新年早々、中東のカタールに飛びました。ドーハでのアジア・ユース・ジュニア大会に日本ウェイトリフティング協会会長として、選手応援とアジア連盟(AWF)の選挙に出席するためです。
大会では日本の高校生男女がメダル多数を獲得してくれました。現在17〜18歳の彼らです。5年後の東京オリンピックでの大活躍が期待できます。
大会の合間にはAWFの役員選挙が行われました。中国、インド、アラブ諸国に中央アジアと、関係国は40か国を上回ります。
会長はアル・マナ氏(カタール)が無投票で再選。ちなみに会長の任命により私は会長補佐に就任しました。直前会長はUAEの王子の一人でした。要はアラブ湾岸諸国のお金持ちです。
重要ポストである事務局長には12年間同職を勤めてきたイラン人に代わり、イラク人のジャルード氏が選ばれました。実は、選任に至るまでの多数派工作が勝負です。国際連盟の副会長を務める夫を補佐してきたタイ人女性が事務局長選に立候補していましたが、直前に辞退し、代わりに副会長職を確保。同様に中国人候補者も辞退した結果、イラ・イラ対決となりました。
日本はこれまで医療部会の理事1名であったのを理事職、技術職で各1名、計3名、私の会長補佐職を加えると4つのポストが確保できました。各国への根回しの成果でもあります。
しかし、国際連盟(IWF)となると、日本はまったく手薄です。会長はハンガリー、事務局長は中国と枢要なポストには誰もいない。他の種目も似たような状況でしょう。
昨年末、韓国がアジア・サッカー連盟(AFC)の年間フェアプレー賞を受賞したとの報道がありました。試合内容やピッチ内外でのマナー、サポーターの行動、警告数、退場数などを総合的に評価してのことだそうです。日本は2位。最優秀女子監督にU-17日本代表の監督、高倉麻子監督が選ばれたのみです。
柔道着が青になり、試合がレスリングもどきになり、水泳のバサロ泳法が禁じられ、スキー・ジャンプの板が縮められ…。
不利なルール変更に日本国内で非難の声が起こります。しかし、問題の本質は、ルール変更に憤る前に、ルール変更の場で堂々と日本の考えを示し、世界の仲間を味方につける作業が必要なのです。
これはすべての分野に言えます。
新ルールをけなげに、器用に守り、また成果を上げる現場の努力に役員などの経営陣、管理陣が甘えていてはいけません。競技の前に重要な国家戦略が必要です。
(自民党衆議院議員)