メロディックでキュンキュンする楽曲で、その名を知らしめた、back number(バックナンバー)がベストアルバムをリリース。彼らの名前をぐんと広めた『ヒロイン』(2015年のJR東日本「JR SKISKI」CMソング、CMには広瀬すずが出演)を始め『SISTER』『手紙』、最新シングル『ハッピーエンド』などCD2枚で全32曲を収録している。また、それぞれのCDには、ボーカルの清水依与吏によるセルフライナーノーツも付いている。
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記憶に残るアルバム『SMAP 25 YEARS』SMAP
国民的グループのSMAPが12月31日に解散の日を迎える。2016年初頭から周辺どころか日本全国、いや一部の世界までザワザワさせたSMAPがそのラストデイを迎えるわけだ。その日を前に、リリースされたのが本作だ。常にファンを思い活動してきた彼ら。ベスト盤は、ファンからリクエストを募って収録曲を決めるというもので、とてもSMAPらしいアプローチの作品だ。アルバムは3枚組で、デビューシングル『Can’t Stop!! -LOVING-』から、『BEST FRIEND』『$10』『青いイナズマ』『オリジナル スマイル』『らいおんハート』『世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)』といった彼らの代名詞的な楽曲はもちろん、SMAPの良さを知り尽くしたファンだからこそのリコメンドと思われる楽曲も収録されている。シングル曲にしか触れたことがない人には、新しい発見があるかもしれない。また、SMAPの楽曲はもれなく優れた作家たちが手掛けた珠玉のポップソングだったり、挑戦的なサウンドもあった。そのことからも本作は、SMAPの軌跡を振り返るとともに、SMAPが楽曲を通じてやってきたこと、切り開いてきたことにも改めて気づかされる作品のようにも思われる。SMAPを聞き直したいと考えている人にもおすすめの作品だ。加えてこの28日にはブルーレイとDVDで『Clip! Smap! コンプリートシングルズ』もリリースされる。
せめてもの救いは当日券は毎回出ること「NODA・MAP第21回公演『足跡姫』〜時代錯誤冬幽霊(ときあやまってふゆのゆうれい)〜」
1年ぶりのNODA・MAPの新作公演。今回は江戸時代を舞台に、「肉体を使う芸術、残ることのない形態の芸術」について描く。
これは野田秀樹にとって盟友ともいうべく十八代目中村勘三郎へのオマージュとなる作品。
勘三郎は2012年12月に57歳の若さでこの世を去った。野田は、その葬式の弔辞で坂東三津五郎が語った「肉体の芸術ってつらいね、死んだら何も残らないんだものな」という言葉が脳裏から離れず、いつかそんな話を書いてみたいと思っていたという。
キャストも宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太という最近のNODA・MAPでは主役級の働きを見せる3人を一挙に投入。そして佐藤隆太、鈴木杏というNODA・MAP初出演の2人、実力派の池谷のぶえ、歌舞伎界からは、野田版歌舞伎で、勘三郎、野田との創作を共にしたことのある中村扇雀と“勘三郎へのオマージュ”というテーマを全うするにふさわしい強力な布陣となった。
例のごとく物語が進むうちに、いろいろと気づかされることになるのだろうが、『足跡姫』というタイトルもそうだし、時代錯誤? 幽霊?と今回はいつも以上に想像力を刺激される言葉が並んでいる。
【日時】2017年1月18日(水)?3月12日(日)(開演は火木金19時、水土14時/19時、日14時。月曜と2月14日休演。※1月18日(水)は19時開演のみ。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前より発売開始)【会場】東京芸術劇場 プレイハウス(池袋)【料金】S席9800円、A席7800円、サイドシート5500円、特設シート(1階席に設置したハイチェア)9000円/高校生割引1000円(事前申込制、要学生証)【問い合わせ】NODA・MAP(TEL:03-6802-6681 [HP] http://www.nodamap.com/ashiatohime/ )【作・演出】野田秀樹【出演】宮沢りえ、妻夫木聡、古田新太、佐藤隆太、鈴木杏、池谷のぶえ、中村扇雀、野田秀樹
この小説を映画化?無理無理!リアルすぎるし面白すぎる!!『クランクイン』
広告代理店に勤める優秀でも、無能でもないごくごく平凡なサラリーマン根本が、社運を賭けた一大プロジェクトの担当に任命。それはベストセラー小説を映画化するというもので、映画好きな根本には夢のような仕事だった。
しかし、業界とはいってもまったく畑違いの映画製作という仕事。まずは、原作者でもあるベストセラー作家に、映画化の許可をもらうところから大苦戦。その後も、製作費集め、キャスティング、カメラマンの怪我など問題が続出。しかも、根本自身も死に別れたはずの母親に関して、それまで知らされていなかった事実が明らかになり、仕事、プライベートともに寝る暇もない忙しさ。果たしてそれぞれの問題を無事にクリアし、映画を完成することができるのか? そして亡き母の秘密は明らかになるのか?
さらに、忙しさのあまりギクシャクしてしまった恋人との関係は? 平凡な日常が、急転直下怒涛の日々に変わったサラリーマンの奮闘記。著者は食品偽装の問題を扱った小説『震える牛』の相場英雄。WOWOWで連続ドラマにもなり、世間を震撼させたシリアスな社会派サスペンスから一転、映画作りの舞台裏を、笑いと涙で描いたドタバタコメディーだ。根本の悲喜劇も見ものだが、普段は知ることのできない映画製作の苦労が非常に分かりやすく描かれているので、映画好きにも楽しい第一級の痛快エンターテインメントとなっている。それにしても、さんざん苦労した映画製作に、あんなどんでん返しが待ち受けているとは…。最後の最後までスリルある展開がお見事!
クリスマス気分を盛り上げたい!「Glass Harp Christmas 〜クリスマスの魔法☆クリスタル・サウンド〜」大橋エリ
グラスの縁を指でこすって音を出す、グラスハープのクリスマスアルバム。クリスタルのように透明でキラキラした音色で知られるグラスハープの音色が、幻想的で厳かなクリスマスを演出する。グラスハープを演奏するのは、グラスハーピストの大橋エリ。クラシックからポップスまで幅広いレパートリーを持つ彼女が、伝統的なクリスマスソングからウキウキ気分なポップナンバーまでを演奏している。収録曲は16曲で『ジングル・ベル』『きよしこの夜』といった定番、『主よ、人の望みの喜びよ』のような讃美歌、『merry Christmas Mr.Lawrence』『Happy Xmas(War Is Over)』などたっぷり。
クリスマス気分を盛り上げたい!「クリスマス☆トイ・マジック・オーケストラ 〜おもちゃサウンドでHappy X’mas!〜」トイ・マジック・オーケストラ
絵本のなかのクリスマスシーンに飛び込んだような気分にさせてくれるアルバムだ。トイ・マジック・オーストラは、トイ・ピアノ、オカリナ、リコーダー、鍵盤ハーモニカにパーカッションといった楽器を使って、ポップでかわいらしく、大人にはちょっと懐かしい音楽で楽しませてくれるトリオ。収録されているのは、『もろびとこぞりて』、『ジングルベル』『ジングルベル・ロック』『ママがサンタにキッスした』『きよしこの夜』など誰もが知るクリスマスソングのオンパレード。『あわてんぼうのサンタクロース』『赤花のトナカイ』『雪だるまつくろう』では歌声も聞ける。
クリスマス気分を盛り上げたい!「クリスマス&チル 」アリアナ・グランデ
キュートさにクールさが加わって、より魅力的なアーティスト、女性として成長中のアリアナ・グランデ。楽曲を通じて気分をアゲてくれるアリアナだが、それはクリスマス時期でも一緒だ。本作は昨年配信のみで発表されたものを、日本独自企画でCD化したもの。とかくパーティーとリンクされがちなクリスマスだが、ゆったりと落ち着いて過ごすのもクリスマス。“チル”=まったりすると歌っているだけに、しっとりとしたメロディーとアリアナの歌声に癒される。配信でも手に入る作品だが作品として持っておきたい人、ボーナストラックを聞きたいファンもマストチェック。
クリスマス気分を盛り上げたい!「ペンタトニックス・クリスマス」ペンタトニックス
アメリカ出身の奇跡の男女混成のアカペラグループが、ハーモニーとグルーヴで、今年もクリスマス気分を盛り上げる。彼らの最新クリスマスアルバムとなる本作は、讃美歌『神の御子は今宵しも』を皮切りに、クリスマスキャロルの『神が喜びを下さるように(ほしかげさやけき)』、永遠のクリスマススタンダード『ホワイト・クリスマス feat.マンハッタン・トランスファー』、カニエ・ウェストの『コールデスト・ウィンター』など、新旧だけでなく、ジャンルもバラエティーに富んだ楽曲を収録して、ペンタトニックスらしい作品に仕上げている。前回のクリスマスアルバムはダブルプラチナになる大ヒット作になっているだけに、嫌でも期待が高まる。今作ではカバーに加えて、2曲のオリジナルナンバーを収めている。ゲヴィンとスコットの『ザ・クリスマス・シング・アロング』、カースティンとスコットの『グッド・トゥ・ビー・バッド』。自らを知り尽くして書かれていてペンタトニックスを堪能できる楽曲だ。
クリスマス気分を盛り上げたい!「Christmas Songs」May J.
May J.が歌うクリスマスソング集。ディズニー楽曲との相性はバッチリの彼女だが、クリスマスにもパーフェクトにフィット。温かい歌声とメロディーで包み込むアルバムだ。収録曲は『サンタが町にやってくる』『Silent Night』、マライア・キャリーの『 All I Want For Christmas Is You』まで、新旧、ジャンルを問わず、クリスマススタンダードナンバーを歌いこなしている。自身のキャリアのターニングポイントとなった楽曲『Let It Go?ありのままで?』も収録している。メドレーを含めてクリスマス気分を味わえるのはもちろん、シンガー、May J.を堪能できるアルバムだ。
ぐうの音も出ない、名盤確実「ソルファ」ASIAN KUNG-FU GENERATION
バンド結成20周年を迎えてさらに精力的に活動を展開しているアジカンこと、ASIAN KUNG-FU GENERARION。最新作は自身の代表作であり名盤とも言われるセカンドアルバム『ソルファ』(2004)を新しいアプローチで再レコーディングした面白い作品。このアルバムには『サイレン』『ループ&ループ』『リライト』と、彼らにとって名刺代わりとも言える楽曲が収録されている。彼らの作品を愛する人たちが聞き比べて楽しむだけでなく、耳に入ってきた彼らの作品を聞く程度という人にもお勧めしたいアルバム。本作のリリースに合わせオリジナルがプライスオフで発売中。
[J-POP ALBUM]キューンミュージック 11月30日(水)発売 初回生産限定盤(CD+DVD)3700円 通常盤2913円(ともに税別)
ぐうの音も出ない、名盤確実「ヒアー」アリシア・キーズ
『ノー・ワン』『イフ・アイ・エイント・ガット・ユー』など数々の名曲を世に送り出している米アーティスト、アリシア・キーズの最新作。テーマは原点回帰、故郷のニューヨークへのトリビュートでもあるという本作からは、これまでの優等生的なイメージから解き放たれた自由なアリシアを感じられる。アリシア自身が自分自身に正直になる、彼女のキャリアにおいても後にターニングポイントとされる作品になるだろう。アリシア、スウィズ・ビーツらからなる制作チームのイルミナリーズに加えて、ファレル・ウィリアムスら参加アーティストも豪華だ。
[URBAN ALBUM]ソニーミュージックジャパンインターナショナル 11月30日(水)発売 2200円(税別)