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大谷ノブ彦 カタリマス!(裏) 第66回 “町おこし”のダイノジ

2016.02.10 Vol.660

「やりたい」「興味がある」とここ数年言い続けてきたことのひとつに、“町おこし”があります。ここのコラムでも、『キキマス!』でもさ、何度も言ってきたことだから、またって思うもいると思うけど、言い続けてるからなのかなあ、つながってきちゃった。

 そのひとつが、毎年やろうって去年からスタートした夏の喜劇。今年の夏もやるんですけど、そのテーマが“町おこし”。町おこしのファンタジーだって。西野(キングコング)から提案されたんだけど、自然な形で出てきてね。少し前に町おこしについて話したこともあったから、それも関係があるのかもしれないけどさ、それ聞いて思ったんだよね、つながったぞって。

 公演はまだまだ先だけど、すごい楽しみになってきましたね。昨年は1週間の公演で、日替わりで違うチームが同じ脚本を上演したんだけど、今年は僕らダイノジに、去年出てくれた人、それに数名加わるようなメンバーで、脚本は今年も西野がやってくれます。去年やって、すごくいい座組だったから、しばらく一緒にやってみたいと思ってるんです。まずは今年。それから、もっと続けたら面白いことになると思ってます。

 “町おこし”の話に戻ると、いろんなところが気になってるんだけど、ここ数日特に気になっているのは生まれ育った大分県、「おんせん県おおいた」の象徴ともいえる別府なんです。別府温泉ってね、たくさんの観光客が訪れるらしいんだけど、いざ宿泊となると別府温泉ではないところに泊まってる、県外に泊まってるっていう場合も少なくないらしいんだよ。これを聞いて驚いちゃったよなあ。これも、聞いた話なんだけど、どうしてこうなってしまったかっていうと、別府温泉が古き良き時代のまま、昔の風情を保っているってことにあるみたい。時代が変わるなかで、他の温泉地や観光地がより多くの人を呼び込むために変化していったのに、別府温泉は……って。温泉地もいろいろあっていいんだけど、問題を感じるなら、何かしたほうがいい。気付いて何かしようという人たちもいるようなんで、僕もその“町おこし”に何か協力できたらって考えています。その結果、おんせん県大分にありながら温泉がない僕の故郷の佐伯市にもたくさんの人が来てくれたらうれしいしね。

 今年もね、いろいろあるんですよ“町おこし”。独演会で話した気仙沼のフェニックスバッティングセンターではゴールデンウイークにDJイベントをやるし、秋にはマグロックとフジソニックがある。他にもいろいろね。“町おこし”のダイノジ……来てる…のかな。

江戸瓦版的落語案内 文違い(ふみちがい)

2016.02.08 Vol.660

 内藤新宿の女郎、お杉はなじみの客、日向屋の半七に、父親が金の無心をしてきているので30両を用立ててくれるようにとおねだり。半七とりあえず10両を渡すと、お杉に岡惚れの客、田舎者の角蔵が来たとの知らせ。早速そちらの部屋に行くと、今度は「おっかさんが病気で、高い人参を飲ませたいので、20両工面してくれないかい」としなだれ色仕掛け。「今日持っている15両は村の辰松に頼まれた馬を買う代金だから渡せねえ」というとお杉は怒って「人の命と馬を天秤にかけるなんてなんて不人情な人なんだ。そんな薄情な人は大嫌いだよ」とすごい剣幕。結局15両渡してしまった。それを受け取ったお杉はさらに半七が5両を巻き上げると「これで30両できた。早速おとっつあんに渡してくるよ」といそいそと部屋を出ていった。

 お杉が向かった座敷にいたのは父親ではなく、年のころなら32、3の苦み走ったいい男。芳次郎というこの男、眼病で高価な薬を使わないと失明してしまうということで、お杉が2人に金を無心するように仕向けていたのだ。2人から巻き上げたお金を全部差し出すと、受け取るや否や一刻も早く眼医者に行って治療をしなければと言って帰っていた。仕方なく見送り座敷に戻ると芳次郎が忘れていったとおぼしき手紙が。そこには女の字で「20両が必要な私のために芳次郎さんが、眼病を患ったといつわり、新宿の女郎、お杉からお金をこしらえて下さるとのこと。心より感謝申し上げます」と別の女に貢ぐ金だったことが書かれていた。怒り狂ったお杉が半七の待つ部屋へ戻ると、半七もまた芳次郎からお杉に送った手紙を読んでいた。そこには「眼病で高価な薬が必要になった。お杉どのが日向屋の半七に、父親から金の無心をされていると言って、20両をこしらえてくれるとのこと…」と、こちらも半七をだましていたことがバレてしまった。

 そんな2人が鉢合わせ。「このアマ、よくも15両も巻き上げやがって!」「こっちは20両やられたんだよ!男が金の事でガタガタ言うなよ!」とつかみ合いの大喧嘩。これを聞いた角蔵、従業員を呼びつけると「早くいって止めてこい。間夫から金をもらっただ、巻き上げただ言ってるが、あれは俺がお杉のおっかさんのためにやったものだって言ってな。……いや、いけねえ。そんな事言ったら俺が間夫だとバレちまう」

格闘家イケメンファイル Vol.42 新生K-1ヘビー級のラスボス 上原 誠

2016.02.08 Vol.660

 ヘビー級では日本人最強といわれている上原が3月4日(金)、東京・国立代々木競技場第二体育館で行われる「K-1 WORLD GP 2016 IN JAPAN ~−65kg日本代表決定トーナメント~」のスーパーファイトに参戦決定!

「日本人もそうですが、世界的にもヘビー級が一番強いんです。それを見せられるチャンスなので、新生K-1に出られるのは楽しみです。今は世界で戦っているので、戻ってこられてうれしいけど、今回は余裕ですぐに勝てると思う。あっという間にKOできるけど、それじゃ面白くないので1R2分ぐらいでじわじわと倒しにいきます。ビッグマウス? まあ、もともとパワーがある海外の選手と戦ってきた自信と、試合が決まると戦うスイッチが入っちゃうので、自然とそうなっちゃう(笑)。でもあまりヘビー級の試合を見たことがない人にはすごい衝撃を与えると思いますよ。力がものすごいので、会場の空気が一気に変わる。パンチやキックの音も “痛そう”じゃなくて、“これやばくない?”って。怖がって目を閉じる人もいるぐらい威力があるので、そんな試合を見せたらほかの階級の人がかわいそうかも(笑)」

 絶対的な自信をのぞかせる上原だが、意外にも格闘技を始めたのは大学生の時。

「高校まではずっと野球をやっていたんです。自分で言うのも何ですが、野球の天才だったんですよ(笑)。でも野球は嫌いだった。連帯責任がダメなんですよね。人のミスで負けて怒られるのが無理(笑)。才能だけでやっていたんですが当時の監督に進められて受けたプロテストで、巨人と日ハムとヤクルトを受けて、ヤクルトにかかったこともありますし、もともと身体能力が高い。だから体育の授業は何をやっても軽くこなせたので、中学時代はもてました(笑)。高校は男子校だったので、中学時代がピークでしたけど(笑)。で、大学時代のある日テレビを見ていたら、格闘技をやっていて、自分もやりたいと思ったんです。ミルコ・クロコップとボブ・サップの試合だったんですけど、その時のボブ・サップは2m160㎏で、アメフットをやっていてとにかくでかい。反対にミルコは185㎝ぐらいで100㎏と明らかに小さかった。でもその時に番組に出ていた人全員がミルコが勝つと予想していて、驚いたんです。そんなに小さくて、壁のようなサップに勝てるわけないよって思った。でも映像を見ると強くて、会場も大盛り上がりしているし、これだ!って(笑)。自分もこの場所にいきたいなと思ったんです」

 生まれながらの高い身体能力で、デビュー戦をあっさり勝ち、その後もKOで連勝を重ねた上原。しかし、その後試練が訪れた。

「連続KOで勝ち続けていたんですが、それが逆に味わったことのないプレッシャーになってきたんです。こんなプレッシャーを感じるなら負けてもいいかもしれないとまで思っちゃって。そうなるとモチベーションまで下がっちゃって、6戦目から3連敗してしまった。余裕で勝てるだろうと思った相手にも負け、自分の中でもう終わりかもしれないって。でも3連敗した時に、友達が初めて泣いているのを見て、こういう事なのかって。応援してくれる人たちがいて、リングに立てる。もっとしっかりやらなきゃダメじゃんって心の底から思ったんです。そこからモチベーションも上がり、練習にも身が入り…って自分が変わっていった。いろいろなジムに行って勉強したり、食生活から生活習慣まで全部変えた。新生・上原の誕生ですね(笑)。だから今は自分というより、人のために頑張っている。上原、今、人のために動いてますよ(笑)」

 今は格闘技に集中し生活しているという上原。3月の試合ではどんなファイトが見られる?

「上原ワールドにするっていうのが普段からの口癖なんですけど、自分は入場からパフォーマンス全開でいきます。入場からほかの選手とは違うなって思わせて、あおりVTRで強気な発言が出て、1Rで瞬殺して、会場がワーッと盛り上がる。画が見えます(笑)。ほんと、試合が決まって新生K-1と対戦相手の訓-NORI-選手に感謝です。って、試合前になるとちょっと言い過ぎたかなっていつも思うんですけど(笑)」

鈴木寛の「2020年への篤行録」 第29回 日本人が知らないアメリカの「名門」大学

2016.02.08 Vol.660

 3月上旬、今年もアメリカの大学へ講演と視察に行ってきます。大学の教壇に本格的に復帰してからは3年連続。カリフォルニア大学(UC)サンディエゴ校に行きますが、今度はスタンフォード大学も見て回れたらと思っています。

 滞在は10日ほどを予定しています。現地の政治家、官僚、経営者など様々なキーパーソンとじっくり語り合うのが外遊の妙味。しかも仲良くなると、面識も面会予定もなかった別のVIPを紹介してもらえます。国会議員時代にも何度も外遊しましたが、ほとんどの場合、外交日程はせいぜい数日。一つの国に腰を据えて半月もいることは滅多にありませんでした。国会会期中であればその対応もありますし、毎年のようにある選挙で自分の準備や仲間の応援に駆け回るとなると、渡航前の予定になかった方々とお会いするのは難しくなります。

 渡航先での密な交流によって得られる知識や情報は、帰国後の政策立案や学術活動の幅を広げてくれます。たとえば医療イノベーションなどは、最先端の動向を知るだけでなく、現地に滞在する日本の製薬会社の関係者から、日本国として支援が足りないところを聞かされ、帰国後も課題意識を明確に持てます。私は50を過ぎ、滞在も半月程度ですが、これがまだ10代、20代の皆さんが4年制大学で学べばどうでしょうか。柔らかい頭と旺盛な好奇心で、アメリカ各地や世界各国からやってきた友達を作り、日本には無いものを見て回って、得られる知識、人脈、情報はかけがえの無い資産になることでしょう。
 日本から海外に渡る留学生の数は、少子化や不況で大きく落ち込んだ近年の傾向が少し落ち着きつつあるようですが、それでも「内向き志向」が根本的に改まったとは言えません。その要因の一つとして思うのが、日本人がハーバード等の有名校以外にも海外に優れた大学があることを知らないこともあるのではないでしょうか。世界一の“大学大国”アメリカには、日本の3倍を超える4000もの大学があります。

 ハーバードやエール等は入試のレベルが極めて高いですが、中堅大学もむしろ出る方が大変です。率直に行って、卒業が比較的容易な日本の有名大学の平均的な文系学生よりも、アメリカの中堅大学の日本人留学生の方が英語力、知識の深さ、視野の広さは総じて高いと思います。グローバル対応に悩む企業にも私は彼らの採用を薦めていますが、学生諸君は、機会があれば短期でいいので留学してみましょう。

(文部科学大臣補佐官、東大・慶応大教授)

大谷ノブ彦 カタリマス!(裏)第64回 いろいろな人に会いたい。

2016.02.03 Vol.659

 初めての独演会が29日、無事に終わりました。足元の悪いなか、たくさんの人に足を運んでいただいてね。なかには『キキマス!』を聴いてくださってる方もいて、うれしかったなあ。公演時間も、終わった後に新宿で食事して帰れるよ!っていう予定していた通りの90分でほぼ収まりました。でもさ、これからずっとやっていきたい、ライフワークにしたいっていうライブの当日、天気予報が雪って……! 僕らしいというか。

 ここでもお話ししましたが、独演会では、2015年に出会った人たちと交わした会話のなかで心に残ったことをおすそ分けしました。『キキマス!』にも出てくれてるマキタスポーツくんに森脇健児さん。角田陽一郎さん、僕がやっているイベント『ジャイアンナイト』の常連さん、それと気仙沼フェニックスバッティングセンターの千葉さん…。さだまさしさんまで。ライブ終了後「ヤクルト400」について検索した人もたくさんいたみたいです。

 今年ももう1カ月が過ぎましたけど、すでに話したいことが、たまってきてる状態。来年のこのライブでは何を話そうなんて考えてます。 ウェブや本で知った話ではなくて、実際に顔を合わせた人から聞いた話というのを条件にしているので、もっといろんな人に会いたい、たくさんの人に会いたい。独演会で話すためにも会いたいという人もいるんですよね。そのなかの一人が、漫画家のタナカカツキさん。コップのフチ子さんの原案で知られている方ですが、タナカカツキさん、サウナにはまっていらっしゃって通い続けるうちに、その作法、本質にたどり着いたそうなんですよ。それを『サ道』と呼ぶそうで、本も出していらっしゃる。この本が、すごい面白いんですよ。お会いしたいなあ…。

 さてライブに話を戻すと、いろんなお客さんとお会いできて楽しかったです。日程がどうしても合わなかったという人もちらほらいたので、次回は2日間できたらな。会場はあのサイズのままでいいから…と思っています。

 芸人としての生活が20年を超えて、自分はもちろんダイノジが1年間こういう感じで動いていくっていうのが固まってきた気がしますね。1月はこのライブがあって、夏にはダイノジとして舞台をやって、10月にはマグロックとフジソニックがあって、2月にはプロ野球の沖縄キャンプを見に行くっていうのもあるね。あとは、ちゃんと漫才やっているところを見せられる場所があればいいかな。…ちゃんとって何だろう?って話ではあるんだけど。今もやってるしね。

江戸瓦版的落語案内 松曳き(まつひき)

2016.01.25 Vol.659

落語の中には、粗忽、ぼんやり、知ったかぶりなどどうしようもないけど、魅力的な人物が多数登場。そんなバカバカしくも、粋でいなせな落語の世界へご案内。「ネタあらすじ編」では、有名な古典落語のあらすじを紹介。文中、現代では使わない言葉や単語がある場合は、用語の解説も。

友香の素 vol. 159 新しい趣味、発見!

2016.01.25 Vol.659

 とある日曜日、新鮮なお野菜を求めて野菜直売所に行ってきました! そこは、そのお野菜を作った農家の方と顔を合わせて、お話しをしながら買える場所。今まで道の駅以外にそういう場所にあまり行ったことがなかったのですが、はるばる行って良かった。まず、新鮮! 採れたてですから、お野菜がイキイキとしていて、どれもピンっとキレイ! 今が旬の基本的なお野菜ももちろんですが、その他にもスーパーではなかなか見かけない「え、何これ!?」というような、珍しいお野菜もたくさん売られていて、その姿かたちにびっくり。これまでに聞いたこともない、見たこともない! それは、私にとっては新種のお野菜たち。しかも、これがまた栄養がすごくあったりするんですね。その中でも印象的なのは「プチヴェール」というお野菜。フランス語で「小さな緑」という意味です。ケールと芽キャベツの交配で生まれたお野菜で、見た目は小さな、小さな葉ボタン(冬にお庭や、お正月飾りの中に見かける、キャベツに似た、アレです)みたいだなと思いました。スーパーで探してもなくてずっと欲しかったケールも、普通のケールと紫ケールの二種類があり、ゲット! うれしかった。あと、真っ黄色のカブ。ホントに色が「え?」って言っちゃうくらいに真っ黄色。所狭しと並べられているお野菜を前に、ワイワイ言いながら、あれもこれもと10種類くらいのお野菜を買いました。しかも、これがお安い。都内で買ったらいくらになるのでしょうか。ま、仕方がありませんが、やっぱりお安いから、東京からお店をやってるような方もわざわざ買いにいらっしゃるそうです。なっとく。そんな新鮮なお野菜で作ったお料理は、どうかというと……やっぱり美味しい! 身体もうれしい! やみつきになりそう。これからは道の駅、直売所巡りも趣味にプラスかな?!

黒谷友香
女優。1975年生まれ。映画『夢二〜愛のフィルム〜』(宮野ケイジ監督、駿河太郎主演)が2016年に公開予定。同作はJapan Film Festival Los Angeles
2015でグランプリを受賞。

東京タワーの節分イベント「大展望台で節分豆まき&恵方巻き」

2016.01.25 Vol.659

 冬になっても暖かい日が続いていたけど、先週は東京にも雪が降ってすごく寒かったね。 “寒いのは苦手”っていう人も多いけど、雪ってちょっとテンション上がらない? 僕だけかな(笑)。

 さて、東京タワーでは節分恒例の「節分追儺式と豆まき」を今年も開催! 2月3日の節分の日の午前10時45分ごろから、高さ150mの大展望台2階エレベーター前で行われるよ。当日は、ご近所の芝増上寺の御住職に前の年の邪気を祓っていただいた後、招福を願ってお菓子や福豆まきがスタート! 僕もいっぱいお菓子をもらいたいな。

 そして、節分の行事としてすっかり定着した「恵方巻きの丸かぶり」コーナーも大展望台に設置。恵方巻きとは、節分に食べると縁起が良い巻き寿司のことで、その年の恵方に向かって願い事を思い浮かべて無言で丸ごと食べると、願い事が叶うって言われてるんだ。今年の恵方は「南南東」。東京タワーから見ると、お台場・木更津方面なので東京タワーの展望台から東京湾方面を眺めながら無言で恵方巻きを食べきって願い事を叶えてね。

 当日は僕も紋付袴姿でイベントに参加するよ。1年間を無事に幸福に過ごせるよう、みんなも大展望台で「豆まき」と「恵方巻きの丸かぶり」に参加してみない? もちろん、僕の紋付袴姿も必見だよ(笑)。

大展望台で節分豆まき&恵方巻き
【日程】2月3日(水)
【時間】節分追儺式と豆まき:10時45分ごろ〜11時ごろまで/恵方巻きの丸かぶり:11時ごろ〜恵方巻きが売切れ次第終了
【場所】大展望台2階
【料金】展望料金のみ(参加自由)※恵方巻きは銀座「鮨 板井」特製の手作り恵方巻き。600円(税込・お茶付)で販売。売り切れ次第終了

大谷ノブ彦 カタリマス! 第21回 僕たちは、より正しく生きるしかない。

2016.01.25 Vol.659

 2016年が始まって、そろそろ1カ月。長くはないこの期間で、本当にいろんなことが起きています。ベッキーとゲスの極み乙女。の川谷さんの件に、僕も大好きなSMAPの解散騒動、5人の生のコメントに日本どころか世界も注目したり。CoCo壱番屋の廃棄したはずのカツが業者によって横流しされてたのが分かったり…。

 それぞれのニュースや報道のされ方、その受け取り方を見ていると、2016年って何かの変わり目だと感じますし、僕らはもう「より正しく生きるしかない」ってことを改めて思いました。

 今は、すべてが可視化された社会であり、時代。当事者が言ったこと、報道されたことだけじゃなくて、いろんな角度からもたらされる情報、SNSの意見だとか、そういうものが統合されることで、すべてが見えてきてしまう。以前ならば見えなかったようなこともね。そういう状況ですから、何か不正や不誠実なことを隠そうとしたって必ずバレるし、隠そうとする行為がバレた時にはとんでもないことになってしまっています。繕おうとしたって難しい。どっかから飛んできますよ、本当はこういうことしてるんだよっていうのが。

 誠実さが評価されるよい例が、CoCo壱番屋の件だと思います。社員がいち早く不正を見つけて、自ら動き出した。そうせずにはいられなかった。その姿が明らかになったことが、今、CoCo壱番屋の評価が高くなってることを裏付けてると思います。思えば、ペヤングがあれほど大歓迎されて戻ってきたのも、まるか食品の誠実さがあったからですよね。

 僕にも隠しておきたいこと、大きな声でいえないようなことだってありますよ。いや、そういうことは、誰にでもあるでしょう。それでもこれからは「より正しく生きるしかない」し、少なくともそう生きるようにしないと。そうしない限り厳しいだろうし、自ら株を下げることになってしまうと思います。芸能人や政治家、企業の偉い人、企業や団体とかそういうのに限ったことじゃなくてさ、いろんなケースに対して言えることだと思いますね。

 誠実さや正しく生きることが大切なんて、ずっと言われてきていることです。なんの目新しさもない。これまでは不誠実なことがあってもそれが隠せちゃう時代というのもあっただろうしね。でも、もう何も隠せない。みんな見えちゃうんですから。誠実であることに本気で向かい合わないとならない、「より正しく生きるしかない」。今更だけど、2016年ってそう変化していく年になっていくんでしょう。

格闘家イケメンファイル Vol.41 今だからこその“Ride on Time” ジェットタテオ

2016.01.25 Vol.659

 2013年のプロデビューから約3年の間に12戦とハイペースで試合をしているジェットタテオ。小さなころから筋金入りの格闘技マニアかと思いきや、別のスポーツでオリンピックに出ていたかも知れないとか…。

「水泳をずっとやっていたんです。オリンピックを目指していたというわけではなく、オリンピックを目指すようなスイミングクラブの強化チームにいただけなんですけど(笑)。週に5回練習があって、学校から帰ると、6時から8時まで毎日5000〜6000m泳がされていた。それを小学校低学年から高校3年生まで続けていたんですけど、自分は体が小さくてタイムがあまり伸びなくなり、水泳がしんどくなってきたんです。それで辛いな、苦手だなと思い、高校を卒業したら自分のやりたいことをやるんだと決めていた。そのやりたいことが柔術だったんです。ちょうど高校生の時にPRIDEやDREAMをテレビで見て、一番強い格闘技ってなんだろうって考えた時に、柔術だってことになって、のちにパンクラスでプロデビューする高岡尚裕と調布にある大賀道場に入門したのが、この世界に入ったきっかけです。ですから、僕は19歳ぐらいで始めたので、小さいころからやっている澤田龍人選手とか飛鳥拳選手とは、格闘技のキャリアが10年ぐらい違うんです。2人とは同じ階級ですし、そういう人たちを潰していかないといけないと思っています」

 名前の出た澤田、飛鳥ともに試合では苦い思い出がある。

「年間を通して行う総当たりのリーグ戦で「インフィニティリーグ」という企画があるんですけど、2014年に参加しまして、この中で、飛鳥拳選手と戦った時に右眼窩底骨折をしてしまったんです。その後リーグ戦の1試合を欠場することになり、すごくショックでした。澤田選手との試合でも苦い思い出があって、初めて一本負けしたんです。“タップするか!”って思ったんですけど気付いたら首締められて落とされてました。それもリーグ戦の初戦で、初めての後楽園ホールだったので本当に悔しかった」

 優勝するとビッグチャンスがもらえるインフィニティリーグは、選ばれし強者ばかり。

「僕は正直インフィニティリーグでは抜擢枠だったんです。ですから全部負けて、おまけにさっき言ったようにケガをしてしまい欠場もして。でもそれが良かったと今は思っています。そのリーグ戦の最後の試合がATCHアナーキー選手との対戦だったんですけど、その復帰戦で仲間と練習してきたことが全部出しきれたっていう手ごたえがったんです。自分の中でもすごい高ぶりもありましたし、そこから何か自分自身が変わったような気がします。試合の結果はドローだったんですけど(笑)」

 復帰戦で手ごたえをつかんだというジェット。現在は惜しくも落とした試合があるものの連勝を重ね絶好調だ。

「やっぱりあのリーグ戦が自分の中で一番大きな経験で、すごい成長させてもらったんだと思います。参加させていただいたことで今の自分がある。リーグ中は連敗してケガして、なんで格闘技なんてやってるんだろうって思っていたけど、今はあそこに出させてもらって、選んでもらって本当に良かったと思っています。インフィニティリーグは、絶対に化け物が生まれるし、負けたとしてもすごく成長する選手もいる。だから抜擢されたら、喜んでやるべきですね」

 自分自身の成長を確かに感じているジェット。これからどんな試合を見せてくれるのか。

「自分の試合は良くも悪くも、勝っても負けても全力全開、全身全霊です。絶対面白い試合にするので、生で見たことがない人にぜひ見てほしい。そして見に来て修斗を好きになってほしいですね。そして選手がみんなこんなに頑張っているんだっていうのを感じていただければ。修斗は戦い方で勝敗が変わるのが魅力の一つ。打撃も極めも投げも、手の運び方で試合が引っくり返ることがある。知れば知るほど面白いと思うので、会場に足を運んで見てください。また、自分自身は今年が勝負だと思っているので、これまで以上に暴れます。そちらもお見逃しなく!」

小池百合子のMOTTAINAI 底の抜けた原油価格の下落は日本には神風。

2016.01.25 Vol.659

 1月も下旬に差し掛かったにもかかわらず、新年会の嵐が続いています。新年会の合間に各所での餅つき。けっこうダイナミックに杵を振り下ろすほうなので、ついに肘を痛めてしまいました。

 今年は申年。株式市場では「騒ぐ年」との格言がありますが、新年早々、内外ともに騒がしいですね。
 株価急落に始まり、北朝鮮のなんちゃって「水爆」実験、サウジアラビアとイランの二大イスラム国の国交断絶と、騒がしいことこの上ありません。加えて、「解散」の言葉を聞けば、永田町ではすわ夏の参院選と総選挙の同日選かと思うが、SMAPの解散騒ぎだという。こちらは平和な日本の象徴のようです。

 19日に発表された2015年の中国の実質GDPが前年比6.9%増にとどまったといいますが、どこまで数字を信頼してよいのかが不明。日本の鉄鋼業界の話では、中国の供給過剰のあおりで世界の鋼材価格が45%ダウン、市況は土砂降りだとのこと。おかげで日韓の鉄鋼業はともに青息吐息です。他の業界も同じで、中国の過剰設備に伴う過剰供給、それに過剰債務の3つの過剰が悪影響を及ぼしています。

 今月16日、上海株暴落の最中に予定通り船出した中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)設立の意味があらためて顕著になりました。シルクロードの復活を思わせる中国の壮大な戦略「一帯一路」計画の財政基盤となるAIIBですが、結局のところ、中国の過剰供給物資をさばくためということです。

 他に韓国などアジア諸国だけでなく、イギリスやドイツなど計56か国を引き込むなど、なかなかうまい仕組みです。
 日米主導ながら、日本の落札率が1%にも満たないというアジア開発銀行(ADB)における控えめな姿勢とは大違いで、AIIBは「中国の、中国による、中国のための」組織となることでしょう。たとえ他の国際金融機関と協調して進めると言っても、です。

 中国、中東、難民問題に頭を抱える欧州、そして大統領選に突き進むアメリカ…。世界はまさしく「騒がしい」。
 メディアは危機を煽りがちですが、かつてケネディー大統領が「危機は漢字で、“危険”と“機会”の二文字からなる」と演説したように、わが国は外界の嵐を横目に、慌てず、落ち着いて、じっくりと課題に取り組めばよいと思います。底が抜けたような原油価格の下落は資源に恵まれない日本にとって神風ではありませんか。
 危機はいつもチャンスと背中合わせです。

 今年もどうぞよろしくお願いいたします。

(自民党衆議院議員)

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