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STAGE | TOKYO HEADLINE - Part 9
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食わず嫌いは損!!『三人吉三』木ノ下歌舞伎

2015.06.07 Vol.644

 歴史的な文脈を踏まえつつ、自らの解釈で歌舞伎を現代風にアレンジし、上演する木ノ下歌舞伎。

 今回上演する『三人吉三』は昨年秋、「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」で初演された話題作。京都での2回だけの上演とあって、再演を望む声も多かった作品。

『三人吉三』は黙阿弥の代表作。黙阿弥の死後、一部をカットしたり、見せ場が豊富な部分のみが上演されることが多かったのだが、木ノ下歌舞伎による『三人吉三』は現行の歌舞伎では上演されない『廓』を舞台にした物語や、初演以来約150年ぶりとなる『地獄の場』の上演を含むものとなっている。

 歌舞伎では3人の吉三郎に視点が集まる作品となっているのだが、そのへんを復活させることで、吉三郎たちと彼らを取り巻くさまざまな人たちを描く群像劇としての面白さを引き出し、全く新しい『三人吉三』を作り上げた。

 そんなわけで本作は全3幕、途中休憩を含み上演時間約5時間の大作となっているのだが、そうめったに見られるものではないので、この機会は逃したくないところだ。

夏休みは”おかあさんといっしょ”に!

2015.06.06 Vol.644

 大人気TV番組『おかあさんといっしょ』のスペシャルステージが、さいたまスーパーアリーナで繰り広げられる。ショーには、テレビでおなじみの歌のお兄さん・横山だいすけや歌のお姉さん・三谷たくみ、体操のお兄さん・小林よしひさ、さらにはパント!のお姉さん・上原りさが登場し、みんなで一緒に歌ったり踊ったりして楽しませてくれる。

 他にも、ポコポッテイトの仲間のムテ吉、ミーニャ、メーコブや、『いないいないばあっ!』のワンワン、『おとうさんといっしょ』のレオレオれーるうえいのシュッシュとポッポや、なお、せいやも遊びに来る。

 人気キャラクターやお兄さん、お姉さんたちが大きな会場内をパレードしたり、あっと驚くパフォーマンス満載の豪華でにぎやかなステージを披露してくれる。ステージの上で次々に繰り広げられる歌や踊りに合わせて、みんなで一緒に盛り上がろう!

ブロードウェイを圧倒した豪華絢爛スペクタル!!

2015.06.06 Vol.644

 刺激的なダンスと驚きのアクロバットが詰め込まれた話題のミュージカル『ピピン』。2013年にトニー賞で4冠を獲得し、ブロードウェイでも大ヒットとなったこの作品がこの秋、日本に上陸する。

「素晴らしく特別な何か」を探す、1人の若き青年の姿を描く。大部分は劇中劇で進み、この青年を主人公に据えた『ピピン王子の物語』が展開。品行方正で学業優秀、周囲からみれば満たされているようにも思える彼は「素晴らしく特別な何か」を探して戦地へ赴いたり、欲望に身を任せてみたり。ついには父から王位を奪ったりもする。それでも「素晴らしく特別な何か」は見つからなくて…。

 もともとは1972年に初演され、音楽や演出、ボブ・フォッシーの振り付けとともに、人気を博した作品。今回来日を果たすのは、その作品を2013年に新演出でリバイバルさせたもので、シルク・ドゥ・ソレイユ出身のメンバーによるパフォーマンスが、青年の旅を魅力的に演出する。

動物電気『ふっくら!人間関係』

2015.05.23 Vol.643

 とことん「おもしろ」を追求する動物電気の2年ぶりの新作公演。

 2013年に20周年を迎えた彼ら。主宰の政岡をはじめ、オリジナルメンバーも多く、文字通り阿吽の呼吸で他には真似のできない、絶妙の笑いの空間を作り出す。そのポリシーは政岡曰く「“笑わせて”いるのでなく“笑われて”いるのでもなく、お客さまと一緒に“笑っている”」というもの。今回もその言葉通りのバカバカしくて、ちょっとほっこりする作品に仕上がっている。

 物語の舞台は日本のどこか北国の海沿いの町にある、船のドックを改修して作られた食堂。地元のおじさんたちは日々そこにたむろして、たまに青春時代を思い出したりと何でもない日常を送っていた。そんな町に都会からおじさんたちの思春期のマドンナが若いころの自分にそっくりの娘を一人連れて帰ってくる。ざわめくおじさんたちは女房相手には忘れていた男子の恥じらい、紳士のたしなみを思い出していく。そんな時、そのマドンナも参加する町内会の旅行という絶好のチャンスがおじさんたちにやってくるのだが…。

 私生活でモヤモヤしてたり、ギスギスした人間関係にイラっとしているような人は明日への活力を、最近「笑ってないな…」という人はひたすら爆笑をもらえることは請け合い。

大森靖子×根本宗子『夏果て幸せの果て』

2015.05.23 Vol.643

“新少女世代言葉”の魔術師といわれるシンガーソングライターの大森靖子と、現在、演劇界で怒涛の進撃を見せる劇作家・演出家・女優の根本宗子のジャンルを超えてのコラボレーションが実現した。

 これは劇中で大森の曲を使用するなど、かねてから大森のファンだった根本のラブコールから生まれたもので、短い歌詞の中にもしっかりとしたストーリーが描かれる大森の楽曲を題材とした作品となる。

 大森は主人公の「大森靖子」として出演。

 コンビニでアルバイトをしている大森靖子は、引っ込み思案で人とうまくコミュニケーションが取れない(日常の)大森靖子と、なんでも思い通りになる(幻想の)大森靖子という、現実と幻想の自分が交差していた。バイトの時間が迫る中、連絡の取れない恋人を執拗に追いかけつつ、現実から逃避する大森の頭の中で願望と欲望の混ざった妄想が始まるのだった…。

 どの曲を使おうか?という打ち合わせの時に「『夏果て』でいきたい」(根本)、「私もそう思っていた」(大森)という具合に意思の疎通もばっちりだったという。この『夏果て』は大森がインディーズ時代に発表した名曲。曲のファンにはこの曲がどういう感じで演劇になるのか気になるところ。曲をまだ聴いたことのない人は観劇の前に聴いておくと、より楽しめる。

 また、若い女優陣に囲まれ、ただ一人の男性出演者である鳥肌実の存在も妙に気になる。

なんだかんだ言ってもついつい見ちゃうのがドロドロした人間ドラマ『爛れ、至る。』elePHANTMoon

2015.05.10 Vol.642

 elePHANTMoonという劇団はとても好き嫌いが分かれる劇団だ。こういう表現はよく使われるのだが、elePHANTMoonの場合はちょっと意味合いが強くなる。

 エンターテインメントからは大きく外れることはなく、しっかりとしたストーリーで物語は展開される。しかし人が死んだり、つらい目に遭ったりする話が多く、それも結構えげつない。人間の心の闇を描いているのだが、なにもそこまで…というところまで描き切る。そう、振り切ってしまうがゆえに、対極にいる人には過激さが強く印象に残ってしまうことがままあるようだ。また、その題材が“ありそうなこと”ゆえに、見終わった後に妙な生々しさが残ることも好き嫌いの分かれるところかもしれない。

 ここまで書いたことを否定的にとらえる人もいるだろうが、ぐるっと回って“好き”に転換する可能性をむざむざ放棄するのももったいないので、一度は見ておいたほうがいい劇団だ。

 今回のお話は、SMクラブで女王様として働く女と弁護士の男を中心に進む。女はプレイの末に客を殺してしまったのだが、そこに殺意はあったのか、なかったのか。女を弁護するうち、SM界隈では有名なマゾヒストの男と出会ったことをきっかけに、弁護士の男の日常は少しずつ狂い始めるのだった。

 ちょっとありそうな話でむずむずする。

なんだかんだ言ってもついつい見ちゃうのがドロドロした人間ドラマ『不倫探偵 〜最期の過ち〜』日本総合悲劇協会vol.5

2015.05.10 Vol.642

 この日本総合悲劇協会(通称ニッソーヒ)は、大人計画の松尾スズキによるプロデュース公演。1996年に立ち上げ、『ドライブインカリフォルニア』を上演。1998年には『ふくすけ』を上演した。大人計画の本公演とは一味違う、いやより一層増幅したような松尾のダークな一面が垣間見える作品を上演し続け、2002年に『業音』、2004年に『ドライブインカリフォルニア』を再演したが、以降、鳴りを潜め、今回は11年ぶりの新作公演となる。

 ニッソーヒの復活もそうなのだが、松尾とともに天久聖一が作・演出に名を連ねるのも大きな話題となっている。

 天久は2012年に松尾が初めて挑んだ一人芝居『生きちゃってどうすんだ』に共同脚本・演出で関わった。『生きちゃって——』では松尾の持つグロテスク、アナーキーさといった、昨今はあまり見せていなかったダークな部分が強調され、古くから松尾を見てきたファンを悶絶させた。

 物語は松尾演じる“探偵”のもとに、浮気調査の依頼が舞い込むことから始まる。それぞれの思惑、忌まわしい過去、愛憎が絡まり、不倫あり、殺人あり、なんかよく分からないドロドロしたものありの壮絶な人間ドラマが展開される。

 チケットは完売だが、当日券は公演前日の電話で入手可能。チャレンジしてみて!

人気ゲームが舞台でコラボ!「戦国BASARA vs Devil May Cry」

2015.04.27 Vol.641
 
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  人気ゲームの『戦国BASARA』と『Devil May Cry』が舞台でコラボレーションすることになった。「戦国BASARA vs Devil May Cry」で今夏、渋谷・アイア2.5シアタートーキョーで上演。舞台「戦国BASARA」のおなじみのメンバーが出演するほか、豪華キャストが揃う。スタイリッシなアクションによる夢のバトルに注目が集まりそうだ。

 謎の遺跡に現れたという悪魔を追って群雄割拠の戦国時代にやってきた『Devil May Cry』のキャラクターたちが、伊達政宗や真田幸村など『戦国BASARA』の武将たちに出会うことで、物語が展開していく。

 出演キャストは、『戦国BASARA』は伊達政宗に山口大地、真田幸村に松村龍之介、前田慶次に伊阪達也。『Devil May Cry』はダンテに鈴木拡樹、ダンテの双子の兄バージルに南羽翔平、悪の化身であるプロトタイプ・ネロアンジェロに吉田友一。


  8月20日~30日まで上演。詳細は公式サイト(http://www.basara-st.com/)で。

もう一度見たかった作品『わが星』ままごと

2015.04.26 Vol.641

 この作品は2009年に三鷹市芸術文化センター 星のホールで初演され、その年の岸田國士戯曲賞を受賞。2011年の再演時は初演を見逃したお客さんや、口コミで評判が広がり、当日券に長蛇の列ができた。チケットを入手することができず、もしくはあまりの評判に観劇をあきらめた人も多く、再演を望む声も多かったのだが、今回4年ぶりに再演されることとなった。

 作品は人が生まれてから死ぬまでの約100年と星が誕生してから消滅するまでの約100億年を、時報を合図に団地で暮らす一家と星の一生を重ね合わせて描いた作品。

 時報の奏でるリズム、□□□(クチロロ)の三浦康嗣が作るオリジナルの音楽、ラップ調の台詞回しといった斬新な手法で提示される物語は得も言われぬ郷愁を呼び、妙に胸を締め付けた。

 思えば2011年は震災の直後の再演で、ついつい大きな生と死の問題を抱えながら作品を見てしまった人が多いと思うのだが、今回はもっと自分の身近なものと重ねながら見ると、また違った印象を持てるに違いない。

もう一度見たかった作品『聖地X』イキウメ

2015.04.26 Vol.641

 SFやオカルトといった日常に潜む「異界」を題材とした作品を上演するイキウメ。SFやオカルトといっても突拍子もないものではなく、作・演出の前川知大は常に「あるかも」「起こりうるかも」と思わせる絶妙な描き方をする。

 その上で展開される人間ドラマも濃密で、さまざまな戯曲賞や演劇賞の常連となっているのもうなずけるところ。

 今回は2010年に初演し、鶴屋南北戯曲賞受賞したSF推理劇『プランクトンの踊り場』を改題しブラッシュアップ。新演出で上演するという。

 前川が、この作品でモチーフとするのは「ドッペルゲンガー」と「パワースポット」。

 夫に嫌気がさして実家の田舎町に帰った妻は東京にいるはずの夫に街で遭遇する。しかし夫はその時、同時に東京にも存在していた。この街ではこれまでも似たような事件が起きていた。調べていくうちにある場所に、“思いを形にする”不思議な力があることが分かったのだった。

 作品はドッペルゲンガーの出現から土地の秘密に迫っていくSF推理「喜劇」とうたわれている。

 しかし前川は、通常のSF作品では「分身」として考えられているドッペルゲンガーに独自の設定を加えることで、ドッペルゲンガーに関わる周囲の人たちにさまざまな心の葛藤を背負わせ、人間ドラマに昇華している。

 再演で、大まかなストーリーは分かっているものの、ついつい足元がぐらつきそうになる作品だ。

ふだんとはちょっと違った一面が見られる公演
『ゼブラ』ONEOR8 B面公演

2015.04.12 Vol.640

 本公演をA面とし、本公演とは毛色の違う作品を上演するのがこのB面公演。過去には男性劇団員4人のみの公演、外部から演出家を招いての公演を行ってきた。

 今回は座付き作家で演出家である田村孝裕抜きで、劇団員の伊藤俊輔、山口森広の企画による公演となる。演出を伊藤が担当し、キャスティング、ステージに関わる諸々を2人で行ってきた。

 上演するのは2005年に劇団で初演された『ゼブラ』。2007年に再演後、2009年には田村の演出のもと東宝製作で斉藤由貴、星野真里といったキャストで上演されるなど、内外で評価の高い劇団の代表作だ。

 舞台は古くからある木造の一軒家。母が死期を迎え、家族が集う中、四姉妹の母に対する想いが交錯する。幼いころに家を出た父への愛憎で孤立する三女は、誰もいない居間で若きし日の母の幻影を見る…。「母親の死」に向き合う四姉妹の様子や心の葛藤などが現代と過去を巧みに行き来しながら描かれる。
 特に「死」や「家族」というものに対する距離感は人それぞれ。演出家の感じ方ひとつで作品のイメージも随分変わる。今回初めて演出を手がける伊藤は田村とはバックボーンも全然違う。そんな伊藤がどのような作品に仕上げてくれるのか。

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