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STAGE | TOKYO HEADLINE - Part 27
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吉沢悠インタビュー 感動と刺激の日々

2011.09.26 Vol.525

主演舞台『オーデュボンの祈り』が30日に幕開け

吉沢悠が大活躍だ。主演舞台『オーデュボンの祈り』が30日に世田谷パブリックシアターで初日を迎え、10月からスタートする話題のドラマ『南極大陸』にも出演。舞台に映像に、日々役者魂を刺激されているという。「この秋は、そして今年は自分にとって特別な年になると思う」と本人は目を輝かせる。

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撮影・宮上晃一

「初めてご一緒させていただく方も多いんですけど、みなさん演劇を愛されている方ばかりで、どうしたらおもしろくなるかって建設的な話ができるメンバーなんです。頼もしくて心強い仲間が多いので、リラックスして現場にいられます」

 現在、30日にスタートする主演舞台『オーデュボンの祈り』の稽古中。3年ぶりの舞台に向けて、演じることはもちろん共演者やスタッフとの関わりのなかで、さまざまな刺激を受ける「感動の毎日」を送っているという。

 舞台は、人気作家の伊坂幸太郎による同名の小説が原作。エンターテインメントな舞台に関心を持っていたという吉沢にとってうれしい出会いだった。

「伊坂さんの作品はいろいろ読ませていただいています。個人的な話になるんですが、『ゴールデンスランバー』の映画化の話を聞いたとき、すごくやりたかったんです! 映画を見たら、やっぱり堺(雅人)さんでぴったりだったな、と思いましたけど(笑)。その時は縁がありませんでしたが、今こうして伊坂さんの作品に出会えたことがうれしいです」

 吉沢が演じるのは伊藤という男。IT関連の仕事を突然辞めてコンビニ強盗、気づいたら不思議な島・荻島に連れて来られてしまう。島は長く鎖国状態にあって、不思議な人たちが暮らす。ファンタジックなのだが、言葉や作品の世界観がリアルに心に響く。

「伊坂さんの作家としての初期に生まれた作品だと思うので、ちょっと自分を投影しているところもあるのかな、伊坂さんの頭の中の話なのかな、なんて、みんなで話しています。不思議な世界観もあって難解な部分もあると思うんですが、世の中に出て悩んだり、壁にぶつかったときに誰もが感じることでもあるし、受け入れやすい作品だと思います」

 面白くしたい。その一念で、キャスト・スタッフが一丸となり、稽古に取り組む。もちろん吉沢自身もだ。ただ、主演であることや伊坂作品への挑戦というところで不安もある。

「すでにたくさんのファンがいる作品ですけど、この世界観を知らない人も楽しめるものではなくてはならないと思います。だから今は、生身の人間による演劇という形で、この世界観をちゃんと成立させるための作業をしている段階ですが……難解です(笑)。僕だけではなくて、演出家のラサール石井さんも、脚本の和田憲明さんもすごく悩まれているみたいで、『難しいなあ』って声が稽古場でもよく聞こえてきます。台本もどんどん変わってよくなってきていますし(笑)。そうやって話し合いながら作り上げていくのが舞台の楽しさでもありますね」 

 演劇を愛し、作品を愛する人たちとの共同作業を楽しみながら、新たな発見をする。「映像でも舞台でも一生懸命取り組む気持ちは変わらないけれど、舞台ってやっぱり、僕には挑戦の場ですから」。この作品を経て、吉沢はまた新たな一歩を踏み出しそうだ。

 舞台は、東京を皮切りに、北海道、大阪、宮城と地方を巡る。それと並行して、南極越冬隊員を演じたTBS系ドラマ「日曜劇場『南極大陸』」(日曜夜9時、10月16日スタート)も始まる。

「最近のドラマでは珍しい男くさいドラマになりました。越冬隊員という役どころもあって自然と結束が強くなって、主演の木村拓哉さんを始め、自分のシーンが終わっても、みんな控室に帰らない(笑)。食事も一緒だったんで、本当にずっと一緒でしたよ。そういう現場にいられたことが幸せですね。それに加えて、香川照之さんや堺雅人さんとも共演できたのも大きかった。現場では先輩ばかりだったから、『俺も、そういうことあったよ!』なんてアドバイスをもらったりして、またまた刺激的な現場でしたね」

 現場に恵まれ、刺激のシャワーを浴びながら自分にますます磨きをかける。「この秋、もっと言うと、堤真一さんと共演した『孤高のメス』あたりから、この1年は自分にとって特別な年になると思ってるんです」。吉沢悠の胸は今、期待でパンパンだ。

(本紙・酒井紫野)

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『オーデュボンの祈り』

【日時】9月30日(金)〜10月12日(水)開演は月火木金19時、水14時、土13時/18時、日祝13時。10月4日(火)は休演 【会場】世田谷パブリックシアター(三軒茶屋) 【料金】前売りS席6800円、A席3800円(税込・全席指定)※当日券は開演の1時間前より劇場受付にて発売 【予約・問い合わせ】石井光三オフィス 03-5428-8736(平日12〜19時)


ろりえ『三鷹の化け物』

2011.09.12 Vol.524
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 性や病気や近親相姦といったハードなテーマを、初恋や部活や幼なじみといったトピックを交えて切なく描き、次代を担う存在として注目を集める演劇ユニット「ろりえ」。

 所属の役者は個性的な女優4人。そしてこんなユニット名から、なにやらソフトなイメージを持つ向きもあるだろうが、実はその逆。主宰で作・演出を担う奥山雄太は観客にも油断をさせないことで有名。これまでもさまざまな手法で観客をほんろうし続けている。また、小さな劇場でも大人数の役者を見事に使い切る演出のパワーとキレは特筆もの。さて、星のホールでどんな仕掛けを見せてくれるのか。

 今回は、お互いの家の格の違いから付き合う事が難しい「ロミオとジュリエット」的悲恋をメーンに、母からの独立という「家族の問題」を描く。また公共ホールで上演可能なぎりぎりのタブーに挑戦するという。

【日時】9月30日(金)〜10月10日(月)(開演は19時。水土日は14時の回あり。千秋楽10日は14時のみ。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】三鷹市芸術文化センター 星のホール(三鷹) 【料金】一般 予約2800円、当日3000円/高校生 予約・当日共に1000円/★初日割引 予約2500円/当日2800円 【問い合わせ】三鷹市芸術文化振興財団(TEL:0422-47-5122) 【劇団HP】http://rorie.jp/ 【脚本・演出】奥山雄太 【出演】梅舟惟永、斎藤加奈子、志水衿子、徳橋みのり(以上ろりえ)、安藤理樹(PLAT-formance)、大山雄史(五反田団)、岡野康弘(Mrs.fictions)、尾倉ケント(アイサツ)、久保貫太郎(クロムモリブデン)、後藤剛範(国分寺大人倶楽部)、櫻井竜、佐藤航太、高木健(タイタニックゴジラ)、田島慶太、中村梨那(DULL-COLORED POP)、長瀬みなみ、松原一郎、松下伸二、本山歩、横山翔一(お前と悪戯酒)


『輪廻くん』

2011.09.05 Vol.523
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 タイトルが表す通り、輪廻転生を題材に“生の苦しみ”と“生き甲斐”をテーマに書かれた物語。一人芝居の短編ドラマが数珠つなぎに展開される。

 主人公は「ごく短い期間で輪廻を繰り返す男」。その男は目覚めたとき、記憶を失っていた。やがて己が絶望的な状況に置かれていることを知り愕然とするのだが、その直後に病んでいた心臓の発作によって死亡してしまう。死んだはずの男の意識は次には死刑囚に宿る。死刑囚がその人生を終えると、次は飛び降り自殺の最中の若者へ…。「自分は何度でも生まれ変われる」と自覚した男だったが、乗り移るのはどれも死を直前に控えた者ばかり。絶望する男はある日、転生を繰り返す以前の記憶を取り戻すのだったが…。

 突飛な設定に惑わされそうだが、「生きること」「愛するということ」を深く考えさせられる作品。

 なお毎公演、出演者によるアフタートークがある。

【日時】9月14日(水)〜19日(月・祝)(開演は水〜金19時、土日14時/19時、月14時。開場は開演30分前) 【会場】駅前劇場(下北沢) 【料金】全席指定 前売3500円/当日3800円 【問い合わせ】MY Promotion(TEL:03-3797-6567 〔HP〕http://www.spacepond.jp/) 【作】高山なおき(ダブルエッジ) 【演出】ノゾエ征爾(はえぎわ) 【出演】高橋一生、田辺日太、ノゾエ征爾


三浦大輔インタビュー 『おしまいのとき』で新たなる展開へ

2011.08.29 Vol.522

ポツドール2年半ぶりの劇団公演『おしまいのとき』

これまで数々の問題作を発表してきたポツドールが2年半ぶり、新作としては3年半ぶりの劇団公演『おしまいのとき』を9月8日から下北沢のザ・スズナリで上演する。この間、主宰の三浦大輔は昨年5月にパルコ劇場、今年2月に青山円形劇場でプロデュース公演を手掛け、その存在感を示してきたが、やはり劇団公演は別物!! 待ってましたとばかりに、すでにチケットも完売間近!!

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撮影:蔦野裕

 今回の作品について三浦は「恥ずかしいほどの直球勝負」という言葉を使っている。

「今まではリアリティーに逃げていた感じがするんです。それは恥ずかしさを回避するためだったんですが。そういうのが自分のなかにストッパーとしてあって、それを取り払おうかなって思ったんですね。昨年パルコ劇場でやった『裏切りの街』で、リアリティーをもって芝居を進めていくといったやり方に一段落ついた感じがあって、もうそういうことはいいかなって思ったんです。だから今回は普通のドラマですし、言ってしまうとベタな展開です。ちょっとファンタジー的な要素も強いんで、そういう意味でも、作風としてはちょっと新しいものになっています」

 プロデュース公演を2本やって得たものとは?

「演出の技量といいますか、演出家としての作業の勉強になりました。それがあって、今回のようにストレートな感情を描いた作品でも演出できるだろうという確信がもてるようになりました」

 今までそういう確信がなかったというのは意外だ。

「状況を動かして、よりリアルな状況を作り込むのは得意だったんですけど、役者さんの演技でストレートに見せるということはあまりやってこなかったんですよ。今までは僕が状況を動かして、どんな台詞でも成立するように役者さんを動かしていたんですが、特に今回は役者さんの演技に頼る比重が高いんです。だから“この台詞はこういう言い方をしてください”というようなふだんとは違う演出の仕方をしています」

 演出方法が変わったということ?

「別のところに労力を使うようになったということでしょうね。前は役者さんに対して、“こんなにストレートな台詞を書いてもどうせ恥ずかしくて見ていられないだろう”という意識があったので、どうにか普通の自分たちの言葉でしゃべっても成立するような芝居にしていたんですね。それでボロが出ないように状況をリアルに作って、といったやり方だったんです。今回は役者さんに頼る比重を高くして、あえてベタな台詞をちゃんと言わせるといった演出に変えたんです。それが直球勝負の意味だと思うんです」

 いわゆる“芝居”に近い感じになる?

「今回はかっちりした芝居になります。ただ積み重ねてきたリアルさといった、根本にあるものは揺るがないので、そこはある程度リアリティーは保っています。それを利用しつつ、かっちりとした芝居を…まあ大人な芝居を作ろうかと(笑)。そこがプロデュース公演を経てきて変わったところですね。でもポツドールらしさはなくなってはいません。ただ雰囲気は変わるとは思いますよ。僕の描くものの根本は変わってはいないんですけれども、その表面的な質感とか雰囲気はちょっと変わっていると思います」

 三浦の作品を語るとき常に添えられる単語が「嫌な気分」とか「露悪的」というもの。で、今回は?

「露悪的ではないと思っているんですけど、多分…嫌悪されるでしょうね(笑)。ただテーマが重いんですね。今回は“人が終わってしまう瞬間”っていうものを描きたかった。それは何かというと、例えば、不幸が自分に舞い降りてきても人はそこで終わるのではなくて、生きていかなくてはならないと思うんです。そのとき人を突き動かしているのは何かと考えたら、理屈なんだと思ったんですね。その理屈をこねくり回して人は生きている気がするんです。自分の理屈がまだ自分の頭の中にあるうちは、人は終わらないんじゃないか、その理屈をこねくり回した末に、自分のなかでつじつまが合わなくなって破綻したときに終わってしまうんじゃないかなって思ったんですよね。今回はそれを描きたかった」

 主役の主婦がこのテーマを如実に表している。

「私はこうで、この人はこうだからこうなって、私はこういう状況だから怒ろう、そして怒る。この怒るという感情の前に理屈をこねくり回している感じがしたんですね。感情というのは実は後からなんじゃないのか。感情で動くというのは偽物で、実は理屈で人は動いているんじゃないかってことなんですよね」

 今回はナレーションが多用されている。

「表面的に見えているモノと、理屈のこね方を見せなくてはいけなくて。だから今回はナレーションが肝で描きたいところなんです。そこでこねくり回している理屈はめちゃくちゃなんです。ただ自分の中では整合性を持っていて、次の行動に出ていく。“私は不幸だからこんなことをしてよくて、この人を好きになるのは悪いことではない、で、この人が好きだから……”といった具合に、理屈を自分の中でどんどん正当化していって、そして最後にそれができなくなって、みたいな流れなんですけど」

 物語を見るときには感情移入をして見るときと俯瞰して見るときがある。ポツドールは今までは俯瞰の芝居。しかし今回は感情移入ができる芝居のようだ。

「今までのやり方を映画に例えるなら、据え置きカメラで固定した画を撮っている感じ。今回はアップも使って撮る感じなんです。状況だけではなく、ちゃんと役者さんの顔を見せる。状況が主役だったのが個々が主役になっているという違いはあるのかなとは思います。今まで俯瞰していたものが近寄ってますから、登場人物に感情移入しやすくはなりますね。“ああこんなこともやっちゃうんだ”って思う方もいるかもしれませんが、今までの演出スタイルを利用しながらそれも乗り切ろうと思っています」

 今後しばらくは劇団公演の予定がないという。

「タイトルを見て“解散公演か?”っていう人がいるんですけど、そういうわけではないんですよ(笑)。でもしばらくはないんで、今まで見たことのない人は、ぜひこの機会に見てほしいですね」

(本紙・本吉英人)

9月8日からザ・スズナリで上演開始

ポツドールVol.19『おしまいのとき』 【日時】9月8日(木)〜25日(日)(開演は19時30分。10・11・15・17・18・21・23・24日14時30分の回あり。19日(月)は14時30分の回のみ。千秋楽は14時開演の回のみ。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から受付予定) 【会場】ザ・スズナリ(下北沢) 【料金】前売 指定席4500円、前方ベンチ指定席4200円/当日 5000円 【問い合わせ】ポツドール(TEL:080-5487-3866 〔HP〕http://www.potudo-ru.com/) 【脚本・演出】三浦大輔 【出演】米村亮太朗、古澤裕介、松浦祐也、松澤匠、篠原友希子、高木珠里、新田めぐみ


鈴木製作所1『ノミコムオンナ』

2011.08.29 Vol.522
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 海外戯曲からミュージカル、そしてもちろん小劇場と幅広いフィールドで活躍中の演出家の鈴木裕美が新たに立ち上げたプロジェクト。コンセプトは「鈴木が誰に頼まれた訳でもないが、なんかやりたいことをやる公演」。

 というわけで今回、鈴木がやりたかったことは「ダンスっぽい演劇」っていうか「演劇みたいなダンス」。

 演劇には劇作家を置かず、俳優たちがエチュードと呼ばれる即興劇を繰り返すことで、少しずつ自分の役の台詞を組み立てていく芝居の作り方があるのだが、鈴木はかねてから「ダンスにおける振付は、ストレートプレイにおける台詞にあたるのでは」と考えていたという。そして「だとしたら、振付家を置かず、即興を繰り返し、俳優たちが自分の役の振り付けを作るやり方でも、芝居ができるんじゃないか?」との結論に至った。

 なので、ふだんは踊ることのない俳優も台詞で表現するだけでなくダンスも踊る。歌のないミュージカルといった風情も漂う。

 ここまで読んで「えー、ダンス主体なの〜?」と思う人もいるかもしれないが、脚本には蓬莱竜太を起用しており、物語のほうもきっちり。

 とにかく「百聞は一見にしかず」な公演。

【日時】8月31日(水) 〜9月5日(月)(開演は平日19時、土日13時/17時。木は15時の回あり。開場は開演30分前。当日券は開演40分前から発売) 【会場】シアターモリエール(新宿) 【料金】全席指定 前売4500円/当日4800円 【問い合わせ】自転車キンクリーツカンパニー(TEL:080-3068-7427 〔HP〕http://blog.livedoor.jp/yumis1230/) 【作】蓬莱竜太 【演出】鈴木裕美 【出演】陽月華、柴一平、安田栄徳、鴇田芳紀、木村晶子、瀧川英次/福麻むつ美、久保酎吉


ヨーロッパ企画『ロベルトの操縦』

2011.08.29 Vol.522
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 演劇の枠にとどまることなくエンターテインメントの世界を悠々と泳ぎ回るヨーロッパ企画。そのフィールドは映像、イベント、番組制作etc…と多岐に渡る。

 脚本・演出を担当する上田誠はいまや脚本家としてひっぱりだこの存在。外部公演での脚本・演出はもちろん、映画やドラマの脚本、テレビやラジオの企画構成までも手掛ける。役者たちも“客演”といった役者としての活動はもとより、映像制作、執筆活動、デザインといった異分野で活躍中だ。

 そんな彼らの1年ぶりの本公演は“移動”をテーマとした群像劇。自転車に乗るとなぜ鼻歌が出てしまうのか…、船のデッキに出るとなぜ手を振ってしまうのか…、車が大きな橋にさしかかるとなぜ車中で嬌声を発してしまうのか…といった誰でも思い当たる節のあるエピソードをモチーフに“移動する身体”とそこで交わされる会話を描く。

 今回は30回目の節目の公演とあって、これまでを振り返り、より新しいことにチャレンジする公演となるようだ。

【日時】9月8日(木)〜18日(日)(開演は平日19時、土13時/18時、日13時。15日(木)は14時の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】本多劇場(下北沢) 【料金】全席指定 前売4000円、当日4500円/学生シート(前売のみ・入場時要学生証提示)3500円 【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337=10〜19時) 【劇団HP】http://www.europe-kikaku.com/ 【作・演出】上田誠 【出演】石田剛太、酒井善史、角田貴志、諏訪雅、土佐和成、中川晴樹、永野宗典、西村直子、本多力、山脇唯/山本真由美、中山祐一朗(阿佐ヶ谷スパイダース)


シティボーイズミックスPRESENTS『動かない蟻』

2011.08.22 Vol.521
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 恒例の、年に一度のシティボーイズのライブが今年も開催される。

 2003年から演出を手掛けていた細川徹に代わり、今回は漫画家でアニメーション監督でもある天久聖一を演出に迎え、新しいコントに挑戦するという。

 いつも豪華なゲストが話題を呼ぶのだが、今回はおなじみの中村有志に加え、テレビに舞台に大活躍中の荒川良々、シティボーイズとは絶妙な関係の女優・辺見えみりの2人が初参加。

 久々の舞台演出となる天久が、シティボーイズの3人をどう料理するのか。そして、荒川とシティボーイズの3人の絡みはどれもが新鮮で、かつどう転ぶのか全く予想がつかないだけに、計算されたコントと背中合わせの“ヒヤヒヤドキドキ感”も楽しみだ。

 それにしても、還暦を過ぎても毎年変わらぬクオリティーでライブを続けるこの3人のバイタリティーは凄すぎる。

【日時】9月8日(木)〜19日(月・祝)(開演は平日19時、土日13時/17時。※19日は18時開演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】世田谷パブリックシアター(三軒茶屋) 【料金】全席指定 S席7000円、A席6000円 【問い合わせ】ASH&D(TEL:03-5456-8130 〔HP〕http://ash-d.info/) 【作・演出】天久聖一 【出演】大竹まこと、きたろう、斉木しげる(シティボーイズ)/中村有志、荒川良々、辺見えみり


ブラジル『さよなら また逢う日まで』

2011.08.08 Vol.520
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 主宰で脚本・演出も担当するブラジリィー・アン・山田が生み出す作品はコメディーからシリアスまで幅広い。しかしどんなジャンルであっても根底に流れるのは悲哀に満ちた人間関係であり、濃密なドラマ性。コメディー要素の強い作品では時に思い切った設定を持ち出すこともあるが、その脚本力で観客を黙らせ、確かなドラマとして昇華させる。

 今回、紀伊國屋ホールに初進出となるのだが、2008年初演の劇団の代表作を“紀伊國屋バージョン”として投入する。ちなみにアン・山田はこの作品をきっかけにTVドラマや映画の脚本なども手掛けるようになり、脚本家としても注目を集めるようになった。

 舞台はかつてアジトだった場所。仲間たちと一緒に強盗に失敗し、一人で罪をかぶった男が4年の服役を終え出所してくる。男は“リベンジ”を誓い、昔の仲間を集め、新たな仲間たちを加え、再度、強盗計画を実行しようとするのだが…。

「スタイリッシュ」という言葉を使うと、ちょっと軽めな印象を与えてしまいそうだが、初演時は俳優、演出ともに「スタイリッシュ」にはまりまくり、「ハードボイルド苦笑系“犯罪”劇」と称され、絶賛を浴びた。今回は物語の根幹を担う男優陣のアンサンブルはそのままに、女優陣を一新。さらに深化した作品となる。

【日時】8月14日(日)〜16日(火)(開演は日18時、月14時/18時、火14時。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】紀伊國屋ホール(新宿) 【料金】日時指定・全席指定 前売・当日ともに4200円 【問い合わせ】ブラジル事務局(TEL:080-5172-8266 〔HP〕http://www.bra-brazil.com/) 【脚本・演出】ブラジリィー・アン・山田 【出演】中川智明、西山聡、櫻井智也(MCR)、諌山幸治、信國輝彦、服部ひろとし、加藤慎吾、高山奈央子(KAKUTA)、奥田ワレタ(クロムモリブデン)


パルコ・プロデュース『クレイジーハニー』

2011.07.25 Vol.519
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 本谷有希子の1年3カ月ぶりの新作公演。

 彼女の作品は、劇団公演でもプロデュース公演でも、まず最初にそのキャスティングにいつも驚かせられる。今回もヒロイン役に長澤まさみ、共演にはイラストレーター、エッセイスト、小説家、俳優...と書ききれないほどの顔を持つリリー・フランキーという初舞台となる2人を中心に据える。なるほど、そう来るか!!というキャスティング。

 本谷作品といえば、主役となるのは自意識過剰で妄想過多な女子。今回長澤が演じるのは、かつて一作だけベストセラーを書いたことのある女流作家。リリー・フランキーは彼女とつるむ悪友で飲み屋のママ。

 成河演じるイベント会社の若手社員が2人のトークショーを仕掛けるのだが、作家のファンが集まった会場にはいつしか不穏な空気が漂い始める...。

 本谷曰く、震災を経て作品の方向性をちょっと変更。「スカッとしたお話」にしたという。またワークショップオーディションで選ばれた若手俳優を多く起用するなど、いつもと違った風景が展開されそうだ。

【日時】8月5日(金)〜28日(日)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。15日(月)は14時開演。21日(日)と28日(日)は19時の回あり。火曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】パルコ劇場(渋谷) 【料金】全席指定 7350円/U-25チケット5000円(25歳以下対象。枚数限定。当日指定席券引換。要身分証明書。チケットぴあ のみ取扱) 【問い合わせ】パルコ劇場(TEL:03-3477-5858 〔HP〕http://www.parco-play.com/) 【作・演出】本谷有希子 【出演】長澤まさみ、成河(ソンハ)、安藤玉恵、吉本菜穂子、リリー・フランキー/中野麻衣、坂口辰平、太田信吾、札内幸太、池田大、中泰雅、北川麗、鉢嶺杏奈、加藤諒、清水葉月


虚構の劇団『天使は瞳を閉じて』

2011.07.18 Vol.518
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 この作品は1988年初演の第三舞台の代表作の一つ。11月に第三舞台の封印解除公演が行われることから、その前に虚構の劇団で第三舞台の作品を、ということでこの作品を上演することになったという。3・11の前から上演が決まっており、この時期にこの作品を上演するのは全くの偶然なのだが、このタイムリーさに驚かされる。

 物語は原子力発電所のメルトダウンから始まる。

 そして街を取り囲む“見えない壁”によって放射線や宇宙線といった脅威から守られながら、そうとも知らずに自由を求めて“見えない壁”を壊そうとする人々が描かれる。

 88年といえば、チェルノブイリの記憶も生々しい時代。当時は世相に重ね合わせ舞台を見た人も多かった。実際に身近でそんなことが起こってしまった今回はなおさらそういうふうに作品を見てしまいがちだが、もうひとつのテーマである「人間が根源的に抱える孤独・不安・愛への渇望・焦燥感」といったものを見失わないで見てみたい。

 第三舞台の中軸であり、この作品では初演からずっと「マスター」役を演じている大高洋夫が客演する。

【日時】8月2日(火)〜21日(日)(開演は平日19時30分、土14時/19時、日14時。11日と18日(木)は14時の回あり。7日(日)は19時の回あり。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】シアターグリーン BIG TREE THEATER(池袋) 【料金】全席指定 前売・当日ともに4500円(平日昼公演は4000円) 【問い合わせ】サンライズプロモーション東京(TEL:0570-00-3337=10〜19時)〔劇団HP〕http://kyokou.thirdstage.com/) 【作・演出】鴻上尚史 【出演】大久保綾乃、大杉さほり、小沢道成、小野川晶、杉浦一輝、高橋奈津季、三上陽永、山崎雄介、渡辺芳博/大高洋夫


cube presents『奥様お尻をどうぞ』

2011.07.18 Vol.518
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 古田新太とケラリーノ・サンドロヴィッチ──。

 2007年に上演された『犯さん哉』でナンセンスの限りを尽くした2人のプロジェクトが帰ってきた。

 各々シリアスから笑えるものまで幅広い作品で活躍中なのだが、2人の間を「×」でつなぐとなぜか、どんなバカバカしいことをやってくれるのか…という期待しか浮かばない。

 この作品について古田は、本紙のインタビューでは「KERAっちとオイラが唯一趣味が合うところ」と語る。そして「モンティ・パイソンみたいなブリティッシュ系のシニカルな笑いをやりたい」とも。

「なぜ誰もやらないのか?」「じゃあ俺たちが!!」みたいな感じで今回もバカバカしい世界が繰り広げられる。

 前回のキャストを中心に、キャスト陣も2人の意図をくみすぎるくらいくみ取れる役者ばかりが揃った。

 いい大人がとことんバカをやり尽くす..今の日本に一番必要な作品かも?

 なお9月9〜11日には渋谷のザ・プライムの6階にできた新劇場「CBGKシブゲキ!!」でプレミアム公演も行われる。

【日時】7月30日(土)〜8月28日(日)(開演は火木金19時、水14時/19時、土13時/18時、日13時。※30日(土)と31日(日)は18時開演。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前から発売) 【会場】本多劇場(下北沢)/〈プレミアム公演〉CBGKシブゲキ!!(渋谷)9月9〜11日 【料金】全席指定 前売・当日とも7200円/学生割引券4300円(前売のみ。チケットぴあのみ) 【問い合わせ】キューブ(TEL:03-5485-8886=平日12〜18時 〔HP〕http://www.cubeinc.co.jp/) 【作・演出】ケラリーノ・サンドロヴィッチ 【出演】古田新太、八嶋智人、犬山イヌコ、大倉孝二、入江雅人、八十田勇一、平岩 紙、山西 惇、山路和弘


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