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カルチャー | TOKYO HEADLINE - Part 116
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「TOmagazine」墨田区特集号/大相撲の横綱・白鵬

2015.01.22 Vol.634

 「東京23区のローカルカルチャー」にスポットを当て、毎号1区ずつを特集していくユニークなコンセプトが注目を集めるカルチャー誌「TOmagazine」。その最新号は、墨田区特集だ。一般に「下町」「スカイツリー」のイメージが先行する墨田区だが、知られざるダンスカルチャーや国際色豊かな文化、世界に誇るモノづくりの拠点でもある同区を総力特集。表紙/巻頭は雑誌への登場自体が異例という大相撲の横綱・白鵬。地元の顔として、相撲の町・両国に初めて来た時のことや錦糸町の思い出、そして未来への夢などを語っている。

強権上司・剛腕クライアントに苦しめられている人、必読

2015.01.10 Vol.634

 人気クイズ番組のプロデューサー神田達也。彼は民放テレビ局員ながらも芽が出ず、40歳過ぎて崖っぷちに立たされていた時に、「クイズ!ミステリースパイ」でヒットを飛ばし、名プロデューサーの仲間入りを果たした。売れっ子となり、公私ともに多忙を極めていたある日、帰宅をすると自宅リビングの壁に高校生の息子・和也が磔にされ、その側らに玉虫色のスカーフを巻いた謎の男が立っていた。そして、和也を人質に「The Name」というゲームをしようと挑んできた。謎の男は神田がもらったという名刺を6枚取り出し、5人の男女を招き入れ、持ち主に名刺を返すように指示。しかし、一度でも間違えば、和也の首に取り付けた爆弾のスイッチを押すと言う。しかも質問は1枚の名刺につき1回だけ。男が出してきた6枚の名刺に書かれた肩書きは、弁当屋経営、クイズ作家、制作会社ディレクター、タレント・マネジャー、高校教師、業態不明のCEO。名刺を見ても、顔を見てもまったく誰だか思い出せない神田は無事に名刺を返して、和也を救えるのか。なぜ、この見知らぬ男が名刺ゲーム「The Name」を挑んでくるのか。このゲームの裏には何があり、その目的は一体? 

 謎だらけの中、狂気のゲームがスタート。“独裁者”を自認する敏腕テレビプロデューサーの栄光と狂気と闇を、ゲームを進める謎の男が驚愕のエンディングへと導く。人気放送作家・鈴木おさむがTV業界の裏側を赤裸々に描き、権力を得たビジネスマンたちへ警鐘を鳴らす同書は、仕事で夢を叶えようとするすべてのサラリーマンへ贈る鮮烈のエンターテインメント小説だ。

完全復活。『蘇る変態』著者:星野源

2014.12.08 Vol.632

 ミュージシャン、俳優、文筆、声優などさまざまなジャンルで活躍中の星野源の最新刊。同書は2011年から2013年まで、女性向けファッション誌『GINZA』に連載していた「銀河鉄道の夜」というエッセイに加筆、修正、新たに書き下ろしを加えたもの。連載開始の直後から著者は、アルバムもオリコンチャートをにぎわせ、主演舞台に主演映画と人気がうなぎのぼり。仕事はどんどん入り、休みもほとんどない状態の売れっ子だった。しかし2012年末、突然くも膜下出血で入院。その後一時復帰するものの脳動脈瘤再発で再び休業、再手術を経て療養生活を送る。そんな怒涛の3年間が詰まったエッセイだが、前半はあくまでのほほんと、下ネタ全開の星野源らしいといえば星野源らしい力の抜けたエッセイ集だ。しかし後半、「ありのままを書こうと思う」という書き出しで始まる「生きる」というタイトルのエッセイからは、壮絶な闘病の様子が綴られている。「生きる」には現場で倒れて救急車で運ばれ、手術室に入るまでの出来事が、緊迫感と少しの笑いを持って描かれている。しかしそのエッセイの最後の一文は「地獄はここから」。次のページの「生きる2」からは、どんなに想像力を働かせても、絶対に理解できないだろうと思うほどのまさに“地獄の苦しみ”を味わった日々が書かれている。しかし、それでも適度なエロと笑いが脱力感を誘い、悲惨ではあるが、悲痛なイメージを読むものに与えない。幸い素晴らしい医師と巡り合い、無事に変態は蘇った。死の淵から“完全復活”を遂げた著者の今後の活動が楽しみだ。

あらゆる立場の人が読んでもためになる社会人必読の書

2014.11.24 Vol.631

「終身雇用」「年功序列」「大企業=安定」という図式が崩壊した最近の就職事情。大卒の新入社員は3年で3割辞めるなど、社会情勢や働くスタンスは大きく変化している。しかし、チームのマネジメント方法は昔から変わらず、旧来のパワーマネジメントがそのまま受け継がれているのが現状で、それでは今の20代の部下・スタッフはついてこないと著者はいう。同書は、そんな最近の時流の中で実践的にあらゆるリーダーの中で育まれた「ソフトマネジメント」という手法のリーダー本。より丁寧で、より個人的で、よりそばに寄り添うマネジメント法なので、内気で陰気な人でもリーダーになれる、リーダーシップは必要のない方法だ。具体的には、旧来型のパワーマネジメントとは、「自分目線の」マネジメントで、飲み会で自分の失敗談を話し部下を励まそうとしたり、育てるためにレベルの高い仕事を振ったりするというもの。それに対しソフトマネジメントとは「部下と同じ目線に立った」マネジメントで、部下の悩みを解決しようと思わないとか、仕事は小さいことから任せていくというもの。その大前提を踏まえ、コミュニケーションの仕方、部下への正しい仕事の任せ方、モンスター部下への対処法などをわかりやすく解説している。現在リーダーとして部下やスタッフを抱えている人やリーダーになったばかりで途方にくれている人はもちろん、部下の立場の人が読んでもためになる社会人必読の書。

願いと呪いは紙一重。あらゆる女が心にかくまう、黒い魔物–

2014.11.23 Vol.631

 京都の下鴨神社の近く、住宅街の一角に人知れずひっそりとたたずむ神社。その神社には言い伝えがあった。曰く、社に自分の血を吸わせて願い事をすれば叶うと。兄のように慕っていた先輩が、自分の大嫌いな女と結婚してしまった女。おまけに子どもまで授かったと聞いた女は、何を願ったのか(「安産祈願」)。裕福な暮らしをしている専業主婦の女の願いはただひとつ。息子が受験に成功すること。それで女の人生は完璧になるはずだった(「学業成就」)。仕事にやりがいを感じているアラフォーの女。妻子ある男性に心ときめかせているだけで十分幸せだったのに、その男が本性をあらわしてきて(「商売繁盛」)。植物状態になった父親を献身的に看護する女。周りからは自分を犠牲にして偉いと褒められ、家族からも感謝されている。そんな女の心に蠢く真実とは(「不老長寿」)。高校時代からずっと片思いをしていた相手と、2人だけ同じ大学に進学した女。同郷ということもあり、その距離は徐々に近づき、初恋の相手と結ばれた女は幸せの絶頂だった…はずだが(「縁結び祈願」)。優しい夫、素直で真面目な息子を持つ女。絵に描いたような幸せな家族に段々ほころびが。女は願う。仲のいい家族に戻れたら、それだけでいいと(「家内安全」)。6つの短編からなる同書。それぞれ満たされた人生だったはずなのに、ほんのちょっと欲張っただけで、坂道を転がり落ちるように、不幸になっていく。しかしその神社により彼女たちの願いは意外な形で叶えられる。

恋愛成就!悪霊退散? 彼の正体は貧乏神!?

2014.11.08 Vol.630

 2012年『おしかくさま』で第49回文藝賞を受賞した谷川直子の受賞第一作。主人公のエリカは、モデルのオーディションを受けていて、まったく働かないシュウくんに貢ぎ続け、借金まみれ。ついに、返済のメドがたたず、借金取りから逃げるように、地元の幼なじみさえちゃんの家に転がり込む。しかしそこでもさえちゃんに借金をしてまで、シュウくんのために金策に走り回るエリカ。そんな彼女はある日、全身黒づくめの女に、あなたの彼は貧乏神だと告げられる。その女は、BHK、すなわち貧乏神被害者の会だと名乗り、エリカに“貧乏を断つため”の会、段貧サロンに参加することをすすめる。シュウくんを信じたいエリカは、拒否するが、さえちゃんに付き添われ、取り敢えずサロンに行ってみることに。そこには、かつて貧乏神依存症で現在、断貧真っ最中の女たちがいて、過去の彼氏がどんな男だったか、またどうやって断貧をしたかについて、語り合っていた。彼女たちもイケメン、スタイル抜群、でも働かない男と付き合っていて、彼らはみな貧乏神だったという。シュウくんは貧乏神じゃないと信じたいエリカだが、サロンに参加するうちに、段々と疑惑が広がっていき…。シュウくんは貧乏神なのか!? そして、エリカはその愛を貫くことができるのか? 愛と金、究極の選択に女の気持ちが揺れ動く。

恋愛成就!悪霊退散? 彼の正体は貧乏神!?

2014.11.07 Vol.630

 2012年『おしかくさま』で第49回文藝賞を受賞した谷川直子の受賞第一作。主人公のエリカは、モデルのオーディションを受けていて、まったく働かないシュウくんに貢ぎ続け、借金まみれ。ついに、返済のメドがたたず、借金取りから逃げるように、地元の幼なじみさえちゃんの家に転がり込む。しかしそこでもさえちゃんに借金をしてまで、シュウくんのために金策に走り回るエリカ。そんな彼女はある日、全身黒づくめの女に、あなたの彼は貧乏神だと告げられる。その女は、BHK、すなわち貧乏神被害者の会だと名乗り、エリカに“貧乏を断つため”の会、段貧サロンに参加することをすすめる。シュウくんを信じたいエリカは、拒否するが、さえちゃんに付き添われ、取り敢えずサロンに行ってみることに。そこには、かつて貧乏神依存症で現在、断貧真っ最中の女たちがいて、過去の彼氏がどんな男だったか、またどうやって断貧をしたかについて、語り合っていた。彼女たちもイケメン、スタイル抜群、でも働かない男と付き合っていて、彼らはみな貧乏神だったという。シュウくんは貧乏神じゃないと信じたいエリカだが、サロンに参加するうちに、段々と疑惑が広がっていき…。シュウくんは貧乏神なのか!? そして、エリカはその愛を貫くことができるのか? 愛と金、究極の選択に女の気持ちが揺れ動く。

ミステリー界激震! 国民的名探偵が迎える衝撃のラスト

2014.10.26 Vol.629

 テレビドラマでも人気の浅見光彦が、ついに最後の事件に挑む。構想6年、シリーズ最大の力作とあり、事件は戦前から現代、また舞台も東京、軽井沢、丹波篠山、神戸からヨーロッパまでワールドワイドに展開。謎の連鎖が光彦を、事件の真相に誘う。始まりは浅見家に届いた一通の手紙。それは本人が知らない間に企画された光彦の34歳のサプライズパーティーの案内状だった。発起人の一人、本沢千恵子はドイツ人ヴァイオリニスト、アリシア・ラインバッハと浅見家を訪れ、丹波篠山で行われる音楽イベントに2人が出演する際に、ボディーガードを頼みたいという。アリシアはドイツにいる祖母に、丹波篠山で「インヴェ」という男が持っているという楽譜を受け取ってくるように言われていた。

 しかし、そこに待ち受けていたのは殺人事件で、光彦は容疑者の疑いをかけられてしまう。そしてアリシアの頼みでドイツへと赴いた光彦は、丹波篠山の事件と、70年前に企てられた陰謀に繋がりがあるのではと直感する。綿密に組み立てられ、何十年もの間沈黙していた歴史の暗部が今暴かれる?! この事件を機に、探偵を辞め、人生を見つめ直す光彦。正義と大義の狭間で戸惑う名探偵・浅見光彦がたどり着いた究極の決断とは。

聖職者か、それとも稀代の犯罪者か–読後感強烈ミステリー!!

2014.10.13 Vol.628

 第34回横溝正史ミステリ大賞受賞作。選考委員の満場一致で受賞が決まったという同書の著者は、元お笑い芸人ということで、深刻な事件を語る文章の中に、思わずクスッと笑ってしまうユーモアがある。オープニングはお葬式の場面。68歳で突然亡くなった坪井誠造は、教育者としてその人生のすべてを捧げた人物。生徒や同僚の先生ばかりか、近所の人や退職後、経営していたアパートの店子にまで“神様のような人”と慕われていた。それを象徴するように、葬儀には大勢の弔問客が訪れ、故人の死を心の底から悼んでいた。葬儀には喪主である娘の晴美、坪井と喧嘩ばかりしていた次女の友美、後輩教師で教育方針をめぐって対立していたものの内心では坪井を慕っていた根岸、元教え子の斉木、不登校の過去を持つ元教え子の茉希、近所に住む広子、アパートの住人でお笑い芸人の寺島らが参列。それぞれが坪井との思い出を懐かしみながら、涙を流している。しかし、寺島のあるつぶやきがきっかけで、お互いが話を始めると、話は段々妙な方向へ転がっていく。針の穴ほどの疑問が、皆の告白で拡大していき、坪井の隠された犯罪の数々が暴かれ…。神様みたいな坪井の恐ろしい「裏の顔」とは!? 参列者の告白がつながっていくハラハラ感と、笑いと謎がほどよく散りばめられたテンポよく読める文章が、一気にラストまで読ませる新感覚ミステリーだ。その驚愕のラストには、想像もつかない結末が!

まったく普通の3人が叶えた夢とは……

2014.09.27 Vol.627

 赤面症の営業職サラリーマンがベストセラー作家に、ほぼプータローが100億円企業の創業者に、そして出版社に勤めるペーペー社員がサーフィンざんまいのネット界の敏腕プロデューサーになるまでのサクセスストーリー。といっても、ただの成功談とも自己啓発本ともビジネス指南書ともまた違う、おとぎ話のような本。いきなり大成功をおさめたことがおとぎ話ではなく、“世界一ふざけた”というころがポイントだ。書いていることはとてもシンプル。「仲間を作る」「夢をノートに書き、お互い励まし合う」「ポジティブな思考を持つ」など、そんなことで果たして成功するのかということ。でも実際に3人が出会い、励ましあい、共鳴し、2人はわずか1年で、もう1人も3年で最初に立てた目標を楽々クリアし、現在に至っている。もちろん、何もせず夢だけ語っていたわけではない。本の中には失敗も挫折も出てくる。しかし、同書は全体を通して “ワクワク”“ハッピー”“イケイケ”な空気感を醸し出しているため、悲壮感がないのだ。成功してからも彼らは、毎日の生活の中に幸せを見つけ、世界一カッコイイ大人になるべく、仲間とワクワクすることを追いかけている。「お前ならできる!」「オレ(わたし)ならできる」。この魔法の言葉の力を信じて、無名の3人が出会って始めた、世界一カンタンで、世界一楽しく、世界一ふざけた方法とは…。

街は、女たちが彩ってきた。男は、女たちが知っている。

2014.09.14 Vol.626

 写真週刊誌フライデーの専属カメラマンを経てフリーライターとして活躍する著者が、10年以上にわたり、日本国内外の売春街と娼婦たちを取材してきた渾身のルポ。プロローグで著者は語る。「娼婦は、常に日陰に生きている。その存在から漂ってくる危うさ故に、私は彼女たちを知りたくなってしまう。旅を続けていくうちに、売春の歴史も辿ることで、日本という国を普段とは違った角度から見られるのではないかと思った」。その言葉通り、日本の各地に色街はあり、決して表の歴史には残らない裏の歴史がそこにはある。例えば、横浜黄金町。今ではアートイベントを開催するなどおしゃれな街へと変貌しているが、以前は「ちょんの間」と呼ばれる売春施設が路地という路地にあった。そこで生きてきた娼婦たちの人生を知ることは、日本という国の別の顔を見せてくれる。また、著者は巨額の金を日本人から貢がせてその名を轟かせたチリ人のアニータへも会いに行っている。そもそもじゃぱゆきさんとして日本に来た彼女は、母国では成功した女、アメリカンドリームならぬジャパニーズドリームの体現者として、憧れの存在だという。彼女の目には日本がどう映っていたのか。売春の根底にあるのはかつて貧困だった。しかし、秋葉原でサラリーマンに簡単に声をかけたり、インターネットで気軽に援助交際を求めたりする女子高生など、売春が日常の中に溶け込むようになった。娼婦はこれからも姿を変え存在し続けるのかも知れない。

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