舞台に持ち込みその中で芝居を行ったり、積極的に色合いの違った俳優を客演に呼び異種交流を図るなど、これまでさまざまなチャレンジを行ってきた双数姉妹。

 さて、今回はいったいどんな作品を見せてくれるのだろうか。

【日時】3月15日(木)〜20日(火・祝)(開演は木金月19時30分、土14時/19時30分、日13時/18時、火14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】吉祥寺シアター(吉祥寺) 【料金】全席指定 前売3500円/当日3800円 【問い合わせ】双数姉妹事務所(TEL:03-3227-0644 〔HP〕http://www.duelsisters.com/) 【作・演出】小池竹見 【出演】佐藤拓之、今林久弥、野口かおる、小林至、井上貴子、吉田麻起子、中村靖、青戸昭憲、辻沢綾香、熊懐大介、河野直樹、小池桂子、浅田よりこ


あひるなんちゃら公演『まあまあだったね。』

2012.02.27 Vol.542
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 昨今の日本の演劇では日常の生活の中で使われる言葉を用い、日常的なことを舞台で行う、いわば「現代口語演劇」というスタイルの舞台が数多く見られるようになってきた、ずいぶん前から長いこと…。そして多くの劇団が生まれ、多くの優れた劇作家・演出家を輩出している。

 この「あひるなんちゃら」という劇団も「日常の生活の中で使われる言葉を用い、日常的なことを舞台で行って」はいるのだが、どうも趣が違う。

 彼らのスタイルは「気軽に見られて笑える駄弁芝居」というもの。いい意味でまるで緊張感のない会話のやり取りは、むしろ現代っぽいちゃあ現代っぽい?

 今回の舞台は喫煙所。といってもそこは前日で閉鎖されていた。それなのに、何年もそこに毎日来ていたものだから、やっぱりついついそこに集まってしまう男たち。かつてそこで一緒にたばこを吸っていた男が宇宙飛行士になって、つい最近無事に宇宙から帰ってきた。地球に帰ってきた男はついついといってはなんだが、その喫煙所にも帰ってきた。みんな興奮して「宇宙がどうだったのか?」とか尋ねたりして、喫煙所ではよもやの宇宙とロマンの話が展開されるのだが…。

【日時】3月2日(金)〜6日(火)(開演は平日19時30分、土日15時/19時。6日(火)は15時の回あり。開場は開演30分前。当日券は開演45分前から発売) 【会場】OFF・OFFシアター(下北沢) 【料金】全席自由・日時指定 予約あり2000円/予約なし2500円 【問い合わせ】あひるなんちゃら(TEL:03-5945-3533〔HP〕http://www.ahirunanchara.com/) 【脚本・演出】関村俊介 【出演】根津茂尚、関村俊介/江崎穣(ハリケーンディスコ)、佐藤達(劇団桃唄309)、澤唯(サマカト)、三瓶大介、永山智啓(elePHANTMoon)、堀靖明、三枝貴志(バジリコFバジオ)、渡辺裕也


吉川威史presents『素晴らしい一日』

2012.02.27 Vol.542
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 作家・平安寿子のデビュー作でオール讀物新人賞を受賞した『素晴らしい一日』を舞台化する。同作は韓国でチョン・ドヨン、ハ・ジョンウというトップスターの共演で映画化され、日本ではテアトルエコーが朗読劇として上演した。

 恋人には逃げられ勤務先は倒産というドツボにはまった30歳の幸恵は、昔の友人・友朗に貸したお金を返してもらって人生を立て直そうと考え、友朗に会いに行く。しかし彼には返せるお金など到底なかった。 そこで、友朗は彼の友人にお金を借りて幸恵に返済をすることを提案。幸恵はなぜか友朗と一緒に、お金を貸してくれそうな彼の友達に会いに行く羽目になる。そして幸恵は友朗にあちこち連れ回されていくなかで、取り戻すお金以上の素晴らしい人々に出会っていく。

 緻密な脚本で定評のあるブラジルのブラジリィー・アン・山田が脚本を、役者として先鋭的な小劇場作品から商業演劇まで貴重なバイプレイヤーとして活躍中の瀧川英次が演出を担当。

 タイトルからはほっこりしていそうなお話だが、結構過激なストーリーが展開されるらしい。

【日時】3月7日(水)〜13日(火)(開演は平日19時30分、土日14時/18時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】駅前劇場(下北沢) 【料金】全席指定 通常料金3800円/オープニング料金(7・8日)3300円 【問い合わせ】自転車キンクリーツカンパニー (TEL:080-3068-7427 〔HP〕http://jitekin.com/) 【原作】平安寿子 【脚本】ブラジリィー・アン・山田(ブラジル) 【演出】瀧川英次(七里ガ浜オールスターズ) 【出演】内浦純一、伊勢佳世(イキウメ)、安藤聖、歌川椎子、浅野千鶴(味わい堂々)、石澤美和


MONO『少しはみ出て殴られた』

2012.02.13 Vol.541
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 京都を拠点とし、東京のみならず地方でも積極的に公演を行うMONO。その作品はどこにいっても観客の心をつかんで離さない。にぎやかな音楽や、派手派手しい舞台セットがあるわけでもない。設定はごく普通にありそうなもので、登場人物も普通のたたずまい。ただ少しクセがあるくらい。そんな人たちのちょっとした認識のズレから生じる会話のおかしさや、寓話的な要素から引き起こされる悲しさが相まって、いつの間にかぐいぐいと物語に引き込まれていく。そんなところがどこに行っても受け入れられる理由なのかもしれない。

 今回は久々の新作。ある時ふざけて放った「この線から出たらダメってことにしよう」という言葉から始まった戯れが、徐々に人間関係を壊していく…。領土問題をモチーフとはしたものの、政治的な話ではなく、「人間関係の有り様」「人々のアイデンティティーの持ち様」というものを描く。

 18日はロビーで「MONOの舞台模型展」、22日は終演後トークイベントがある。

【日時】2月17日(金)〜26日(日)(開演は月水金19時30分、木土日14時。25日(土)は18時30分の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】吉祥寺シアター(吉祥寺) 【料金】全席指定 一般前売4000円、当日4300円/U−25(25歳以下)前売3000円、当日3300円/高校生以下1500円(要予約・MONOのみ取扱)※初日と平日昼は各500円引き ※U−25と高校生以下は要証明書提示 【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337〔劇団HP〕http://www.c-mono.com/) 【作・演出】土田英生 【出演】水沼健、奥村泰彦、尾方宣久、金替康博、土田英生/岡嶋秀昭、諏訪雅(ヨーロッパ企画)、中川晴樹(ヨーロッパ企画)


相武紗季インタビュー「“頑張ったやんけ”みたいに思ってもらえるように」

2012.02.06 Vol.540

舞台『PRESS〜プレス〜』 2月17日から上演開始

主演・明石家さんま×脚本・出演・生瀬勝久×演出・水田伸生による舞台企画第5弾となる『PRESS〜プレス〜』が2月17日からシアターコクーンで上演が始まる。今回ヒロインを務めるのは2回目の舞台出演となる女優・相武紗季。

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撮影:蔦野裕

 物語の舞台は高度成長期、大阪に本社を置くスポーツ新聞「堂島スポーツ」。さんまをはじめとした新聞記者やその編集部に出入りするさまざまな人間たちが熱い爆笑ドラマを繰り広げる。相武が演じるのはスキャンダルの現場写真を撮られた売り出し中の若手売れっ子女優。職種的には重なる部分もある?脚本を読んで率直な感想は?

「今の自分と重ねる部分はなかったんですけど、当時のスポーツ新聞がこんなに激しく芸能人に執着していたりとか、裏側を知りたいという気持ちが凄く強いということに驚きました。出て来る人がみんな凄く熱意を持って仕事をしていて、“そんな熱い時代があったんだな”って思いました」

 昔から高校野球が好きだった。スポーツ新聞を読む機会も多かったのでは?

「スポーツ新聞は読んでいなかったんです。高校野球の情報は特集している雑誌から。スポーツ新聞って電車の中で、おじさんが真ん中のちょっと危ないページを読んでいるイメージしかなくて、子どもにとっては読んではいけないというか、手に入れてはいけないものというイメージがずっとありました」

 生瀬の脚本はうまく当時のスポーツ新聞の特徴をつかんだものになっている。

「私はこの時代には生まれていないし、昭和を感じて生活してきたことはなくて、知らないことだらけだったので最初は戸惑うかなって思っていたんですけど、知れば知るほど面白い時代だったんだなって思いました。なので若い世代の方がこの舞台を見たら、今まで見たことのない日本とか生活感とか、そういうものを感じられて面白いんじゃないかと思います」

 劇中繰り広げられる会話は1960年代後半のもの。

「凄く懐かしい話を掘り起こしてきてネタにしているので、知っている人はより面白いですけど、知らなくても、“なにそれ?”って興味を持てると思います。例えば私たちの時代ではプロレスのテレビ中継が減っていて昔ほど見る機会が多くないと思うんですが、いろいろな人の名前がポンポン出て来ることによって、見終わった後に、“プロレスってなんだ?”みたいな気持ちになったりするんじゃないかと思います。私自身家に帰ってから調べたくなったりしましたし、そういうところからいろいろな興味が広がる作品になっているのかなって思います。演じている側としても毎回、さんまさんとかその世代の方たちが言ってくださる言葉が知らないことだらけで面白いんですよ」

 さんまとは世代が3回りくらい違う。お父さんと同じくらい?

「父と同い年なんですよね。でも全然年を感じないというか、やっぱりさんまさんは“さんまさん”という存在。いつもパワフルでエネルギーをもらっている感じがします」

 ふだんからテレビで見るようなパワフルさ?

「飛ばしてます。稽古が終わって、すぐ帰るのかなと思ったら、その後毎日1時間くらい喋って帰られるんです。その雑談のなかから、お芝居のやりとりのヒントが生まれて、“じゃあ明日これでやってみようか”というふうになっていったりしています。ずっとやってこられてきた皆さんは会話の中からアイデアが出てきたりするので、それは聞いてて面白いですね」

 隠しマイクで聞いてみたいような贅沢な時間。

「ほぼ下ネタですけどね。8割下ネタ、2割が真面目かな?って感じです。結構時間が時間なんで、“もうお酒を飲んでるのかなこれは?”っていうくらいのディープな下ネタ。まあお昼から始まっても同じような感じなんですけど」

 喋っていく中で打ち解けて、芝居の中の雰囲気も作られる。

「そうですね。作品の登場人物みたいに、みなさんあうんの呼吸で仲がよくて、連帯感が凄くあるんです。そこで居心地のいい環境を作っていただけていて、楽しめている気がします」

 今回で舞台は2本目。やはり映像での芝居とは違う舞台の芝居に戸惑う毎日。

「全然動けていないですね。空間を使うことに慣れていなかったりとか。やっぱりテレビの中では動きが規制されていたり、全部手に届く位置にものがあるはずなんですが、舞台ではそれが端から端までになったりするんです。いつもの感情ではここまでしか歩けないんだけど、舞台ではその3倍歩かなきゃいけないとか、そういうことにまだ対応できていないので、なるべく遠くへ遠くへ歩くんだ、という感じではやっています」

 映像とはちょっと違った相武紗季がみられそうだ。

「どうなんでしょう。下手くそだと思うんですよ。いま自分がやっていても“全然できてないな、下手くそだな”って思うんですけど、それでも挑戦させてもらっているので、ファンの方には下手くそなりに、慣れないなりに頑張っている姿が伝わればいいかなって今は思っています。そして初日の幕が上がってからも千秋楽まで、もっともっと完成度を上げていきたいと思っています。初日を見てがっかりした人には千秋楽を見てもらって、“頑張ったやんけ”みたいに思ってもらえるような。こんなこと言ったら怒られちゃいますかね(笑)」

(本紙・本吉英人)

『PRESS〜プレス〜』

【日時】2月17日(金)〜3月4日(日) 【会場】Bunkamura シアターコクーン(渋谷) 【料金】S9500円、A8000円、コクーンシート6000円 【問い合わせ】キューブ(TEL:03-5485-8886=平日12〜18時) 【脚本】生瀬勝久 【演出】水田伸生 【出演】明石家さんま、生瀬勝久、相武紗季、中尾明慶、丸山智己、音尾琢真、山西惇、温水洋一、八十田勇一、新谷真弓、小松利昌、大河内浩


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