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DANCEの道 第17回 木を見て森を見ず 森を見て木を見ず

2014.01.20 Vol.609

 2014年、皆様明けましておめでとうございます!今年もDANCEの道を切り開いて行けるように思いっきり踊りまくりたいと思っております…が、今年のお正月は実に何年かぶりにゆっくりできたので、2014年、まず僕は、踊りたくなるまで踊らない!!ことを試みてみました(笑)。こんなに何日間もお休みを頂けることも珍しいので、実家に帰って親の手料理を食べたり、地元の友達と新年会してみたり、友達の子供にお年玉をあげたりと、なんだか久しぶりにお正月らしいことをお正月にしたなぁ、と感じています…が、音楽も聞かず踊らないことだけは心に決めてました。さて皆さんどうなったと思いますか?? 案の定5日間くらいを過ぎると無性に音が耳に入ってきて、その音を聞くと体が自然と動き出してきました(笑)。不思議ですね…、やはり僕はDANCEが好きなんだと実感することができてうれしくなりました。
 昨年は本当にDANCEで始まりDANCEで終わったDANCE YEARでした。いつも応援してくれている皆様のおかげで、EXILEとして史上初の4回目の日本レコード大賞を受賞することもできましたし、個人的に力を入れているEXILE パフォーマンス研究所の活動『眠り OF THE YEAR 2013』のネムリストという称号を西川産業さんから頂くこともできました。DANCEを通じてたくさんの人と出会い、いろいろな経験とチャレンジをして僕のDANCEの道は少しずつですが太くなっています。
 元旦にEXILE TRIBE PERFECT YEAR 2014が開幕しました! 三代目J SOUL BROTHERSのアリーナツアーを皮切りに今年はEXILE TRIBEのお祭りです。自分としては2月5日にTHE SECOND from EXILEのアルバム発売、5月にはDANCE EARTHの舞台もあり、本当に楽しみです。年始にみんなで新年会をしたのですが、EXILE TRIBEはかなりのBIG FAMILYです。その中の自分は森の中の一本の木みたいなもので、年々先輩木になっていきますが(笑)、年輪を重ねより太い幹になることがさらに大きな森に進化していくんだと感じます。
 木を見て森を見ず、森を見て木を見ず。と言うことわざがありますが反対に、木の役割を果たして森を守り森を豊かにして、森があるからこそ木として存在していられることを自覚する。そんな人になりたいなと思っています。なかなか大きなたとえ話となりましたが(笑)、いつもと変わらずみんなで力を合わせてPERFECT YEARを盛り上げて行きたいと思います。EXILEは第4章が始まります! 皆様にやっぱりEXILE最高!!って感じてもらえるようなグループを目指して先輩木は2014年も頑張らせて頂きますので皆様どうぞよろしくお願い致します。

小池百合子のMOTTAINAI 「アベノミクスも二年目。正念場が続きます」

2014.01.20 Vol.609

「アベノミクス」も二年目を迎えました。
 期待値を示す為替や株価を見ると、一昨年の総選挙を境に、為替は79円から104円へと大幅な円安、株価は8600円台から1万6000円前後と、東京市場は世界が羨むほどの値上がり率を記録しました。
 1月の日銀・地域経済報告(さくらリポート)でも、景気判断が引き上げられ、平成17年以来「回復」という表現が使われ、景気が確実に戻りつつあることを示しています。
 問題はここからです。
 海外の要因も気になる点が多々ありますが、私が最も心配するのが、貿易統計赤字の行方です。
 昨年11月の経常収支は5928億円の赤字で、2カ月連続過去最大の数字を記録しました。貿易収支は1兆2929億円の赤字。こちらは17カ月連続の赤字続きとなっています。
 私が経済キャスターを務めていた頃の80年〜90年代は、日本の膨大な貿易黒字に、財政と貿易の双子の赤字を抱えるアメリカから睨まれたものですが、いまや様変わり。学校では「日本は貿易立国」と学びましたが、頭を切り替える必要がありそうです。
 貿易赤字の背景には二つの問題点があります。第一に日本企業の国際競争力が低下していること。第二に石油やガスなどの化石燃料の輸入が急増していること。これは、すなわち原発停止による影響に他なりません。
 3・11の東日本大震災以降、電力会社が費やす燃料費は13年度で3兆6000億円も増えることになります。すなわち日本の国富を産油国、産ガス国に垂れ流しているわけです。その分、企業や家庭の負担が増え、国際競争力が低下するという悪循環です。ここでは円高是正、円安傾向がマイナスに働いています。
 中東産油国に流れた大切な日本のカネを還流させる。そのための知恵と工夫が必要です。
 ちなみに、「原発即ゼロ」と元気に元首相が叫んでおられますが、現実に今、原発はゼロです。原発が稼働していようが、していまいが、放射性廃棄物はすでに存在しています。ましてや、東京都内に原発が存在するわけではなく、原発を稼働させるか否かを東京都が決めるわけでもない。
 放射性廃棄物の最終処分場問題を後押しするための都知事選にしたいと二人の元首相が主張するなら、「東京都内に最終処分場を引き受けましょう!」くらいの公約を掲げて戦わねば、整合性がとれません。言いっぱなしになるのではないでしょうか。
 都民はけっこう冷静に見ていますよ。

江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE

2014.01.19 Vol.609

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

ネタあらすじ編

今日も食べ過ぎ東京グルメ探偵 お好み焼き 京ちゃばな(新宿)

2014.01.19 Vol.609

おいしいものがあると聞けば、調査に行かずにはいられない「東京グルメ探偵」。メタボを気にしつつも食べ過ぎてしまうのがたまにキズ。さて、今日のタレコミは…?

長島昭久のリアリズム 集団的自衛権について考える(その二)

2014.01.05 Vol.608

 まず、集団的自衛権をめぐる議論の混乱を正しておきたいと思います。第一に、日本国憲法は、どこをどう読んでも明文で集団的自衛権を否定してはいません。第9条で否定されているのは、(1)国権の発動としての戦争と国際紛争を解決する手段としての武力の行使と威嚇、(2)陸海空軍その他の戦力の保持、(3)国の交戦権、の三つです。一点誤解のないよう予め断っておかなければならないのは(2)の解釈です。現行の政府解釈によれば、(2)の制約の下でも、自衛のための必要最小限度の実力(すなわち自衛隊)の保持は許されています。そして、戦争を違法化したパリ不戦条約(1928年)の流れをくむ国連憲章(1945年)が例外的に認めている(厳密には違法性を阻却される)武力の行使は、自衛の場合(51条)と国連の集団的措置(第7章)が発動される場合(典型的には国連軍)のみです。
すなわち、自衛のための実力の保持が憲法上認められており、自衛のためにその実力を行使することも国際法上許されているということです。しかも、憲法98条2項で「誠実に遵守す」べきことが規定されている国連憲章の51条には、主権国家に「固有の権利」として個別的・集団的自衛権を行使し得ることが明文で保障されているのです。換言すれば、どうしても集団的自衛権の行使を認めたくなければ、明文で否定するよう憲法改正を行う必要があるとも言えるのです。
 第二に、とはいえ戦後長きにわたり、政府を代表する内閣法制局の憲法解釈によって、「我が国が、国際法上、・・・集団的自衛権を有していることは、主権国家である以上、当然であるが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解しており、集団的自衛権を行使することは、その範囲を超えるものであって、憲法上許されない」(1981年政府答弁書)とされてきました。すなわち、国家固有の権利として保有すれども行使できず、と説明されてきました。しかし、なぜ、個別的自衛権の行使は我が国を防衛するための必要最小限度の範囲に収まり、集団的自衛権の行使はその範囲を超えるものと断定できるのでしょうか。次回はこの素朴な疑問についての内閣法制局の説明検証してみたいと思います。(つづく)

(衆議院議員 長島昭久)

鈴木寛の「2020年への篤行録」  第3回 都知事選をどう見るか

2014.01.05 Vol.608

 あけましておめでとうございます。去年は東京オリンピック・パラリンピック招致に沸きました。本年もスポーツのビッグイベントが目白押しですね。まず来月のソチ五輪。フィギュアスケートの代表選考は大変な注目を集めました。個人的には、浅田真央選手の悲願の金メダルに期待を寄せています。そして6月にはブラジルでサッカーのW杯が開幕します。日本代表が一時勝てない時期が続きましたので不安の声も上がりましたが、11月にオランダ、ベルギーとの親善試合で結果を残したことで「反転攻勢」のムードです。予選グループの組み合わせも悪くはなく、初のベスト8以上の結果を残してほしいと思います。
 浮かれてばかりもいられません。東京オリンピック招致関連では、国立競技場の改築については、予算も含め昨年末に決着し、いよいよこの春から取り壊し、工事が始まります。問題は、組織委員会。2月に発足の予定でしたが、ご存じの通り、都知事の辞職により、立ち上がりに遅れが生じるのは必至です。そもそも招致決定後から悪い予感がしていました。いまだに組織委のトップである委員長が決まっていないのです。そもそも昨年11月にIOCのバッハ会長が来日した時点で委員長の内定者が出迎えねばなりませんでした。そうした中で、前知事の不適切な金銭授受が発覚。後はご存じの通りの展開です。国際的にも開催地としての名誉に傷が付いたことは大変遺憾に思います。
 都知事選は2月9日。ここ十数年、最後に出てきた候補が勝っているので、候補者が名乗りを上げるのが遅くなることが予想されるため、有力候補者が出そろうのは早くても今月中旬でしょう。国政選を凌駕するテレビ選挙なので知名度に焦点が当たりがちですが、オリンピック・パラリンピックを起爆剤に2020年代以降の東京の街づくり、人づくりをしていける実力のほどを私たち都民はしっかり吟味せねばなりません。たとえば高齢化。都の予測によると、オリンピック開催年には、4人に1人が高齢者となります。社会保障費の膨張を抑える中で介護や医療をどう拡充させるか、一人暮らしの高齢者を支えるコミュニティをどう醸成させるか……課題は山積しています。
 次期知事はオリンピックのホスト役を務める可能性が高そうです。それは同時に21世紀の東京の基盤を固める役目。今度の都知事選は近年まれにみる重要性があると思います。

(元文部科学副大臣・前参議院議員)

江戸瓦版的落語案内 Rakugo guidance of TOKYOHEADLINE

2014.01.05 Vol.608

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

今日も食べ過ぎ東京グルメ探偵 シャブリーゼ(新宿)

2014.01.05 Vol.608

おいしいものがあると聞けば、調査に行かずにはいられない「東京グルメ探偵」。メタボを気にしつつも食べ過ぎてしまうのがたまにキズ。さて、今日のタレコミは…?

DANCEの道 第16回「DANCE is a LANGUAGE…」この言葉は僕にとって今年1番の宝物です。

2013.12.23 Vol.607

 2013年10月某日、僕はアメリカのCHICAGOに降り立った。空気を思いっきり吸い込み、日本よりも数倍の肌寒さを感じ、これから3日間のスケジュールに緊張とワクワクを同時に抱きながらホテルへ向かう。
 成田空港から約12時間。CHICAGOのあるイリノイ州は、アメリカの中でも少し北に位置し、ミシガン湖という湖がある。初めて見たときは海と間違えたくらいデカい湖で、水平線が見えるほど。CHICAGOの街にはミシガン湖に向かって川が流れていて、その川に架かる橋は時間になると真ん中から真っ二つに割れて船を通すために豪快に動き出す。その光景がなんだかかっこ良く見えて日本ではない国に来たんだなぁと実感させてくれた。
 今回のDANCEの旅は先日放送されたBSプレミアムの番組で、スタッフさんがメンバーのUSAさんのDANCE EARTHというプロジェクトを観てぜひ番組にしたいと熱望し企画が実現しました。USAさんがその旅のパートナーに僕を選んでくれ、同行できたので、本当に感謝しております。
 旅の目的は3年前にUSAさんが出会った「CHICAGO FOOTWORK」という世界最速ステップのDANCEに再チャレンジすること。しかし、こんなに勝ち目のないバトルをするのは初めて。「JUKE」という音楽で踊ったこともないし、「FOOTWORK」というDANCEの基礎すら知らない。僕は、映像を見ながら見よう見まねで踊ってみた。5分も踊れば汗だくになり心拍もかなり上がってしまうくらいの高速なビートで、今までのDANCE人生の中で一度も経験したことのない感覚に、焦りと不安だけが走る。しかもバトルの相手はFootworKINGZというこのジャンルのシーンでは世界最強のクルー。リーダーのKINGCHARLESとPRINCE JRONはマドンナのワールドツアーにも出演していた。そんな2人を筆頭に9人ものメンバーが集まった。久しぶりのDANCEバトルに、震えるほどの緊張とワクワクがバトルが終わるまで続いた。
 結果は言うまでもなく。正直悔しさもありますが、何よりあの時のメンバーであの瞬間にしかできないDANCEを誰一人手を抜くことなく全力で踊れたことが、とにかくうれしかったし、心から楽しかった。
 FootworKINGZのメンバーはCHICAGOという土地でギャングになるかDANCEチームに入るか、そんな厳しい環境の中でDANCEを選び、自分を表現している。とにかくDANCEを愛しDANCEと共に生きていることが、英語が分からない僕にも分かった。言葉のない表現、心も体もオープンにできるDANCEだからこそ、理解できることがたくさんありました。
 最後にKINGCHARLESが言っていた「DANCE is a LANGUAGE…」。この言葉を体感できたことが2013年の僕の宝物です。FootworKINGZの皆さん、スタッフの皆さん、BOBBYさん、TAKUMA君、そしてUSAさん素敵な旅をありがとうございました。

小池百合子のMOTTAINAI 「北朝鮮の真の実力者はいったい誰かを見極めることが必要」

2013.12.23 Vol.607

 冷戦時代、「クレムリノロジー」という言葉がありました。鉄のカーテンのむこうで、何が起こっているのかを知るすべのひとつを言います。
 赤の広場のレーニン廟の壇上から閲兵する指導者たちの並び順から、ソ連共産党中枢の動きを判断するのです。
 12月17日、金正日総書記の2周忌追悼大会のひな壇には、5日前に「国家転覆陰謀行為」により死刑判決を受け、即日処刑された正恩義の叔父にあたる張成沢前国防委員会副委員長が消えた後、崔竜海軍総政治局長の存在がひときわ目立ちました。米韓を威嚇する崔竜海総政治局長の演説はまるで彼のデビューの場のようでした。
 残酷な方法で粛清されたという張成沢前国防副委員長は金正日政権の若き後継者・正恩第一総書記の後見人と目され、中国との経済交流の窓口として実質的に北朝鮮№2とされてきました。
 しかし、これまでのクレムリノロジーが、ソ連内部の不透明性ゆえに、勝手な解釈をまことしやかに喧伝する手段であったように、北朝鮮内部の真実は明確ではありません。
 そもそも、張成沢氏が本当に№2だったのでしょうか。彼はあくまでも金正日総書記が唯一血を分けた妹である金敬姫の夫だったからこそ、金王朝で居場所を確保できたにすぎません。その如才なさゆえに、妻と別居状態が続いていながらも、その立場を失うことはありませんでした。また、中国にとって都合のよい交渉役であったため、張成沢氏を持ち上げ、世界も張氏に注目したのでしょう。
 北朝鮮をウォッチするにおいて、絶対に外してはいけないポイントが二つあります。ひとつは、朝鮮民主主義人民共和国という正式名称とはほど遠い「金王朝」であるということ。血脈がすべてに優先するのです。第二に金日成、金正日の二代にわたる「遺訓」がすべてを決めるということです。遺言です。
 私はかねてから、真の実力者は金正日の妹、金敬姫そのものだと考えてきました。朝鮮半島の文化からは、女性が指導的立場につくことはないとされますが、金正日総書記が病気で執務不能の際も、彼女が決済を代行してきました。
 夫が粛清された後も、敬姫の政治的な地位は確保されています。金王朝の大切な一員だからです。
 夫の粛清は、実は敬姫本人の決断だともいわれています。健康状態が悪化し、死期を悟った敬姫が、自らの死後、すでに憎しみの対象と化していた夫に金王朝を任せるわけにはいかないと考えたとしても不思議ではありません。夫への憎しみを増すように仕向けた側近もいるのでしょう。敬姫が、夫の粛清に躊躇していたとの報道もありますが、後付けのように思えます。
 問題は、彼女の死後。来年は朝鮮半島、そして東アジアに大激変が起こるかもしれません。日本も、最悪の事態に備えながら、最善の道を探りましょう。
  (衆議院議員/自民党広報本部長)

鈴木寛の「2020年への篤行録」  第2回 高校生がソーシャルプロデュース

2013.12.09 Vol.606

 都心部はイルミネーションがきらめき、いよいよ年末モードに入ってきました。皆さんもそろそろ来年に向けた展望を描き始めていることでしょうが、ソーシャルプロデュースで新しい息吹を感じさせるイベントがあります。NPO法人カタリバ(杉並区)が12月14日、『全国高校生MY PROJECT AWARD 2013』を日本橋で開催します(http://www.katariba.or.jp/news/2013/11/22/2427/)。
 この催しは、全国各地の地域社会が抱える課題を解決しようと奮闘している高校生の取り組みを評価し、特に優れた実績のある生徒には表彰します。米国では80年代から学校での学びを生かした社会貢献活動が普及していましたが、日本でも近年、松蔭高校(兵庫県神戸市)が「ブルーアースプロジェクト」と銘打ち、ウォームビズや食品ロス削減の推進といった環境保護活動をするなどソーシャルプロデュースを行う高校生が着実に増えております。メディアに注目されるような事例は私立校が多く、公立校にももっと広げていくことが課題ですが、今回のアワードを機に高校生世代のソーシャルプロデュース活動がさらに注目されてほしいものです。
 それにしても、私が慶応SFCで教えていた90年代を振り返ると、高校生の社会起業志向が広がりを見せていることには隔世の感があります。当時は、阪神大震災を機にNPOの存在が注目され始めたものの、社会貢献活動の大半はボランティアベース。ビジネス的な持続可能性を追求した動きは本当に少なく、私の教え子を始めとする大学生たちがパイオニアでした。アワードを主催するカタリバは教育格差の解消に取り組んでいますが、代表理事である今村久美さんはまさにそうした学生たちのリーダー的存在。同世代である駒崎弘樹君(NPO法人フローレンス代表理事)は、今や子育て問題の「論客」として活躍中です。
 高校生や大学生の間にソーシャルプロデュースを経験することで、利害や矛盾といった社会の複雑な構造を肌で感じることができ、問題解決のために自分の頭で思考する貴重な機会になります。卒業後の進路が、社会起業家にはならなかったとしても、正解や前例のないプロジェクトに挑む地力が身に着きます。

(元文部科学副大臣・前参議院議員)

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