困難を乗り越え、努力し続ける球児たちにチャンスを
今回の第84回選抜高校野球大会(春のセンバツ)も多くの感動に包まれました。
今年は先の大震災で被災した石巻工業高校が21世紀枠として選ばれ、さらに選手宣誓を同校の主将が務めるなど、復興への兆しを見せる象徴的な大会となりました。
「21世紀枠」はその名の通り2001年から始まり、何らかの困難を克服して健闘しているチームや、他校の模範となっているチームが選ばれるものです。
石巻工高はグラウンドが水没し、部員の7割の自宅が全半壊するなど甚大な被害を受けました。そんな中、昨年の夏の大会予選に出場できたのは、全国各地から被災地支援をしたいという方々が、文部科学省が立ち上げた「子どもの学び支援ポータルサイト」などを通じて、バットやグローブなどの必要物資が支援をしてくださり、部活を早期に開始することができたからです。そして秋季大会で、石巻工高は地区大会を勝ち上がりました。まさしく困難を乗り越えたチームだといえるでしょう。
また、今大会おなじく21世紀枠に選ばれている兵庫県の洲本高校は、1995年の阪神・淡路大震災の直後に生まれた世代が中心選手となって県内の強豪校と競り合ってきました。北海道の女満別高校も、極寒の地で部員が少ない中で健闘したチームです。困難を乗り越えて努力を続ける球児たちにとって、21世紀枠というチャンスがあるということは非常に喜ばしいことだと思いますし、そうした高校生の姿に我々も心洗われ、甲子園の魅力もさらに高まっています。
(参議院議員)